Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

113 / 123
オープンコンバット……派手にかますぞBy夏姫      そうね、弩派手に行きましょうか♪By刀奈


Break112『無限の正義と永遠の自由の洗礼』

Side:夏姫

 

 

ん……あぁ、もう朝か。

……時刻はまだ五時半か……少しばかり早く目が覚めてしまったみたいだな?……決戦を前に、アタシも昂ってるのかも知れないわね。

刀奈は、まだ寝てる……此れは、抱き枕にされているなアタシは。

 

流石に決戦前夜なので昨晩は自重したが、アタシが腕枕をしてるのは何時もの事で、刀奈がアタシを抱き枕にしてるのも日常茶飯事ではあるんだが、なんだか何時もよりも強く抱きしめられているような……?

 

 

 

――ギリ……

 

 

 

いや、気のせいじゃない。確実に何時もよりも強く抱きしめられてる……と言うか此れはもう抱きしめるレベルを越えて、絞め上げてるんじゃないのか!?

何で目覚めて早々、ベアハッグを喰らわねばならないのか……オイ、刀奈。起きろコラ。

 

 

 

「に、逃がさないわよ、幻のゴールデンメイルアナコンダ……」

 

「金の鱗の大蛇?どんな夢見て、何と戦ってるんだお前は?」

 

「ゴールデンメイルアナコンダ……その鱗は一枚で金貨五百枚の価値があると言われて……」

 

「ファンタジーな世界の激レアモンスターかな?」

 

取り敢えず、このまま締め上げられたら堪ったモノではない……自由の利く左手で――寝ぼけてないで起きろ刀奈!

 

 

 

――ズビシ!!

 

 

 

「あいた!やったわねゴールデンメイルアナコンダ!……って、夏姫?此処はアタシ達の部屋?ゴールデンメイルアナコンダは何処に行っちゃったの?」

 

「寝ぼけてないで起きろ。そして、アタシの事を解放してくれるとありがたいんだがな?」

 

「え?……あらあら、見事に抱き付いてるわねぇ?

 あ、あはは……ゴールデンメイルアナコンダだと思ってたのは夏姫だった訳か……アレは夢だったのね?激レアモンスター捕まえたと思ったのに残念だわマッタク。

 ……若しかして、思いっきり抱きしめてた?」

 

「抱きしめるどころかベアハッグで絞め上げられたわ。」

 

「あはは……寝ぼけていたとは言え、マジですいませんでした!」

 

「まぁ、寝ぼけていたのならば仕方ないか……睡眠中の偶然の暴行は、心神喪失状態にあったと言う事で罪に問う事は出来ないらしいからね。

 其れよりも、起きて準備をしてしまおう。

 出撃までは後二時間あるが、時間には余裕をもって行動したいからね。」

 

「そうね、そうしましょうか?……朝ごはんは如何する?」

 

「食堂はまだ開いてないから部屋で済ませてしまうか。」

 

其れから着替えて、パンケーキとソーセージとコーヒーの朝食だ。

普通にトーストでも良かったんだが、ハチミツをタップリと掛けて食べるパンケーキの方がエネルギーに代わる糖質を多くとれるから今日は此方を選択した訳だ。

因みに刀奈はハチミツではなくメープルシロップ派だったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break112

『無限の正義と永遠の自由の洗礼』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午前七時、IS学園の埠頭には学園関係者全員が集まり、アークエンジェルも何時でも発進出来るようになっている。

アークエンジェルのクルーと整備班、そしてアタシ達戦闘要員は此れからいよいよライブラリアンとの戦いに臨む訳だが、如何やらこれから出陣式と言うか見送りの様なモノが行われるみたいね?

吹奏楽部も何やらスタンバイしてるし……ま、出撃前の最後のイベントと言う奴だな。

 

 

 

「あ~~、あ~~……マイクは大丈夫の様ですね。

 皆さん、おはようございます。IS学園学園長の轡木十蔵です。

 此れよりIS学園は、ドイツ軍IS部隊『黒兎隊』と共に、ライブラリアンと名乗る組織との戦いに突入します――戦闘部隊の諸君、特に生徒諸君には誠に申し訳ありませんが、学園の、引いては世界の命運は貴方達に託させて頂きます。

 ですが如何か、全員無事に学園に戻って来てください……戦いに赴くのですから怪我をするのは仕方ありませんが、命を落とす事だけは学園長として、一人の人間として容認は出来ませんので。

 そして、学園に残る生徒諸君、教員諸君は皆の無事と勝利を信じ、皆が帰って来る此の場所を護りましょう。」

 

 

 

先ずは学園長の挨拶からか。

長すぎず、短すぎずの絶妙な挨拶だな。……必ず生きて帰れ、か。無論その心算だよ。

ライブラリアンは倒す……特に、ライブラリアンの長である教授だけは確実に息の根を止めなければだ。人の脳を無人機のパーツとして組み込むなんて言う事を平然と行うような輩は、この先生かしておいても碌な事は無いだろうしな。

 

それにしても、戦闘要員じゃない生徒が何人かアタシ達側、つまりアークエンジェル搭乗組に居る様な気がするんだが、此れは一体?

 

 

 

「あぁ、彼女達はねぇ……『自分達に出来る事をしたい』って言って、束さんに直談判して来た子達だよ。

 整備科の子達が殆どなんだけど、オペレーターを希望して来た子も居てさ……断っちゃおうかなとも思ったんだけど、破損した機体の修理の手は多いに越した事はないし、オペレータも多い方が情報の処理も早くなるから許可しちゃった♪」

 

「『許可しちゃった♪』じゃないでしょう!直接戦闘に出る訳ではないとは言え、アークエンジェル内だって完全に安全とは言えないんですよ?」

 

「夏姫の言う通りですよ姉さん?一体何を考えてるんですか?」

 

「いやぁ、そう言われても、あんなに真っ直ぐな瞳で言われたら断れないって言うか、断ったら悪いと言うかね?純粋で素直なお馬鹿さんは、束さんでも止められなかったのだよ。

 其れに、ちーちゃん達の機体を魔改造する序に、アークエンジェルにも魔改造施して、機体表面をアンチビームラミネート装甲とPS装甲の複合装甲で覆って、更に機体全体を包めるエネルギーシールド発生装置も取りつけちゃったから、フリーダムとジャスティスのミーティアフルバースト喰らっても全然余裕な防御力を手に入れてるんだな此れが!

 だから、アークエンジェル内部に居れば取り敢えずは安全、安心!ALS○Kの伊調馨が自宅警備をしてくれてるくらい安心出来るのさ!」

 

 

 

アンチビームラミネート装甲とPS装甲の複合装甲に、エネルギーシールド搭載って、確かに其れは凄まじい防御力だな?恐らくは、束さんの事だからエネルギーシールドを発生させたままでも攻撃出来る様にしているだろうからね。

防御したままでも攻撃出来るとか、まるで『絶対防御将軍』だな。

 

それにしても、『自分に出来る事をしたい』か……そう言って冬休み中に帰省していた生徒は全員学園に戻って来た訳だが、同じ理由でアークエンジェルに乗り込む奴が居たとはな。

『純粋で素直なお馬鹿さん』とは、束さんも良く言ったモノだよ……普通なら反対する所だが、束さんが魔改造したアークエンジェルは恐らく核ミサイルを撃ち込まれても平気だろうから、この戦いで落とされる事はない――つまり、アークエンジェル内に居る限りは死ぬ事はないから、そうであるのならば、彼女達の思いを駄目だと言う事は出来ないか。

確かに、スタッフは居て困ると言う事はないからね。

 

さて、出陣式は進んで、今度は刀奈の挨拶か?生徒会長として、そして実際に戦場に出る者の代表としてと言った所なのだろうけど、間違いなく何かやらかしてくれるんだろうなぁ。

 

 

 

「自己紹介は不要だと思うけど、IS学園生徒会長の更識楯無よ♪

 此れから私達は、教授とか名乗ってる腐れ外道が率いるライブラリアンとの戦いに行ってくるわ……スポーツとしてのISバトルじゃなくて、命の遣り取りをする本当の戦いにね。

 だ・け・ど、皆は心配しなくてもいいわ。だって、私達は絶対に勝つから。

 って言うか、負ける要素が何処にも無いのよね此れ?IS学園公認の独立機動部隊である『IBレギオン』が出るだけでも充分なのに、今回は世界最強にして、『生身でISを倒す女』、『真の一騎当千』、『すみません、この人生身でIS刀振り回すんですけど?』の異名を持つ、チート無限のバグキャラである織斑先生も参戦するだから、私達の勝利は絶対よ!

 加えて、亡国企業の実働部隊『モノクロームアバター』の隊長であるミューゼル先生に、モノクロームアバター『最恐』って言われてるオータムさんも参加してくれるしね♪」

 

 

 

はい、予感的中。本気で盛大にやらかしてくれたなオイ?

千冬さんが参戦するのを言うのは良いとして、何をサラッとスコールさんとオータムさんの正体バラしてるかなお前は?……スコールさんが亡国企業所属だった事を知らなかった連中が盛大に混乱してるだろうが。

 

 

 

「因みに、ISRI所属のメンバーも全員もれなく亡国企業所属だったりするのよね♪」

 

「火に油どころじゃなくて、ガソリンぶっ掛けるかお前は!!」

 

「ガソリンだなんて言い過ぎよ夏姫……燃え盛る火にニトロをぶち込んだだけよ♪」

 

「炎上所か大爆発するわそんなモノ。」

 

まぁ、何時までも隠し通せる事ではないから何時かはバレるとは思ってたが、まさかこんな形で暴露する事になるとは思わなかったよ。……楯無の言った様に、アタシ達もまた亡国企業のメンバーだ。

流石に驚いたか、ロラン?

 

 

 

「流石に驚いたよ……まさか、君がかの亡国企業の構成員だったとはね。

 だが、其れが何だと言うんだい?君が亡国企業のメンバーであっても、そんな事は私にとっては些細な事さ……寧ろ余計に君に惚れたよ夏姫。矢張り君は私の百人目の百合として相応しい。」

 

「少しはたじろぐと思ったが、ぶれないのなお前は。ある意味でその精神の強さに感服するわ。」

 

「ふ、お褒めに預かり光栄だね。」

 

 

 

まぁ、実際に褒めているからね。

其れじゃあ楯無、最後にキッチリ〆てくれるか?

 

 

 

「OKよ夏姫。……コホン、本日天気晴朗なれども波高し。

 皇国の興廃この一戦に有り!各員一層奮励努力せよ!ライブラリアンをぶっ倒すわよ!!」

 

 

 

此処で、東郷平八郎元帥の有名な言葉と来たか……だが、皇国の興廃この一戦に有りと言うのは間違いではないな?……否、日本だけではなく、世界の興廃がこの戦いに掛かって居るからね。

もしもアタシ達が負けたら、世界はライブラリアンの、教授とやらの思想で染められてしまうだろう……そんな事になったら世界はお終いだからね。

其れは皆も同じ気持ちだったのか、刀奈の最後のセリフに対して、大歓声が上がったな?流石は楯無の名を継ぐ者だけあって、人心掌握術は見事だとしか言えないわね。

だが、此れだけの声援はアタシ達の士気を上げてくれるのまた事実だからな……最後の最後で、いい仕事をしてくれたよお前は。

 

 

 

「此れ位はね……だけど、本番は未だこれからよ夏姫?」

 

「あぁ、勿論分かってるさ。」

 

此れはあくまでも出陣式だからね……本番はこれからさ。

 

そして、出陣式も無事に終わり、アタシ達はアークエンジェルに乗り込み、そしてアークエンジェルは発進。其れと同時に、吹奏楽部が大演奏でアタシ達を送り出してくれたか。

しかも、その楽曲が『軍艦マーチ』とは、何とも勇ましいじゃないか?……そのおかげで士気が上がって来たよ。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

そうしてIS学園から発進した訳なんだが……束さん、ライブラリアンが今何処に居るかは分かってるんですか?

 

 

 

「フッフッフ、心配ご無用だよなっちゃん!

 各国が打ち上げた人工衛星に軒並みハッキングかまして、ライブラリアンの動向は宇宙からモニタリングしてっから、アイツ等の居場所位は余裕で把握出来るんだよね此れが!

 ライブラリアンは、IS学園から東の海上六十~百kmの沖合を進んでる……此れは、部隊を最低でも二つに分けてる可能性があるね?

 先頭に居る連中とは、最長でも三十分以内にはエンカウントするかもだね。」

 

 

 

人工衛星にハッキングとは……まぁ、束さんならば其れ位楽勝だろうから何も言わないが、このまま行けば三十分以内にはエンカウントか――束さん、衛星からのハッキング映像ってモニターに出せますか?

 

 

 

「勿論出せるけど、ミラージュコロイドステルス搭載した偵察ドローン飛ばしてるから、そっちのカメラの映像の方を出すね。

 上からの映像よりも、そっちの方が鮮明で分かり易いと思うしさ。」

 

「何時の間にそんなモノを飛ばしてたんですか……と言うか何時の間に作ってたんですか姉さん?」

 

「そりゃ、ちーちゃん達の機体やアークエンジェルを魔改造してる合間に決まってんじゃん箒ちゃんや♪

 ぶっちゃけ、無人機のアストレイにカメラとミラージュコロイドステルス搭載すれば良いだけだから、本気出せば三十分位で完成させられるしね!」

 

 

 

いや、そんな事が出来るのは世界広しと言えど束さん位じゃないか?……もしも他に存在するとしたら、あの教授とか言う奴位だろう――非常に腹立たしい事だが、アイツが作った機体は、対IS用ISを除いた現行ISの性能を遥かに上回って居る事を考えると、束さんレベルの頭脳と技術は持ち合わせている訳だからね。

 

 

 

――ヴン……

 

 

 

っと、モニターに映像が映し出されたな?

此れはまた物凄い大群だが、映っているのはザクとグフばかり……成程、敵も馬鹿ではないと言う事か。先ずは『潰しが効く戦力』である無人機の大群をぶつけて此方を疲弊させようと言う事か。

 

 

 

「束、此の無人機は恐らく尖兵だろう。

 最低でも二つの部隊に分かれていると言うのなら、恐らくドローンのカメラで捉えられない場所にライブラリアンの本隊が居る筈だからな。

 其方の映像を見る事は可能か?最終的にライブラリアンの戦力がどれ程になったのかも知っておきたい所だからな。」

 

「OKだよちーちゃん。ポチッとな。」

 

 

 

束さんが手元のコンソールを操作すると映像が切り替わって、ライブラリアンの本隊と思われる一団の映像が映し出されたのだが……此れはまた、何とも凄い事になったな?

中国、南北の朝鮮、そしてロシアの国旗が入った輸送機があるのは兎も角として、国旗ではなく企業のロゴマークが入った機体があるとはね。

 

 

 

「アレって民間企業のロゴマークだよな?何で其れがライブラリアンの部隊にあるんだ?」

 

「国としては中立って立場を取ってても、人の心は一枚岩じゃねぇってこった一夏。

 企業運営をしてる連中の中には、ライブラリアンに味方して甘い汁を吸ってやろうって考えた馬鹿共が居たって事さ……そうでなけりゃ、ライブラリアンが企業買収をしたかのどっちかだろうよ。」

 

「可能性としては充分ねレイン。

 国単位と比べたら遥かに小さいけれど、其れでもライブラリアンにとっては充分な戦力にはなるでしょうし、国と違って邪魔になったら斬り捨てるのも楽でしょうからね。」

 

 

 

ダリルとスコールさんの予想は多分当たってるだろうな。……ライブラリアン側の思惑は兎も角として、奴等に協力を申し出た企業の連中は一体何を考えているのか正気を疑うぞ、本気で。

ライブラリアンが勝てば、自分達が大きな利を得る事が出来ると考えたのだろうが、逆に負けたら如何なるのかは考えなかったんだろうな……『獲らぬ狸の皮算用』と言う言葉を教えてやりたいよ。

まぁ、此れだけ沢山の輸送機が居ると言う事は、其れだけのISがあると言う事なのだろうが、輸送機以上に目を引いたのが奴等の航空戦艦と思しき機体だな?

 

「黒い、アークエンジェルか。」

 

「まるでアークエンジェルのネガフィルムみたいね?

 黒い大天使……宛ら堕天使と言った所かしら?堕天使が大天使を打ち倒して天界の覇権を握ろうって訳?――残念だけど其れが叶う事は無いわね。

 歴史を紐解いても、偽物が本物を超えた例は無いわ……倭寇に乗じて生まれた偽侍は本物の侍には勝てなかったし、メカゴジラはゴジラに勝つ事が出来ないし、再現されたアテムでは海馬には勝てなかったのだから。

 何よりも、大天使には最強のブリュンヒルデが新たな戦士として参加しているのだから、偽物の堕天使なんかには負けないわよ。」

 

「更識姉、お前が言っている事は正しいと思うが、私の事をブリュンヒルデと呼ぶのは止めてくれ。あまり好きじゃないんだその名前はな。」

 

「あら、そうだったんですか?

 でもブリュンヒルデがダメだとなると別の異名が必要になるわね?ワルキューレ?ヴァルキリー?……悪くないけど、なんかシックリ来ないわねぇ……いっその事、ホルアクティとか如何でしょう?」

 

「誰が、三幻神を束ねた最強の神か!」

 

 

 

刀奈の言った事に対して、千冬さんが突っ込み……と言うには破壊力があり過ぎる様なチョップを繰り出したが、其れを扇子で受け止めた刀奈は流石としか言い様がないんだが、千冬さんのチョップを受け止めても罅一つ入らないあの扇子は一体何で出来ているのだろうな?

扇部分は和紙だとしても、骨組み部分は絶対に木や竹だとは思えん……木や竹だったら、千冬さんのチョップを受け止めた時点で木っ端微塵待った無しだからね。……まさか、オリハルコンやミスリルじゃないよな?

 

まぁ、其れは良いとして、先ずはライブラリアンの無人機達と遣り合う必要があるんだが、如何したモノだろうか?

普通に考えるなら、此方も無人機のアストレイをぶつけてやるのが妥当な所なんだろうが、恐らく教授とやらは其れは予想してる筈だからな……と言うかそうさせる為に無人機を尖兵にした可能性は高いからな。

 

 

 

「先ずは無人機の掃討ね……なら、先ずは私と夏姫が出るわ。

 私のジャスティスと夏姫のフリーダムなら、ミーティアを展開すれば無人機の大群程度は瞬殺出来るからね……先ずはミーティアフルバーストで特大の先制パンチを喰らわせてあげようじゃない♪」

 

「アタシ達が先発で出て、ライブラリアンの思惑を崩すと言う事か?……良いね、其の案貰いだ楯無。」

 

ライブラリアンがドレだけの無人機を有しているのかは分からないが、ミーティアを装備したフリーダムとジャスティスならば、百体近い相手を相手にする事が出来るから、巧く行けばライブラリアンの無人機を全部出撃させて磨り潰す事も出来るかも知れないしね。

其れに、この方法ならば此方の無人機であるアストレイは温存する事が出来るから、数の上でのアドバンテージは小さくする事が出来るからな……尤も千冬さんが出たらその時点でライブラリアン終了のお知らせなのだけどね。

 

「楯無の案で行こうと思うんだが、如何だろうか?」

 

「ミーティアを装備したフリーラムとジャスティスが先発って、普通に悪夢だわ此れ……アタシが敵側だったら速攻で敵前逃亡するわ割とマジで――ミーティアの主砲のビームだけでも可成りヤバいのに、其処にフリーダムとジャスティスの火器が追加される上に、簪のバスター以上の弾幕のミサイルでしょ?

 正直勝てる気がしないっての!」

 

「正義と自由のコンビは最強……楯無お姉ちゃんと夏姫お義姉ちゃんのタッグに敵はない。そう、キン肉マンとテリーマンのタッグが負け知らずな様に。」

 

「先発が夏姫姉と楯姉のタッグとか、ライブラリアンからしたら悪夢だろ?……異論はない、思いっきりブッ飛ばしてやってくれよ夏姫姉、楯姉。」

 

 

 

ふ、言われずともその心算だ一夏。永遠の自由と無限の正義が、悪逆な観測者の尖兵を磨り潰してやるわ……アタシと刀奈が先発として出る以上、其れは絶対だからな。

アタシと刀奈の前に――否、アタシ達の前に立ち塞がると言うのが如何に愚かな選択であった事をその身を持って知るが良い……尤も、無人機如きには無理な事かもしれないけどね。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

そんな訳で、アタシと刀奈はISスーツに着替えてカタパルトデッキに来たのだが……刀奈、緊張してるのか?表情が硬いぞ?

 

 

 

「あはは……皆の前では啖呵を切ったけど、流石に緊張もするわよ――もしも私がやられたりしたらって考えると、やっぱり怖いのよ……死ぬのが怖いんじゃなくて、残された簪ちゃんの事を考えると、ね。」

 

「成程な……まぁ、そう考えるのは当然だろうさ。」

 

だがな、お前と一緒に出るのが誰であるのかを忘れるなよ刀奈?

アタシが一緒に出るんだから、お前が死ぬ事はない――アタシがお前を護ってやるからさ……だけど、アタシだってピンチになる事はあるだろうから、その時はお前がアタシを護ってくれ刀奈。

アタシはお前の背中を預かるから、お前の背中はアタシに預けてくれないか?

 

 

 

「その言い方は反則よ夏姫……そんな風に言われたら何も言えないじゃないの――だけど、了解したわ。貴女の背中、私が預からせて貰うわ。」

 

「あぁ、預けさせて貰うよ。其れから……」

 

「何?……ん……!?」

 

「ん……」

 

「ぷはっ……行き成りね、もう。」

 

「勝利の為のおまじないってやつだ。その辺で売ってる『必勝祈願』のお守りよりは効果があると思う。

 更に言うなら、雑誌の広告とか新聞の折り込みチラシに載ってる『幸運を運ぶ○○』とか『此れを持ってれば貴方も人生勝ち組になる○○』とかと比べたら可成り効果がある筈だ。」

 

「必勝祈願のお守りは兎も角、残りの二つ、特に最後の奴は滅茶苦茶詐欺臭がプンプンする奴じゃないの其れ?

 だけど、確かに効果はあったわ……絶対に負ける気がしない上に、勝って帰らないと『続き』は出来ないモノね♪」

 

「ふ、そう来たか。」

 

そう言う返しが出来るなら、もう大丈夫だな。

先発隊として、ライブラリアンの尖兵共に派手な先制パンチを喰らわせてやるとするか――後の先よりも、先の先で行った方が、戦いの流れを引き寄せる事が出来るからね。

 

「其れじゃあ、行くか刀奈。」

 

「えぇ、行きましょう夏姫。」

 

 

 

――ピピ

 

・Generation

・Unsubdued

・Nuclear

・Drive

・Assault

・Module

 

――G・U・N・D・A・M

 

 

 

アタシと刀奈は、フリーダムとジャスティスを起動して、カタパルトに搭乗完了だ――後は、発進するのを待つばかりなんだが、只普通に飛び出すと言うのも味気ないから、華麗なバレルロールでも披露してみるか。

 

 

 

『カタパルトデッキ、ハッチ開放。

 システムオールグリーン。進路クリア。X-19Aインフィニットジャスティス、X-20Aエターナルフリーダム、発進どうぞ。』

 

 

「更識楯無。ジャスティス、発進する!」

 

「蓮杖夏姫。フリーダム、行きます!」

 

さて、オープンコンバットだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

No Side

 

 

カタパルトから飛び出したフリーダムとジャスティスは、見事なバレルロールを披露すると同時にPS装甲を起動させ、灰色だった機体が白を基調にした機体と蒼を基調にした機体に変化する。

 

 

「「ミーティア起動!」」

 

 

そしてミーティアを展開し、其れと合体。

同時にブースターを起動して、アークエンジェルよりも先に進んで行く……此れならば、束が予想したよりも早く、ライブラリアンの第一陣とエンカウントする事になるだろう。

普通に考えればたった二機で、百機以上は居るであろう大群に突っ込むのは自殺行為なのだが、ミーティアを装備したフリーダムとジャスティスに限っては其れに該当しない。

そもそもミーティアは、束が『単機で広域殲滅を可能にする、フリーダムとジャスティスの追加パッケージ』したモノであり、火力の全てを解放すれば一個小隊を殲滅する事も可能なのである。フリーダムに至っては、ドラグーンを展開する事で更に殲滅力が上昇するのだから恐ろしい事この上ない。……と言うか天災が本気で『兵器』を作ると此処までになるのが恐ろしすぎる。どれくらい恐ろしいかと言うと、相手のフィールドに三種類の青眼の究極竜とF・G・D二体が並んだのと同じ位怖い。

 

要するに、ミーティアを装備したフリーダムとジャスティスにとっては、雑兵の大群なんぞ恐れるに足らないのである。

 

 

「見えた……行くぞ刀奈。」

 

「えぇ……開戦の花火を派手に上げるとしましょうか!」

 

 

出撃してから十五分後、フリーダムとジャスティスはライブラリアンの第一陣を目視で確認……と同時にマルチロックオンを起動し、次々とザクとグフをターゲットとしてロックして行く。

 

 

「「Hasta La Vista baby……!」」

 

 

――バガァァァァァァァァァァァァァァァン!!

 

 

そして次の瞬間、フリーダムとジャスティスのミーティアフルバーストが炸裂し、無数のザクとグフを一撃の下に、粉砕!玉砕!!大喝采!!!正に『強いぞカッコいいぞーー!』である。

因みに夏姫と刀奈の言った『Hasta La Vista baby』は映画『ターミネーター2』でお馴染みのセリフだが、此れは直訳すると『アバヨ坊主』『じゃあな坊や』になるのだが、此れを『地獄で会おうぜベイビー』と訳した訳者のセンスは素晴らしいと言わざるを得ないだろう。

其れは兎も角として、尖兵であるザクとグフは粗方掃討したのだが、相手の数が多ければ多いだけ撃ち漏らしと言うモノが発生するのは仕方ない事だ。

そうなれば当然ミーティアフルバーストを逃れたザクとグフはフリーダムとジャスティスに向かって来る訳だが……

 

 

「貴様如きが姉上に触れるなど烏滸がましいと知れ!」

 

 

其れは、突如現れたシュバルツアストレイによって切り捨てられる。

フリーダムとジャスティスが出撃し、ミーティアと合体して先行した直後、ラウラ率いる黒兎隊も出撃して夏姫と刀奈を追っていたのだ。――此れはラウラが提案した事だったのだが、如何やらその提案は当たりだったようだ。

 

 

「ラウラ?」

 

「姉上、此れより我等黒兎隊がサポートに入る!

 落ち武者狩りは我等に任せて、姉上と生徒会長殿は思い切り攻撃してくれ……ドイツの黒兎は狩られる獲物ではなく、狩る側のハンターである事を教えてやろう!」

 

「あらあら、其れは頼りになるわね?……なら、落ち武者狩りは任せるわよラウラちゃん、クラリッサちゃん!!」

 

「「了解!!」」

 

 

黒兎隊の援護を貰ったミーティアフリーダムとミーティアジャスティスに敵は無く、次から次へと現れる無人機を、ザクとグフだけでなく、ザムサザーやゲルスゲーをも容易く葬って行く。

IS学園とライブラリアンの戦いは、先ずはIS学園側が先手を取ったと言えるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:イルジオン

 

 

戦闘が始まったが、ザクとグフ……否、ザムサザーやゲルスゲーを投入しても、無人機の大群ではオリジナルと更識楯無のコンビには勝てる筈がない訳か……まぁ、予想通りだがな。

更に、其処にドイツの黒兎隊まで加わったとなれば無人機の部隊は烏合の衆に過ぎんか……尤も、無人機にやられてしまっては興醒めけれどな。

さて、如何するんだ教授?

 

 

 

「ザクとグフに対してアストレイをぶつけて来なかったのは予想外だったが、逆に言うのであれば彼女達が出て来たと言うのならば、この結果は当然の事ではないかなイルジオン?

 蓮杖夏姫君と更識楯無君のIS乗りとしての実力は、最早世界で五本の指に入ると言っても過言ではないからね。

 このペースならば、十五分と経たずに此方の無人機は底を突いてしまうだろうねぇ……だが、我々の戦力は無人機だけではないから、其れを使うとしようじゃないか?

 一秋君と散君、織斑計画の成れの果てに、ゴーストの隊員、中国と南北の朝鮮とロシアの代表候補生、そして個人的にライブラリアンに同調した企業の企業代表が手駒としてあるのだからね。

 一秋君には一夏君への憎悪を、散君には箒君への憎悪を、中国の代表候補生達には鈴音君への憎悪をマシマシにしてあるからきっと良い働きをしてくれる筈だ。」

 

「人の感情まで弄るか……教授、お前は絶対に碌な死に方をしない上に、確実に地獄行きだな。」

 

「ふふふ、そんな事はとうに覚悟しているよイルジオン……如何やった所で私は地獄行きは間違いないさ。――だが、どうせ地獄に堕ちるのならば、現世で可能な限りの悪行を尽くしてみるのも良いとは思わないかね?」

 

「言わんとしてる事は分からないでもないが、同意はしかねるな。」

 

「おや、其れは残念だね。」

 

 

 

残念なら残念なテンションで言え腐れ外道。

兎に角、奴等が出ると言うのならば私も出るからな?……他の奴等等如何でも良いし、如何なった所で知った事ではないが、オリジナルだけは私の手で倒さねば満足出来ないからね。

 

 

 

「ふむ、其れは好きにしたまえ。」

 

「あぁ、好きにさせて貰うよ。」

 

今度こそ、思い切り戦う事が出来そうだなオリジナル……決着を付けようじゃないか?

私とお前の果たして何方が『プロジェクトスーパーヒューマン』における真の成功例であったのかを決めるとしよう――否、私がお前を殺して、私こそがプロジェクトの成功例だった事を証明して、私はお前になる。其れだけだ。

 

さぁ、史上最大の姉妹喧嘩をしようかオリジナル?――私を失望させる事だけはしないでくれよ?

さて、私も出るとするか――イルジオン。ジェノサイドフリーダム、発進する!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。