Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

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因縁、此処で終わらせてやるぜ!By一夏       遠慮は要らん、思い切り行けBy夏姫      一夏君と箒ちゃんの本気、きっと凄いでしょうね♪By刀奈


Break114『一夏と箒、因縁との完全決着!』

Side:夏姫

 

 

一夏達も出撃して、このまま押し切れるかと思った矢先に現れたアーク・ジェネシスとか言う巨大な移動要塞の火力はミーティアに匹敵するレベルだった。

幸いにして此方に被害はなかったが、あんなモノがあると言うのはアタシ達にとっては有り難くないから、火器だけでも破壊した方が良いのだが……如何やら、そう簡単には行かせてくれないらしいな。

 

 

 

「要塞から無数のグフですって?無人機は全滅させたんじゃなかったの!?」

 

「如何やら違ったみたいだな楯無。」

 

いや、此れは教授とやらの思惑に乗せられたと言うべきかもしれないな――アーク・ジェネシスの存在を隠す事で、アタシ達に無人機の最大数を実際よりも少なく考えさせたんだろう。

無人は全て倒したと思った所でアーク・ジェネシスが現れて強烈な一撃を放ち、その上で新たな無人機を出撃させれば状況を掻き乱す事が出来る訳だからな……さて、如何したモノか?

 

 

 

「ミーティアで吹き飛ばすのが一番なんでしょうけど、有人機の存在とアーク・ジェネシスの火力を考えると其れはあまり良い方法ではないのよね。

 どうしてもミーティアを装備すると細かい動きが出来なくなっちゃうから、有人機に狙われると拙いし、アーク・ジェネシスの攻撃を回避するのも難しいものね……かと言って、無人機を無視しておく事も出来ないわ。」

 

「もともと有った数の差が更に大きくなったからな……だが、このままでは……」

 

『フッフッフ、心配ご無用だよなっちゃん、たっちゃん!

 向こうが無人機を新たに出して来たってんなら、こっちも無人機を使うまでじゃん!なので、アストレイ全機出撃させるから!それから、イージスとセイバーも!

 無人機はライブラリアンの専売特許じゃねーんだよ!!』

 

 

 

束さん!!そうか、言われてみればこっちにも無人機は存在していたんだな……すっかり忘れていたよ。

だが、アストレイ部隊と、イージスとセイバーが出てくれるのならば数の差はある程度埋める事が出来るから、アーク・ジェネシスの方に戦力を割く事が出来るわね。

 

 

 

『其れだけじゃないわ。……本部から出撃したから時間が掛かったけど、漸く到着したみたいね。』

 

「スコールさん?」

 

「漸く到着したって…………夏姫、アレを見て!」

 

「え?アレは――」

 

ウィンダムの大軍?其れも学園に配備されたのとはカラーリングが異なる上に、学園には配備していないストライカーパックを装備しているとは、アレは一体……?

 

 

 

『亡国企業実働部隊モノクロームアバター、現着!遅れて申し訳ありませんミューゼル隊長!』

 

『待っていたわよ。遅れた分は、働いて取り戻しなさい。』

 

『Yes,Ma'am!』

 

 

 

モノクロームアバター、スコールさんが隊長を務める亡国企業の実働部隊か!

アストレイ部隊にイージスとセイバー、そして亡国企業の精鋭達で構成されたモノクロームアバターの追加、此れなら行ける。依然として、ライブラリアンの方が数は上だが、質は此方の方が上だから総合的な戦力は五分と言えるからね。

 

「此れなら無人機の集団を強引に突破できる。アタシ達はアーク・ジェネシスに向かうぞ楯無。」

 

「えぇ、了解よ夏姫!……ところで、如何でも良い事かもしれないけど、なんでアーク・ジェネシスから出て来たのはグフだけだったのかしら?」

 

「ザクよりも、グフの方が高性能だから、とかじゃないのか?」

 

『ソノ通リ。ザクトハ違ウンダヨ、ザクトハ!』

 

 

 

……如何やら大当たりみたいだったな。と言うか、自分で言うな自分で。

だが、ザクより高性能とは言え、量産機と専用機では覆せない性能差があると言う事をその身を持って知るが良い。――押し通る。道を開けろ雑魚共。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break114

『一夏と箒、因縁との完全決着!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

No Side

 

 

アーク・ジェネシスから新たにグフの大軍が出現し、それに対抗する為にアークエンジェルからはアストレイ部隊とイージスとセイバーが出撃して、追加だと言わんばかりに、亡国企業の実働部隊であるモノクロームアバターが参戦し、戦場は更に大乱戦と言った感じになって来た。

そんな大乱戦の中で、一夏は一秋と、箒は散と、夫々因縁のある相手と対峙していた。

片や織斑計画で生み出された量産型織斑千冬のプロトタイプと一号機、片やISの生みの親である篠ノ之束の妹である双子の姉妹……100%同じ遺伝子を持ちながら、決定的に道を違えてしまった者だ。

 

 

「俺との繋がりも過去も、全部斬り捨てるだぁ?そんな事がテメェに出来るのかよ一夏!!」

 

「悪いが、俺は出来ない事を出来るって言うビッグマウスじゃない心算だぜ?自分に出来る事と出来ない事の分別くらいは出来てると思うからな。

 ま、自分には何でも出来ると思い込んでる天才様(笑)には、到底出来る事じゃないんだろうけど……ってか、其れが出来てたら俺達の前に現れる事なんて出来る筈がないもんな。」

 

「其の通りだな一夏。

 クラス代表決定戦では夏姫義姉さんとマリアにボコされ、クラス対抗戦では鈴にボコボコにされ、タッグトーナメントでは一夏にフルボッコにされ、京都では一秋は一夏に撃墜され、散に至っては私に腕を切り落とされ、更にこの間デートの邪魔をして来た時には揃って私と一夏に滅殺されかけたと言うのに、まだ自分の方が上だと思っているとは恐れ入る。」

 

「黙れ貴様等!一秋を馬鹿にすると許さんぞ!

 其れに、生身では負けてもISを使ってるのならば負けん!私達の機体は、教授が最大限にまでチューンナップしてくれたスペシャル機だからな!!」

 

「其れを言うのならば、私達の機体だって姉さんお手製のスペシャル機だ。そんな事も分からんのか此の愚妹は。」

 

 

先ずは舌戦と言った感じだが、口の勝負でも一夏と箒の方に分があるらしい。

一夏も箒もこうした口の勝負は元々得意ではなかったのだが、幼い頃に夏姫と一緒に居た事で口の勝負も其れなりに出来るようになっているのだ。誰が相手でも、自分の意見をズバズバ言う夏姫と一緒に居たらそうもなるだろう。

尤も夏姫の場合は、如何なる時でも冷静に言うのだが、一夏と箒が相手を煽る様な言い方になってるのは鈴の影響だろう。

鈴もまた、夏姫と同様に相手が誰でも自分の意見をストレートにズバズバ言うが、冷静に言う夏姫と違い、鈴は感情に任せてガンガン行く事が多く、結果として相手を煽る様な言い方になる事も多いのだ。

一夏は恋人として、箒は一夏の嫁同盟として鈴と一緒に居る事が多いのだから、影響を受けても不思議はないだろう。

 

 

「お前等、俺達を馬鹿にしてタダで済むと思うなよ……地獄の奥底まで叩き落してやるぜ!!」

 

「貴様等は滅殺だ!!」

 

「出来るもんならやってみな。つーか、吠えてる暇があるならさっさと掛かって来いよ一秋?其れとも何か、お前口喧嘩やりに来たのかよ?

 だったら俺の勝ちだから帰れ。」

 

「滅殺か……ならば私はお前を獄滅してやる。思えば右腕だけではバランスが悪かったのでな、今度はキッチリとダルマにしてやろうではないか。」

 

「舐めんじゃねぇ、この出来損ないがぁぁ!!」

 

「箒ぃぃぃぃぃ、覚悟しろぉぉぉ!!」

 

 

そして煽る時は徹底的に煽る。煽る煽れば煽る時、煽るの三段活用だ。

しかもただ口で煽るだけじゃなく、一夏は手招きをした後にサムズダウンし、箒は八十枉津日太刀を抜刀し、其の峰を自分の首に当てて引く『首狩り』をして見せる。

このあからさまな挑発に、一秋と散の(有るかどうかは可成り怪しい)堪忍袋の緒が切れ、猛然と突撃。

 

 

「ったく、ドンだけ煽り耐性低いんだよコイツ等?こんなのが元兄だと思うと情けなくて泣けてくるぜ……箒、一秋は俺が引き受けるから散を頼むぜ?」

 

「任されたぞ一夏。マッタク、アレが元妹だと思うと悲し過ぎて泣く事も出来んな……!」

 

 

だが、其れには余裕で対処し、一夏は一秋のウィングソーでの攻撃をエクスカリバーで防ぎ、箒は箒で散から距離を取って、ビームライフル『百雷』を連射して牽制する。

一夏も箒も、如何戦うかは決まっているのだろう。

 

 

「天才を自称するにしては、また馬鹿の一つ覚えの突撃からの渾身の一撃か?そんなモノが通じると思ってるのかよ?

 こう言っちゃなんだが、お前の太刀筋なんざガキの頃から何度も見てるから分かり切ってるんだぜ?――しかも、あの頃から殆ど成長してない剣が通じると思ってるのか?」

 

「へ、いい気になってられるのも今の内だぜ一夏!俺の、ゲイルストライクの力をタップリ見せてやるぜ!!」

 

 

ウィングソーでの一撃を防がれた一秋だが、そんな事は気にせずにウィングソーの二刀流で息も吐かせぬ程の高速連撃で一夏を攻め立てる。

一夏はエクスカリバーの二刀流で其れを防いでいる……実体剣のウィングソーと、ビームエッジのあるエクスカリバーがぶつかったら、ウィングソーが斬られてしまうと思うだろうが、ウィングソーは表面に対ビームコーティングが施されているのでビームエッジとぶつかっても平気なのだ。

 

 

「オラオラオラ、デカい口叩いた割には防戦一方じゃねぇか!反撃してみろよオラァ!!」

 

「…………」

 

 

嵐の様な斬撃を、一夏は全て防御して一発たりとも掠りもしていないのだが、傍から見れば一秋の言う様に防戦一方に見えるだろう――だが、一夏は只防御している訳ではない。

 

 

「右の袈裟切りからの逆袈裟二連斬、右の斬り下ろしから、左の払い斬り、交差斬りからの左右の連続斬り、両手での突き……」

 

「!!?」

 

 

今まで黙っていた一夏が口を開いたが、其れを聞いた一秋は驚愕した。

何故ならば、一夏が口にしていたのは一秋が繰り出した攻撃だからだ――もっと正確に言うのならば、一夏は一秋が攻撃するよりも僅かに早く次の攻撃を口にし、其れを防御していたのだ。

防戦一方ではなく、一夏は冷静に一秋の太刀筋を完璧に先読みして防御していたのである……齢一六にして、一夏は剣聖級の達人クラスのみが会得している先読みの力を身に付けていると言う事になる訳だ。

 

 

「お前、俺の攻撃を読んでたのか!?」

 

「あぁ、読んでたぜ?つーか、幾ら早くなろうともお前の攻撃は分かり易いから先読みとか余裕だっての。――ぶっちゃけて言うと、お前との戦いなんてのは、お前が常に手札晒してデュエルしてるのに等しいんだよ。」

 

「舐めるな、出来損ないが!……良いぜ、見せてやるよゲイルストライクの真髄をな!……行くぜフルドライブ!!」

 

 

攻撃を完全に読まれていた事を知った一秋は、ゲイルストライクの真髄として、フルドライブなるものを発動。其れと同時にゲイルストライクの装甲が赤く発光して目にも止まらぬ速さで動き始める。

 

 

「動きが速くなった?……其れだけなら兎も角、この速さは尋常じゃない。普通に音速を超えてるんじゃないか?

 でも、そんな高速移動をしたら身体に掛かる負担がハンパじゃない筈……なのにこうして平然と動いてられるって事は、この速度で発生するGに耐えられるように身体を改造してるって事か!!」

 

 

その動きはISのハイパーセンサーでも捉えきれないレベルだが、逆に言うのならば其れだけの速度を出したらパイロットには凄まじいGが掛かって、訓練を受けてないモノならば即意識を失っている筈だ。

にも拘らず一秋は無事……対G訓練には年単位を要する事を考えれば、一秋がこの速度の領域に付いて行けてるのは其れに耐えられるように身体を改造されているからしか選択肢はない。

 

 

「そうだ……だが、其れだけじゃないぜ?俺と散は、機体がより鋭く動く事が出来るように、心臓にISコアを移植してるんだよぉ!

 この意味が分かるか?俺と散は、ISと文字通り一つになったんだ……人にしてISの力を持ち、ISにして人の頭脳を持った存在になったんだよ俺達は!」

 

「……テメェ、遂に完全に人間辞めちまったのか……この馬鹿野郎!!」

 

 

――パリィィィィン!!

 

 

一秋が告げた事に、一夏は一瞬で怒りが臨界爆発を起こすと同時にSEEDが発動し、超高速移動を行うゲイルストライクに付いて行く。

 

 

「んな!?このスピードに付いて来るだと!?……俺のゲイルストライクは機動力だって高いのに!!」

 

「驚く事じゃねぇだろ一秋?

 俺のカリバーンストライクも近接戦闘特化型だから、基本性能は近接戦闘能力と機動力に全振りしてんだ――だから、機体の能力を全開にすればお前に付いて行く事位訳ねぇんだよ!!」

 

 

如何に一秋のゲイルストライクが高い機動力を持っていたとしても、SEEDが発動した一夏からしたら捉える事が出来ない相手ではないから、こうして互角に戦える事が出来る。

SEEDの発動は=潜在能力の解放でもあるから、一夏の潜在能力は一秋を軽く上回っているのは間違い無いだろう。

加えて、一夏――と言うかIBレギオンの面子と、後発組の代表候補生達は日々鍛錬をを行っているのだが、フィジカルトレーニングに関しては、普通の筋力トレーニングで筋肉を太く強くする事よりも、身体の耐久性を高める事に主眼を置いているから、一夏達の肉体強度はそんじょそこ等のボディビルダーなんぞ目じゃない位に頑丈だ。

其れだけの頑丈さを誇りながら、一夏は決して太くないし、女性陣も必要な筋肉は付いていても女性らしい曲線は維持してるのだから反則としか言いようがない。

特に夏姫、楯無、箒、マリア、静寐、グリフィン、ヴィシュヌ、ベルベットは、腹筋がキッチリ割れてるのに胸はバインバインって凄くね?凄いですよね!!

まぁ、必要な筋肉が付いてスレンダーなプロポーションに磨きが掛かってる鈴と乱とラウラも凄いとは思うが――っと、話が逸れたが、結局のところ何が言いたのかと言えば、一夏はこの位の高速移動で発生するG如きは屁とも感じないと言う事だ。

 

 

「そんな、馬鹿な……!!」

 

「受け入れろよ、此れが現実ってやつだぜ一秋。――此処でケリを付けようぜ。」

 

 

一秋とゲイルストライクの底は知れた……そう判断した一夏はエクスカリバーの切っ先を一秋に突き付けて終焉を宣言する。……その姿は、罪人に裁きを言い渡す裁判官の如くだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、箒も散と一戦交えていた――が、此方は一夏と一秋の様な近接戦闘ではなく、箒が百雷とドラグーンを駆使して散の事を一切近寄らせないと言う一方的な戦いが展開されていた。

無論箒が得意としているのは八十枉津日太刀を使った近接戦闘なのだが、百雷とドラグーンでの攻撃をメインにして戦っているのには、ちゃんとした理由がある。

何故ならば、散のミラージュフレームには頭部のイーゲルシュテルン以外の射撃、砲撃武装は一切搭載されていないからだ――散の希望だったのか、其れとも教授が考えた結果だったのかは分からないが、イーゲルシュテルン以外の遠距離武器が無いのであれば、ミラージュフレームは近寄らせなければなんて事ない機体だったのだ。

 

 

「ビームライフルにドラグーンだと?……卑怯だぞ箒!貴様も刀を持ってるなら刀で戦え!!」

 

「卑怯?自分の機体に搭載されている武装を使うのが卑怯だと言うか貴様は……ならば、タッグトーナメントの時に違法なプラスチック爆弾をラウラに投げつけた貴様は卑怯者にも劣るクズと言う事になるな?

 そもそもにして、イーゲルシュテルン以外の射撃武器が無い相手ならば懐に潜り込ませなければ怖くない――だから、ビームライフルとドラグーンによる多角的攻撃が有効なのだが、そんな事も分からないのかお前は?」

 

 

ミラージュフレームは、セカンドイシューに改修された際に機動力を大幅に強化され、常人では耐えきれない程のGが発生するレベルの機動力を手に入れた上に、其れを扱う散自身も機体性能に付いて行けるように肉体を改造している――其れを踏まえた場合、例え相手が射撃武器で攻撃して来ても、凄まじいスピードで其れを躱して自分の有効間合いに入る事が可能だ。

だが、其れはあくまでも自分に対して放たれる攻撃が一方からだけの場合であり、ドラグーンを使った多角的攻撃の前ではその機動力を十全に発揮する事が出来ない――だからこそ、箒が散を圧倒する展開になっているのだ。

加えて、アカツキのドラグーンに搭載されているビーム砲塔は三門。其れが七基なので、散は七方向から降りそそぐ合計二十一のビーム攻撃を避けなければならない上に、其処に箒の百雷の攻撃も加わるのだから堪ったモノではないだろう。

其れでも、未だ致命的なダメージを貰ってない辺り、改造されただけの事はあると言ったところか。

 

 

「クソ!お前何時の間に此処まで銃を巧く使えるようになった!其れにドラグーンも!!」

 

「お前と一秋が訓練を怠ったり、謹慎喰らったりしてる間も、私は一夏達と訓練をしていたんだぞ?

 ISを使ったモノからフィジカルトレーニングに生身で武器を使わない格闘戦など色々とな――そして、其の中には当然射撃の訓練だって含まれていた。

 最初の頃は的に掠りもしなかったが、訓練を続けるうちに自然と上達してな?夏姫義姉さんやマリアにはまだ遠く及ばないが、それでも十発中七、八発は的の中心付近に当たるようになって来たさ。

 其れとドラグーンは機体が二次移行した際に追加された武装でな……此れに関しては、私が操作している訳ではない。」

 

「なに?外部から遠隔操作しているとでも言うのか!?」

 

「いや、ドラグーンを操っているのはアカツキ自身だ!!」

 

『そう言う訳だ!俺をがっかりさせるなよ、大将の元妹さん!!』

 

「機体が喋っただと!?」

 

「ふ、驚かせたか?今のはアカツキのコア人格だ。

 通常、コア人格と言うのは表には出て来ないモノらしいが、アカツキは姉さんが色々限界突破して作った機体のせいか二次移行したら、コア人格が表に出てくるようになってな。」

 

「そんな出鱈目な……だが其れ以上に、何故コア人格の声がテラ子安なんだ!?」

 

「作者的に、カガリ・ユラ・アスハよりも、ムゥ・ラ・フラガの方が好きだからだろうな。」

 

「何の話だ!?」

 

「知らん。」

 

 

箒は何かの電波を受信したようだ。

其れは兎も角、箒は何を思ったのか突如ストライカーパックをオオワシに切り替えドラグーンでの多角的攻撃を止め、八十枉津日太刀を抜刀して、其の切っ先を散に向ける。

 

 

「此のまま戦えば私が勝つだろうが、卑怯者呼ばわりされたまま勝つと言うのは気分が良くないのでな、此処からは貴様に合わせてやる散。

 ドレだけ阿呆でも、自分の得意分野で圧倒的に負けたとなれば少しは現実を知るだろうからな。」

 

「箒……その選択を後悔させてやるぞ!!」

 

 

箒のあからさまな挑発に散は激昂し、ミラージュフレームの機動力を全開にし、複雑な軌道を描いて箒に突撃する――が、箒もオオワシのブースターを全開にすると全く同じ軌道で散に向かって行く。

オオワシは元々アカツキを亜音速で飛行させる事が出来るのだが、そんなオオワシでイグニッションブーストを使ったら音速の壁を突破する事は可能であり、だからミラージュフレームの動きに付いて行く事も出来る。

 

 

「馬鹿な!この速度に付いて来るだと!?」

 

「高速戦闘は何もお前の専売特許ではないと言う事だ。」

 

 

箒と散はそのまま超高速の剣戟に突入。

互いにPS素材で出来た刀身の刀を持って居るが、箒は刀身を赤くして強くし、散は刀身を黒くして硬くする――強さと硬さの激突になっているのだ。

目にも止まらぬ剣戟だが、此の剣戟でも先に仕掛けたのは箒の方だった。

 

 

「隙ありだ。」

 

 

散の大振りの払い斬りを躱した箒は、がら空きのボディに高速のエルボーを叩き込むと、其処から斬り下ろし→払い斬り→打ち上げ掌底のコンボを、以前に己が一夏との剣術勝負で喰らったコンボを叩き込む。

そして其れだけでは済まず、吹き飛んだ散に対して弧を描くような切り上げを二連続で喰らわすと、二発目と同時に自分も上昇し、今度は全体重を乗せた渾身の斬り下ろし、所謂『兜割り』を散の脳天に叩き込む。

如何にPS装甲が物理ダメージを無効に出来るとは言え、其れはあくまでも装甲が受けるダメージを0にするだけであって、パイロットへのダメージを0にする訳ではないので、この脳天へのダメージは多少は軽減されても散にキッチリと入っているのだ。

普通ならば此れで昏倒して戦闘続行は不可能だが……

 

 

「此れでも落ちないか……私の想像以上に頑丈みたいだなその身体は?」

 

「当然だろ箒……私と一秋は身体を強化改造しているだけでなく、心臓にISコアを移植しているのだからな?身体の頑丈さは、普通の人間とは比べ物にならんぞ!!」

 

 

散も、一秋と同様に心臓にISコアを移植する事で並の人間を遥かに凌駕する耐久性やら何やらを手にしているのだ――一秋も散も、一夏と箒を倒す為に人間である事を捨てたのだった。

 

 

「ISコアを心臓に……そうか、つまり貴様は人間を辞めたと言う訳か――大馬鹿者が、自ら化け物になるとはな!」

 

 

――パリィィィィン!!

 

 

其れを聞いた瞬間、箒の中で何かが弾ける――自分に勝つ為に人間である事を辞めた散への怒りがトリガーとなって、箒もSEEDの発現に至ったのだ。

散は機体を四つ足の高機動形態であるプルートフォームに変形させて突っ込んで来るが、SEEDが覚醒した箒にとっては其れはスローモーションに映っている。

だから、冷静かつ的確に対処出来るのだ。

 

 

「せめてもの手向けだ、篠ノ之流剣術の奥義を見せてやる……篠ノ之流剣術奥義の壱・雪花擾乱!!」

 

 

散の攻撃を捌いた箒はイグニッションブーストを発動すると同時に、篠ノ之流剣術の奥義を繰り出す――奥義の壱・雪花擾乱は、神速の踏み込みと同時に袈裟切り→逆袈裟二連斬→斬り下ろしの連続技を叩き込む技だが、箒は其れにアレンジを加えて神速の踏み込みと同時に『斬撃の基本九種類を同時に叩き込む』技に昇華させた。

其れはつまり防御も回避も不可能な一撃であり、散は此れを真面に喰らってシールドエネルギーがゼロに。

 

同時に――

 

 

「あばよ一秋……喰らえ、超級武神覇漸!!」

 

 

一夏も一秋に対して、エクスカリバー二刀流での一六連斬を叩き込んでKO!と言うか、最後の一撃では零落白夜を発動していたので、如何足掻いた所でシールドエネルギーは消し飛んでいたのだが……

 

 

「シールドエネルギーが0になったのに機体が解除されないだと?」

 

 

シールドエネルギーが尽きたにも拘らず、一秋と散は機体が解除されていないのだ――シールドエネルギーが尽きた機体は強制的に解除されると言うのにだ。

何かあるのかと一夏と箒は警戒する――シールドエネルギーが尽きたにも拘らず機体が解除されないなどと言うのは異常以外の何モノでもないのだから警戒するのは当然と言えるだろう。

 

 

『Shield Energy Empty Berserker System Start Up.』

 

 

だが、そんな電子音声が聞こえたかと思った瞬間、一秋のゲイルストライクと散のミラージュフレームの装甲は真っ黒になり、ツインアイは真っ赤に輝く。

この明らかに普通ではない変化に一夏と箒は一層警戒を強める――機体の形状こそ保っているが、この変化はラウラのシュバルツェア・レーゲンのVTシステムが発動した時以上の禍々しさを感じるのだから。

 

 

「なんだそりゃ?其れに零落白夜を喰らったのにどうして機体が解除されてない?」

 

「フヒ……ヒハハハハハハハ!冥途の土産ニ教エてやるヨ!

 機体が解除サれないノはな、俺と散ハISコアを身体ニ移植してルからだ……教授ノ技術にヨッテ、俺達はISその物ニなったッテ事ダ――俺達がIS其ノモのナら、人間の姿モISを起動シタ状態の何方も自分ノ姿って訳ダ……ダカラ、シールドエネルギーが0にナっても機体ガ解除される事はなイ。」

 

「ソシテこの姿こソが私と一秋の切り札……教授が搭載しテクれたバーサーカーシステムダ。

 シールドエネルギーがゼロになッタ時、シールドエネルギーヲ全回復した上デ機体とパイロットの能力を十倍ニ強化するモノだ。

 ……私達の力ガ十倍にナれバ、もう敵ハ無イ!」

 

 

この禍々しい変化の正体は、『バーサーカーシステム』。イルジオンが嘗て教授と話していた『アレ』の正体だ。

SEが尽きたと同時に発動し、シールドエネルギーを全回復した上で機体とパイロットの能力を十倍に引き上げるとは、何とも恐ろしい能力だ――尤も、並の人間ならばそんな事をすれば身体が負荷に耐えられずぶっ壊れてしまうが、一秋と散は人間辞めてるレベルで身体を改造しているので大丈夫なのだろう

多分。

が、其れだけの強化には当然代償が必要になる……バーサーカーシステムは『バーサーカー』の名が示すように、理性が徐々に奪われてしまい、最後には闘争本能だけで暴れまわる狂戦士と化してしまうのだ。

一秋と散の話し方がオカシイのは、理性が徐々に失われてきているせいだろう。

 

 

「十倍か……確かに凄まじい倍加だが、お前達が十倍になった所で何も変わらんだろう?0を何倍にした所で、0は0なのだからな。」

 

「仮にプラスの数値だったとしても、お前等の戦闘力は改造込みで精々百あれば良い所だろ?其れの十倍で千……俺と箒の戦闘力は五千万はあるから如何考えたって敵じゃねぇよ。」

 

 

シールドエネルギーが尽きても機体が解除されず、更に不気味な変化をした事に警戒した一夏と箒だったが、そのカラクリが分かると再び余裕綽々で一秋と散を煽る。

 

 

「俺様を馬鹿ニするなぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!ウガァァァァァァァァァァァアァァァァァアァ!!」

 

「殺してヤルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!ギヤァァァァァァァァッァアァァァァァァァァァァァ!!!」

 

 

其れに対して一秋と散は一瞬で理性が霧散し、一夏と箒に襲い掛かる。

十倍になった機体性能とパイロットの能力は凄まじく、並のIS乗りだったら即撃墜されるであろう攻撃を繰り出してくる――が、一夏も箒も其れを難なく捌いて行く。

バーサーカーシステムによって強化された一秋と散は、確かにさっきとは比べ物にならない程に強くなっているのだが、其れは『ただ強いだけ』なのだ。

理性を失い、闘争本能に身を任せて振るわれる攻撃など強力ではあれど脅威ではない……加えて理性を失っているので仕掛けて来る攻撃は只暴れてるのと同じだ。

そんなモノは、本気で喧嘩モードに入ったオータムに比べれば全然温いのだ……束のシミュレートによると、ガチ喧嘩モードのオータムは、千冬に勝てずとも負けない事は出来るらしいから。……オータムさん、アンタも大概やね。

そんなオータムと三年前から訓練している一夏と、アカツキを受領後に何度か稽古をつけて貰った箒からすれば、バーサーカーとなった一秋と散もマッタクもって相手ではないのだ。

 

 

「哀れだな一秋、そして散。

 そんでもって確信したぜ……そのバーサーカーシステムってのは、教授とやらがお前達の為に搭載したモノじゃない。お前達でそのシステムの出来具合を見る為に搭載したんだってな。

 要するに、実験台にされたんだよお前等は。」

 

「如何に改造されようとも、行き成り十倍になった力を揮えば只では済まん……戦闘終了後は確実に廃人レベルだろう――一夏の言う通り、哀れだな。」

 

 

本能のままに暴れまわる一秋と散に哀れみの視線を送ると同時に、一夏は箒にエクスカリバーを投げ渡し、箒は八十枉津日太刀を一夏に投げて寄越す。

早い話が武器交換なのだが、エクスカリバーを受け取った箒は其れをアンビスフォームにして構え、八十枉津日太刀を受け取った一夏は得意の抜刀術の構えを取る。

 

 

「今度こそ終わりだ一秋……先に地獄で待ってな。」

 

「死んだら顔くらいは見に行ってやる……私も一夏も、蓮の花の上で平穏に過ごす退屈な天国よりも、地獄で鬼を相手に喧嘩をする方が性に合っているだろうからな。」

 

 

次の攻撃に合わせて、カウンターを叩き込んで一撃で倒すと決め、突撃して来る一秋と散に対して、一夏と箒もイグニッションブーストを発動して突撃する。

 

 

 

――バガァァァァァァァァァン!!!

 

――ドス!ドス!ドス!!

 

 

 

が、カウンターの一撃が炸裂する前に、強烈なビームと槍状の武器が一秋と散の胸部を貫いた――もっと正確に言うのならば、彼等の心臓をだ。

身体を改造し、更に心臓にISコアを移植しているとは言え、その心臓を貫かれたら流石に堪ったモノではない……と言うか、如何考えても即死だ――その証拠に、一秋と散は人間の姿に戻り、口から大量の血を吹き出しながら落ちて行っているのだから。

 

 

「あんな奴等の為に、お前等が手を汚す必要はねぇよ一夏、箒。」

 

「人間だった頃の彼等は彼方達が倒した――理性を失くした獣以下に成り下がった彼等は、私達がハンティングさせて貰ったわ。」

 

 

そして其れを行ったのは、ダリルとスコールの『ミューゼル一族』だ。(ダリル・ケイシーは学園用の偽名で、本名はレイン・ミューゼルである。)

ダリルが女権団との戦いの際に、女権団の機体から奪った長射程ビーム砲『オルトロス』で一秋を穿ち、スコールがトリケロスに搭載されているランサーダートで散を貫いたのだ。……PS装甲にはランサーダートは通じないんじゃないかって?心配御無用、ゴールドフレーム天は、ゴールドフレーム天ミナになった際に、ランサーダートにビームを纏う機能が追加されているから、PS装甲でも貫けるのだ。

 

 

「ダリル先輩、スコールさん……」

 

「如何して?」

 

「如何してって、お前等に『兄妹殺し』の業を背負わせたくなかったからに決まってんだろ?――どんな形であれ、家族殺しってのはやっちゃいけねぇ事だからよ。お前等が覚悟していたとしてもだ。」

 

「其れに、如何に嫌っている相手でも、自ら手に掛けたと言う事実は彼方達を苦しめる事になりかねないからね……彼方達がそんな事にならない様に、勝手にケリを付けさせて貰ったわ。

 でも、其れ以上に彼等は彼方達が手を下すまでもないと言うのが本当の所ね……彼等に身内の手で葬られるなんて言う最期は豪華すぎるわ――彼等は、知り合い程度の相手にトドメを刺される方が合っているのよ。」

 

「ダリル先輩、スコールさん……それって要するに、一番美味しいとこ持ってったって事っすよね其れ!!」

 

「私がアンビスフォームのエクスカリバーで散を、一夏が神速の居合いで一秋を葬る心算だったのに、何て事をしてくれたんですか!

 トドメを決めた其の後は、一夏と武器を再交換してから、背中合わせになって、『Jack Pod』と言ってから百雷とビームライフルショーティーを放って彼奴等を完全に滅してやる心算だったのに!!」

 

「え、反応するのはそこなの?」

 

 

だが、ダリルとスコールの考えとは別に、一夏と箒は一秋と散にトドメを刺す算段が出来ていたらしく、其れを潰された事に対して憤りの感情をダリルとスコールにぶつける。

ダリルとスコールからしたら、『何でだ?』と言いたくなるだろうが、一夏も箒も一秋と散の事は自分の手で決着させると決めていたのだから、其れを奪ったダリルとスコールには文句の一つも言いたくなると言うモノだろう。

 

 

「完全に消化不良じゃないっすか此れ!……此れが終わったら、此の消化不良感、解消して貰いますからねダリル先輩、スコールさん。」

 

「模擬戦は面倒だから……駅前のステーキハウスで好きなメニュー食べ放題で如何?」

 

「オレはスコール叔母さんみたいな太っ腹な事は出来ねぇが、そうだな……学食の最高額メニューの『超デラックスカツ丼』で如何よ?」

 

「「了承!!」」

 

 

……『戦闘中に何をやってるんだお前達は?』と言いたくなる遣り取りだが、こんな事を言いながらも、夫々がビームライフルでライブラリアンの機体を攻撃しているのだから、恐ろしい事この上ない。と言うか、全員がノールックで攻撃してるのに、其れが命中するとはどれ程なのか?

――取り敢えず、一秋と散はこの戦いで完全に絶命したのは間違いないだろう。心臓を貫かれて生きている生物は存在しないし、よしんば生きていたとしても、1万m近い上空から叩き落されたら、落ちた場所が海だったとしても衝撃でショック死するのは避けられない。

最後の最後まで己の弱さを受け入れる事の出来なかった愚者は、此処で遂に黄泉路へと旅立ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:夏姫

 

 

アタシと刀奈は、アーク・ジェネシスの武装を破壊する為にアーク・ジェネシスに向かっている――勿論、そう簡単には行かずに、アーク・ジェネシスから出撃したグフが立ち塞がるが、アストレイ部隊とモノクロームアバターの皆が来てくれたおかげでアタシと刀奈は進路上の最低限のグフを倒せば前に進む事が出来る。

此れならアーク・ジェネシスに近付くのは訳ない事だな。

 

……捉えた。先ずは、その巨大なビーム砲から破壊させて貰う。

 

 

 

「そうはさせんぞオリジナル。」

 

 

 

だが、其れをやろうとした所で、ビームがアタシを襲い、ビーム砲への攻撃は強制的に解除されてしまったが……今の攻撃を誰がやったかは分かるわ。だって同じ遺伝子を持って居るのだからね。双子の精神感応みたいなモノだ。

 

「イルジオン……其れと、一夏の成り損ないか。」

 

「アーク・ジェネシス攻略の時に現れるだなんて、良い感じのボスっぷりよイルジオン♪」

 

――【目指せラスボス!】

 

 

 

楯無、其れは微妙に違うと思うが……だが、イルジオンと出会ってしまった以上、戦いを避ける事は出来ないだろうな――アタシの血がそうだと騒いでいるからな。

……だから、敢えて言わせて貰うぞイルジオン?――どうしてもやるのか?

 

 

 

「……今更命乞いか?」

 

「まさか……お前が本気で来ると言うのであれば、アタシは其れに応えるだけだ――そんな訳で楯無、一夏の成り損ない共を頼む。

 一人で三人を相手にするのはキツイかも知れないが、お前ならば奴等が相手でも余裕だろう……だから、思い切りやってくれて構わん。一夏の偽物が居ると言うのは不快極まりないからな。」

 

「ふふ、任されたわ夏姫……で、報酬は?」

 

「キス一回、○一回、デート一回で如何だ?」

 

「OK、充分よ♪」

 

 

 

刀奈との約束が出来たから、アタシは負ける事は出来なくなったわ――だから、お前にも負けてやる事は出来なくなったんだイルジオン……まぁ、アタシは元々お前に負けてやる心算は無かったけどさ。

だが、本番は此処からだぞイルジオン?……持てる力の全てをぶつけてこい。アタシは其れを越えてやる。

 

 

 

「越えさせはしない……私が私である為にも!」

 

「越えてやる、お前が本当のお前になる為にもな。」

 

まぁ、お喋りは此処までにしておくか……だが、アタシは必ずお前を倒す。そして救ってやる!!――だから、今は戦おうじゃないかイルジオン……いいや、姉さん。

お前はまだ戻って来る事が出来る……だから、アタシはアタシの持てる力の全てを使って、お前を救う!救って見せる!!

行くぞイルジオン……史上最大級の、姉妹喧嘩の始まりだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 


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