Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

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何だかんだで110話まで来たなBy夏姫      でも、まだ終わらないわ……決戦は此れからなんだから!By刀奈       だな、魂燃やすぜ!By一夏


Break110『夫々の決戦に向けての準備』

Side:夏姫

 

 

世界を脅して、そして脅しに屈した国を手駒にしてIS学園を攻めるとは本当に悪辣極まりない――その為に、カナダとフランスを見せしめの如く壊滅状態にするとは、教授と名乗ったアイツは本気で外道だな。

だが、奴等の方から来てくれると言うのならば逆に探す手間が省けたから、来た所を叩き潰してやるだけの事だ。

そんな訳でIS学園に戻る為にモノレールの駅までやって来たのだが――

 

 

 

「ま、間に合ったぁ……」

 

「弾?お前、何しに来たんだよこんな所まで?」

 

 

 

駅前には五反田の姿が……可成り自転車を飛ばして来たみたいだが、一夏の言う様に一体何しに来たんだお前は?と言うか、自転車の荷台に括りつけられた巨大な風呂敷は一体?

 

 

 

「何って……戦地に赴くダチ公&その仲間達の見送り兼差し入れってな。

 テレビを見てたら、教授とか言うサイコ野郎が『IS学園を攻撃する』とか抜かしてやがったから、絶対に一夏達は其れに対抗する為にIS学園に戻ると思ってよ。

 本音を言うならさ、俺も一緒に戦いてぇ――つーか、惚れた女が戦場に出るってのに、男が家でのうのうと暮らしてる事なんざ出来ねぇだろ?

 でも、幾ら男性用ISが出来たつっても、俺はISに触れた事もねぇし、訓練なんてのも当然した事ねぇから一緒に戦うのは無理だから、なら見送りと差し入れ位はと思ってよ。」

 

「……その思いだけで充分ですよ弾君。其れに差し入れとは……?」

 

「其れは、此の風呂敷っすよ虚さん!

 IS学園が攻撃されるってなったら、朝飯も食わずに学園に戻っちまうんじゃねぇかと思って、握り飯とサンドイッチを可能な限り作って来たんすよ。

 此れならモノレールの中でも食べられると思って。」

 

「マジで!?アンタ仕事早いわねぇ弾?

 って言うか、アンタがこんな気遣い出来る事にアタシちょっと驚き……やっぱり彼女が出来ると色々と変わるモンなのかしらねぇ?」

 

 

 

鈴、お前微妙に失礼だぞ其れは?

――自分は直接戦場に出る事が出来ないから、自分に出来る方法で力を貸すと言う事か五反田は……風呂敷の大きさからすると、中身のおにぎりやサンドイッチは可成りの数になるだろうが、アタシ達が駅に着くまでの僅かな時間で作り上げたと言うのには驚きだ。

その心遣いに感謝するよ五反田。

 

 

 

「蘭や爺ちゃんにも手伝って貰ったけどな。

 ……まぁ、なんだ。気の利いた事が言える訳じゃねぇから、月並みなセリフになっちまうけど、絶対負けないでくれよ?絶対に生きて帰って来てくれ!」

 

「ハッ、当然だろ弾?教授だから博士だか知らないけど、人の心無くしちまった様な悪逆非道に負ける俺達じゃないぜ――当然、アイツ等に協力する様な国にもな。」

 

「だから~、私達を信じて待っててねダンダン~~♪あれ、それよりも『お兄ちゃん』の方が良いのかなぁ?」

 

「ごふあぁ!?」

 

「ちょ、貴女は何を言ってるんですか本音!?確りして下さい弾君!弾く~~ん!!」

 

 

 

何と言うか、最後の最後で締まらないのはお約束なのか?まぁ、のほほんさんからのまさかの核爆弾を投下されて五反田が一発轟沈されてしまったのは仕方ないのかも知れないけど。

五反田は……うん、幸せそうな顔で気絶してるだけだから大丈夫だろう多分。

本来ならば、然るべき処置をするべきなのだろうが、モノレールが発車する時間も近いから、後は駅員さんにお任せして、アタシ達は学園に向かおうか?

五反田の有り難い差し入れも忘れずに持ってな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break110

『夫々の決戦に向けての準備』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モノレールの車内にて、アタシ達は五反田の差し入れを有り難く頂いてるんだが、流石に量が多くて食べきれそうにないから、残ったのは学園の皆に持って行って貰うとするか。

……尤も、実働部隊の教師陣は兎も角として、学園にドレだけの生徒が居るか分からないけれどね。

 

 

 

「そうね、果たして生徒はドレだけ居るのやらだわ。シャルロットちゃんは帰国しなかったらしいから居るでしょうけど、その他の子達については、ね。」

 

「生徒が居ないって言うのか楯姉?何で?」

 

「ぐふ……まだ慣れないわね其れ。

 あのね一夏君、考えてみなさいな……ライブラリアンは『IS学園を攻撃する』と言ったでしょう?端的に言って、IS学園は戦場になる――其れは理解出来るわよね?」

 

「え?アイツ等がIS学園に到達する前に俺達の方から打って出るんじゃないのか?

 目標がIS学園だって分かってるなら、連中の動きを捕捉する位、束さんに頼めば楽勝だと思うんだけど……違うのか?」

 

 

 

『楯姉』と呼ぶ様になってから、一夏も刀奈に敬語は使わなくなったか……千冬さんやオータムさんにグリフィンと、『姉』呼ばわりする相手には、基本的に敬語は使わないからな一夏は。

基本的に敬語を使わないのはアタシもだが。

 

「一夏、確かにその方法は可能だし、学園に連中が到達する前に叩く事が出来ればベストなのは間違いないけれど、其れはあくまでアタシ達からすればの話だ。

 実戦経験のない一般生徒や、その親御さんは『IS学園を攻撃する』と聞いたら、イコール『IS学園が戦場になる』と考えるのは当然の事だろう?

 ならば、学園にはアタシ達以外の生徒は殆どいないと考えるのが普通なんだよ――戦う力を持たないのに戦場に飛び込むバカや、態々自分の子供を戦場に送り出す親は居ないだろう?太平洋戦争中でもあるまいし。」

 

「あぁ、そう言う事か。」

 

「そう言う事だ。」

 

そう言う意味では、静寐よ清香と癒子は親に何も言われてないのか?

幾らISRI所属の専用機持ちとは言え、戦場となる学園に行くと言うのは反対されたんじゃないか?

 

 

 

「うん、反対されると思ったから言ってない。」

 

「……はい?」

 

「だから言ったら絶対に反対されると思ったから、私も静寐も癒子も家族には一切言わないで学園に戻る事にしたって訳。」

 

「序に、彼是言われても面倒だから、事が済むまでは実家の電話&家族のスマホは着拒しちゃった♪」

 

 

 

いや、凄く良い笑顔で何してるんだお前達は?

言わんとしてる事は分からなくもないけど、家族に心配を掛けると言うのは良くないと思うぞ?多少時間が掛かっても、ちゃんと説得してからの方が良いんじゃないか?

 

 

 

「説得出来るならそうするけど、多分話は平行線になって決着が付かないと思ったからこうしたんだよ夏姫。

 全部終わったその時は、大人しく叱られるし、ビンタの一発位は喰らう心算で此処に居るんだよ、私も清香も癒子も。

 私達は力を持ってる――其の力はこう言う時にこそ使うべき物だと思うし、同時に其れが力を持った者の使命だと思うんだよね?間違ってるかな?」

 

「力を持つ者の考えとして、其れは間違ってないよ静寐……なら、アタシがとやかく言う事はない。

 其の力を、存分に戦場で揮ってくれ。世界を脅してIS学園を攻撃しようとしている観測者気取りのクソ野郎共に、執行者の刃を振り下ろしてやれ。」

 

「勿論その心算だよ。」

 

「フォビドゥンのデスサイズで、その首ぃ……くぁっきる!」

 

「若本ベガ乙!

 時に執行者の刃って言われても、レイダーにはビームサーベルはおろか実体剣も無いんですけど?……仕方ない、執行者のトゲ付き鉄球で粉砕しようそうしよう。

 鉄球粉砕激をブチかます。」

 

 

 

ふ、相変わらずノリが良いな?まぁ、そのノリの良さは大事だ――そのテンションを戦場で維持する事が出来れば、其れだけで可成りのアドバンテージになると言えるからね。

戦闘狂になれとは言わないが、戦場に於いて生き残る事が出来るのは冷静な思考を維持出来る者か、戦場特有の空気の中でも普段の乗ってる時のハイテンションを貫ける奴と相場が決まっている。

後は例外的に、限界を超えた怒りを貫ける奴だな……そう、シルベスター・スタローン主演の映画、『ランボー』の主人公の様にな。

 

そう言えば、ヤケに鈴が静かだな?何時もなら、このノリに便乗してる所なんだが……何かあったのか?

 

 

 

「…………」

 

「お、オイ鈴?如何したんだよスマホをガッチリ握って?」

 

「ふ……ふっざっけんなぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

――バガァァァァァン!!

 

――カードアクション『チェンジ』発動。カードアクションに成功すると、超サイヤ人に変身し、パワーが永続で+4000

 

 

 

鈴の怒りが爆発してスーパー鈴に覚醒しましたとさ……じゃなくて、何があったんだ鈴?

 

 

 

「何がじゃないわよ!

 中国がアタシに帰国命令を出して来やがったのよ……金を積まれてアタシの事を代表候補から外したくせに帰国命令を出すとか、アタシを舐めてんの?

 つーか、アタシが大人しく帰国するとか思ってんの?……誰が帰国するってのよ此のスットコドッコイが!

 アタシは中国の代表候補じゃなくて、ISRIの企業代表だっての!金に目が眩んで、アタシを不当に代表候補から外した奴等の言う事なんて聞く気ナッシングよ!」

 

「其れはまた何とも……お前じゃなくとも爆発すると思うぜ鈴。」

 

「厚顔無恥と言うのか此れは?……呆れてモノが言えんな。」

 

「臭金平逝って良し。って言うか、鈴お姉ちゃんを生贄にしようとか、マジで死ね中国。氏ねじゃなくて死ねだよ。」

 

 

 

物騒だな乱……だが、アタシも同じ気持ちだよ。

金に目が眩んで鈴を候補生から外したくせに、ライブラリアンに恐れをなして鈴を生贄にしようなど恥知らずにも程があるが、鈴に帰国命令を下したって言う事はつまり、中国はライブラリアンの傘下に入ると言う事だな?

 

 

 

「そう言う事だと思うわ夏姫……此れが祖国だと思うと、悲し過ぎて涙も出ないわよ……いっそ、本気でぶっ壊してやろうかしら?」

 

「其れも良いかもな。」

 

ドレだけの国がライブラリアンの脅しに屈するかは分からないが、脅しに屈した国には其れがドレだけ愚かな選択だったのかを教えてやるのもアタシ達の役目かも知れないからね。

まぁ、ライブラリアンに屈してしまった愚かさを後悔させてやるさ。

しかし国家代表候補ではない鈴に帰国命令が出たとなると、国家代表及び代表候補には当然帰国命令が出てる筈だが、その辺は如何なんだ簪?

 

 

 

「少なくとも私には日本政府からは何も言われてない。と言うか日本政府はライブラリアンには付かない……ライブラリアンに付いたら最後、織斑先生と束博士を敵に回す事になるから。」

 

「そのヤバさを理解してる国は、学園側に付くか中立、静観を決め込むでしょうねぇ……ロシアは、ライブラリアンに付くみたいだけど。

 ねぇ、クーリェちゃん?」

 

「うん……帰国命令、出た。」

 

「ロシアもライブラリアンの脅しに屈したか……で、お前達は如何するんだ?って、聞くまでも無いか。」

 

「聞くまでも無いわよ夏姫。そんなの勿論、ガン無視にします?ノーコメにします?それともシ・カ・ト?ってやつよ♪」

 

「無視する。皆と一緒の方が……良い。」

 

「そうか、其れを聞いて安心したぜ……やっぱ仲間だった相手と戦いたくはないもんな。」

 

「若しかしたら、教授とやらは其れを狙っていたのかも知れないな……うむ、本気で人格破綻者だ。」

 

 

 

マッタクだな。

取り敢えず、現時点では台湾、イギリス、ドイツ、ブラジル、オランダ、ギリシャ、タイからは帰国命令が出ていないみたいだ……まぁ、あの電波ジャックから未だ一時間程度しか経ってないから、方針を決めかねている国の方が多いと言う事なのだろうけどね。

尤も、帰還命令が出た所で誰一人として応じる事は無いだろうけれどね。

 

さて、そんなこんなでIS学園に到着したんだが、なんで学園にアークエンジェルがあるんだ?

 

 

 

「そんなの決まってるじゃないかなっちゃん!束さんも、ライブラリアンとやらとの戦いに参加する為にだよ!

 ――教授とやらはこの私とちーちゃん+αに盛大かつド派手に喧嘩売ってくれやがったから、其れに応えてやろうと思ってIS学園に来たのさ!!」

 

「姉さん、相変わらず行動が早いというか何と言うか……ですが、そう言う事ならば納得です。

 ですが、レギオンのメンバーは兎も角として、ヴィシュヌ達は貴女の事を知らないんですから、取り敢えず自己紹介したらどうですか姉さん?」

 

「おぉっと、言われてみればそうだね箒ちゃん?

 初めまして後発組の代表候補生諸君!私こそが、世紀の大天才にしてISを使って世界の転覆なんてものは一切考えてない正義のマッドサイエンティストの篠ノ之束だよ~~♪

 そんでもって、ISRIの社長である東雲千鶴の正体でもあるのさ!驚いたか!!」

 

「「「「「「え~~~~~~~~~~!?」」」」」」

 

「……ビックリした。」

 

 

 

まぁ、普通に驚くだろうな……クーリェだけは驚いている様には見えないが。

と言うか、こうもアッサリばらすのであれば、ISRIの社長は偽装しなくても良かったんじゃないかと思うのは果たしてアタシだけなのだろうか?……普通に考えると、束さんが社長である事を大っぴらにする方がISRIに余計な手出しをしようとする輩が減ると思うんだが、妹としてお前は如何思う箒?

 

 

 

「姉さんの事だから、『実はISRIの社長が篠ノ之束だったと知った人の驚く顔が見たかった』とかそんな理由で変装してたんじゃないかと思う。

 後はそうだな……『知らずに手を出して、その相手が実は篠ノ之束だったと知った時の絶望感を与えたかった』なんて言うのもあるかも知れないな。」

 

「……物凄く納得できてしまう理由だな其れは。」

 

「ちょ、箒ちゃん流石にその理由は酷くない!?なっちゃんも納得しないでよ!!

 幾ら束さんでも、ちゃんとした理由で変装してたってば!自分の存在がドレだけヤバいかって言うのは、此れでも自覚してる心算なんだよ私だって!」

 

「の割に、結構普通に学園に現れてますよね?本気で隠れる気ないだろ絶対に。」

 

「箒が呼び出したら、100%絶対に来るもんねタバ姐さんは……」

 

「ウワォ、いっ君も鈴ちゃんも割と容赦がなかった!?……良いモン、ちーちゃんに慰めて貰うから。」

 

 

 

其れは其れで、慰めて貰うよりも更にキッツイ一撃をお見舞いされそうな気がするんだが……千冬さんが束さんにドギツイ一発を喰らわせるのはお約束と言った所だし、昔からのスキンシップみたいなモノだから、アタシが気にする事でもないな、うん。

それで、束さんは何で此処に居るんです?ライブラリアンとの戦いに参加する為と言ってましたけど、其れだけじゃないですよね?

 

 

 

「ふ、流石に鋭いねなっちゃんは?

 私が此処に居る理由は只一つ……ちーちゃんの暮桜を改造するため+後発組の代表候補生達の機体を改造する為だよ!――代表候補生達の専用機は確かにハイスペックだけど、ライブラリアン所有の機体には及ばないからね。」

 

「「「「「「「は?」」」」」」」

 

「だ・か・ら、君達の専用機を、束さんが直々に改造してあげるって言ってるんだよ!

 もっと分かり易く言うのなら、競技用から本格的な戦闘用にね!……ISの本来の目的とはかけ離れてる事だけど、ライブラリアンとか言うクソッタレ共がIS使ってるってんならやるしかないでしょ?

 ISに対抗できるのはISだけなんだからさ!……ったく、ISバトルは本来の使い方からかけ離れてるとは言え、エンターテイメントとして多くの人を楽しませてるから良いとして、其れを兵器として使用して、テロ行為を働くとか、マジふざけんなっての!」

 

 

 

ヴィシュヌ達の専用機を戦闘用に改造する、か。

ISは現行の兵器を遥かに上回る性能があるとは言え、其れでも競技用と戦闘用では大きな差がある……軍事転用した銀の福音ですら、第三世代機を遥かに上回っていたからね。

束さんが改造すれば、ヴィシュヌ達の機体は一気に第十二~十四世代になるのは間違い無い――本来なら、絶対にやらないであろう改造だが、此の状況では四の五の言ってられないって事か。

 

 

 

「私達の機体を本格的な戦闘用に改造すると言っても、私達の専用機は国から支給された物であって、私達個人の所有物ではないから、改造するとしたら本国の許可が必要になるのだけれどね?」

 

「ロランちゃんって言ったっけか君は?……本国の許可とかそんなの知らないね。

 ISを開発したのは私だ。その私が直々に改造するのに一々許可を取る必要なんてないじゃん――私が作ったモノを私が自由に改造して何が悪いの?

 ってか、私に言わせればISにこの程度の性能しか持たせる事の出来なかった各国の開発陣にモノ申したい位だよ!!」

 

 

 

……これまた盛大にぶっちゃけましたけど、アタシ達の機体みたいなハイエンドのスペックを持つISは束さんが開発に関わってるからこそですからね?

ラウラ達の機体は、二次移行でその域に達したに過ぎませんから。

しかしまぁ、束さんが直々に参上するとは、ライブラリアンの所業に、相当はらわたが煮えくり返っていると言う事なのだろうな……其れはアタシ達も同じだけれどね。

 

「時に束さん、暮桜を改造すると言ってたみたいだけど、其れはつまり千冬さんも出るって事か?」

 

「その通りだよなっちゃん!ライブラリアンの所業を知って、束さんだけじゃなく、ちーちゃんにスーちゃんにオーちゃんも激おこぷんぷん丸なのさ!

 ちーちゃんの暮桜を魔改造して、スーちゃんとオーちゃんの機体も再調整!ライブラリアンとか言う腐れ外道に、愚行の報いを受けさせてやるぜ!!」

 

「千冬姉が出る……如何考えてもライブラリアン終了のお知らせしかないな。」

 

「フユ姉さんが出るか……ククク、ライブラリアンとやらには同情を禁じ得ん。果たして何人が生き残る事が出来るか、楽しみだな。」

 

 

 

一夏とマドカの言う通りだな……千冬さんが出るとなったら、ライブラリアンには脅威でしかないだろうさ。

千冬さんは正に無敵だからね。一騎当千と言う言葉はあの人の為にあるんじゃないかと思うからな。

世界最強と戦う事になった相手には、心底同情するわ本気で。

スコールさんとオータムさんの機体も再調整されると言う事だから戦力の底上げは待ったなしだ……マッタク負ける気がしないとはこの事ね。

 

 

 

「あ、学園に戻って来てたんだ蓮杖さん達……」

 

「ブリーズ?」

 

此処でアタシ達に声を掛けて来たのはブリーズか。

元気――ではないよな……フランスがあんな事になってしまったのだからな――お前の家族は無事だったのか?

 

 

 

「うん、僕の家族は無事だったけど、ジャンヌ姉さんは膝から下を失ったって……流れ弾のビームで吹き飛ばされちゃったって。

 だけど、姉さんは全然落ち込んでないんだ……『此れ位なら、ISの技術を転用した機械義肢を作ればなんとかなる』とか言ってさ――でもさ、何で姉さんがこんな目に遭わないといけないのかな?

 此れも僕が犯した罪に対しての罰なのかな?……でも、そうであるのならなんで僕じゃなくて姉さんなの?罰は僕に下されればいいのに!!」

 

「……自分を責めるなブリーズ。

 此度のフランスへのテロ行為及び、お前の姉への不幸は、お前に対する罰などではない……全てはライブラリアンが、己の力を示す為に行った蛮行だ。

 その蛮行の果てに、お前の姉は膝から下を失った……己を憎むな、憎むのならば蛮行を働いたライブラリアンを憎め。」

 

我ながら可成り強引な憎悪の矛先転換だが、ブリーズが自分を責めるよりは、憤怒や憎悪の矛先をライブラリアンに向けてやった方が良い……現実問題として、ライブラリアンがブリーズの敵である事は間違いないのだからね。

 

 

 

「そうだよね……敵はライブラリアン、アイツ等がフランスを壊して姉さんの足を奪ったんだ……!

 その代償は払って貰う――拒否しても絶対に払わせてやる!滅殺!!」

 

「……夏姫姉、ブリーズの髪が赤く……」

 

「気のせいだ一夏。」

 

「いや、見間違いじゃなくて目も赤くなってる……殺意の波動に目覚めたんじゃないかアレ?」

 

「うん、其れは見間違いだマドカ。」

 

「え?でも実際に……」

 

「目の錯覚だ……見間違いだ、分かったねマドカ?」

 

「う、うん。分かったよナツ姉さん。」

 

 

 

分かったのならば良し。……リアルに殺意の波動に目覚めた者なんてのが居たら、幾ら何でもトンデモないからな――ブリーズのアレは、ライブラリアンへの怒りが限界突破したと言う事にしておこう。

尤も、逆に言うのであれば、今のブリーズは戦力として頼りになると言える……怒りや憎悪の感情が力に転化した時の爆発力は計り知れないモノがあるからね。

見せしめの心算だったのだろうが、フランスへの攻撃は、ブリーズの中で眠っていた戦闘本能を目覚めさせる事になったみたいだな――マッタク、藪蛇とはこの事だな。

 

 

 

『終着、IS学園。IS学園。どなた様もお忘れ物の無いようにご注意ください。』

 

 

 

っと、モノレールの第二便が到着したか……って、ちょっと待て、此れは一体如何言う事だ?

モノレールから降りて来たのは物凄い数のIS学園の生徒……此れは全生徒になるんじゃないのか?何だってこんな事になってるのだろうか……一般生徒は学園に来る事はないと思ってたのに。

 

 

 

「あ、蓮杖さん達だ!やっほー!!」

 

「矢竹……『やっほー!』じゃないだろう?お前達あの電波ジャック放送見てなかったのか?此処は一週間後にライブラリアンの攻撃を受けるんだぞ?」

 

「そう、夏姫の言う通り、此の場所は戦場になる可能性が充分にあるわ……何故、皆して学園に戻って来たの?」

 

「そんなの決まってるじゃないですか会長――私達も一緒に戦う為にですよ!」

 

「此れまで何かあった時、いっつも戦ってたのって会長や蓮杖さん達だけだった……臨海学校の時だって、詳しくは教えて貰ってないけど何かと戦ってたんだよね?

 極めつけは、この間の学園襲撃事件……あの時も、皆は戦ってたのに、私達は地下の避難シェルターに逃げ込んだだけだった。」

 

「でもって今回もまた、私達は会長さん達が戦いに行くのに、其れを黙って見てる事しか出来ないのかと思ったら、何だか悔しくて、情けなくなっちゃてさ。

 直接的な戦闘以外にも出来る事がある筈だと思って学園に戻って来たの。」

 

「私達の学園だもん!それを護る為に、私達だって戦うよ!!」

 

「アンタ達ねぇ……その心意気は良いと思うわよ?だけど家族に反対と化されなかった訳!?」

 

「されなかった!寧ろ納得行くまでやって来いって!」

 

「反対されたけど無視した!」

 

「両親共々海外赴任してるんで、そもそも話してねぇっす!しかも時差で向こうの国今夜中だから寝てるだろうし!」

 

「親は反対したけど、レディースの総長やってる姉貴が『コイツの覚悟を認めてやれやオイ!』って、両親をSETTOKUしてくれたから大丈夫!!」

 

 

 

……何だろう、最後のは微妙に大丈夫じゃない気がする。

マッタク、一般生徒は、学園に残って居た者は実家に帰るか、帰省していた者はそのまま家に居るモノだと思っていたが、如何やら其れはアタシ達の勝手な思い込みだったみたいだな楯無?

 

 

 

「ホントね……まさか、学園の皆がこんなにおバカさんだとは思わなかったわ――こんなに、頼りになるおバカさんだとはね。」

 

「お姉ちゃん、もう少しオブラートに包んだ方が良いと思う……」

 

「そう言ってやるなよ簪……結局皆も俺達と同じだったって事だ。

 違うのは戦う為の専用機を持ってるか持ってないかだけ――誰一人としてライブラリアンには屈しないって事だ。」

 

 

 

だな。

だが、学園に戻って来たって言うのなら存分に働いて貰うぞ?

整備科の生徒は全員、今すぐ工具を持って整備室に行って束さんの手伝いだ――如何に束さんが天才でも、六日間で七機ものISを事実上の再開発すると言うのはキツイだろうからそのサポートに回ってくれ。

他の生徒は、三年と二年はISIRの無人機達と一緒に、学園施設の外壁にPS装甲を張る手伝い、一年は炊き出しや風呂焚きなんかを頼む。

アタシ達はライブラリアン及び、ライブラリアンに下った国の連中と戦うから、皆は裏方でのサポートをお願いするよ。

 

 

 

「もっちろん!私達は、その為に戻って来たんだから!!」

 

「しっかりサポートするから、どんどん遠慮なく用事を言いつけてね!!」

 

 

 

あぁ、そうさせて貰うよ。

そして、皆が学園に戻って来た事で益々負けられない理由が増えた……覚悟を決めて戻って来た、頼りになる馬鹿共を死なせる事は絶対に出来ないからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:イルジオン

 

 

あの電波ジャック放送から三日経った訳だが、少し意外だったよ教授。

 

 

 

「意外?何がだね?」

 

「お前の事だから、一週間後にIS学園を攻撃するとか言っておきながら、期限を待たずに奇襲攻撃を仕掛けるんじゃないかと思ってたのに、三日経った今でも大人しくしてる事がだ。」

 

「おや、心外だねイルジオン?私はこう見えても自分で言った事は守る主義なのだよ……其れに、準備が整っていないIS学園を攻撃しても何一つ面白くないし、君とて夏姫君と充分に戦う事は出来まい?

 其れに、私としても一秋君と散君は極限まで強化したかったのでね。」

 

「自分で言った事は守ると言う奴ほど信じられないモノはないぞ教授。

 だが、そう言う理由ならは一応ではあるが納得出来るか……と言うか、あの馬鹿共を更に強化するのか?これ以上強化したら本気で人間じゃなくなるんじゃないか?」

 

「其れが何か問題でも?

 一秋君も散君も力を望んでいたから、私は其れを与えてあげるに過ぎない……その結果として彼等が人間から逸脱した存在になったとしても一切問題ないだろう?」

 

「……外道が。」

 

まぁ、確かにアイツ等がどうなろうとも私の知った事ではないか……私はオリジナルを殺す事が出来れば其れで良い――互いに全力で戦った果てにな。

 

そう言えば教授、ライブラリアンに付く事を決めた国はドレ位あるんだ?

 

 

 

「うむ、現時点で中国、ロシア、南北の朝鮮は我々の傘下に入るようだ……まぁ、予想通りと言った所かな?

 IS学園は世界立とは言え、存在しているのは日本の領海内にある島だからね……反日感情が凄まじい中国と朝鮮、北方四島を再び自国の物としたいロシアからすれば、格好の標的なのだろうさ。

 あわよくば、IS学園を壊滅させると同時に、日本本土を攻撃して日本を自国の属国にする気なのだろうね――マッタク、人の欲は恐ろしいな。」

 

「其れをお前が言うか?人の持つ負の欲望に手足が生えているようなお前が。」

 

だが、確かに人の欲望と言うのは恐ろしいよ――その欲望の果てに生まれたのが私とオリジナル、そして織斑達なのだからな。

 

決戦の時まであと四日か……勝つのは果たして私達ライブラリアンか、其れともオリジナルが居るIS学園か――まぁ、どっちが勝つにしても漸くお前と本気で戦う事が出来るなオリジナル。

恐らくは世界最大の姉妹喧嘩だろうが、其れが楽しみで仕方ないよ。

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:???

 

 

私の目の前には、上官だった男が頭から血を流して横たわっている……私達をライブラリアンに売り渡す心算だったのだろうが残念だったな?

軍の上層部は、お前が国を裏切ってライブラリアンに個人的に協力するであろう事は見抜いていたらしい――だからこそ、私達にお前に従う様に言って来たのだ……お前を始末する為にな。

だから、お前が大型の輸送機に私達を乗せてくれたのは有り難かったよ――私達も移動の足が欲しかったからね。

 

「『ユダ』は始末した。其方は如何だ?」

 

『ハッ!コックピットの制圧は完了しました!パイロットは如何いたしますかクラリッサ副隊長?』

 

「生きているのならばロープで縛って芋虫にしておけ。死んでいるのならば居るだけ邪魔だ、捨ててしまえ。サメの餌くらいにはなるだろう。」

 

『了解しました。』

 

 

 

『ゲテモノが。せめて美食家の魚に喰われる事を願うが良い!』と言ってやるべきだったのかな此処は?……でも、此れヘリじゃなくて輸送機だから、少し違うか?う~~む、もう少し勉強しなくてはだな。

其れは兎も角として、裏切り者は始末したが、其れ以上は軍の上層部からは何も言われていないので、此処からは私達は好きに動くとしよう。

進路、IS学園へ!ラウラ・ボーデヴィッヒ隊長と、織斑千冬教官に我等黒兎隊は協力する!――待っていてください隊長、教官。貴女達の為に、ドイツからの援軍が、もう少しで到着しますので!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

 

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