ハイスクールBB -レジェンド・オブ・BraveBattleHEROs別史02-   作:龍牙

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十一話目

 一誠、木場、転生者(バカ)の三人が堕天使達のアジトとなっている廃教会へと乗り込んだ際、 一誠がアーシアと一緒に居たはぐれエクソシスト『フリード』と遭遇。フリードとの一戦を木場に任せ、一誠と転生者(バカ)は神器を抜き取る儀式の場である地下へと向かって行った。

 

「あれだな。イッセー、奥には堕天使と他にもはぐれエクソシストの仲間が居るはずだぜ。準備はいいか?」

 

 入口と同じ規模の大きな扉の前で転生者(バカ)はイッセーヘとそう問いかける。

 

「ああ」

 

 一誠は転生者(バカ)の言葉にそう言って頷く事で答える。

 

「それじゃあ……挨拶代わりの一発も兼ねて吹飛ばすとするか!」

 

 そう言って転生者(バカ)は胸に手を当て、

 

(まあ、此処に居るのはレイナーレとはぐれエクソシストだけで他の連中は部長と朱乃さんが倒してくれてるだろうからな。レイナーレの相手はイッセーに任せて、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を発動させて貰おうか)「来い! 『サイクロンガンナー』!!!」

 

 そう叫び取り出すのは才牙の一つ『サイクロンガンナー』。バイザーの時に見たエクセリオンブレードとは違うそれに一誠は戸惑うが、転生者(バカ)はそれに構う事無く。

 

(ったく、呼吸法が全然分からねぇ! 何度も使ってるのに、どうやればあわせられるんだよ、これ! 使えねえ武器だな、便利そうだと思ったのに!)「行くぜ、フルバーストだ!!!」

 

 自分勝手な事を考えながら徐々に開いていく扉に向かってサイクロンガンナーの全弾発射(フルバースト)を撃ち込む。

 

 実際にはサイクロンガンナー自体が無理矢理呼吸を変えているだけなのだが……。やはり、心底才牙から嫌われている転生者(バカ)だ。

 

 重い音を掻き消した破壊音が扉を粉砕し、爆煙の中から儀式場らしき場所が見えてくる。

 

「いらっしゃい、悪魔の皆さん。それにしても、危ないわね。この子を助けに来たんじゃないの?」

 

 そう呟く女堕天使『レイナーレ』の視線の先には、転生者(バカ)の放ったサイクロンガンナーの銃弾を浴びて倒れるはぐれエクソシストが数人ほど居た。辛うじて命はあると言う程度の酷い状況の者も居たが、他のはぐれエクソシストは光の刃に武装したまま動揺した様子も無かった。

 

 その奥に居るのは、十字架に貼り付けにされたアーシアの姿。

 

「アーシアァァァァァァァァァァァ!!!」

 

「……イッセーさん?」

 

「ああ、助けに来たぞ!」

 

 一誠の叫びに気が着いたアーシアが彼に視線を向ける。そして、向けられる一誠の微笑みに彼女は涙を流した。

 

「感動の対面だけど、遅かったわね。今、儀式は終る所よ」

 

「……いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

 レイナーレがそう言うとアーシアの体が光りだし、彼女の苦しそうな絶叫が地下に響き渡る。駆け寄ろうとする一誠の行く手をはぐれエクソシスト達が囲む。

 

「邪魔はさせん!」

「悪魔め! 滅してくれるわ!!!」

 

「来な! 『バーニングランス』! 『クラウンシールド』!」

 

 そんなはぐれエクソシスト達に向かって、槍の才牙バーニングランスと盾の才牙クラウンシールドを構えた転生者(バカ)が躍り出る。

 

 クラウンシールドで殴り飛ばし、バーニングランスで薙ぎ払いながら転生者(バカ)がはぐれエクソシスト達との戦闘に入る。

 

「イッセー、モブ(ザコ)の相手はオレに任せて、先に行け!」

 

「おう! ありがとう、草壁!」

 

(気にするなって、これからもこう言う立ち居地で美味しい所は頂く心算なんだからな)

 

 礼を言う一誠に心の中でそんな事を思いながらはぐれエクソシスト達との戦闘に移る転生者(バカ)

 

「悪魔風情が!」

 

「チッ! 真空ミサイル!!!」

 

 当然そんな事を考えていると防御に隙ができる。その隙を突いて銃を撃とうとするはぐれエクソシストの一人を、やや遅れながらクラウンシールド越しに風の弾丸で滅多打ちにする。

 腐っても転生特典として与えられたのは比較的強いバトル漫画の能力……。はぐれエクソシスト達では相手にならない。本来の使い手である瞬やビィトならば話は別だが、彼等の実力をはぐれエクソシスト達に求めるのは酷だろう。

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

 

 だが、その間にも儀式は進み、アーシアの体から大きな光が飛び出していく。それを手に取り愛しげに抱き取るのはレイナーレだ。

 

「うふふふふ……。アハハハハハハッ! ついに手に入れた! 至高の力! これで、これで私は至高の堕天使となれる! 私をバカにしてきた者達を見返すことが出来ッ……カハァ!」

 

 突然レイナーレを襲う激痛と吐血。ゆっくりと胸元へと視線を向けると其処からは一本の日本刀の刃が飛び出していた。

 

「ご苦労だったな」

 

 串刺しにしたレイナーレから無理矢理光を奪い取ると後ろに現れたモノの体が輝く。

 

「お前は……それに、それは……アザゼル様の所の……」

 

「ああ。アザゼルとか言う奴の所から貰ってきた『火竜の籠手』や『雷竜の翼』とか言う竜を宿したと言う神器の幾つかだ。それだけでは無いぞ。はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

 

 

禁手(バランスブレイク)

 

 

 

 全身の鎧が弾けとび、其処には新たな鎧を纏った影の姿が有った。封印された竜の魂を奪い、無理矢理融合させた神器を強制的に禁手化させた『合成竜の覇道鎧(キメラティックドラゴン・ダークネスメイル)』を纏った闇の武将。

 

 その間にも一誠はアーシアの元へと辿り着き、貼り付けにされている彼女を支えつつ、校則具を外していた。力が抜けてぐったりしているアーシアだが、目の前で広がっている状況に唖然としていた。

 

「テメェ、夕麻ちゃんに何してんだよ!」

 

「ふん、お前を殺した仇なんだろう? 寧ろ感謝して欲しいくらいだな……お前の仇を撃ってやったんだからな。そんなことより、その娘はもう直ぐ死ぬぞ。神器を抜かれた奴は死ぬしかないらしいからな。オレ様が神器を頂いた連中の様にな」

 

「っ!? なら、アーシアの神器を返せよ!!!」

 

「返せと言われて返す奴が居るわけないだろう」

 

 怒りに満ちた視線を向ける一誠を嘲笑いながらそれは、レイナーレへと言葉をかける。

 

「そうそう、アザゼルとシェムハザとか言う連中に愛されたい……そう言っていたな?」

 

「そ……そうよ……その為に……私は……私の神器を……」

 

「良かったな。オレ様が神器を奪ったのはお前達が姿を消した時だ。今頃、奴等はお前達が奪って裏切ったと思っているだろうな」

 

「っ!?」

 

 レイナーレが言葉を失う。その顔に浮かぶのは絶望の二文字。

 

「喜べ、お前は今頃反逆者として憎んでいるだろうな。直ぐにそいつ等も地獄に送ってやろう、精々言い訳でも考えておくんだな」

 

 そう言って刀を引き抜くと其処から勢い良く鮮血が飛ぶ。そして、崩れ落ちる前にレイナーレの体を蹴り飛ばす。

 

「夕麻ちゃん!!!」

 

「小僧、見せてやろう。その娘から手に入れた神器の力をな」

 

 そう言って翳した腕から緑色の光が溢れる。

 

「覚えておけ、オレ様の名は『魔殺駆』! 魔殺駆様よ!!!」

 

 『覇龍装 魔殺駆』から放たれた緑色の光が四つの影を新たに作り出す。

 

 

 

 

 

 

「ギャー!!!」

 

 炎に焼き尽くされるはぐれエクソシスト達、それをなした影は

 

「炎魔忍軍軍団長『漸羅(ゼラ)』!」

 

 

 

 

 

 

「ああぁぁぁ……」

 

 次々と氷柱へと変わって行くはぐれエクソシスト達。その中心に居るのは、

 

「ホホホ。わらわは氷魔忍軍軍団長『華紅羅(ガーベラ)』」

 

 

 

 

 

 

「ギャャャャャャャャャャ!!!」

 

 巨大な挟みに握りつぶされるはぐれエクソシスト達。それを行なっているのは、

 

「グハハハ……我輩の名は『刃流刃浪(ヴァルヴァロ)』。妖魔忍軍軍団長だ」

 

 

 

 

 

 

 次々と斬り捨てられていくはぐれエクソシスト達。狭い地下ながらも、空中を舞い現れるのは、

 

「空魔忍軍、軍団長『羽流鋭(バルス)』!」

 

 

 

 

 

「「「「我等、新世闇軍団、軍団長!!!」」」」

 

 

 

 

 

 魔殺駆と共に現れたのはかつて烈光達を苦しめた新世闇軍団の四人の軍団長達。

 

(おいおいおいおい!!! なんでSDガンダムが出てくるんだよ!? どうなってんだ!? で、でも、ザクなんてどうせザコだろ? だったら、そんな奴の手下なんてオリ主のオレの敵じゃねぇ!)

 

 出現した新世闇軍団の幹部達に驚く転生者……草壁だが、直ぐにそう気を取り直す。……実際、全員かなりの実力者だが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はははは。神器とやらは持った者次第で力を発揮するそうだな……オレ様の力で強制的に取り込んだこいつならば、奴等を復活させる事にも成功したというわけか」

 

「テメェ……いい加減、アーシアの神器を返せって言ってんだよ!」

 

 部下達の復活を眺めていた魔殺駆に向かって一誠が怒鳴る。はっきり言って一誠と魔殺駆との間には絶望的な実力差がある。……それも、際ほどまで無視されるほどに、だ。

 魔殺駆にとって本来ならば一誠程度の力ではどれだけ怒気を纏っていたとしても、気にするほどの相手では無い。蚊に刺された程度にさえ感じないだろう。だが、

 

「ほう、赤い龍か。赤龍帝の籠手とは随分と不相応な神器を宿しているな」

 

 神器は持った者の意志で力を発揮する。一誠の怒りの感情が眠っていた己の神器を覚醒させているのだろう。だが、それは幸運ではなく、この場合は不運と言っていいだろう。どれほど強力な神器を宿していたとしても、今の一誠の実力では魔殺駆には及ばない。寧ろ、

 

「赤龍帝? これって、龍の手じゃないのか?」

 

「何だ? お前は自分の武機の事も知らなかったのか? 丁度いい、お前の神器に宿る龍の魂も取り込ませてもらおうか」

 

 そう言って魔殺駆ははぐれエクソシスト達を始末している軍団長達を一瞥し、

 

「お前達。こいつの神器はオレ様が貰う。手を出すなよ」

 

『はっ!』

 

 魔殺駆の言葉に同時に返事を返す軍団長達。そして、一誠へと向き直り、

 

「神を殺すといわれた武器か。どれほどの力か楽しみだな。そっちの雑魚はお前達で始末しろ」

 

 魔殺駆は拳を構える一誠と刀を抜いて対峙する。

 

「っ、テメェ!!! このオレが雑魚だとぉ!!!」

 

 そんな魔殺駆の言葉に激昂してバーニングランスを構え魔殺駆へと向かって行く。

 

(あのヤロウ!!! オリ主のこのオレが雑魚だと!!! ザクなんてガンダムのやられ役だろうが、雑魚の分際でこのオレを馬鹿にした事後悔させてやる!!!)

 

 軍団長達を無視して魔殺駆へと向かって行く草壁だが、上空から双頭の鳥を思わせる姿に変形した羽流鋭(バルス)が襲い掛かる。

 

「お前の相手は我等だ」

 

「チッ! テメェ等なんて直ぐに片付けてやるよ! バーニングランス!」

 

 炎に包まれたバーニングランスを羽流鋭へと向かって投げつけるが、その途中で草壁の投げたバーニングランスは凍りつきながら失速していく。

 

「ホホホ……武器は中々じゃが、使い手が追いついてないようじゃな」

 

「だったら、これでどうだ! ボルティックアックス!」

 

 新たに取り出すのは雷の属性を持った斧の才牙。振り回せば真空波のような攻撃が出来て、その刃の切れ味も鋭いが、その大きさは草壁よりも大きく、当たれば強力だろうがとてもではないが彼の体型では扱えないだろう。

 

 だが、

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!」

 

 ゲート能力には身体能力を高める物もある。ゲートキーパーズのヒロインの一人『近衛かおる』の『迫撃』のゲートがそれに当たる。

 大型の斧のボルティックアックスも「迫撃」のゲートの能力とあわせれば振り回すことは出来る。

 

「グハハハハッ! 中々の切れ味だが、ワシを切るには力が足りないようだな」

 

 正面からボルティックアックスを受け止めている刃流刃浪(ヴァルヴァロ)に対して草壁は、

 

(くそくそくそくそっ!!! 魔技とか言う能力はどうした、この役立たずのデカブツがっ!!! アレが有ればこんな奴等一気に始末できるだろうがぁ!!!)

 

 ぶっちゃけ、その能力については原典でも良く知られていない。付け加えると、その為に草壁の意思では使えず、同時に才牙の意思でしか使えないが…………嫌っている転生者の為にそんな能力を使ってくれるわけも無い。

 

「隙だらけだな」

 

 ボルティックアックスを受け止められている草壁へと肉薄する漸羅(ゼラ)

 

「ちっ! クラウンシールド!」

 

「ふっ!」

 

 漸羅(ゼラ)に対してボルティックアックスを手放してクラウンシールドを構える草壁。内心、それで攻撃を受け止めてから反撃しようと考える草壁だが、

 

「ガハァ!!!」

 

 漸羅(ゼラ)の拳にクラウンシールドが貫かれ、それによって吐血する。

 

「武器のダメージが持ち主にも伝わるか……。意味の無い盾だな」

 

「このぉ! サイクロンガンナー!!!」

 

 クラウンシールドを投げ捨てて、新たに取り出したサイクロンガンナーの弾丸を連射するが、呼吸を合わせる気が無いサイクロンガンナーの弾は直ぐに尽きる事になる。だが……

 

「銃を撃つならもう少し良く狙ったらどうだ?」

 

 上空からサイクロンガンナーの弾丸を避けながら肉薄する羽流鋭(バルス)の振り下ろした刀の一戦が草壁の体を切り裂く。

 

「ガハァッ!!!」

 

 サイクロンガンナーを落としてフラフラと床に倒れ付す草壁、

 

(ちくしょう……なんであんな雑魚にオリ主のこのオレがぁ!!! 赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)が有ればあんな奴らに負けなかったはずだろうが!!!)

 

 心の中で祖亜絶叫する草壁。強力なはずの才牙もゲート能力も、目の前の相手には効果が無い。『自分はオリ主ではなかったのか?』『こんな奴等格好良く片付ける筈なのに』と。

 

(そうか……これは負けイベント、オレのパワーアップイベントって奴か?)

 

 突きつけられた現実に対してそう都合の良い解釈をし始める。

 

(あいつ等のボスのザクにイッセーが返り討ちに会った所でオレが目を醒まして、イッセーから赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を手に入れてパワーアップか? へへ……友達の死を乗り越えて立ち上がってパワーアップって、王道的だよな)

 

 そんな事を考えながら彼の意識は落ちていく。目を醒ました頃には一誠が死んでいて、自分が赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を手に入れる瞬間を夢想しながら……。

 

 彼はこの世界を物語としてしか見ては居ない。どれだけ上手く振舞おうとも、だ。育ててくれた両親も『原作に速めに関わるために悪魔に転生する為の犠牲』としか認識していない。……人では無く、自分のためのエキストラだ。

 だが、一つだけ言っておこう。これが本来の使い手たちならば、目の前の相手に善戦、上手く行けば勝利する事も出来ていただろう。与えられた力を過信し過ぎたために鍛えていないのだから、それも当然と言える事だ。

 

 

 

 

 

 




ってな訳で今回は主人公達の出番話でした。次回は一誠の覚醒と祐司達黄金龍の眷属の乱入の予定です。
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