ハイスクールBB -レジェンド・オブ・BraveBattleHEROs別史02-   作:龍牙

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九話目

「おーい、イッセー」

 

 orzな体制で項垂れている一誠を眺めつつ思わず頭を抱えてしまう。まあ、理由は簡単、蛍にばっさりと斬り捨てられたからである。

 

 家に戻った時に出迎えてくれた蛍だったが、一誠の事は完全に無視。その後、結構酷いレベルでの罵倒で切り捨てられて(斬り捨てられるというよりも滅多切り?)現在に至るわけである。

 

「……なあ、お前の義理の妹とコミュニケーションを上手く取る方法教えてくれよ……」

 

「黄金龍の眷属になれば一発だな」

 

「無理だろ、それ」

 

「……多分な」

 

 他にも、結晶鳳凰(クリスタルフェニックス)龍守護神(フォーミュランダー)聖神(アモン・ラー・ガンダム)の眷属でも大丈夫だろうが、一誠にはフォーミュランダーがお勧めだ。神器的に。

 

 迂闊な事をして蛍を怒らせたら確実に一誠の命はなくなるだろう。黄金龍の眷族の中で一番容赦が無いのが彼女だ。

 そんな、祐司達には『気が向いたら行く』と言っている彼女の成績は実は学年でも上位だったりする。

 

「と、取り合えず、お茶でもどうだ」

 

 蛍の容赦の無い口撃の被害を受けた一誠を気遣ってか、彼にお茶を勧めてくれるのは拠点である自宅の護衛戦力として残している竜機士(メタルファイター)の一人、レッドランダーだ。

 

 用意されたのは緑茶でお茶請けはドラ焼きだった。もう一人の同居人である小猫の為に甘い物は買い込んでいるのでその一部だろう。

 結構ごつい外見のレッドランダーがお茶を淹れてくれている姿は、慣れている祐司達には兎も角、始めてみる一誠には結構シュールな光景となっている。

 まあ、この場合は驚いている一誠の感覚が普通なだけで、祐司達の感覚の方が麻痺していると言った方が正しいのだろうが。

 

「あ、どうも、えっと……」

 

「ああ、自己紹介がまだだったな。オレは『竜機士(メタルファイター)レッドランダー』。向こうにいるのはオレの友人で、『スパークランダー』と『トルネードランダー』だ」

 

 レッドランダーの自己紹介が終った所で一誠がなんとも言えない視線を祐司へと向けてくる。

 

「ああ、その三人が家の守りを頼んでいる人達だ」

 

「人なのかよ?」

 

「人で良いだろう」

 

 そもそも、人間と言う人種が居ないガンドランダーワールドの住人達をなんと呼ぶべきかは分からない。スダ・ドアカワールド、天宮の国、コマンドワールドにはしっかりと人間は存在していたが、ガンドランダーワールドにだけは人間は存在していない。

 

 まあ、その後は結論から言えば一誠の受けた依頼は失敗と言うべきだろう。蛍からの返答は『気が向いたら』だった。まあ、落ち込んでいる一誠をレッドランダーが励ましてくれて立ち直れた様子だが。

 なお、レッドランダーのパートナーである『レッドガンドラゴン』も紹介されたり、軽く特訓して貰って攻撃技会得の切欠程度は掴めたらしい。それが技と言う形となるのはもう少し先になるだろうが。

 

 

 なお、祐司とは関係ないために省くが、その日一誠は『アーシア』と言うシスターと出会ったそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えば、ハグレ悪魔退治に行ったんだろ? どうだった?」

 

 そんな事があってから約二日後、この辺にいるハグレ悪魔をグレモリー眷属が退治したと言う話を聞いたのでどうだったのかを聞いてみる事にした祐司だった。

 被害が多く出ているハグレ悪魔で早めに祐司としても討伐したかったのだが、見つけた時にリアス達にも依頼が入っていたと言う事を聞いたので譲る事にした。それほど強い固体じゃないので、戦闘素人の一誠の見学の相手には丁度いいだろうと思っていたから敢えて手を引いたのだが。

 ……転生者の能力を完全に把握する為と言う思惑の含まれた質問でもあるが。

 

 祐司としても見学とは言え素人の一誠の初の実戦経験だ。どんな影響を与えたのかも友人とて気になるところだ。

 

 まあ、その前にも不用意にも教会に近づいてリアスに怒られたらしいが。はっきり言って、天使が祐司の家に近付く様な物だ。……要するに、殺されても文句は言えない。下手したらそれが全面対決の火種になりかねない。蛍の場合は天使が近づいたら嬉々として()るだろう。

 

 黄金龍の眷属一の天使嫌いの蛍。何気に持っている嫌悪や憎悪の感情は一番強かったりする。それが原因で何気に祐司や小猫の持っている天使への評価も低かったりするが……問題は少ないだろう。

 実際、中立と言う立場も、主に祐司の持つガンダム達の役目と力を考えると都合がいい。……現レヴィアタンのお蔭で一番所属しても良いと考えている悪魔側にも、大き過ぎる問題点が二つも有る為に友好的中立で留まっているのだし。

 付け加えるなら、完全な中立が堕天使で、敵対的中立が天使となっている。……まあ、間違っても彼らからは攻撃は仕掛けたことは無いが。騎士ガンダムとサタンガンダムが協力して堕天使側にカチコミをかけたのは、向こうが先に手を出したが故での行動でもあるし。

 

 

 

 閑話休題(それはさておき)

 

 

 

 改めて裏の事を何も知らない一誠……と言うよりも、必要な事を後で説明しているリアスに対して危機感を覚える祐司だった。流石にこれで二度目だし。

 

「ああ、それはな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は先日の夜。

 

 一誠達オカルト研究部のメンバーは町外れの廃屋の近くに来ていた。はぐれ悪魔の討伐の為だ。

 様々な理由で主の下をさって暴れまわっているのが大半のハグレ悪魔で、前にサイバーウイングゼロに跡形も無く消し飛ばされた堕天使も一誠をはぐれ悪魔と間違ったためだ。……それが原因で消し飛ばされたのなら、はっきり言って哀れだ。墓に刻む名も、吹飛ばした祐司には墓を作る意思も無い名も無き(公式(原作)にはちゃんと名前は存在してます)堕天使に合掌。

 まあ、祐司達が知る限りでは主に問題が有って逃げ出したハグレ悪魔も存在しているのを知っているが……。

 

 そんな世界に悪影響を及ぼすハグレ悪魔を悪魔側(主にレヴィアたん)からの依頼で狩っているのが祐司達の生活費の出所だったりする。だが、人界の守護をその存在理由とする黄金龍の眷属にとって、世界に悪影響を及ぼす……否、人の命を奪うハグレ悪魔は依頼がなくても、闇の化身に関係していなくても、討つべき敵である事には変わりないが。

 

 まあ、祐司にしてみれば『転生悪魔』のシステムの最大の問題点が『ハグレ悪魔』に収束されていると思う。

 

 さて、その日の一誠の初の実戦経験となる死闘見学の舞台となった廃屋に、毎晩人間をおびき寄せては食らっているらしい。行方不明者の多さやその行方不明者の目撃情報から祐司達も調べていた。

 

「イッセー、いい機会だから悪魔としての戦いを経験しなさい」

 

「マ、マジっすか!? オ、オレなんて戦力にならないと思いますけど!」

 

「そうね。それはまだ無理でしょう」

 

 肩を落としている一誠の肩をポンと叩きながら、流石に一応戦力となるために外されなかった転生者……改め裕也は

 

「イッセー、殆ど最初はそんなモンだから気にするなって」

 

 そう言って励ましの言葉を掛けている。その姿に声を掛けられた一誠だけでなく、リアスや朱乃、木場からも不審な目を向けられている。眷属やクラスメイトと言う立場から、彼の普段の男女に対する態度を良く知っているからだ。

 当の本人からはそんな視線に気付いている様子は伺えない。

 

「でも、悪魔の戦闘を見る事は出来るわ。今回は私達の戦闘をよく見ておきなさい。ついでに下僕の特性を説明してあげるわ」

 

 そう、一誠に与えられた駒は《兵士(ポーン)》。チェスピースの中で最も数の多い最弱の駒にして,仲間の特性の把握は王に告いで最重要となる役割だから。

 

「下僕の特性?」

 

「主である悪魔は下僕に特性を授けるの。そうね、悪魔の歴史を含めて、その辺を教えてあげるわ」

 

 大昔に天使と堕天使、悪魔の三大勢力の三つ巴の戦争が起こった。その結果、二天龍の乱入や二天龍の争いを止めるために乱入した黄金神や、黄金神の力に引き寄せられて現れた公式世界最強の赤いドラゴン等、原典の世界以上にとんでもない事になった戦争は勝利者も居ないまま終結した。

 長い戦争の結果、どの勢力も酷く疲弊し、悪魔側は爵位を持った悪魔が多く命を失った。純粋な悪魔もだ。だが、三大勢力は尚もいがみ合いを続け、隙を見せれば危険らしい。

 

 そこで悪魔側の問題を解決するための手段として出てきたのが『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』。人間界のチェスの特性を下僕悪魔に取り入れた物だ。それが意外と好評らしく、それで出来た競技が《レーディング・ゲーム》。

 はっきり言って祐司が参加したらかれ限定の特別ルールが設けられそうだ。ガンダム達を召喚できる彼の能力は脅威でしかない……と言うよりも相手にしたら『反則だー!』と叫んでも無理は無いレベルだ。叫ばれた側も納得してくれる事だろう。

 まあ、祐司が『禁断の秘儀』扱いされるのもそう遠くなかったりする。

 『兵士(ポーン)』が8、『騎士(ナイト)』『戦車(ルーク)』『僧侶(ビショップ)』がそれぞれ2、『女王(クイーン)』が1と言う、(キング)を加えて最大16人参加のゲームがガンダムを召喚すれば直ぐに最大人数を上回る計算になる上に個々の質も高すぎる。

 

 そんな訳で、悪魔の中では優秀な人間を集めるのが流行っているらしい。ある意味、人間にしてみればいい迷惑かもしれないが、神器(セイクリッド・ギア)を持った人間の場合、持って生まれた力が原因で人の中で生き難い者も居る為、そう言った視点で見れば人間にとってもいい制度かも知れない。

 まあ、主となる上級悪魔に問題が無ければの話だが。純潔の悪魔が重用される悪魔の社会構造についても問題は有る。……その点では良い主に分類できるリアスの下僕になった一誠は幸運かもしれない。

 

「部長、オレの駒は? オレの駒の役割や特性って何ですか?」

 

「そうね、イッセーは」

 

 リアスが一誠の駒の特徴を説明しようとして言葉を止めた。奥の闇の中帆と視線を向け、睨み付けた。ターゲットが現れた様子だ。

 

 同時に何が起こったのかは一誠にも分かる。背筋を奔る悪寒が、向けられる殺意を初めて実感させられた瞬間だった。

 

 なお、木場や朱乃が気を引き締める中、裕也だけは向けられる敵意を意にも介さず楽しげに笑みを浮かべていた。心境としては『オリ主のオレがあんな雑魚に負けるかよ』と言った所だろう。原点となる世界に於いては簡単に倒された相手、何が居るか分かっている彼がそう思っても無理は無いだろう。

 

 

 

『不味そうな臭いがする。でも美味そうな臭いもしているぞ? 甘いのかな? 苦いのかな?』

 

 

 

 響くのは老若男女入り混じった不気味な声。

 

「はぐれ悪魔バイザー! 貴女を滅しに来たわ」

 

『ケタケタケタケタケタケタ』

 

 異様な笑い声を響かせて現れたのは上半身が裸身の女性の、下半身が巨大な獣の化け物だった。

 

「主の元を逃げ、己の欲求の為に暴れまわるなんて万死に値するわ。グレモリー公爵家の名に於いて、貴女を滅してあげる」

 

「小賢しいぃぃぃぃ!!! その紅の髪の様に、お前の身を鮮血に染め上げてくれるわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!」

 

「雑魚ほど洒落た台詞(セリフ)を吐くのね。祐斗!」

 

「はい!」

 

 リアスの言葉に従い祐斗が視認出来ない速さで駆ける。

 

「祐斗の役割は『騎士(ナイト)』。特性はスピード。『騎士』となった者は速さが増すの。そして、祐斗の最大の武器は剣」

 

 何時の間にか出していた剣でバイザーの両腕を切り落とした。

 

「これが祐斗の力。目では捉えられない速力と、達人級の剣捌き。二つが合わさる事で、祐斗は最速の騎士となる」

 

 ……この場にガンダム達の一人でも居れば『達人と言うにはまだ未熟だ』と言うかもしれないが。まあ、歴戦の英雄の達人の基準では無理も無い……と言うよりも比べる事が間違っている。

 

 何時の間にかバイザーの足元には裕也がいた。楽しげに笑みを浮かべているバカは拳を振り上げ、

 

「次は裕也ね。彼の駒は『戦車』……なんだけど、あまり参考にしないほうがいいわ」

 

 心底疲れた様子でリアスが呟く。

 

 

 

「ゲート、オープン!!!」

 

 バカの使ったのはゲートキーパーズのゲート能力の一つ、ヒロインの一人『近衛かおる』の『迫撃のゲート』。拳の前に出現した門の様なマークを持った一撃がバイザーを吹飛ばす。

 

(へへへ……。こんな奴朱乃さんや部長の出番になる前に簡単に始末できるけど、イッセーを美味く利用する為や、二人に良いトコを見せる為にもっとかっこよく戦わせて貰うとするか)

 

 そんな事を考えながら両手を胸の前に翳し、

 

「出ろ、全てを切り裂く最強の剣! 『エクセリオンブレード』!!!」

 

 翼を広げた鳥をイメージさせる剣が約10秒ほど掛かって出てくる。纏っているのは聖剣と言える光のオーラ。そのオーラにリアス達は嫌そうな表情を浮べる。そんな彼女達の反応も気にせずバカは『エクセリオンブレード』を振りかぶる。

 

「ウルトラ……真空斬りぃぃぃぃぃぃぃぃぃい!!!」

 

 使うゲートは『浮矢 瞬』のゲートで最強の攻撃型と言われる『疾風のゲート』。使う剣は『冒険王ビィト』の主人公ビィトへと託された光属性の最強の剣『エクセリオンブレード』。

 交わる事のない世界の力と武器を使っているが、武器自身には完全に拒絶されている。意思が介在しない能力なので疾風のゲートにはき拒絶される事は無いが、意思があったら能力にも拒絶される事だろう。こいつが瞬やビィトと並ぶとはとても思えないのだし。

 付け加えるならば、ゲーキーパーズの主人公である瞬の必殺技名は『ウルトラ“旋風”斬り』である。名称が違うのは『最強の才牙を持ってオリ主のオレが使うんだから、もっと強そうな名前にしよう』と言うわけである。

 

 意思が介入しない能力や拒絶されているが元々高い能力を持った武器のお蔭で、戦車(ルーク)の特性等関係なく戦闘力だけは一級なのである。でも、グレモリー眷属の評価を下げている原因は九割がた……こいつだ。

 

 

 

 閑話休題(それはさておき)

 

 

 

 腐っても……と言うよりも使用者が腐ってても最強の才牙と最強の攻撃型ゲート。二つの別世界の物語の主人公の能力が重なった一撃がバイザーの体を熱したナイフをバターに突き刺すよりも容易く切り裂く。

 

『が、がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!』

 

 それでもしぶとく生きていたバイザーだが、エクセリオンブレードの纏っていた光の力は持ち主を拒絶していても悪魔であるバイザーには猛毒となる。

 ぶっちゃけ、放っているオーラでさえリアス達には気分いいモノでは無い。持ち主も悪魔なのだが一切影響与えていない点はエクセリオンブレードと言う強力な武器の力に酔っている為である。

 …………何気にリアス達がそんな気分になる光は、エクセリオンブレードの『こいつに使われたくない』と言う拒絶の意思の余波だったりする。多分、転生者の被害者の三番目は彼に宿らされてしまった才牙達だろう。実際、出て来た時も『チッ、呼ばれたのはオレかよ』と思われてたりする。

 

「お次はコイツだ、真空ミサイル!!!」

 

 再びゲートを開き寸断した半身……下半身の部分へと風の弾丸を複数撃ち込む。風の弾丸によって滅多打ちにされた半身が塵となって消え去っていく。

 

 エクセリオンブレードを肩に担ぎながら笑みを浮かべてリアス達の方を振り向くが、完全に無視しつつ

 

「朱乃、お願い」

 

 次の女王(クイーン)の駒の説明をする為に朱乃に追撃を頼む。

 

「はい、部長。あらあら、どうしましょう」

 

 そう言いながらニコニコ笑顔でバイザーのほうへと歩み寄る。持ち主が腐ってても、光属性を宿した最強クラスの才牙であるエクセリオンブレードの一撃を受けたバイザーは既に致命傷と言っていいだろうが。

 

 ……なお、完全に朱乃の目は獲物を狙うハンターの目である。

 

「あらあら、思ってたよりも元気ですわね。なら、これならどうです?」

 

 朱乃が手を翳すと雷が落ちてバイザーが黒焦げになる。

 

「あら。まだいけますわね」

 

 続けて二発目、三発目、四、五、六と殆ど間隔を空けずに雷が落ちる。様子を見れば完全に楽しんでいる。寧ろストレスを発散しているようにも見える。

 

「朱乃は『女王(クイーン)』。私の次に強い、『兵士(ポーン)』『騎士』『僧侶(ビショップ)』『戦車』の力を併せ持つチェスに於ける最強の駒よ」

 

 例えるならばリオン・カージに於ける騎士が女王の駒と言った所だろう。剣士と騎士、闘士と戦車、魔法使いと僧侶が能力的に対応しているだろうから。

 だが、チェスと言うゲームに於いて女王の駒は最強の駒であるが無敵ではない。騎士や兵士と言った格下の駒に負ける事も多い。寧ろ、この場合はバトルスタイルの相性なども出てくるだろうから、余計に当てはまる可能性も高い。

 

 決して一撃では仕留めず絶妙な力加減手でジワジワと甚振っている。

 

「朱乃は魔力を使った攻撃が得意なの。雷や氷、炎などの自然現象を起す力。そして何より、彼女は究極のSよ。普段はあんなに優しいけど、一旦戦闘になれば相手が敗北を認めても、自分の興奮が納まるまでは決して手を止めないわ」

 

 と説明した後、リアスは横目で一瞬だけ裕也の方へと視線を向け、

 

(……ストレス発散もしているみたいね)

 

 またバカが原因でストレスでも溜まっているのだろう。等とそんな事を考えてしまうリアスだった。実際大当たりなので、リアスが自分の眷属の事をよく見ていると言うべきか、分かり易過ぎる行動パターンをしているバカに呆れるべきなのだろうか?

 

 朱乃のターンが終って既に戦意喪失しているバイザーの元へと近付く。普通なら既に死んでるだろうが、まだ息はある様子だ。

 

「最後に言い残す言葉は?」

 

「こ、殺せ……」

 

「そう。なら、消し飛びなさい」

 

 リアスの手から放たれた黒い魔力の塊がバイザーを跡形も無く消し去る。

 

「あの、部長。オレの駒の役割は何ですか?」

 

「まだ言って無かったわね。イッセーは『兵士(ポーン)』よ」

 

 一番最弱の駒。何気にうまく使えば最強となれる駒でもあるが、チェスと言うゲームに於いては真っ先にやられる駒である。初めて己の駒を知った瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在……

 

「……あー、その……なんだ。どんな駒も使い様だぞ」

 

「それって、励ましてるのかよ!?」

 

 祐司の励ましの言葉に即答するイッセー。色々と口止めされているので伝える事は少ないが……

 

「死ぬなよ」

 

「どう言う意味だよ、それは!?」

 

 特に深い意味は……結構有ったりする。

 

(……それにしても、エクセリオンブレードか)

 

 バカの持っているもう一つの能力……と言うよりも武器の名を呟く。神話等に存在する武器では無い事は明らかで、間違いなくその武器が二つ目の能力なのだろうと確信する。一つぶっちゃけてしまうと、祐司は転生者の能力について実はゲート能力と複数の能力を持っている事以外知らなかったりする。

 実を言うとスペリオルドラゴンも転生者の能力はある理由からゲート能力以外知らなかったりするので、それも無理は無い。

 

(……完全に力を発揮できないのか、あの転生者(バカ)?)

 

 ふとそんな結論に至る。明らかにゲート能力をメインとして使っている事からの推測だ。元々どう言う武器だったかは知らないが、完全にタダの武器として扱われている才牙に、祐司は内心同情する。

 

(それにしても。あれからイッセーを襲った女堕天使の動きが無いのが気になるな。それに……)

 

 仲間と思われる堕天使を消し飛ばしているというのに動きが無いと言うのが多少気になっている。仲間が倒された事で多少慎重になっているのだろうと思っているが……それ以上に気になることが一つ有る。

 

(……微かに闇の化身の配下の気配がするけど、弱過ぎるのが気になるよな……)

 

 この所小さ過ぎて気付けないか、気付いても直ぐに見失ってしまう程度の気配を何度も察知している。念の為に態々小猫の護衛から武者デスサイズを外して偵察して貰っていると言うのに何も掴めていないのが気に掛かっている。

 

(今夜はオレも動くか)

 

 武者デスサイズだけでなく自分も動く事を決める。久しぶりの闇の化身の配下の動き。闇の化身に繋がる尻尾を掴めたのにそれを逃す手は無いのだから。

 

 

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