ハイスクールBB -レジェンド・オブ・BraveBattleHEROs別史02-   作:龍牙

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バレンタイン特別編 前編

 さて、此処駒王学園にはアイドルと扱われている生徒が何人か在籍している。三年生では二代お姉さまと呼ばれている《リアス・グレモリー》と《姫島 朱乃》、生徒会長の《支取 蒼那》。二年生では転校生の《アーシア・アルジェント》、一年生では学園のマスコット《搭城 小猫》と一年生のプリンセス《黒野 蛍》。

 

 まあ、そんな彼女達と親しい数少ない男子生徒達に対して男女問わず嫉妬の感情が向かうのは無理は無いだろう。

 ……もっとも、どこぞのバカには誰も嫉妬などしていないが……。

 主に祐司、一誠、木場の三人である。

 

 

 

 

 

「諸君、ようこそここに集まってくれた」

 

 駒王学園某所、薄暗い教室に男の声が響き渡る。

 照明が消えていてカーテンが締め切っているために薄暗く、誰が居るのかは分からない。だが、蠢く影からでもかなりの代人数が集まっていると言うことだけは分かる。

 

「ここに集まってくれたと言う事は、諸君は我々の思いに賛同してくれた同士と思うが、それに相違ないな?」

 

『…………』

 

 先ほどとは違う男の声が紡がれる。それに応える他の影の答えは『沈黙』。沈黙を持って皇帝の意志を示していた。

 

「よろしい、沈黙は校庭と受け取ろう。さて、諸君も知っての通り、遂に忌々しいあの日が迫っている」

 

「「バレンタインと言う破廉恥極まりない習慣が!!!」」

 

 男達の叫び声に応える様に周囲の影から咆哮に近い叫び声が上がる。

 

「そう、何時から本来祝うべき偉人の偉業を称えるべき日に、チョコレートを渡し愛を囁く等と言う無法を許す事になったのか? その悪しき行為を黙認していいのか!?」

 

『よくない!』

 

「そして、何より……学園のアイドル達の思いの篭ったチョコレートを渡される男達を許せるか!?」

 

『許せるわけ無いだろうが!!!』

 

「同士諸君! 我々は修羅の道に入る! 人にあいては人を斬り、仏にあいては仏を切る!」

 

『おー!!!』

 

「チョコレートを奪いつくせ! もてる男を撃ちのめせ! 同士達よ!!!」

 

『奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ! 奪いつくせ! 撃ちのめせ!』

 

 そして、リーダー格の男二人の背後の黒板にスポットライトが当たり、祐司と一誠に木場の写真に憎悪の視線が集まる。

 

「同士諸君、こいつ等が我等が憎き怨敵達だ!」

 

「木場は既に説明は要らないだろう……だが、この兵藤一誠は本来我等の同士であるはずがリアス・グレモリー先輩とアーシアちゃんと同居していると言う……裏切り者だ!」

 

『殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! 殺せ! イツセーを殺せ!』

 

「そして何より……この黒野祐司! こいつは一年生のマスコットとプリンセスと入学前から同居している上に……去年も入学前から二人にチョコを貰っていたと言う許せない男だ!!!」

 

 その叫びに周囲の声が一瞬で消え去っていく。

 

「許せるか、それを!!!」

 

『許せねぇだろぉ!!!』

 

「同士諸君! オレ達の特技はなんだ!!!」

 

『殺せ、殺せ、もてる奴を殺せ!!!』

 

「オレ達の目的はなんだ!!!」

 

『略奪チョコ! 略奪チョコ! 略奪チョコ! 略奪チョコ! 略奪チョコ! 略奪チョコ!』

 

「「オレ達は学園を愛しているか!? 美少女達を愛しているか!?」」

 

『ガンホー! ガンホー! ガンホー! ガンホー! ガンホー! ガンホー!』

 

「「よし、戦闘準備!」」

 

 身に纏うのは全身を包み込む黒い衣装、鉄バットや釘バットに木刀に……鎌で完全武装した、どこぞの殺人ギルドの上位陣も関わる事を嫌がるであろう殺気……。実際、彼等の殺気に惹かれてきた闇の化身の配下が係わり合いになるのを嫌がって去っていった。間違いなく人目に触れたら通報されるレベルの危険な集団である。

 

「ふふふふ、今日こそ、今日こそオレはやるぜ、元浜!?」

 

「ああ、やってやるぞ、松田!」

 

「「ハハハハハハハハ! フハハハハハハ! 嫉妬の心は父心! 押せば命の泉湧く! 見よ、嫉妬魂は暑苦しいまでに燃えている!!! 今こそ、持つ者達に人誅を!!!」

 

 そう叫ぶ二人の手に握られているのは炎がマーキングされたマスク。

 

 無情にも時計の針は運命のその日を指し示す。

 

 なお、もてる男にも此処に居る同士の中にも草壁は居ない。このバカの人望のなさが色んな意味で理解出来、理解されている証拠でもある。

 要するに……あのバカはもてると思われていないうえに呼ばれるほどの人望のないわけである。

 

 

 

 

 

 

 その日、祐司にしては珍しく一人で登校していた。……最近はいつも小猫と一緒か、時折登校する引き篭もりの蛍の二人と一緒に登校することが殆どだったのだが、今日は二人してオカルト研に用が有るらしく先に登校したとレッドランダーから聞いた。

 

(白音は兎も角、蛍までか……珍しいな)

 

 最近は気が向いた時は登校している蛍だが、常に登校は祐司と一緒にしている上に……オカルト研に行こう等と言う行動は本当に珍しい。……下手すれば呼ばれたら即座に反転する聖剣創造(ソード・ブラックスミス・リバース)で総攻撃する事で応えそうなタイプなのに。

 

「あれ、イッセー?」

 

「ああ、祐司か?」

 

 何故か教室の前に立っている一誠の姿を見つけたので声をかける。

 

「入らないのか?」

 

「いや、教室の中の様子が可笑しいんだよ」

 

「おかしい?」

 

 そう言われて教室に視線を向けてみると……真っ暗だった。

 

「はい?」

 

「な、おかしいだろ?」

 

 カーテンでも閉め切っているのか、教室から光が零れる事無く真っ暗なのが廊下側からでも分かる。だが、流石にあまりもたもたしていると遅刻してしまうので意を決して入ることにする。

 

「イッセー、そっちの壁を背にしとけ」

 

「お、おう」

 

 祐司の指示に一誠が従うとドアに背と耳を預け中の様子を伺う。何人かの気配はある。ゆっくりとドアに指をかけて其処から飛び退きながらドアを開ける。

 

「「ハハハ!!! よく来たな! 兵藤一誠! 黒野祐司!」」

 

 それと同時に前後のドアが開いて黒マントの怪しげな集団が完全武装で現れる。そして、その戦闘に立って現れるのは二人の男。

 

「飛んで火に入る夏の虫とはお前達の事よ!!!」

 

「今日と言う日はお前達に天に変わって裁きを下してくれる!」

 

「「『この独占禁止法違反男共め! 羨ましくないんだからな! ってか、他を譲りやがれ!!!』」」

 

「「…………」」

 

 思わず目を合わせる一誠と祐司。

 

「……色々突っ込みたいところは有るんだけど、これだけは言わせて貰うぞ。何やってんだ、元浜、松田」

 

「ふっ! 今のオレは松田では無い」

 

「そう、今日のオレも元浜では無いぞ!」

 

 一誠の言葉に答える二人……。

 

「いや、そんな変なマスク被って何やってるんだか……。変態が更に変態になったか」

 

 真紅のマスクに緑と黒の炎が描かれたマスクと、白いマスクに赤い炎がマーキングされて額の部分に炎でMと書かれたマスクを被った二人組み。それぞれのマスクにあわせた色のプロテクターをつけているが……パンツ一枚のプロレスラーの様なスタイル。

 

「ふふふ! ふはははは! 今のオレはマツダでは無いと言っただろう! オレの名は“しっとドライブ”! さあ、しっとロードを一っ走り付き合えよ!」

 

「もてる奴の撃滅、殲滅、チョコレートの略奪、全部マッハ! 我が名は“しっとマッハ”!」

 

『そして、我等は駒王学園しっと団!』

 

 仮面ライダー二人が苦情を言いに乱入しに来そうな名前を叫ぶ二人の変態……。

 本日の日付は2/14。この場に草壁がいれば前世で読んだ事が有れば……とある漫画のキャラクター達を思い浮かべた事だろう。

 

 名乗りを上げながらポーズをとるしっとドライブとしっとマッハにしっと団達……。

 

「今日と言う今日こそ、お前達の野望を打ち砕く!」

 

「お前達に一欠けらのチョコは食わせない! なぜなら、今日此処でお前達は死ぬからだ!」

 

 しっとドライブとしっとマッハが取り出すのはハンドルの付いた剣とドアの付いた銃。……はっきり言ってプロレスラーの様な格好の何処に保管していたのか疑問が沸くが……

 

『……祐司、戦略的撤退を進言する』

 

「採用!」

 

 サイバーウイングゼロの震源にしたがって即座に撤退する祐司、

 

「ま、待てよ! オレを於いていくなぁー!」

 

 動揺に逃げ出す一誠。

 

「「逃がすなー、殺せー!!!」」

 

『ウォォォォォォォォォォォォォオ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

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