攻撃を仕掛けるレイジ。
しかし、炎矢は反撃することなく、受け流す形で防御する。
レイジ「何故戦わない!?」
炎矢「必要ないからね、敵じゃないし。」
レイジ「ほざけ!」
更に攻撃を繰り返すレイジ
炎矢「(この子もどうにかしたいけど、あっちも何とかしないとな。)」
炎矢が横目で見る方には、翼が響に刃を向けていた。
炎矢「(気持ちはわかりますが、止めないとな。でも、この子、手加減できなさそうだ。)」
レイジ「考え事をしてる場合か!!」
炎矢「しまっ!?」
隙をついて拳が炎矢に迫るが、届かなかった。間に別の手がそれを止めた。その人物は
炎矢「司令!」
風鳴弦十郎だった。
レイジ「何!?」
弦十郎「どりゃーー!!」
弦十郎はレイジをそのままぶん投げた。レイジは飛ばされた場所に倒れた。すると雨が降ってきた。炎矢は弦十郎に近づいた。
炎矢「司令!」
弦十郎「まったく、どちらも何をやっている?」
炎矢「どちらもって。」
隣を見てみると、大きなクレーターが出来ており、そこにはギアを解除し、座り込んだ翼と、あたふたしている響がいた。雨だと思っていたのはクレーターができた為、地下の配水管が吹き出した為だった。炎矢も鎧を解除した。
炎矢「相変わらずとんでもない人だ。あの一瞬で二つの喧嘩を止めるなんて。」
弦十郎「さてと。」
弦十郎はレイジに近づいた。レイジはまだ警戒している。
弦十郎「そう警戒するなって、俺は風鳴弦十郎。早い話があの三人の上司だ。」
レイジ「あんた、何故だ?」
弦十郎「何?」
レイジ「生身のあんたが何故間に入った!?怪我じゃすまないんだぞ!」
弦十郎「・・・ぷ、はははははは。」
レイジ「?」
弦十郎「なんだお前さん。聞いてたよりもいい奴じゃないか。」
レイジ「何だと!」
弦十郎「人は信用できない。でも他人を心配している。他人を思える奴はいい奴さ。さっきの答えだが、子供がバカな喧嘩してたら、止めるのが大人って奴だろう。」
レイジ「(こいつ、本気で言ってやがる。)付き合いきれるか。」
レイジは警戒を解き、鎧を解除した。
弦十郎「ああ、炎矢もいいな?」
炎矢「もとより争う気はありません。」
弦十郎「よし、後は」
響「私!一生懸命頑張ります!頑張って奏さんの代わりになります!」
弦十郎が響と翼の問題を聞こうとした時、響が翼に意思表示をしていた。その言葉を聞いた翼は怒ったように近づき響にビンタした。弦十郎と炎矢は顔に手を当てた。レイジは何か思いながら響を見て、その場を去ろうとしていた。
弦十郎「待ちな。」
弦十郎に呼び止められた。
レイジ「仲間にならならんぞ。」
弦十郎「わかっているよ。ほれ。」
弦十郎はレイジに何かを渡した。
レイジ「何だこれは?」
弦十郎「通信機だ。」
レイジはへし折ろうとした。
弦十郎「発信器とかはないから安心しろ。お前さん食うものに困っていると聞いてな、それには限度額までならクレジットとして使えるんだ。持っときな。」
レイジ「・・・物好きな奴だぜ。」
通信機をしまい、今度こそその場を去った。
その場を去ったレイジはいつの間にか、リディアンの寮の前にいた。
レイジ「何で俺ここに・・・」
すると玄関から未来が出てきた。
未来「あ、レイジ。」
レイジ「小日向未来。」
未来「未来でいいよ。そうだ!響を見なかった!?まだ帰ってきてないんだけど!?」
レイジ「(前も似たようなことがあったな。)さっき見かけた。もう少しで帰ると言っていたな。」
未来「そっか、よかった。でも響ったら、レイジにまで迷惑かけて。まぁ、いつもの人助けだと思うけど」
レイジ「あいつ何なんだ?」
未来「え?」
レイジ「人なんて、結局は自分のことしか考えてないんだぞ。なのにあいつは見ず知らずの俺を助けたり、他人の為に必死だったりと、何故ああなれる?」
未来「うーん、なら響をよく見てみて。」
レイジ「え?」
未来「今の答えを知るんだったら響を見て理解して。それと、できたら助けてあげて。多分だけどレイジは響の事情に関わってそうだから。」
レイジ「見て理解するか・・・努力する。」
未来「うん、頑張って。」
レイジがその場を去ろうとしたが、止まった。
レイジ「立花響に言っておいてくれ。お前は誰だと。」
未来「え?」
質問を聞き直そうとしたがすでに歩き始めていた。
あれから一週間は経過した。
響は出動するも、素人がいきなり戦える訳がなく、炎矢がフォローを入れるも、翼は翼で響を認めておらず。連携が取れずにいた。
本部にて。
響「はぁー、私ダメダメだ。」
炎矢「お疲れ様です、響さん。」
響「あ、炎矢さんと・・・えーと。」
緒川「そういえば詳しい自己紹介はまだでしたね。」
緒川は名刺を差し出しながら自己紹介した。
緒川「機動二課の情報収集担当で、表向きは風鳴翼のマネージャーをしています。」
響「ああ、これは御大層なものをどうも。」
炎矢「ついでに言いますと、僕と翼の兄のような人です。」
響「え?ということは翼さんとは?」
炎矢「幼なじみのようなものですね。もっとも、特殊なですが。」
緒川「私も似たようなものですが、翼さんと炎矢君の方が付き合いは長いですね。」
炎矢「ええ、大切な存在です。」
響「わわ、すごい発言しましたね///」
炎矢「僕は先生に会いに行くところに、マネージャーモードの緒川さんと会ったわけです。」
響「先生?」
緒川「櫻井女史ですよ。炎矢君は科学者を目指さしていますから、尊敬しているんです。」
響「炎矢さんって科学者なんですか!?」
炎矢「まだ卵ですよ。よくて薬品調合程度です。栄養剤のサンプルなんですが、飲んでみます?」
響「あ、いや、また今度にします。は! 科学者を目指さしているということは成績もいいんですか?」
炎矢「まぁ人並みには。たからって課題は手伝いませんよ。」
響「うっ!?ばれました?」
炎矢「独り言が聞こえたので、慣れない戦闘で大変なのはわかりますが、今後のためになりませんしね。実際僕も、翼に至っては歌手として働きながらですしね。」
響「はぁーやっぱり翼さんはすごいです。私も早く奏さんの代わりになれるように頑張らないと。」
炎矢「・・・響さん。君は誰ですか?」
響「え?立花響ですが?そういえばレイからも似たことを言われたなー。」
炎矢「彼からも?」
響「直接ではないんですけど、親友の未来から伝言なんですけど、なんだからレイからも課題を出されたみたいです。どう思います?」
炎矢「そうですね。残念ですがこれは響さんが自身で気づかないといけません。ですがヒントを一つ。あなたは立花響、それはこれからも変わらないというところです。」
響「私は立花響・・・」
日にちは変わり、次の日の夕方ごろ。
人々が帰り道を歩いていくなかで、レイジは座りながら持っていた袋の中を見ていた。
レイジ「不思議だ。何故おでんが缶に入っている。不思議なのは俺もか、何故あんならしくないことを言ったんだ。」
おでんを食べようとした時、何かを感じたレイジ。
レイジ「ノイズ・・・近くと離れた場所にいるな。近くのを叩くだけだ。」
レイジは地下鉄に降りた。そこにはノイズが徘徊していた。
レイジ「来い!黄龍!」
黄龍を纏いノイズに向かっていく。蹴散らしながら前進していくと、反対側から煙があがった。
レイジ「あれは?」
そこにいたのは響だった。だが普段の響と何かが違った。
レイジ「立花響?」
響「ん?あ、レイ!」
レイジ「(気のせいか?まるで獣のような感じをしたが)お前も来たのか。」
響「うん、あのさ!あの言葉なんだけど・・・」
レイジ「話は後だ。今は奴を追うぞ。」
レイジは上を見た。地上まで続く穴が出来ており、葡萄のようなノイズが逃げていった。
二人もすぐに後を追いかけた。そこで見たのはノイズを倒していた翼だった。
翼「・・・」
響「あの!皆に言われて何となくですがわかりました!私は、まだまだです。でも皆を守りたいのは本当です!だから私は!私として認めてほしい!だから!」
レイジ「立花響、お前。」
?「だから、どうしたって?」
三人とは違う声がした。声のした方を見ると、月明かりで照らされたその人物が纏っていたのは、翼にとって因縁めいたものだった。
翼「ネ・・・ネフィシュタンの鎧!?」