Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

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アタシのルームメイトはお前か……By夏姫      予想外だったでしょう?By楯無      流石は生徒会長…仕事が早いわねBy鈴


Break10『色々と予想外の彼是勃発だ!』

Side:夏姫

 

 

現状確認……慌ただしい初日が終わって、山田先生から寮の部屋の鍵を貰って、其れに記されていた部屋に来て、ノックをしてドアを開けたら盾無が居た。

御丁寧に扇子に『祝・入学』と記して。

 

 

 

――バタン

 

 

 

余りにも予想外の事態に、扉を閉めたアタシは決して悪くない。

と言うか何故楯無が?……若しかして、アタシは予想以上に疲れていて、ルームメイトを誤認したのかも知れん……ならば改めて扉を――

 

 

 

「御飯にします?お風呂にします?其れとも私?」

 

「………」

 

 

 

――バタン

 

 

 

矢張り楯無が居た。しかも今度は、制服の上からエプロンを着ていた。

しかしだ、こうなると見間違いの線は薄いだろうな……幾ら疲れていたとしても、2度も見間違える程、アタシは間抜けじゃないからな……現実を受け止めるか……さて、改めてドアを開け――なんて格好をしてるんだお前は!?

 

 

 

「私にします?私にします?それとも、ワ・タ・シ?」

 

「遂に選択肢がなくなった?其れと裸エプロンとか正気か!?」

 

「あら、選択肢はあるわよ?私一択なだけで♪」

 

 

 

其れは選択肢とは言わん!!

……楯無の実力は疑う余地も無いが、性格に少々難ありと言った所か?……尤も、悪意が無いから其処まででは無いのかも知れんが、そうであっても、敢えて言わせてもらうぞ?

IS学園よ、何故コイツを生徒会長にした……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break10

『色々と予想外の彼是勃発だ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何にしても、こんな場面を誰かに見られたら、妙な噂が流れるのは間違い無いので、楯無を室内に押し込めた上で、アタシも入室し、ドアを閉めて鍵を掛ける……こうすれば、取り敢えずは誰にも見られないからな。

 

 

 

「あらあら、おねーさんを部屋に押し込めた上で、鍵をかけるなんて大胆ねぇ夏姫ちゃん?」

 

「先に言っておくが、お前が考えてる様な事は一切ないから安心しろ楯無……と言うか、制服エプロンまでなら未だ許容できるが、裸エプロンって何を考えてるんだお前は!?」

 

其れを新聞部にでも激写されてみろ。一躍校内最大のスキャンダルとして報じられて、お前の立場がなくなる上に、その姿と一緒のアタシが激写されたら、アタシだって色々と失うのは目に見えている……其れを理解してるか?

 

 

 

「理解してるわよ?だから、エプロンの下にはちゃんと水着着てるから大丈夫。これで、裸エプロンではないモノね♪」

 

「そう言う問題じゃないだろ。と言うか、そんなへ理屈が通用すると思うな。」

 

まぁ、取り敢えず服を着てくれ楯無……その格好では、話をするのも気が引けるからな。

……言っておくが『私は気にしない』と言うのは無しだぞ?例えお前が気にしなくとも、アタシが気にするんだ、アタシが。

と言うかお前は、アタシが2度目に扉を閉め、3度目に開ける僅かな間にどうやって『水着エプロン』になったんだ?アタシの感覚では、10秒と経って無かった筈だが?

 

 

 

「水着はあらかじめ中に着てたの♪

 で、エプロンは紐を縛らないタイプのだから、最速で行動すれば10秒であの格好になる事は造作もないわよ?」

 

 

 

明らかに才能の無駄使いだな。……こんな話をしてる間に、速攻で服を着た事も含めてな。

 

さてと楯無、何故お前がこの部屋にいる?まさかとは思うが、お前がアタシの部屋の同居人と言う訳では無いだろうな?……1年は1年同士で同室になる筈だから、お前が同居人の筈がないしね。

 

 

 

「ところがギッチョン、此れが同じ部屋なのよね~~♪」

 

「よし、千冬さんに抗議して部屋を変えて貰う事にする。」

 

「あ、其れは無理よ夏姫ちゃん?

 この部屋割りは、織斑先生に許可貰った上で、私が生徒会長権限で決めたモノだから、余程の事が無い限りは部屋を変更する事は出来ないわよ~~?」

 

「職権乱用だな、生徒会長様……」

 

何だってそんな事を……アタシと同室になって、お前に何かメリットがあるのか楯無?――と言うか、何を企んでいる?

 

 

 

「企んでるだなんて人聞きが悪いわねぇ?

 一言で言わせて貰うと、私は貴女を気に入ってるのよ夏姫ちゃん。――一夏君の記者会見で起きたあの一件を見た時に、貴女に興味が湧いたっていうのは前にも言ったと思うけど、入学試験の実技試験で貴女と戦って、私は貴女の事が気に入った。

 自惚れる訳じゃないけど、私と互角に戦える人なんて、織斑先生位しか居ないと思ってた……山田先生が専用機を持ってたら兎も角として。

 なのに、君は私と引き分けて見せた――其れも、仮に判定勝ちが有ったとしたら、間違いなく判定勝利してたであろう内容でね。

 だから、君の事が知りたくなったのよ夏姫ちゃん。」

 

 

 

IS学園最強と称される生徒会長様に気に入られたというのは、誇るべき事なのかも知れないが……理由は其れだけじゃないだろう楯無?

生憎と腹の探り合いは好きではないので、単刀直入に言わせて貰うが――お前、更識とISRIの間にパイプを造ろうとしてるんじゃないのか?

 

 

 

「あら鋭い。

 正解よ夏姫ちゃん――ただ、もっと正確に言うなら、ISRIとではなく、ISRIの基盤組織である亡国企業とだけれどね。」

 

「!!……お前、知っていたのか?」

 

「フッフッフ、日本の暗部である更識の当主を甘く見ちゃダメよ夏姫ちゃん?

 貴女達の事が気になったから調べてみたら、ISRIの母体は亡国企業――世界の安定を裏から操作してる組織だという事に辿り着いたのよ。

 其れで考えたの、亡国企業と協力関係を結ぶ事が出来れば、更識の力と合わせる事が出来れば、其れは間違い無く最強にして無敵の組織になるし、亡国企業は更識からの極秘情報を得られるし、更識は亡国企業の戦力を手に入れる事が出来るでしょう?」

 

 

 

アタシ達が亡国企業の一員だという事が割れてたとはな……尤も楯無の話を信じるのならば、敵対する事は無さそうだが、少なくとも楯無が嘘を吐いてる様には見えん。

ドレだけ訓練された者であっても、人は嘘を吐く時には無意識に目が泳ぐモノだが、楯無の目は泳がずに確りと私を見ていたからね。

だが、そう言う事ならば異存はない――亡国企業としても、日本の暗部である更識の力……特に諜報能力は欲しかったからな。

尤も、正式な協力体制はISRIに報告……するまでもなく、スコールさんにすれば良いか。スコールさんは亡国企業の実働部隊『モノクローム・アバター』の隊長だから、可成りの権限を持っているしな。

 

 

 

「怪しいとは思ってたけど、ミューゼル先生も亡国企業だったのね……まぁ、ミューゼル先生の実力は織斑先生に勝るとも劣らないから、頼りになるのは間違い無いけど……」

 

「実際に頼りになる。

 で、お前の目的は他にあるんだろ楯無?……更識と亡国企業のパイプを作る為だけだったら、アタシと同じ部屋にする必要はない――其れこそ、生徒会長権限でアタシや一夏を生徒会室に呼び出せば良いだけのことだしね。」

 

「あっちゃ~~、其処に気付いちゃったか~~?」

 

 

 

……いや、余程の間抜けじゃ無ければ気付く筈だ……と言うか、此処まであからさまな状況に気付かない奴なんていない――……否、一秋なら引っ掛かるかも知れん。

楯無の容姿は、一秋的はドストライクだからな。

 

 

 

「あぁ、2人目の彼ね?……仮に彼が私に気が有っても、全力で無視するわ――蓮杖一夏君とは同じ顔立ちだけど、一秋君はその裏に闇が見て取れるもの。

 っと、話が逸れたわね――だから、シンプルに言わせて貰うけど――夏姫ちゃん、生徒会に入らない?」

 

「……私が生徒会だと?冗談、ではなさそうだな?」

 

「そうよ。

 こう言っちゃなんだけど、IS学園の生徒会は私も含めて役員は3人だけ……ぶっちゃけ人手不足なのよ~~!!

 私も頑張ってるし、虚ちゃんも頑張ってくれてるんだけど、正直言って手が足りないのよ~~!だから、夏姫ちゃん、生徒会に入って!!私と虚ちゃんを助けてぇ!!」

 

 

 

……人手不足が大変なのはIS学園でも同等のようだな。

まさか、生徒会の運営が困窮してるとは思わなかったが、そう言う事ならば、生徒会役員になってやろうじゃないか……尤も、入学初日に新入生に対して頼む事でもないような気がするがな。

 

とは言え、其れでもアタシと同室になるという理由にはまだ薄いぞ楯無。

 

「生徒会の方は役員として加入するが……で、一番の本音は?」

 

「私が夏姫ちゃんと同室になりたかったから♪」

 

「結局は其処に行きつく訳か……其処まで気に入られていたというのは、ある意味で光栄と言うべきなのか迷うが……」

 

「まぁ、学園最強に気に入られたんだから誇りに思いなさいな♪

 ところで、本音ちゃんから聞いたんだけど、織斑君とオルコットさんとクラス代表を賭けて戦う事になったらしいわね?」

 

 

 

耳が早いな?と言うか、のほほんさんは更識に仕える家の人だったから、更識の当主様にクラスであった事を話していても不思議じゃないか。

まぁ、アタシだけじゃなくてマリアも参戦するんだがな。

 

 

 

「織斑君は兎も角、オルコットさんは国家代表候補生……一筋縄で行く相手じゃないと思うけど、自信の程は?」

 

「自分の立場の重さを理解してない馬鹿に負ける気はない。

 と言うか、お前は自分と引き分けた奴が、国家代表候補生と言うだけで天狗になってるような奴に負けると思っているのか?」

 

「いいえ、全然思ってないわ♪

 貴女とマリアちゃんなら、やろうと思えばノーダメージでも勝てるでしょう?」

 

「ノーダメージ所か、アタシとマリアが本気を出せば瞬殺だ。」

 

馬鹿には専用機が用意されるだろうが、扱うのがド素人なら脅威じゃないし、あのクソライミーの専用機『ブルー・ティアーズ』の能力は既に知っているからね。

正直言って、負ける要素が何処にもない。

 

 

 

「ふふ、其れじゃあパーフェクト勝利2つ取った上での全勝を期待してるわね♪」

 

「学園最強に期待されたのなら、其れに応えない訳には行かないな。」

 

入学初日から色々あったが、最後の最後で一番のインパクトが待っていたのには驚いたな――まぁ、ISRI(亡国企業)と更識家が協力体制を敷くのは、どちらにとっても有益だし、有事の際には即座に連携できるようになるから全然OKだしね。

 

其の後は、楯無と何方のベットを使うかとかを決めて、取り敢えず慌ただしい一日が終わった。

……楯無と話をしている最中に、一秋の悲鳴と散の怒号が聞こえたが……あの2人は一緒の部屋だったんだろうなぁ?千冬さんが馬鹿を纏め上げたのか、其れとも束さんが一緒にしたのかは知らないがな。

 

其れと大浴場で、何やら注目されていたみたいだが、アレは一体何だったんだろうか?――決して太くは無いが、どちらかと言えば筋肉質な身体を見ても面白くないだろうに。

まぁ、余り気にしない方が良いかも知れないな。

 

尚、更識家と協力体制を敷く事になった事を束さんに電話で報告したら『何時かはそうなると思ってたけど、まさか初日とは予想外だったよ!』って言っていた……アタシと楯無は、束さんの予想を超えていたという事か。

 

何にしても、色々あってさすがに疲れた……今日はもう寝る。――お休み楯無、良い夢を。

 

 

 

「あら、カッコいいセリフを知ってるわねぇ?夏姫ちゃんが言うと絵になるわぁ♪」

 

「……言ってろ。」

 

「ふふ、冗談よ。おやすみなさい、夏姫ちゃん。」

 

 

 

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翌日、何時ものように5時に起きて(偶然ではあるが)相川清香と共に早朝ランニングを熟し(相川はジョギングが趣味らしい)、其の後で朝食を作って楯無を起こし、朝食を摂った後に登校。

一夏と鈴も朝食は自室で摂ったみたいだが、マリアだけは食堂を利用したようだな?……まぁ、マリアの料理の腕は菓子類以外は壊滅的だから仕方ないかも知れないが、同室になった鏡ナギも料理が得意ではなかったらしい。

 

そんな訳で教室に入ったんだが……箒が他の生徒に囲まれている様だ。

何か揉め事と言う訳でもないようだが、一体如何したんだ?

 

「おはよう、何かあったのか?」

 

「何やら凄い人だかりだけど……」

 

「あ、おはよう蓮杖さん、レインさん!

 何かって言うか、箒さんの意外な特技を皆に話してただけなんだけど……何故か人だかりが……」

 

「だから止めてくれと言っただろう静寐……」

 

 

 

箒のルームメイトは鷹月だったのか。

しかし、行き成り名前で呼び合うとは仲が良いみたいじゃないか箒?

 

 

 

「篠ノ之だと散も居るから分かり辛いので、名前で呼んでくれと言ったら、静寐が『自分の事も名前で呼んでくれ』と言うのでな……」

 

「名前呼びって、やっぱり良いと思うから♪

 其れでね蓮杖さん、レインさん、箒さんて剣道だけじゃなくて、華道と茶道も嗜んでるだって!昨日、荷物整理してたら、箒さんの荷物の中からかなり本格的な茶道具が出てきて驚いたよ!!」

 

「あぁ……そう言えば、箒は剣道だけじゃなく華道と茶道もやっていたな?そっちも、剣道に負けず劣らずの腕前だった筈だ。

 アタシの記憶が正しければ、箒は去年、剣道の全国大会で優勝して、更に華道の全国大会の中学生の部で金賞を受賞していた筈だぞ。」

 

「意外と多彩なのね箒は?」

 

「そう、意外と多彩で驚いたよ。

 剣道に華道に茶道……箒さんは大和撫子とサムライガールの両方の魅力があるんだと思うよ?」

 

「あ、あまり持ち上げないでくれ静寐……流石に照れる。」

 

「鷹月さんから話を聞いただけだけど、本当に凄いと思うな箒さんは……若しかして、散さんも結構多才だったりするのかな?」

 

 

 

箒が意外と多才だった事から、散もそうなんじゃないかと言う憶測が生まれたみたいだが、ハッキリ言って其れは無いと断言するぞ相川。

箒と違って散は幼稚で我儘でガキなだけの只の馬鹿だ……一応剣道は出来るが、その腕前も箒と比べたら――否、比べるにも箒に失礼以外の何物でもないレベルだ。

何よりも散は、自分の思い通りに行かない事があると途端に癇癪を起こして喚き散らす奴だからな……そんな奴に、華道や茶道が出来る筈がないだろう?

 

 

 

「「「「「あぁ、其れは無理だね。」」」」」

 

「我が妹ながら、否定出来んのが悲しいな。」

 

 

 

事実だしな。

何にせよ、この一件で箒がクラスでも一目置かれる存在になったのは間違い無いだろう――箒自身も、アタシ達以外に話す事が出来る相手が出来た事で気分的にもリラックスできたみたいだしね。

 

其れから暫しの間、箒を中心に話が盛り上がったが、一秋と散、そして偽シリアが教室に来た事で、一気に教室内の温度が下がったな……まぁ当然だろうな。

偽シリアはクラス全員を敵に回した訳だし、散は昨日の彼是と、今のアタシの話で『危険人物』と見なされてるし、一秋も何故かあまりいい感情を持たれてないようだからね……一秋に関しては、アイツの根底の黒さは、一般人でも認識できるレベルだったのかもしれないがな。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

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・・・・・・

 

・・・

 

 

 

そんなこんなで、授業中。

教鞭をとるのは千冬さんだが、その捕捉を山田先生が行ってくれているから、此れなら一般生徒にも可成り分かり易い授業だろうな。――まぁ、アタシとマリアからしたら復習をしているようなモノだがな。

 

……尤も、其れでも一秋は頭の上に大量の『?』を浮かべていたが……自称天才君も、マッタク予備知識が無い状態では付いて行くので精一杯と言う事か――逆に言うなら、その程度の奴なんだが。

 

 

 

「そろそろ時間か……キリが良いので今日は此処までとする。

 其れと授業中に失礼するが、織斑、お前には政府から専用機が支給される事になった。」

 

「はぁ!?専用機って、マジで!?」

 

 

 

このまま授業終了かと思ったら、終了間際で千冬さんが爆弾を落としてくれたなオイ?

専用機が用意される事は予想していたが、まさかこんなに早くなるとは予想外だった……日本政府としては、特定の勢力に所属してないフリーの男性操縦者のデータは何が何でも欲しいと見える。

 

言ってしまえばモルモット用の計測機器……果たしてどんな機体になるのやらだ。

 

 

 

「専用機……安心しましたわ。

 専用機と訓練機では性能差は言うまでもないですから、貴方が訓練機で来るのならば瞬殺でしたけど、専用機が与えられると言うのなら、少しは楽しめそうですわ。

 精々、無様に負ける事だけはしないで下さいますわねMr織斑?」

 

「元より負ける心算は無いぜ?……そして、お前に教えてやるよ、力を手にした天才と、力を手にした凡人の差って言うモノをね。

 お前には、俺の踏み台になって貰うぜオルコット!!」

 

「言いましたわねジャップが……なら、私が勝ったら、貴方を奴隷にして差し上げますわ!!」

 

「ハッ、やってみろよライミーが!」

 

 

 

……そして、一々噛みつくな偽シリア。そして其れに反応するな馬鹿。

お前達がヒートアップするのは勝手だが、お前達の相手にはアタシとマリアが居ると言うのを忘れるなよ?……お前達の戦いの結果など如何でも良いが、アタシもマリアもお前達にだけは負けんぞ。

 

 

 

「自分を天才と称する輩に、相手を見下す事しか出来ない代表候補生……私と夏姫が負ける要素が何処にもないわ。」

 

「まぁ、そう言う事だ――お前達の戦いは消化試合に過ぎないが、アタシもマリアも、お前達を叩き潰す心算で行く。」

 

 

 

――ちゅぽん……ビシィ!!

 

 

 

なので、改めて宣戦布告の意思を示そうと、中指を口で咥え、其れをゆっくりと抜いた上で中指一本立てをやった訳なんだが……如何して、アタシとマリアと箒とのほほんさん、馬鹿とアホと偽物を除いた生徒がぼ~っとしてるんだ?

 

 

 

「大体お前のせいだ蓮杖姉。」

 

「アタシのせいですか、織斑先生?」

 

「なんと言うかな……今のお前の行動は、色っぽすぎるのだ――其れこそ、多感な女子高生の彼是を刺激する位にはな。

 そうでなくても、お前は同性から見ても可成り魅力的な部類だからな……」

 

 

 

激しく納得がいかんが、アタシに悩殺されたと言うのならばそう言う事にしておこう……だがまぁ、覚悟は決めておけよ織斑とオルコット?

お前達の実力がどれ程かは知らんが、お前達如きは、アタシとマリアにしてみれば鼻糞同然の雑魚に過ぎん――否、比較するにも鼻糞や雑魚に失礼極まりない。

 

「だから宣言してやる織斑、オルコット――アタシとマリアは、お前等にはノーダメージで勝利してやるとな。」

 

「期待はしてないけれど、精々私達を楽しませてほしいモノね。」

 

「んな、舐めるなよ!!」

 

「この男は兎も角、私をノーダメージで倒すとは大きく出ましたわね?

 ならば、1ポイントでもシールドエネルギーが削られた時点で貴女方の負けで構いませんのね?」

 

 

 

あぁ、其れで構わないぞオルコット。

お前達が全力を出した所で、アタシとマリアには遠く及ばん……其れを、骨の髄にまで叩き込んでやるから覚悟しておけ――貴様等に待っているのは自由の翼による断罪と、天帝による慈悲なき死刑だけだからな。

 

精々その時を待つが良い……ふふふふふ、ふはははは……ハ~ッハッハッハッハ!!

 

 

 

「蓮杖さんの高笑い……これはいける。」

 

「とっても魅力的ね……今年の夏は、夏姫さんメインで決まりだわ!!」

 

 

 

……何やら、怪しげな会話が聞こえて来たが、聞かなかった事にした方が良さそうだなうん。――取り敢えず、一秋と偽シリアには地獄を見せてやる事にするか。

そして思い知れ、己の弱さと言うモノをな。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:一夏

 

 

午前中の授業が終わって、今は昼休み。

なので、昼飯なんだが……俺と鈴、夏姫姉とマリアと箒の5人でランチの真最中――朝飯は作れたけど、俺も鈴も弁当を用意するだけの余裕はなかったからな。

 

因みにメニューは、俺がメガ盛りのカツ丼(飯2倍、トンカツ3枚)で、夏姫姉はから揚げ定食、鈴はラーメンと餃子のセットでマリアはデミソースのオムライス。

箒は、きつねうどんと天婦羅のセットか。

 

此の5人だと話が弾んで食事も楽しいな――途中で夏姫姉のルームメイトである楯無さんも加わって、より賑やかになったしな。

 

 

 

「時に一夏、お前は未だ剣道を続けているのか?」

 

 

 

そんな中で箒から『剣道を続けているのか?』って問われたが……剣道を続けてるとは言い難いな、今の俺は。

俺の専用機の特性的に、剣の鍛錬は怠ってないけど、今の俺の剣は『剣道』よりも、もっと実戦的な『剣術』に近い……つっても、我流だけど。

剣道では、駄目かも知れないけど、剣術なら自信があるぜ俺は。

 

 

 

「剣道ではなく剣術か……其れを聞いて安心したぞ一夏。

 私も剣術は納めているのでな……如何だ、放課後に久しぶりにやらないか?……私の剣術と、お前の剣術、思い切りぶつけ合わせるのも良いだろう?」

 

 

「そう来たか……良いぜ、その提案に乗ってやる!」

 

俺としても、久しぶりにお前と戦いたいって思ってたからな――だが、やる以上は手加減なしだぜ箒?

 

 

 

「無論だ――寧ろ手加減されたとあっては、萎えるからな。……魅せて貰うぞ一夏、お前の力をな!!」

 

「なら、その目に焼き付けな……蓮杖一夏の剣をな!」

 

まさか、箒と戦う事になるとは思わなかったが、やる以上は徹底的にやるだけだぜ……とは言っても、箒は一流の剣士だから、簡単に勝つ事は出来ないだろうけどな。

 

 

 

つっても、負ける気なんて更々無いからな……本気で行くぜ、箒!

 

 

 

「ふ、本気で来い一夏!!!」

 

「俺の本気、受け止めてくれよな!」

 

期せずして箒と戦う事なったが、此れは楽しみだぜ……今の箒は、6年前とは比べ物に成らない位に強くなってるからな。――其の力、代表決定戦を勝ち抜けるレベルだ。

 

だけどまぁ、6年ぶりの試合だ……楽しませてくれよ箒?

 

 

 

「ならば応えよう――だが、先に息切れしてダウンするなよ一夏?」

 

「その言葉、そのまま返すぜ箒。」

 

「――ふっ、上等だぜ!!」

 

クラス代表戦の前に、俺は箒との一騎打ちをしなくちゃならないらしい……が、負ける気はないぜ?

剣道オンリーなら兎も角『剣術』に関しては互いに未知数……だが、それでも勝たせて貰うぜ箒――俺の剣は、我流故に決まった型なんて無い代物だからな。

 

久しぶりの箒との剣での戦い、ワクワクするぜ……だから、本気で行くぜ?――覚悟するんだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 




キャラクター設定


・更識楯無

IS学園の生徒会長であり、日本のカウンターテロ組織とも言うべき『更識家』の第17代当主。
飄々として掴み所のない性格だが、その実力は非常に高く、自他ともに認める『IS学園最強』の存在。(あくまでも生徒の中
では。)
『楯無』とは更識家の当主が代々継ぐ名であり、本名は『更識刀奈(かたな)』。
ISRIの記者会見をテレビで見ていた際に起きた女尊男卑の女性の襲撃を、瞬く間に鎮圧したISRIの企業代表4人に興味を持ち、中でも夏姫に強く興味を惹かれ、夏姫の入学試験の実技では試験官として夏姫と戦った。
自分と互角以上に戦える夏姫に驚くと同時に、久しぶりに全力を出す事の出来る相手だった事から、すっかり夏姫の事を気に入ったらしい。
妹である『更識簪』の事は、何よりも大事に思っているが所謂『シスコン』ではない。(但し、簪に不利益を与えた相手に対しては裏で容赦ない制裁を喰らわせる位はする。)
常に扇子を持ち、時おりそこにセリフ代わりの言葉が書かれているが、如何言う原理なのかは一切不明。
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