ハイスクールBB -レジェンド・オブ・BraveBattleHEROs別史02-   作:龍牙

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十話目

 さて、騎士デスサイズはスダ・ドアカワールドの存在で元とは言っても、死神である。鎧闘神を中心とした天使族の姫リリーナを狙う古代神パロックガンとその配下のオズワルドと戦った実力者である。

 

 まあ、この世界にも死神は居る訳であるが、当然騎士デスサイズは彼らと比べても実力者で有る。

 

 …………何が良いたいかと言うと、

 

「困ったな」

 

 何処で彼の事を知ったか、この世界の冥府からスカウトが騎士デスサイズに来ているわけである。何処も優秀な人材はえたいと言う事だろう。……騎士ウイングに天界からスカウトが来ない理由は直ぐに見当がつくが。主に、蛍とか。

 

 第三勢力ならぬ第四勢力として少数ながら独立活動している状況で、大きな力を持っている彼らを自陣に取り込みたいと考える者は多いと言う訳だろう。

 そう言う意味ではセラフォルー・レヴィアタン、彼女はある意味一番得をしていると言える。それなりに友好的な関係をとっているのだから。

 ……逆に天界の勢力は一番損をしているかもしれない……。序でに今回の女堕天使の一件で損をしそうなのは堕天使達だろう。

 

「一応、交渉くらい受けたらどうだ? 所属しなくてもギリシア神話の勢力と友好関係を結ぶ切欠になるかもしれないしな」

 

「だが、オレは死神としての生き方を捨てた身だ。今更、別の世界とは言え死神に戻る気は無い」

 

 まあ、蛍と小猫だけでなく武者デスサイズと竜機士(メタルファイター)三人と一緒に夕飯の食卓を囲んでする会話では無いだろうが。

 

「我おかわり」

 

「あっ、はいはい」

 

 差し出された“九つ”目の茶碗を受け取って御飯をよそって返すと、ゆっくりと味噌汁を飲んで其方へと視線を向ける。

 

「えーと、君……誰?」

 

「我、オーフィス。絶対なる黄金龍に会いに来た」

 

「あっ、父さんなら今は此処に居ないけど……って、オーフィス!?」

 

 何故か食卓に紛れ込んでいて一緒に御飯を食べている少女……『無限の龍神オーフィス』。ある筋から聞いた話ではとあるテロ組織のトップらしい……。

 取り合えず、三大勢力の中で絶対なる黄金龍の名前が正しくはスペリオルドラゴンと言う事を伝えて帰ってもらった。一応聞いておいた用件では『グレートレッドを倒すのを手伝って欲しい』だそうだ。まあ、肝心のスペリオルドラゴンがこの世界に来るのが何時かは分からないのでそれも仕方ないだろう……まあ、祐司達の学校行事に参加する為に来そうだが。

 

「ホント、何処でオレ達の情報を手に入れたんだろうな」

 

 その日はオーフィスへの対応や騎士デスサイズへの勧誘の断り方を考えていたため、偶然にも調査に出る事はできなかった。……これは祐司達にとってはアンラッキー、堕天使達にとってはラッキーな出来事だ。

 

 

 

 翌日、祐司と小猫の二人はオカルト研の部室に向かっていた。曰く、未だに契約が取れていない転生者(バカ)はチラシ配りの真っ最中らしい。

 

「何度言ったら分かるの。あのシスターの救出は認められないわ」

 

 部室の扉を開けた瞬間、リアスのそんな言葉が聞こえてきた。

 

「なら、オレ一人でも行きます」

 

「行けば確実に殺されるわ。それに貴方の勝手な行動が私や他の部員にも多大な影響を及ぼすのよ!」

 

「なら、オレを眷族から外してください」

 

「そんなこと出来るわけないでしょう!」

 

「オレはアーシアと友達になりました。友達は見捨てられません!!!」

 

 どうも会話の内容についていけない祐司は、近くに居た木場に何故一誠とリアスが言い争っているのかと問いかける。

 

「うん、実はね」

 

 一誠が友達になったシスター、それが会話の中に出てきた『アーシア』と言う名前の女の子らしい。そして、昨日……祐司達の家にオーフィスが現れた時に一誠が向かった依頼人の家で依頼人を殺害したハグレエクソシストと遭遇、その時にアーシアと再会してしまったらしい。

 

「要するに……そのアーシアって言うシスターの神器を狙っている烏共からその子を助けたい、って言ってる訳か」

 

 はっきり言って祐司が手を貸せば直ぐに解決する事だろう。だが……

 

(……逃げられない様に確実に仕留めたいな……そいつ等のボス烏は)

 

 暫く一誠を自由に行動させる事に決めた。そして、祐司の直感がボス烏が祐司が狙っている女堕天使であると告げている。

 

「大事な用事が出来たわ。私と朱乃はこれから少し外に出るわ」

 

「っ! 部長、まだ話は終って……」

 

「イッセーに話す事が有るわ。貴方は兵士の駒を一番弱いと思っているわよね?」

 

 一誠の言葉を遮って伝えられた言葉。確かに兵士の駒は将棋に於ける『歩』に当たる最弱の駒。だが……他の駒に出来ない特別な事が有る。それは……

 

「それは違うわ。兵士にはプロモーションと言う能力があるわ」

 

 プロモーション。敵陣に飛び込んだ兵士の駒は王以外の全ての駒になれる。悪魔の駒にも同様の特種能力が有ると言う事だろう。それは、リオンカージに於ける転職(ジョブチェンジ)に近い。能力的にも、だ。

 

「それともう一つ。神器は思いの力で動くわ。これだけは忘れないで、兵士でも王は取れるのよ」

 

 その通り。寧ろ、実際のチェスにおいて王は兵士以上に最弱の駒と言える。全ての駒に王を取れる可能性があるのだ。それだけ言い残してリアスは朱乃と共に魔法陣に乗って消えた。

 

「子猫、今日は先に夕飯を食べててくれ。オレはちょっと害獣駆除をしてくる」

 

「……分かりました」

 

 祐司はリアスの言葉の意図に直ぐに思い至る。

 

 

 

転生者SIDE

 

 

(へへへへ……。今日はイッセーが教会に乗り込む日だよな。此処であいつが教会に乗り込むときに合流して協力すれば……あいつからの信頼も楽して得られるってヤツだぜ!)

 

 笑顔でチラシ配りをしながら内心転生者(バカ)はそんな事を考えていた。

 

(この時点のレイナーレやフリード程度ならこのオリ主のオレなら楽勝だぜ。イッセーにはオレの変わりに、危ない白龍皇とかと戦ってもらわなきゃならないからな。後は適度に安全そうな強敵を格好良く倒したり、イッセーと戦って弱った所でトドメを刺せる立ち居地に立ってれば楽して美味しい所を戴けるからな)

 

 心の中で邪悪に笑い、表ではそれを感じさせない爽やかな笑顔を浮べながらチラシ配りを終えると、バカはそのまま部室には戻らず教会へと走っていった。……其処に現れるのは予想外の敵も含まれるとも知らずに。

 

 

SIDE OUT

 

 

 

??? SIDE

 

 

 “それ”ははぐれエクソシストや数名の堕天使が存在する空間の上空でその光景を眺めていた。

 

(くくく……。この世界は中々面白い物があるな。奴等を利用する序でに幾つか奪ってきたが、封印されている魂も封印の器もオレ様の糧になってくれたわ)

 

 それの視界に移るのは貼り付けにされ、神器を奪われようとしているアーシアの姿。それにとって命を落とす瞬間など、元の世界で幾つも見続けてきた……程度の話では無く、屍の山と血の川を作り上げてきたのだ。何か感慨など沸くわけも無い。

 

 それが狙っているのは堕天使達が狙っている神器だ。悪魔さえも癒す高い回復力を持った神器を取り込めば、堕天使達の組織のトップの元より奪ってきた幾つかの神器……それに封印された魂を自らの糧として取り込み、残った神器は後の時代の闇の化身が光の武具を己の肉体に変えたように、己の新たな肉体を形作る材料と変えた、それらと合わせて闇の化身さえも上回る力を得られるだろう。

 

「ふふふ……精々オレ様の為に動いてもらうぞ」

 

 黒い霧が形を成す事に誰も気付かない、いや、見ることさえ出来ない。『紅の闇将軍』と呼ばれた、烈光、飛駆鳥、天零と言った頑駄無達の前に立ち塞がった闇の武将『魔殺駆』は笑みを浮べた。

 

 

SIDE OUT

 

 

 

「多分、堕天使が隠れ家として利用している場所は此処だろうな」

 

 祐司達の家で武者デスサイズが町の地図を広げ、一箇所を指差す。それと同時にテーブルの上に置かれた写真、それには廃墟となった教会が写っていた。

 

 町の中で堕天使の隠れ家と成りそうな場所が無いか探って貰っていた武者デスサイズからの報告を受けた祐司は、連中の居場所らしき場所を確認できた。別の写真には神父らしき人間が入っていく写真もある。

 

「敵ははぐれエクソシストも、か」

 

「そうなるな。お前がオカルト研で聞いた話と合わせて考えると、今夜にでも何かするって考えてるんじゃないか?」

 

「……あの烏女が何を考えてるか分からないけど、どんなな目的でも……それを許すわけには行かないよな」

 

「だな。で、久し振りにオレの出番か?」

 

「いや、竜機士(メタルファイター)達と一緒に家の守りを頼みたい」

 

 

 

 さて、突然だが転生者のゲート能力には本人が理解しているものには探索系の能力は無い。……もう一つ言うと、ゲート能力も本人が理解している以上には扱えない。

 故にアーシアが居る廃墟となった教会の場所も、現在の一誠の居場所も分からないと言う事になる。

 

 ……だから、こうして一誠達と合流できたのは幸運と偶然の結果としか言い様がない。

 

「おい、イッセー、木場!」

 

「草壁?」

 

「……草壁くん?」

 

「教会にア、あのシスターを助けに行くんだろ? オレも行くぜ」

 

 突然現れた転生者に不審な表情を浮べる一誠と木場だが、続いて出た言葉に思わず『え?』と言う表情になる。一誠だけでは不安だと着いてきた木場の事は良い。だが、普段の転生者の事を知っている者にとっては、そんな事を言う様な奴では無い事は良く理解している。

 

 まあ、それによって、運の良い事に転生者が思わず『アーシア』と知らないはずの名前を呼んでしまいそうになった事は誤魔化せた。

 

「それは助かるけど、なんで君がそれを知ってるんだい?」

 

「っ!? えっ、えーと、それはだな……オレの持ってる能力に短時間だけなら未来予知が出来るのがあるんだよ」

 

 不信感丸出しと言った顔で問いかける木場の言葉に慌てて「眼光」のゲートの能力の事を思い出して答える。流石に迂闊だったと思ったのだろう、部室に居ないはずの自分が彼らがアーシアを助けに行くのを知っている訳がないのだから。

 

「ま、まあ、居てくれれば助かるよな……仲間なんだし」

 

「……それもそうだね」

 

「そうだよな! 分かてるじゃないか、イッセー!」

 

 不安だがそれでも今は人手が欲しいと言った様子で答える一誠。その言葉には木場も同意する。少なくとも、転生者の実力だけは信用できるのだから……人格は全然信用していないが。

 そんな二人の心境は知らずに転生者は嬉しそうに答える。内心では、『第一段階成功』なんて思っているが……。

 

(へへへ……これでイッセーの覚醒が起これば、後々楽になるな。後は焼き鳥戦の時に頑張って禁手に至って貰ってからイツセーが負けた後、格好良くオレが焼き鳥を倒すだけ。『お前は既にあいつに負けてた』とかイッセーを立てる格好いい事を言って置けば、高感度も原作主人公からの信頼もゲットだぜ)

 

 まあ、何も気付かずに其処までも嘘層と言うべき思考が出来る神経はかなり凄いだろう。

 

「急ごうぜ、オレの眼光のゲートが見せてくれた未来じゃ、あのシスターが神器を抜かれる所が見えた」

 

 転生者の言葉を合図に三人は教会へと向かって走り出した、……既に原作などと言う物は役に立たない所にあると言うのも知らずに……。

 

 

 

 

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