Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

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アーキタイプから参戦か……楽しみだな?By夏姫      彼女以外のアーキタイプキャラの参戦に期待が高まるわね♪By楯無


Break15『乱る音の龍の到来と、髪飾りとの邂逅』

Side:一夏

 

 

……ん……何だ?何か身体が揺さぶられてる様な……まだ夢を見てるのか俺は?

 

 

 

「……ちか。一夏。」

 

 

 

俺を呼ぶ声……この声は鈴か?

其れに、なんか良い匂いがして来たぞ?……と言うか、此の食欲中枢にダイレクトアタックを喰らわせてくる、香しい芳香は、鈴のお手製朝ゴハンが出来てるってのか!?

 

 

 

「ねぇ、起きてよ一夏?朝ごはんで来てるわよ?」

 

「はい、たった今起きました!!」

 

って言うか、鈴の声と、朝飯の匂いで完全に目が覚めたぜ!!

おはよう鈴!

 

 

 

「おはよ、一夏。取り敢えず、顔洗って髪梳かしてきなさいよ?寝ぐせで頭がスーパーサイヤ人みたいになってるからね。」

 

「うお、マジか?其れは直して行かないとな……そのまま行ったら、変なあだ名付けられちゃいそうだしな。

 ところで、今日の朝飯って何?」

 

「ご飯と、中華風の味噌汁、カニカマと木耳を入れた中華風の卵焼きに、紹興酒と醤油とオイスターソースのタレに浸けた鯖のグリル焼きと、刻んだザーサイとメンマを混ぜ込んだ中華風納豆よ。」

 

 

 

おぉ、其れは美味そうだな!

まったく、毎朝美味い朝飯を、最愛の人と一緒に摂る事が出来るなんて、俺は間違い無く世界一の果報者だな♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break15

『乱る音の龍の到来と、髪飾りとの邂逅』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんでもって今日も今日とて学園の日常を送る訳なんだが……クラス代表決定戦から、何日か経った頃、俺と鈴にボコボコにされた中国の代表候補生は突然学園から姿を消した。

スコールさんが言うには、何も出来ずに敗北した事がトリガーとなって、ありとあらゆるSNSで『中国代表候補は裏金でその地位を得た』って感じの情報が飛び交い、更にはネット上にその疑惑を裏付ける様な文書が公表されて、其れを重く見た中国が、代表候補を強制的に本国へと帰還させ、事態の終息を計ったとの事だけど、疑惑を裏付ける文書ってのは、絶対に束さんが公開したよな?

 

束さんの力を持ってすれば、一国のSSS級のシークレット情報だって簡単に引き出す事が出来るだろうからな……まぁ、其れだけ束さんも怒ってたって事だ。

鈴も束さんに気に入られてるしな。

 

 

 

「そう言えば蓮杖君、凰さん、聞いた?今日、2組に転校生が来るらしいよ?」

 

「へ?何も聞いてないわよアタシは?一夏は聞いた?」

 

「いや、俺も今初めて聞いた。」

 

と言うか、こんな中途半端な時期に転校して来るっておかしくないか?

それ以前に、他校からIS学園みたいな特殊な学校に転校して来る事なんて有り得ないと思うんだけど――なぁ、其の子って本当に『転校生』って言って良いのか?

 

 

 

「でも転校生って聞いたよ?

 此れも聞いた話だけど、何だか色々と手続きとか何やらがあって入学式に間に合わなかったから、転校生として学園に来るとか何とか……?」

 

「其れって、転校って言うのか?」

 

「いや、言わないでしょ普通は。転校って言うよりは編入よね。」

 

 

 

そうそう、そっちの方がしっくりくるぜ鈴!

やっぱ『転校』って聞くと、引っ越しで他所の学校から来たのを思い浮かべるからな?……って言うか、色々と手続きがあったって、何かトラブルでも起きたんだろうか?

 

 

 

「さぁ?ま、その辺はホームルームでスコールさんが説明してくれるでしょ?」

 

「だな。スコールさんなら、ちゃんと説明してくれるだろうし。」

 

「蓮杖君も凰さんも、学校ではミューゼル先生だよって、何度も言われてるのに直らないよね?」

 

 

 

そりゃ、ISRIではこう呼んでたからな?

しかも年単位なんだから、今更変えろって言われても難しいって――まぁ、『スコール先生』ならOKみたいだから、俺も鈴も公の場では『スコール先生』って呼ぶようにしてるけどさ。

 

 

 

「はい、席に着きなさい。ホームルームを始めるわよ。」

 

 

 

っと、話してたらスコールさんが来たか――後ろから一緒に入って来た子が、件の編入生かな?……何となく、鈴に似た雰囲気がするぜ。

ん?如何した鈴、なんか驚いてるみたいだけど……

 

 

 

「な……」

 

「な?」

 

「な、ななななななななななな……!!」

 

「いや、何が言いたいんだよ鈴?」

 

ちょっとじゃなく、言語機能が崩壊してるぞオイ?

如何考えても大丈夫じゃないけど、これは斜め45度でチョップかましても直らないよなぁ……秋姉の拳骨なら直るかも知れないけど、学園じゃそれは無理だしなぁ……よし、自然に直るまで待とう!

多分原因は編入生だろうから、自己紹介が終われば直るだろうし。

 

 

 

「さて、今日は転校生と言うか、このクラスへの編入生が居るわ。自己紹介をして貰えるかしら?」

 

「はい。

 台湾から来た凰乱音です。台湾の代表候補生を務めています――本当は、まだ中学生なんですけど、飛び級で代表候補生に抜擢されました。

 不慣れな所もあるかも知れませんが、宜しくお願いします。」

 

 

 

へ~~、台湾の代表候補生だったのか。

其れに飛び級して代表候補生に抜擢されるなんて、結構凄いんだなあの子は?

 

ん?だけど『凰』って、鈴と同じ苗字だよな?中国と台湾だから国は違うけど、親戚筋って言う話ならない訳じゃないが……って、鈴が驚いてたのは、見知った相手だったからなのか!?

 

 

 

「何で、何で貴女が此処に居るのよ乱ーーーー!!!」

 

「あ~~、このクラスだったんだ!!会いに来たよ、鈴お姉ちゃん!!」

 

 

「「「「「「「「「鈴お姉ちゃん!?」」」」」」」」」

 

 

 

鈴、お前妹がいたのか!?

あれ?でも、其れだと国籍が違うよな……もしかして従姉妹か?

 

 

 

「その通りよ一夏。

 乱はアタシの従姉妹なんだけど、まさか台湾の代表候補になってたとは思わなかったわ……数年前に中国から台湾に移住したのは知ってたんだけどね。」

 

「其れは、何て言うか、お母さんがお父さんと離婚して、親権を勝ち取ったからなんだよ鈴お姉ちゃん。

 お母さんは元々が台湾人だから、離婚を機に、故郷の台湾にアタシと一緒に戻ったんだ――で、そう言った事から、アタシも今は台湾国籍なんだよ。」

 

「アンタの両親も離婚してたんかい!!」

 

「え?其れじゃあ鈴お姉ちゃんの両親も!?」

 

「夫婦仲がこじれて目出度く離婚したわよ!

 まぁ、お母さんは今はISRIの本社で『食堂のおばちゃん』やってるけどね。」

 

「マジで?アタシのお母さんも今は、台湾の大手ホテルのレストランで働いてるんだけど?」

 

「何その偶然!?」

 

 

 

ヤッパリ鈴の従姉妹だったか。

にしても、互いに両親が離婚してて、互いに母親に引き取られて、そんでもって、その母親が食堂で働いてるって、ドレだけの偶然の一致なのか分かったもんじゃないぜ……鈴とこの子は、歩んで来た人生が似通ってる『精神的双子』なのかもな。

 

 

 

「精神的双子って、巧い事言うね?

 って、言うか貴方って世界初の男性操縦者の『蓮杖一夏』よね?……鈴お姉ちゃんと、なんか仲良さそうだけど、若しかして鈴お姉ちゃんと一夏さんって、付き合ってるの!?」

 

「付き合ってるけど、何か文句でもあるの乱?」

 

 

 

って、此処で爆弾投下するのかよ!!

そして開き直るなよ鈴!!否、付き合ってるのは事実だけどな!?

 

 

 

「文句なんて無いよ?……ただ、鈴お姉ちゃんは、良い人を見つけたなーって。

 ISの腕前は如何か分からないけど、一夏さんはかなりのイケメンみたいだし……うん、鈴お姉ちゃんの相手としては合格だね♪」

 

 

 

合格って、お前の尺度で測るなよな?

俺は何があっても鈴の事を守る……そう誓ってるんだ。其れを、誰かに評価されるってのは良い気分じゃないぜ――アンタだって分かるだろ?

 

 

 

「……少し、配慮に欠けた発言だったわ……ゴメン。

 にしても、鈴お姉ちゃんの彼氏さんか~~……『一夏お兄ちゃん』って呼んでも良い?」

 

「此処でそう来るかオイ!!」

 

何だろう、何時もより多く突っ込んでる気がするぜ……夏姫姉が居たら、これとは比較できない位の突っ込みが、マシンガンの如く炸裂してたのは間違い無いんだろうけど。

 

俺としては、ずっと弟の立場だったから、この呼び方については悪くない気がするんだけど……最終決断をお願いします鈴。

 

 

 

「其処でアタシに振る、普通!?

 アンタが聞かれたんだから、アンタが答えるのが筋ってもんじゃないの一夏!?」

 

「いや、普通はそうなんだけど、此処で俺がOKしたらありもしない噂が流れて、途轍もなく不名誉なあだ名をつけられるような気がしてさ……それを回避するためにも、最終決断を鈴にして貰おうかなぁって。」

 

「あ~~……成程。

 一個下とは言え、同級生に『お兄ちゃん』と呼ばれ、尚且つ其れを自分で了承したとなれば特殊性癖の変態野郎って思われる可能性が滅茶苦茶高い訳か~~~。

 でも、其れを了承したのが従姉であり『お姉ちゃん』て呼ばれてるアタシなら、『お姉ちゃんの彼氏だからお兄ちゃんて呼んでも良いわよ』ってな感じになる訳ね?

 まぁ、そう言う事なら仕方ないわ。……一組の大馬鹿二人組の耳に一夏の不名誉な何やらが入るのは阻止すべきだしね。

 なら、アタシが許可するから、そう呼んでいいわよ乱。」

 

「あは、ありがとう鈴お姉ちゃん!宜しくね、一夏お兄ちゃん。

 あ、其れからアタシの事は『乱』って呼んでね!鈴お姉ちゃんと一夏お兄ちゃんだけじゃなくて、出来ればこのクラスの人達も♪」

 

 

 

オウ、宜しくな乱!

……って、この呼び方だと弾の妹と被るな?まぁ、乱と蘭が同じ空間に存在する事なんて、鈴が乱を連れて五反田食堂に行かない限りは無いだろうから、そんなに気にしなくても良いか――こう言うのは、大概フラグなんだけどな。

 

 

 

「其れじゃあ、学園一のラブラブカップルにめでたく妹が出来た所で、ホームルームを続けるわよ?

 乱ちゃんの席は、鈴ちゃんの隣で良いわね。」

 

「「誰が学園一のラブラブカップルですかスコール先生!!」」

 

「「「「「「「「「「いや、アンタ等だアンタ等!!」」」」」」」」」」(一夏と鈴と乱を除くクラスメイト全員。*鍵カッコ数省略。)

 

 

 

ヤッパリ俺と鈴か!

てか、IS学園に居る男は俺と一秋だけで、それで彼女持ちは俺だけだから分かってたけどな!!……まぁ、ある意味では一秋と散もカップルって言えるかもな?

アイツ等の場合は『バカップル』じゃなくて『馬鹿ップル』だろうけど。

 

まぁ、何にしても新しい仲間が増えたってのは嬉しい事だよな?昼休みの時に、夏姫姉達にも紹介してやらないとだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:夏姫

 

 

今朝のホームルームの時に2組から聞こえて来た鈴の声を聴く限り、2組に編入して来たって言う生徒は、鈴の関係者だったみたいだね。

詳しい事は、ランチの時にでも聞けばいいか。

 

にしても、今日の授業も相変わらずと言えば相変わらずだったな?

一秋の奴は、腐っても鯛ではないが、ソコソコ学習能力はあるらしく、座学に関しては何とか付いて来ているみたいだが、実技は地面にクレーターをこしらえた時からあまり成長していないようだ。

一応、何とか飛べるようにはなったみたいだが、地面激突の恐怖のせいで急発進と急停止は出来ないみたいだからな――実際、今日の実技でも、目標は地上10cmだったにもかかわらず、急停止したのは地面から1m以上上だったからね。

 

あの分だと、1ヶ月後にはアタシが目を付けた3人の方が操縦技術は上回るだろうな。

 

 

まぁ、其れは其れとして昼休みになったので食堂に直行だ。

マリアと箒は勿論一緒だが、静寐と清香と癒子の3人も一緒だ――『私達も一緒に良いかな?』って聞かれて、断る理由もないからな。

此の3人を名前で呼んでるのは、アタシが『蓮杖だと弟と被るから夏姫で良い』って言ったら、静寐が『其れじゃあ私達の事も名前で呼んでね?』って言う事で、名前で呼ぶ事になった訳だ。

 

其れで食堂。食券を買って、トレイに料理を乗せて、後は席を探すだけだ。

因みに今日のアタシのランチはチャーハン定食(焼き豚チャーハン、シュウマイ、中華風卵スープのセット)で、マリアは日替わりサンドイッチ、箒はかき揚げうどん定食、静寐は回鍋肉定食、清香は唐揚げ定食、癒子は生姜焼き定食な。

 

さて、空いてる席は……

 

 

 

「おーい、夏姫姉!席とっておいたぜ!」

 

「一夏。其れは助かる。」

 

と探していた所で、一夏から声が。

如何やら席を取って居てくれた様だ。其れも、御丁寧に大人数用の大型丸テーブルに『予約席』の立て札まで使って確保とは、アタシ達が大所帯で来る事を予想していたようだな?

 

 

 

「マリアと箒は確定だし、鷹月さん達も最近一緒に居るみたいだから、今日は結構大所帯になるんじゃないかって思ってさ。」

 

「成程、中々にいい勘をしているな一夏。」

 

尤も、其れ位の勘を持っていなければ超一流になる事は出来ないがな。――一流と超一流を分けるのは『勘』だとは誰の言葉だったかな?

まぁ良い。其れで、鈴の隣にいる其の子は誰だ?いや、十中八九、2組に編入して来た子だとは思うんだが……

 

 

「正解よ夏姫。ほら、自己紹介しなさい乱。」

 

「分かってるって♪

 初めまして、台湾代表候補生で、鈴お姉ちゃん従妹の凰乱音です。この度IS学園に編入して来ました。気軽に乱って呼んでください。」

 

 

 

へぇ?件の編入生は鈴の従妹だったのか……其れじゃあ、1組にまで鈴の驚きの声が聞こえて来たのも納得だ。

 

此方こそ宜しくな乱。蓮杖夏姫だ、其処に居る蓮杖一夏の双子の姉だ。

 

 

 

「一夏お兄ちゃんのお姉ちゃん?……夏姫お姉ちゃん?」

 

「一夏を何でそう呼ぶのかについては敢えて問わないが、アタシをそう呼ぶのは、アタシ等が学園を卒業するまでは……もっと言うなら一夏と鈴が結婚するまでは止めてくれるとありがたい。

 アタシの事は夏姫で良い。」

 

「なら、夏姫って呼ばせて貰うね!」

 

「顔が鈴と似てるだけでなく、天真爛漫な所も鈴とよく似てるわ。

 初めまして乱、マリア・C・レインよ。気軽にマリアと呼んでくれると嬉しいわ。」

 

「篠ノ之箒だ。私の事も箒で構わない、宜しくな乱。」

 

「鷹月静寐と言います、宜しくね乱さん♪」

 

「相川清香だよ。ようこそIS学園へ、乱ちゃん♪」

 

「私は谷本癒子、宜しくね乱ちゃん!」

 

「マリアに箒に、静寐と清香と癒子だね、覚えたよ♪」

 

 

 

ふっ、如何やら乱は確りと馴染めたようだな。――で、何か用か織斑?其れと、金髪ポニテ。

 

 

 

「用って程じゃないけど、2組の編入生とやらに挨拶をしておこうと思ってね。

 やぁ、凰乱音さん、俺が1組のクラス代表の織斑一秋――あの織斑千冬の弟だよ。どうぞ、宜しくね?」

 

「織斑一秋?……あぁ、アンタが2人目ね?

 アタシとしてはアンタと宜しくする心算は無いから自己紹介とか如何でも良いから――って言うか鈴お姉ちゃんから聞いたけど、夏姫とマリアにパーフェクト負け喰らった挙げ句に、夏姫から指名されてクラス代表になったんでしょ?

 其れに、織斑千冬さんの弟である事を態々言うなんて、姉の威光に頼り過ぎ……姉の七光りって奴かしら?

 何よりも、アンタからは『生理的嫌悪感』を感じるから話しかけないでくれる?――一夏お兄ちゃんと似た顔だけど、中身は全く別物ね。」

 

 

 

乱よ、初見で其処まで見抜けるのは大したモノだが、コイツが此処までこき下ろされたとあっては、金髪ポニテが黙ってはいまい……箒!!

 

 

 

「篠ノ之パワープラス!」

 

「蓮杖パワーマイナス!」

 

プラスとマイナスが引き合い、必殺の一撃が炸裂する……喰らえ、クロスボンバー!マスク狩りじゃぁぁぁぁぁぁ!!!

 

 

 

――バガァァァァァァァァァン!!

 

 

 

「ヒデブゥ!?」

 

 

 

必殺の合体攻撃は、乱に木刀で殴りかかろうとしてた金髪ポニテの頚椎を見事にサンドイッチして完全KO!

まぁ、鍛えても鍛えようのない喉笛と、延髄に強烈な打撃を同時に喰らったら失神もするか……取り敢えず、この生ごみは邪魔だから外に捨てる方向でな。

 

 

 

「へぇ、天才である俺にそんな事を言うなんて、後悔する事になるよ?」

 

「後悔なんてしないわ。そんでもって、今の一言で確信した。

 アンタは自分の事を『天才』って称してるけど、その実は大した実力もなく、織斑千冬の威光に頼ってるだけの三流だって……アンタなんて、鈴お姉ちゃんの足元にも及ばないよ。」

 

 

 

うん、よく言った乱。

尤も、鈴の実力を考えたら足元に及ばない所か、つま先に触れる事が出来るかどうかも怪しいレベルだけどね……何にしても、その金髪ポニテを回収して早急に此処から去れ織斑。

食堂内に、お前等とランチを共にしたいと思ってる奴は、只の一人も居ないからな。

そして認識しろ、1組のクラス代表決定戦での結果から、お前の評価点は最低クラスになっていると言う事をな……嘗ては『神童』と持て囃された奴が、落ちた者だなマッタク。

 

 

 

「お前……!

 ふん、だが今度のクラス対抗戦が終われば俺の評価は右肩上がりになる――総当たりのリーグ戦で、俺は全勝して優勝するからな!!」

 

「其れ、完全に負けフラグだぜ織斑。」

 

 

 

一夏の言う通り、其れは負けフラグだぞ織斑。

まぁ、これだけの大風呂敷を広げてくれたんだから、クラス対抗戦全敗なんて言う醜態は曝してくれるなよ?――とは言っても、今のままでは全敗は免れんだろうがね。

 

 

 

「俺を馬鹿にした事を後悔させてやる!!

 俺が全勝して優勝したら、お前等は全員俺の奴隷にしてやるからな!!」

 

 

 

……うん、三流悪役でも吐かないような捨て台詞を残して行ったアイツは。しかも、捨て台詞の法則を全て満たして行ったしね。

 

 

 

「夏姫さん、捨て台詞の法則って何?」

 

「1、捨て台詞とは負けて悔しい方が吐く。

 2、言ってしまった後でもっと良いセリフを思いついて後悔する。

 3、単純なセリフだろうと複雑なセリフだろうと、言われた方は大体3日もあればキレイサッパリと忘れて、次に会った時には其れを言った相手すら記憶から消去してる。」

 

「あ、凄く納得。」

 

 

 

納得しただろ清香?

取り敢えずまぁ、アイツに待ってるのは敗北街道だけどね。全勝ではなく全焼だよ。

 

招かれざる客が有ったが、乱との邂逅は巧く行ったみたいで、その後は和気あいあいとランチを楽しんだ――鈴と乱のランチメニューがラーメンと餃子のセットだったのは奇妙な一致だったな。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

そんな訳で放課後。

今更だけど、IS学園のカリキュラムは可成り特殊で、午後の授業は1時から2時半までの授業時間で、其の後でホームルームをやって、3時から

5時までが部活の時間で、5時からが放課後でアリーナを使った訓練が出来るようになってる。

 

とは言え、毎回アリーナが使えるって訳じゃないから、今日はトレーニングルームで基礎体力の向上を図ってるんだがな。

幾らパワーアシストがあるとは言え、基礎体力が低いのではISの操縦を十分にする事は出来ないからね――そう言う訳で、静寐と清香と癒子にも基礎体力向上の為のトレーニングをして貰ってる訳だがな。

 

楯無とのスパーリングを終えたアタシの事を静寐達が見入っていたが、アレは一体何だったのか……なんか、顔を赤らめてたみたいだが……

 

 

 

「いや、其れは完全に夏姫姉のせいだろ?

 こう言っちゃなんだけど、夏姫姉は色っぽ過ぎるんだよ!楯無さんとのスパーリングを終えた後の、顔が上気した夏姫姉は色々ヤバかったぜ?

 汗を浮かべながらニヒルな笑みをたたえた夏姫姉は、マジで極上のイケメン女子だから!ありがとうございました!!」

 

「意味が分からん!!」

 

まぁ、アタシが無自覚なだけかもしれんが……少なくとも静寐達に悪感情を持たれた訳じゃないって言うのなら良いとしておこう。――あの有望な3人が離れて行ってしまうと言うのは残念だし、アタシ個人としてもあの3人とは一緒に居たいからな。

 

 

取り敢えず今日の訓練は此れまでにして、寮に帰って風呂にするか……汗がべたついて、不快感マックスなのは否めないからな。――クソッ、インナーのブラまで汗でぐっちょりじゃないか!

 

これは、相当に汗を掻いてるから、風呂は速攻だな。

 

 

 

と、そう思って寮へ向かっていたんだが、その途中で、整備室から何やら音が聞こえてきて、気になったから中に入ってみたんだが……整備室の中に有ったのは、未完成のISと、幾つかのデータディスク。

 

まさか、IS学園は此処で秘密裏に新型機を開発していた――と言うのは考え辛いな。そんな事が表沙汰になったら、IS学園は速攻で世界中から何らかの非難を喰らうだろうからね。

まぁ、生徒が個人で開発していたと言うのならば、問題はないだろうけど。

 

 

 

 

「……誰かいるの?」

 

「!!!」

 

そんな事を考えていたからか、アッサリと背後を取られてしまうとはな……あぁ、居る。驚かせて悪かったね。――って、今の声の主は此の子なのか!?

 

眼鏡を掛けてる上に髪の長さも違うが、その青い髪と赤い目は間違いようもないわ――アタシに前に現れたのは、楯無の身体的特徴を略受け継いでる少女だった。

 

若しかして彼女が、楯無が言っていた『妹』なのだろうか?

だとしたら、なんと言う偶然では片付けられない気がするな?――少なくとも、アタシ達と連携を決めた更識の次女とこんな場所で邂逅するなんて言う事は思っても居なかったからね。

 

果たして、この出会いは偶然だったのか必然だったのか、あるいは運命なのか宿命なのか……何にしても、この出会いが只の邂逅で終わる事だけはない――アタシは、無意識にそう考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 




キャラクター設定



・凰乱音

台湾国家代表候補生で鈴音の従妹。容姿や性格は、本当の姉妹なんじゃないかと思う位に鈴音と似ている。
中等部ながらも、中国の対抗策として飛び級で代表候補生に選抜され、IS学園へと編入し鈴音と再会した。
天真爛漫な性格は鈴音とよく似ているが、鈴音の事を『鈴お姉ちゃん』と呼んだり、鈴音の彼氏である一夏を『一夏お兄ちゃん』と呼んだりと、少しばかり子供っぽい面も見え隠れする。(それが魅力でもあるが。)
料理の腕前は鈴音同様高く、台湾料理ならば大体全般作る事は出来る。


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