ハイスクールBB -レジェンド・オブ・BraveBattleHEROs別史02-   作:龍牙

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外伝『裕司達のグランドオーダー オルレアン編』

 それは、一人の愚者と一柱の愚神の行動のすえに、黄金の神に導かれた異世界の英雄達とその英雄と共に戦う異世界の少年が、本来そこに立つべき少年の代わりとして戦う物語……。

 だが、邪悪なる者もその演目に役者を送り込む。

 その世界などどうでもよく……ただ、黄金神の選んだ少年の足掻く様を一つの演目として堪能するためだけの……悪ふざけとして……。

 

 

 

 

 

 

 

「―――――抑止の環より来たれ、天秤の守り手よ!!!」

 

 その掛け声と共に光が溢れ、それが収まると現れたのは本来ならば男女合わせて七人だった筈……。それぞれ、人種も副装も違うが……呼び出される筈の無かった三人は、明らかに異質だ。

 

「フフフフフ……素晴らしいわ。そう思わない、ジル?」

 

「ええ、本当に」

 

 そして、黒い修道女風の甲冑を着た少女は、異質なる三人へと問いかける。

 

「それで、あなた達は何者なの?」

 

「『重魔騎士アトミックガンダム』、クラスとやらはバーサーク・シールダーと言う所だ」

 

 一際重厚な鎧を纏った禍々しい盾を持った者がそう名乗る。

 

「オレはバーサーク・セイバー。クラスとやらだと紛らわしいから『邪竜騎士デスティニーガンダム』と名乗っておく。好きに呼んでくれ」

 

 次に名乗るのは黒い鎧を纏った騎士。龍をイメージさせる剣を背負った『運命』の名を持った騎士。

 

「オレはバーサーク・キャスターの枠で呼ばれたようだが、『大魔導レジェンドガンダム』と言う。レジェンドと呼んでくれ」

 

 最後に名乗るのは魔術に関わるものと言う事が辛うじて分かる者……騎士と言われても頷いてしまうような姿に疑問も抱く。

 

「それと、あんたが呼んだ奴はもう一人居るぜ。此処は狭いんでアイツは外に呼ばれたようだ。バーサーク・ライダー……代わりに名乗っておくと『魔龍機 デビル・ドラグーン』だ」

 

 デスティニーと名乗った騎士が愉快そうにこの場に召喚されていない最後の一騎の名を告げる。

 

 少女は悩む。眼前の三騎と此処に居ない一騎の英霊……真名を聞いた所で、知識では無く本能と言える部分で確信できる。そんな名前の英雄は居ない、と。

 

「まあ良いわ。それで、連れてきたの? まさか殺してないでしょうね」

 

「それは勿論。私が貴女の願いを聞き違える筈があろうか? 聖処女よ」

 

 そう言われたジルと呼ばれた男は奥から一人の司祭を連れてくる。

 

「こ、此処は何処だ!? 私をどうしようというのだ!?」

 

 叫ぶ司祭の姿に深いそうに舌打し、デスティニーは隣に立つレジェンドに問いかける。

 

「チッ! ウルセー爺だな。黙らせていいか、あいつ?」

 

「止めておけ、どうやら、私達を呼び出した彼女と因縁が有る様だからな」

 

 自身の愛剣に手をかけて、煩いと言う理由だけで躊躇無く切り殺しそうだったデスティニーを止めるレジェンド。そんな二人の会話を他所に黒い少女は司祭へと問いかける。

 

「ごきげんよう、司祭様。私を覚えてますでしょうか? 私は貴方を忘れた事は一度もありませんが?」

 

「バ、バカな!? お前は……お前は三日前に死んだはずだ!!! 魔女『ジャンヌ・ダルク』!!!」

 

 彼女の顔を見た司祭が驚愕の表情でそんな叫び声をあげる。

 

「ええ、あなたが異端として処刑したジャンヌですよ? まさかお忘れですか?」

 

「……けて」

 

「ん?」

 

「たすけてー!!!」

 

 死んだはずの人間が三日の後に蘇った事実を前に司祭は無様に泣き叫ぶ。その姿を黒き少女は嘲笑おうとするが、それよりも早く……短気な騎士に我慢の限界が来た。

 

「ウルセーんだよ、ジジイ!」

 

 助けてと泣き叫ぶ司祭の顎を蹴り上げて無理矢理黙らせるデスティニー。痛みで声も無く蹲る司祭と彼の行動に唖然とする少女……。

 

「デスティニー!」

 

「わ、悪い……あんまり煩かったんでつい……」

 

「やれやれ。すみません、私からも謝罪します」

 

 レジェンドの叱責にばつが悪そうに頭を下げるデスティニーと彼と共に少女へと謝罪するレジェンド。生前から仲間であった二人はある程度気心が知れている間柄にある。

 

「プッ、アハハハハハハハ! 別に良いわ、面白いものも見れたしね。聞いた、ジル? たすけてー、だって! それに今なんて芋虫みたいに!」

 

 その姿を嘲笑う少女。

 

「異端の私に許しを請うという事は自分が異端と言った様な物。異端はどうなるか分かりますよね?」

 

「!!!」

 

 口元から血を流しながら眼だけで許しを請う司祭。

 

「あら? 黙っていると言う事は観念したと言うことかしら」

 

 少女の言葉に泣きながら首を横に振る司祭の頭を掴んでデスティニーが無理矢理盾に降らせる。

 

「観念しました、だってさ」

 

 流石に殺しては拙いだろうと手加減していたが、視線が物語っている。喋れないようにした事はこれで許してくれ、と。

 

「では、私を聖なる焔で焼いたならば、貴方は地獄の焔で焼かれろ!!!」

 

「!!!!」

 

 そう言って黒きジャンヌは司祭を黒き炎で包むが……苦痛を浮べながらも、口から大量の血と葉の破片を零しながらも、絶叫も上げることもできずに司祭は杯さえも残さずに焼かれた。

 

「なんていうか……半減しちゃてたらすみません」

 

「フフフフ……アハハハハ!!! 別に構わないわ! 愉しい、愉しいわジル! こんなに愉しいのは初めて!!!」

 

「そうでしょう、そうでしょう。それでこそ、ジャンヌ! 我が真の聖処女よ!」

 

「さあ! バーサーク・サーヴァント達! このオルレアンを蹂躙しなさい!」

 

 ジャンヌの号令に最初に答えるのはレジェンド。

 

「では、彼の行動のお詫びに私が無慈悲な巨人の大軍にひき潰される様をご覧に入れましょう」

 

 そう言って一礼するレジェンド。彼らは最初から邪悪に側にある者達。躊躇する理由も……狂気によって支配される必要も無く、町を焼き、人を殺す存在だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつら」

 

「今は耐えろ、オレ達だけではどうにもならない!」

 

焼かれる町を前に怒りを露わにする全身をマントで覆った一人の騎士。そんな彼を嗜めるのはもう一人の全身をマントで隠した騎士。

 

「だけど、ゼロさん!」

 

「今は耐える時だ、インパルス。彼が来るまでは」

 

怒りに任せ今にも飛び出そうとする、 そんな己の流派の後継者の事はよく思っているが、それでも今は耐えて貰うしかない。ゼロと呼ばれた騎士はインパルスと呼んだ騎士にそれだけ告げる。

 

「分かってますよ、今は! 今はただ耐えるしか無いって事くらい! だから、早く来てくれよ、黄金龍の眷属!」

 

 




デスティニーはアニメ版、インパルスはスパロボ版のシンのイメージです。
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