ガンダムビルドダイバーズ~最上の星~   作:ケンヤ

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ダイバー連合VSBD同盟Ⅱ

 

 

 ダイバー連合とBD同盟の間で起きた大規模なバトルは波乱の幕開けだった。

 当初はBD同盟が100機程度の数に対してダイバー同盟の総数は300機とダイバー同盟の方が数では有利だった。

 しかし、バトル開始早々BD同盟のガンプラは1000機近くあり、ダイバー同盟の第一陣を壊滅させた。

 

「事前予想の10倍の戦力を良く確保できたな」

 

 諒真がモニターを見ながらつぶやく。

 複数のモニターにはこの1戦の様子が映されている。

 

「ここまで集めるのは結構骨が折れたからね」

 

 リヴィエールがモニターに映る情報を解析しながらそう答える。

 

「何かいろいろとやったけど、これの事だったのか?」

「まぁね。今までの情報では数機がブレイクデカールを使った時のデータはあったけど、これだけの規模でブレイクデカールを使ったデータが欲しかったからサブ垢使って頑張ったわよ」

 

 現在のブレイクデカールに関するデータではこれだけの規模のバトルで多数のブレイクデカールが同時に使用された時のデータはない。

 そのデータを集めるためにリヴィエールはサブアカウントである「R」を使ってブレイクデカールを広めた。

 それでも足りない数は今日の日のためだけに人を雇って頭数を揃えた。

 

「でもこのままじゃダイバー同盟の全滅も時間の問題よね」

「まぁね。ダイバー同盟も案外ふがいないわ」

 

 圧倒的な数の差でダイバー同盟は総崩れになりつつある。

 今は第二陣が何とか持ちこたえているが、壊滅も時間の問題だ。

 そうなればまともにデータを集める前に勝負がついてしまう。

 

「仕方がないわ。大我を出させるけど良い?」

 

 リヴィエールは諒真の判断を仰ぐ。

 今回のバトルにタイガ団が不参加なのは大我たちが出るとBD同盟がまともにブレイクデカールを使いデータを得る前に終わってしまう事を危惧してのことだ。

 それでも想定外の事態に備え、大我にはGBNにログインしていつでも出られるように待機させている。

 

「そうだな……」

 

 諒真も現在の状況を踏まえてどうすべきが考えるが、やがて人の悪そうな笑みを浮かべる。

 

「いや、大我を出すのはまだ早い。ダイバー同盟にはまだレギオンのリュウオウがいるからな。ここでアイツらのデータも取っておきたい」

 

 戦況はBD同盟に傾いているが、ダイバー連合の第三陣にはリュウオウ率いるレギオンの本隊がいる。

 リュウオウ達であれば、この戦況を変えるだけの力は持っている。

 諒真としてはリュウオウに関するデータも集めておきたいところだった。

 

 

 

 

 

 第一陣が壊滅し、第二陣のガンプラも次々と母艦から出撃し戦闘が開始されている。

 

「マスダイバーが!」

 

 ガンダムF90がビームライフルを撃つ、G3ガンダムが回避するとハイパーバズーカを撃つ。

 バズーカの弾丸はブレイクデカールの効果でガンダムF90を追尾し、かわし切れずに直撃し破壊される。

 

「こんな奴らに!」

 

 フォビドゥンがビームを湾曲させてマスターガンダムを狙うが、マスターガンダムが手の平をかざすと、ビームは更に湾曲してフォビドゥンを貫く。

 

「ザコが!」

 

 サザビーがファンネルを射出するとファンネルの数が増えてダイバー連合のナスカ級を全方位から撃ちぬき鎮める。

 第一陣程ではないが、数の差に加えブレイクデカールを使い様々な力を使うガンプラに圧倒されている。

 

「ぶっ潰れろ!」

 

 AGE-1タイタスがブレイクデカールで腕部を巨大化させて殴り掛かるが、巨大化した腕部が切り裂かれた。

 そして、刃がAGE-1タイタスの胴体を切り裂き破壊する。

 

「ここまで浮足立つなんてね」

 

 AGE-1タイタスを仕留めたのはユウリのアーマードストライクだった。

 ユウリ自身はダイバー連合の思想はどうでも良かったが、以前から何度もブレイクデカールを使うダイバーに喧嘩を売られる事もあり、今回のバトルにも参加した。

 今回は乱戦も予測されることもあり、接近戦用の外装であるセイバーアーマードストライカーを装備してきた。

 セイバーアーマードストライカーはスサノオをモデルとして、2本の刀状のGNソードを持ち、胸部と両肩にはトライパニッシャー用の装甲と腕部にはガントレットが追加されている。

 腰にはGNドライヴを内蔵したサイドバインダーが追加されている。

 

「この戦いはダイバー連合の負けね」

 

 ユウリは戦いながらも状況を判断する。

 数の差もあり、ブレイクデカールで強化したガンプラをこの状況では覆す事は出来ない。

 

「まぁ私には関係のない事だけど」

 

 アーマードストライクはGNソードでマスターガンダムを切り裂く。

 サザビーのファンネルをバルカンで落としながらGNソードで切り裂くと、ビームがサザビーとG3ガンダムを撃ちぬく。

 

「三軍からの増援?」

 

 更に高出力のビームがDB同盟のガンプラを薙ぎ払う。

 そして、バード形態のビルドナラティブが到着するとMS形態に変形しバスターライフルを撃つ。

 

「このストライク……ユウリ?」

「ウイングもどき……ユートね」

 

 アーマードストライクはGNソードでウイングガンダムゼロを切り裂き、ビルドナラティブはバスターライフルを撃つ。

 

「何でこんなところに?」

「別に良いでしょ」

 

 ビルドナラティブはバスターライフルの残弾を使い切ったところでウイングアーマーをパージするとインパルスアーマーに換装する。

 

「今は押し返す方が先よ」

「分かってる」

 

 ビルドナラティブはオルトロスを前方に向けると、グフイグナイテットとメッサーを2機同時に撃ちぬく。

 ユートが到着してから少しすると他のトライダイバーズのガンプラも到着する。

 

「聞いてはいたけど、凄い数だな。こりゃ全滅も時間の問題じゃないか?」

「誘っておいてなんだけど、そうなる前に退散しない?」

 

 ユート達も敵の数が予想以上で予定よりも早く出撃することになったという事は出撃の時に聞いているが、流石にここまでの数だとは聞いていない。

 

「逃げたい気持ちは分かるけど、どうする? ユート」

「やろう。逃げても得る物はなくても、負けても失う物もないからな。どうせないなら戦えば少なからず経験は得られるし」

「ですよねー」

 

 ファントムレディもこういう時のユートの考えが分かってきた。

 勝ち目がないからと逃げたところでユート達は何も得る物はない。

 負けても失う物は撃墜ペナルティくらいでいくらでも補填は出来る。

 ここで戦う事は大規模戦闘での経験を得る事が出来るため、逃げるよりも戦って散った方がメリットとしてはある。

 

「そうですね。やれるだけはやりましょう」

「まぁそうね。逃げるよりかはマシよ」

 

 他のメンバーもこの状況で戦う事に異論はないようだ。

 流石にこのバトルに誘った手前、これ以上逃げる事も進める事も出来ず、ファントムレディも納得するしかなった。

 

 

 

 

 第三陣の中核を担っているのはレギオンの旗艦でもあるファ・レギオンだ。

 ヴェイガンのファ・ボーゼをベースにギガンテスの盾とディグマゼノン砲を小型化して装備した母艦だ。

 

「戦況は余りよくないようだね」

「第一陣が敵の奇襲により壊滅させられています」

「まったく……敵の奇襲すら見破れないとは情けない」

 

 ブリッジではリュウオウが前線での戦いを見ている。

 それをダントンが冷静に状況を把握し、シンディはただ第一陣の醜態を侮蔑している。

 

「仕方がないね。僕も出よう。ダントンとシンディもついてきて」

「了解しました」

「はっ!」

 

 リュウオウは指揮を部下に任せると格納庫に向かう。

 格納庫では搭載しているガンプラが順次出撃している。

 そこにリュウオウ達のガンプラも収容されている。

 リュウオウのガンプラはガンダムレギルスをベースにしたガンダムレギルス・マーズレクスだ。

 レギルスの両腕をバルバトス・ルプスレクスの物に変更し、肩と腰にはレギルスシールドを流用したビットの射出機構を持った装甲が取り付けられている。

 手持ちの武器にはギラーガスピアをベースにしたレギルスピアに腰のビームキャノンは取り外されており、代わりにルプスレクスのテイルブレードをベースにしたレギルステイルが装備されている。

 そして、火星を象徴する赤で塗装されている。

 その横にはシンディのガンプラ、ヴィオレファルシアが置かれている。

 フォーンファルシアをベースに背中のビットを収容するコンテナを取り外し、ギラーガのバックパックが取り付けられている。

 バックパックと膝にはビットの射出口が取り付けられている。

 掌にはヴェイガン系特有のビームバルカンは廃止されており、変わりにドラドの3連ビームバルカンの内臓された小型シールドをビームバルカンにビームサーベルの機能を追加させたものがついている。

 腰には接近戦用の武器であるファルシアブレードが装備され、尾のように長距離砲撃用のビームランチャーを持ち、どの距離でも安定した戦闘能力を持つ。

 ヴィオレファルシアの反対にはダントンのガンプラであるリーベン・レオーネ。

 リーベン・ヴォルフをベースにしたガンプラで、腕にはそれぞれバンシィのアームドアーマーアーマーSBとVNが装備され、バックパックはドーベン・ウルフの物に変更されている。

 頭部にはブレードアンテナが追加され、右手にはビームショットライフルを持っている。

 肩の装甲は大型化され、裏には大型のビームアックスが取り付けられている。

 

「さて行こうか」

 

 ファ・ボーゼから3機は出撃する。

 

「ダントン」

「了解」

 

 ダントンのリーベン・レオーナが前に出るとバックパックのバインダーを前方に向ける。

 バインダーのビームキャノンとミサイルを一斉掃射する。

 そこにヴィオレファルシアが足を止めてビームランチャーを構えてビームを撃つ。

 2機の砲撃で前方でいくつもの撃墜の光が発生するとガンダムレギルス・マーズレクスが加速する。

 

「何だあのレギルス?」

「見たことがあるぞ、レギオンのリュウオウのガンプラだ」

「怯むな! こっちにはブレイクデカールと数の差があるんだ!」

 

 BD同盟のフルアーマーガンダム(TB版)はレギルス・マーズレクスにビームとミサイルを撃つが、それを易々とかわして距離を詰める。

 

「馬鹿な!」

 

 レギルスピアから鎌状のビームを展開するサイスモードにしてフルアーマーガンダム(TB版)のシールドを2枚同時に切り裂き、胸部のビームバスターを至近距離から撃ち込み破壊する。

 

「まだだ!」

 

 ブレイクデカールで残像を出しながらクランシェとバリエントが高速で移動しながらレギルス・マーズレクスを挟み撃ちにしようとする。

 

「愚かだね。そんな不正ツールを使うなんてね」

 

 レギルス・マーズレクスの肩と腰の装甲から胞子ビットが展開される。

 胞子ビットはクランシェとバリエントを全方位から囲み破壊する。

 

「相手は一機なんだ囲め! 囲んでしまえば……うあぁ!」

 

 ガンダムサンドロック改は後方からのヴィオレファルシアのビームランチャーで上半身が吹き飛ぶ。

 

「いくら数で来ようとも」

 

 レギルス・マーズレクスは集中砲火をもろともしないで掻い潜り腕部の200ミリ砲でレックスノーを仕留め、レギルスピアの先端から楔状のビームをガンダムAGE-3 オービタルに撃つ。

 楔状のビームはAGE-3 オービタルを追尾して仕留める。

 

「不正ツールに頼る君たちには負けないよ」

 

 射出されたレギルステイルがシナンジュを貫く。

 

「こうなったら……俺が取り押さえる!」

 

 大型バックパックを身に纏うガンダムダンタリオンがレギルス・マーズレクスを押さえつけようとするが、レギルス・マーズレクスはレギルスピアの先端から巨大なビームを展開する超大型ビームメイスモードでダンタリオンを返り討ちにする。

 

「貰った!」

「甘いよ」

 

 シャイニングガンダムとゲルググJがレギルス・マーズレクスに接近していた。

 2機の攻撃をレギルス・マーズレクスは腕部のサブアームの先端に内臓されているビームサーベルで受け止めると、そのまま2機を弾き飛ばし、シャイニングガンダムの胴体にレクスネイルをぶち込み仕留め、ゲルググJにシャイニングガンダムを投げつけてビームバスターで撃破する。

 

 

 

 

 

 

 第三軍からの増援で第二軍の壊滅は回避できたが、それでも数の差までは覆すには至らない。

 ビルドナラティブはリゼルのビームライフルをシールドで防ぎ、ビームライフルで返り討ちにする。

 

「数が多すぎる!」

「それに1機1機の性能もブレイクデカールで強化されてるから……」

 

 ソラのエアブラスターは両手のビームライフルを連射するが、マックナイフは回避しながら両手をエアブラスターに向けるが、メテオイージスが撃ちぬく。

 グレイズアステルがレンチメイスでガンダムグシオンリベイクのハルバートを受け止めているところに後ろからザクファントムソードがバスターソードで切りかかり、体勢を崩したところをグレイズアステルがレンチメイスで何とか殴り、ザクファントムソードがバスターソードで止めを刺す。

 ガンダムヴァーチェがGNバズーカをバーストモードで撃つ。

 射線上のダイバー同盟のガンプラがビームに巻き込まれていくが、やがてビームは直角に曲がりビルドナラティブを襲う。

 

「ビームが曲がった!」

「ユート! 掴まれ!」

 

 ファイター形態となったエアブラスターにビルドナラティブは捕まり逃げようとするが、ビームは2機を狙い再び直角に曲がる。

 

「逃げきれない!」

「ヤガミ! 悪い!」

 

 ビルドナラティブはエアブラスターを蹴り飛ばしてその反動でビームの射線から何とか逃れる。

 ビームの掃射が終わるとGNフィールドを張るが、アーマードストライクがGNソードでGNフィールドを切り裂くと、懐に飛び込みもう片方のGNソードでヴァーチェを切り裂く。

 

「これがブレイクデカールの力なのか……」

 

 今までにも何度かブレイクデカールを使ったガンプラと戦った事はある。

 その戦いも決して楽ではなかったが、これだけの数の差でブレイクデカールによる強化されたガンプラがこれほどまでの脅威となるとは思わなかった。

 

「ユート! 後ろ!」

 

 一瞬気が緩んだ隙を付かれ、背後にブレイクデカールでミラージュコロイドの力を得ていたダークダガーLがビームサーベルでビルドナラティブに襲い掛かる。

 完全に反応が遅れて、やられる事を覚悟したが、ダークダガーLはビームに撃ちぬかれた。

 

「油断大敵だよ」

 

 優人の窮地を救ったのはウィルのⅡインパルスだった。

 

「ウィルさん!」

「王武でずいぶんと実力をつけたみたいだけど、これだけの規模の戦いとなれば一瞬の気の緩みは命とりになる」

「ありがとうございます。助かりました」

 

 優人は気を引き締めて、ビームライフルを撃ち、ドラッツェを撃墜する。

 

「このエリアは僕たちエルダイバーズに任せて君たちは向こうのエリアを頼む。向こうはかなり追い込まれている」

「分かりました。皆、行こう」

「私も行くわ」

 

 トライダイバーズにユウリはウィルのいうエリアへ向かう。

 そこは全方位を陽電子リフレクターで身を守り圧倒的な火力で圧倒するデストロイがいた。

 

「でけぇ……2次元のウソとかいうレベルじゃないな」

 

 デストロイは全方位を陽電子リフレクターで守られているだけではなく、大きさも一般的なガンプラの数倍はある。

 図体が大きくなればそれだけ火器のサイズも大きくなり、圧倒的な火力が優人達を襲う。

 

「どうすれば!」

「普通のデストロイなら接近すればいいけど、全方位を守られてるんじゃ……ファントムレディ」

「無理無理! このバスターソードには対ビームコーティングしてないから! それ以前にあの火力の中で突っ込むとか絶対に無理!」

 

 陽電子リフレクターの対処法の一つとして対ビームコーティングのされている武器を使う事だが、ファントムレディのザクファントムソードの持つバスターソードでは無理のようだ。

 

「とにかく火力を集中させるんだ!」

 

 各機の最大火力をデストロイに集中させるが、陽電子リフレクターを破る事は出来ない。

 そして、デストロイの火力の反撃が来る。

 

「この火力じゃ下手に近づけない。でも火力が足りない……」

 

 デストロイの火力を掻い潜り接近戦を仕掛けようにも火力と陽電子リフレクターに阻まれる。

 遠距離からの攻撃で陽電子リクレクターを破るには火力が足りない。

 

「どうするこのままじゃ……これは? 新しいアーマーか。これなら行けるかも知れない」

 

 今までの戦いの中で新しく出てきたアーマーは状況の打開に繋がってきた。

 今回も打開に繋がると信じて優人は新しいアーマーを選択する。

 ビルドナラティブのインパルスアーマーがパージされて前後にランナーが形成される。

 白いアーマーが次々と装着し、最後には背中に身丈ほどの砲身を持つサテライトキャノンがついてビルドナラティブGXアーマーとなる。

 

「このアーマーは……」

「ユート! そいつはたぶんGXことガンダムXのアーマーだ。だとすると背中のでかい奴なら陽電子リフレクターだって!」

「背中の……コイツか」

 

 ビルドナラティブはシールドバスターライフルを投げ捨てるとサテライトキャノンの発射体勢を取る。

 するとどこからかマイクロウェーブが掃射されてビルドナラティブにサテライトキャノン用のエネルギーがチャージされる。

 

「エネルギーチャージ完了! サテライトキャノン発射!」

 

 ビルドナラティブから放たれたサテライトキャノンはデストロイの陽電子リフレクターを易々と撃ち破りデストロイを飲み込む。

 そのまま射線上のガンプラをも一撃で消滅させた。

 

「……凄い。今までの武器とは段違いだ」

「まぁそいつの威力はMSの火器じゃ破格の威力だからな。それにしてもサテライトキャノンでかなり減らしたが……」

 

 サテライトキャノンは多くのDB同盟のガンプラを消滅させたが、それでもまだDB同盟のガンプラは半分以上が残っている。

 

「皆さん! 何か来ます!」

「……何これ、敵の数がどんどん」

 

 圧倒的な物量差に押し切られそうになっていたが、次々とレーダーからDB同盟のガンプラの数が減っていく。

 

「あのガンプラは……」

「何でここに……」

「まさか団長?」

 

 敵の数を減らしていたガンプラは諒真のゴーサインが出て参戦した大我のオメガバルバトス・アステールだった。

 この戦いにタイガ団は参戦する予定はなく、一同は驚いているが、そんなことはお構いなしにオメガバルバトス・アステールは敵を破壊し続ける。

 

「何でいるのかはさておき、これ以上ない援軍だな」

「だといいんだけど」

 

 ソラは大我の参戦は強力な友軍としてとらえているが、千鶴はどこか嫌な予感がしていた。

 大我が出てきたことでややこしい事になったことが一度や二度ではない。

 

「協力に感謝する!」

 

 ダイバー連合のマグアナックがオメガバルバトス・アステールに接近する。

 するとオメガバルバトス・アステールはバーストメイスカスタムでマグアナックを粉砕する。

 

「え?」

「おいおい。まさか」

 

 友軍であるはずのマグアナックを何の躊躇いもなく粉砕したオメガバルバトスだったが、シド丸のビームライフルや拡散ビーム砲を撃ち、ダイバー連合もBD同盟も関係なしに攻撃を始めた。

 

「やっぱり、彼は私たちの味方でもBD同盟の味方でもなく第三勢力としてここに来たのよ」

「マジ? 最悪じゃん!」

 

 千鶴の悪い予感は的中した。

 大我はダイバー連合の味方としてここに来たわけではなかった。

 余りの戦力差にBD同盟のガンプラがブレイクデカールをほとんど使わないので、暴れてブレイクデカールを使わせるために投入されたのであって、ダイバー同盟を助ける気は全くなく、全てのガンプラを倒す気ですらいる。

 

「何だよ……手当たり次第か!」

 

 ビルドナラティブはビームソードを抜き、オメガバルバトス・アステールに向かっていく。

 

「やめろ! 何やってるんだ!」

 

 ビームソードをバーストメイスカスタムで受け止める。

 

「何ってガンプラバトルだよ」

 

 オメガバルバトス・アステールはビルドナラティブを弾き飛ばす。

 

「このバトルはダイバー連合とBD同盟が互いの主張をぶつけ合うためのバトルなんだ。部外者が勝手に暴れていいような物じゃないんだ!」

「知るか」

 

 オメガバルバトス・アステールは拡散ビーム砲を撃つ。

 ビルドナラティブはビームソードでビームを弾きながら接近しようとする。

 だが、間に数発のビームが割込み、ビルドナラティブは距離を取らざる負えない。

 

「下がってユート!」

「クレイン!」

「貴方じゃ彼には勝てないわ!」

 

 メテオイージスがロングビームライフルでオメガバルバトス・アステールにビルドナラティブに追撃をさせないように狙撃を行う。

 オメガバルバトス・アステールはGNフィールドを展開し、強引に突撃しようとするが、オメガバルバトス・アステールを強力なビームが飲み込む。

 

「今度は!」

「……冗談だろ」

「ほんとどうなってんのよ」

 

 強力なビームは優人達が出撃してきたミネルバを沈める。

 そのビームを撃ったガンプラは先ほど倒したデストロイ以上の大きさのダナジンの改造機だ。

 ダナジンをベースに背中の羽を大型化し、両腕はビームガトリングガンに換装し、頭部にはオメガバルバトス・アステールを飲み込んだ巨大なビーム砲であるフォトンブラスターキャノンが頭部を覆うように装備されている。

 股間部に装備されているダナジンキャノンには追加の装甲が付いている。

 巨大なダナジンはすでにブレイクデカールを使っているのか禍々しい威圧感を発している。

 

「あのガンプラ。どういう事だ」

 

 フォトンブラスターキャノンの直撃を受けたオメガバルバトス・アステールだったがGNフィールドを張っていたため、無傷で済んだ。

 横やりを入れられたことよりも大我は改造されたダナジンの細部のところどころが、自分のガンプラに似ている部分がある事の方が気になった。

 

「ご名答。あのダナジンブレイカーを使ってのは私よ」

 

 モニターにリアルでバトルをモニターしているリヴィエールから通信が入る。

 大我の思った通り、改造されたダナジン、ダナジンブレイカーはリヴィエールが制作したガンプラで間違いないようだ。

 

「あのガンプラはブレイクデカールを100個同時に使い性能を極限まで向上させ、私の作ったAIで動き全てを破壊する。大我にアレを止められるかな?」

「上等だ。ぶっ潰してやるよ」

 

 リヴィエールは明らかに大我を挑発している。

 すでに大我の興味はダナジンブレイカーに向いている。

 オメガバルバトス・アステールはダナジンブレイカーの方に向かう。

 ダナジンブレイカーの全身の装甲が開閉すると全身から1000発を超えるミサイルが一斉掃射される。

 

「ちっ」

 

 大量のミサイルのほとんどがオメガバルバトス・アステールに向かっていく。

 全身の火器を使って迎撃するが、ミサイルの数は多く完全に迎撃しきれずにGNフィールドで身を守る。

 

「何なんだあのガンプラは……」

「ああ。あのガンプラもだが、あれだけのミサイルでも無傷とかリトルタイガーもやべえよ」

 

 ダナジンブレイカーの大量のミサイルだったが、オメガバルバトス・アステールにはダメージを与える事は出来ないようだ。

 

「あっ! おい! ユート!」

「アイツを助ける訳じゃないけど、あのガンプラをこれ以上野放しにすることもできない」

 

 ビルドナラティブはサテライトキャノンをダナジンブレイカーに向ける。

 再びマイクロウェーブでエネルギーをチャージしてサテライトキャノンを放つ。

 ダナジンブレイカーは翼と股間部の追加装甲からギガンテスの盾を展開してサテライトキャノンを受け止めた。

 ビームは拡散し周囲のガンプラを破壊するが、ギガンテスの盾を破ることは出来なかった。

 

「そんなこれでも……」

「ユート。ここいらが引き時だ。これ以上、あんな化け物ガンプラ同士の戦いに付き合う事も無いぞ」

 

 オメガバルバトス・アステールだけでなく、ダナジンブレイカーも常識を逸脱したガンプラだ。

 そんな2機の戦いにこれ以上参加したところでやられるだけでしかない。

 

「……ああ」

 

 優人も何もできず悔しそうに2機を見ながら離脱の決断をする。

 だが、その時、フィールドの一部に亀裂が走る。

 

「何だ……」

「何なんだよ。これ以上何が起きるってんだ」

 

 ディメンジョンの亀裂が広がり、空間が割れる。

 

「機体の制御が……」

「動けない!」

「ユート! ヤガミ!」

 

 ビルドナラティブとエアブラスターは制御が出来なくなり、割れた空間に吸い寄せられていく。

 メテオイージスとグレイズラグナが2機を助けようとするが、2機の制御も不能となる。

 

「そんな!」

「何が起きたの?」

「ああもう! さっさと逃げないって!」

 

 ザクファントムソードも制御が効かなくなり、トライダイバーズのガンプラは割れた空間に飲み込まれる。

 

「あ? 何が。おい、リヴィエール」

「た……すぐ、ロ……アウ」

 

 リヴィエールからの通信が途切れ途切れとなり、オメガバルバトス・アステールも機体の制御が出来なくなる。

 機体の制御ができない状況ではあるが、ダナジンブレイカーからの攻撃はなく向こうも空間に吸い寄せられているようだ。

 やがてオメガバルバトス・アステールとダナジンブレイカーも空間に吸い込まれた。

 

「一体……何が」

 

 唯一、ユウリのアーマードストライクは大丈夫だったようで、穴の開いた空間はやがて修復されて何事も無かったかのようになるが、トライダイバーズの5機とオメガバルバトス・足テールとダナジンブレイカーは始めからそこに何も無かったかのようにどこにもその姿はなかった。

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