Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

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……開発途中の機体を投げ出すか普通?By夏姫      普通は考えられないわね?By楯無      つまりダメだろ倉持は……By一夏


Break16『髪飾りの専用機を完成させましょう!』

Side:夏姫

 

 

現状確認……整備室から音が聞こえて来たので入ってみたら、其処には未完成のISとデータディスクがあり、更には此れ等の持ち主と思われる女の子に背後を取られてしまいました。ハイ確認終了。

あ~~……まぁ、何だ、勝手に覗いてしまった事は悪かったが、アタシは此れを如何にかしようとは思ってないから安心してくれ。

 

 

 

「うん、貴女がそんな事をする人じゃないのは分かってる……私もちょっと神経過敏になってたから、過剰に反応した……ゴメン。」

 

「いや、お前が謝る事じゃないだろう?非があるのはアタシの方だからね。」

 

っと、先ずは名乗っておくのが礼儀か?

アタシは蓮杖夏姫だ。何の因果か、弟の一夏共々ISRIの企業代表を務めさせて貰っているよ……マッタク持って、人生はどうなるか分からんモノだとはよく言ったモノだと思うよ。

 

 

 

「うん、そうかも知れないけど、貴女の事は知ってる。其れと貴女の弟も――ううん、ISRIの企業代表の事はみんな知ってる。」

 

「其れは光栄だな。」

 

「貴女達の機体はとても格好いいから、印象に残ってるの。

 特に貴女の機体、『フリーダム』は、機械天使の様なフォルムが最高だった……アレは本当に格好良かった。」

 

 

 

其れは其れは、お褒めに預かり光栄だ。

フリーダムは、我が社が開発したストライクを、アタシが独自に改造したものだからね……其れをカッコイイって言って貰えるのは、正直嬉しいモノだよ。

 

だが、其れは其れとして、そろそろ名前を聞かせてくれないか?アタシは名乗ったんだから、お前が名乗らないと言うのは、不公平だからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break16

『髪飾りの専用機を完成させましょう!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言う訳で聞かせて貰えるかな、お前の名前を。

 

 

 

「簪……更識簪。」

 

「簪か、良い名前だな。」

 

だが、更識とは……此れはもう、間違いなく楯無の妹確定だな――はぁ、姉と似てなくて、大人しそうで良い子だな簪は……尤も、其れが性格に災いしてる可能性もあるのかも知れないがな。

 

「更識……楯無の妹かお前。」

 

「!!……お姉ちゃんを知ってるの?」

 

 

 

知ってるぞ?と言うか、同じ部屋だしな。

どうにも楯無はお前を気に掛けていたようだから、アイツに妹がいると言う事は覚えていたんだよ――まぁ、其れは其れとして、聞くまでもないだろうけれど、此の未完成のISはお前のか?

 

 

 

「うん、そう……此れは私の専用機になる筈だったモノなの。」

 

「専用機……簪は、代表候補生かなにかなのか?」

 

「うん、一応日本の代表候補生。あと、4組のクラス代表。」

 

 

 

其れは凄いじゃないか!!国の代表候補生になるのは決して簡単な物じゃない……其れなのに日本の代表候補生になったなんて、簪は優秀なIS乗りなんだね?

日本の代表候補生ともなれば、クラス代表に選出されてもおかしくないしな。

 

 

……だがちょっと待て。簪が日本の代表候補生だって言うなら、何故専用機が未完成の状態でIS学園に存在してるんだ?

普通に考えれば、専用機は完成した状態で使用者に渡される筈なのに……若しかして、何かトラブルでも起きたのか?

 

 

 

「彼が……織斑一秋が現れたから。

 蓮杖一夏君はISRIの代表だから兎も角として、織斑一秋はIS関連企業に所属してた訳でもないし、国家代表候補でもないから専用機が無い。

 其れを危惧した政府が織斑一秋の為の専用機の開発を命じたのだけれど、其れを受けたのが私の専用機を開発していた企業で、その企業は私の機体の開発チームをそのまま織斑一秋の為の専用機の開発チームに回してしまった。

 結果として私の専用機は開発が事実上凍結される事になったと言う訳。」

 

「……因みに、その企業は?」

 

「倉持技研。」

 

 

 

倉持技研……アホか!?否、倉持技研だけでなく日本政府も!!

幾らあの馬鹿がISを動かしたからと言っても、全くの素人なんだから、男性操縦者の稼働データを集めるなら、先ずは汎用性の高い訓練機でデータを取るべきだと言うのに、行き成り専用機渡すとか何を考えてるんだ?

訓練機は数が限られていると言うのなら、特例措置で必ず1機はアイツの為に空けておけばいいだけの事だろうに。

輪を掛けて酷いのは倉持だ――いくら政府の命令でアイツの機体を開発するとは言え、開発中の、其れも日本の代表候補生の専用機開発を凍結するなど正気の沙汰とは思えん……普通は、別途専用チームを立ち上げるのが普通だろう!

しかも、開発凍結までして仕上げた機体は、武装が近接ブレード一本のみで、単一仕様は発動するだけでシールドエネルギーが消費して行くと言う、大凡素人には扱えるものではない欠陥機とは、真面な神経を持ってるとは思えん……何だか頭が痛くなって来た。

 

「あ~~~……まぁなんだ、アタシのクラスの代表のせいで色々とスマナイな。」

 

「大丈夫、気にしてないから――と言うか、貴女とレインさんが織斑一秋を代表決定戦で完膚なきまでにボコボコにしてくれたから、多少は溜飲が下がったから。」

 

「そうか、其れならば良かったよ。」

 

時に簪、お前はこの機体を如何する心算だ?

開発が凍結された筈の機体が此処にあると言う事は、完成させる心算なんだろうが……まさかとは思うが、一人で完成させようなんて思ってないよな?――ハッキリ言って、一人でISを組み上げられるのは生みの親である篠ノ之束位なものだ。

 

 

 

「其れは分かってるし、そんな事は思ってないけど、現状で協力者がいないのも事実……本音――あ、私の友達だけど、本音は整備は得意だけど開発とかはあんまり明るくないから。

 でも、私は自分の専用機は完成させたい……何時までもお姉ちゃんを待たせておく事は出来ないし。」

 

「楯無を待たせる?如何言う事だ?」

 

「お姉ちゃんは小さい頃からなんでも出来て私の憧れだったけど、同時に少しコンプレックスもあった……其れはお姉ちゃんがロシアの国家代表になって、更に更識の当主になった事で大きくなった。

 でも、更識の当主になったあの時にお姉ちゃんは言ったの『貴女が日本の代表になって、私と戦って勝つまで、私は最強で居る……だから、何時でも私に挑んで来なさい。』って……お姉ちゃんは、私が強くなるのを待ってるから。」

 

 

 

楯無……お前、良いお姉ちゃんだな?

自ら妹の成長の為に最大最強の壁になろうとするなんて、中々出来るモノじゃないぞ?……お前は本当に妹の事を何よりも大事に思っているんだな楯無よ。

 

だが、そう言う事ならアタシが、アタシ達が力を貸すぞ簪――ISRIの連中は戦闘だけでなく整備や開発も一応学んでいるし、自慢じゃないがアタシは、ISの改造位はお手の物だからね。

 

 

 

「……良いの?」

 

「アタシのクラスの馬鹿のせいで貧乏くじを引かされた侘びだと思ってくれ。

 其れと、お前が望むのならばだが……お前の専用機、やろうと思えばアタシ達が使ってるのと同じ全身装甲の機体にする事も出来るぞ?」

 

「ホントに!?」

 

 

 

あぁ、本当だ。と言うか、楯無から聞いてないのか?

……ISRIは更識家と協力関係を結んだのでね、ISRIの技術や機体を更識の者に渡すのは全然問題が無いんだよ。楯無にも、GW中にISRI製の専用機を渡す心算だからね。

 

 

 

「そんな事になってたんだ……でも、そう言う事ならお願いして良いかな?

 この子は、生まれる事も出来なかったから、其れなら本来の姿よりももっと強い姿で改めて生み出されても良いと思うから。」

 

「あぁ、任せておけ。」

 

だが、本格的な開発は明日からにしようか?

今日はもう良い時間だし、何よりもついさっきまで楯無とスパーリングをしてたせいで汗びっしょりでべた付いているから風呂に入りたい……と言うか、お前も一風呂浴びて来たらどうだ簪?

こう言っては悪いが、少々オイル臭いぞ?

 

 

 

「そう言う貴女は、少し汗臭い。」

 

「うん、其れは言い返せないな。と言うか、少しってレベルじゃない気がするぞアタシの方は。」

 

そんな訳で取り敢えず部屋に戻ってシャワーを浴びてね。服は、ドラム式の洗濯機に洗剤と一緒にぶち込んだから大丈夫だろ。設定で乾燥を『消臭・殺菌』設定にしたからな。

 

で、シャワーを浴びた後で楯無から感謝されたが……まぁ、其れは素直に受け取っておいた。妹を思う姉の気持ち……弟の居るアタシは良く分かるからね。

 

その後は食堂でディナータイム。メンバーはランチの時の面子に楯無と簪を追加した感じだな――この時に簪の事情を話したら、ISRIの面子だけでなく、箒に乱、其れと静寐と清香と癒子まで協力してくれるとは嬉しい誤算だった。

 

箒達は開発の直接の戦力にはならないかも知れないが、その分サポーターとしての力を発揮してくれるだろうからね――此れは、絶対に倉持技研の開発チーム以上のスタッフが集まったと言える。

 

必ず完成させようじゃないか、簪の機体をな。

尚、この事を束さんに報告したら『其れじゃあ資材とかデータとかそっちに送っておくから好きに使ってね~♪』とか言っていたな……些か軽い気がするが、束さんらしいと言えば其れまでだし、データと資材を送ってくれるのは有り難いからね。

確りと有効活用させて貰うさ。

 

序に此のディナーの時に、互いに名前で呼ぶ事になったんだが、まぁ、名前呼びって言うのはやっぱり良い物だと、再認識させて貰ったよ。

 

 

 

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そんな訳で簪の専用機の開発を始めた訳だが、平日は時間が限られてると言う事で、土日をメインに開発を進める事になった。

そして、その週の土曜日アタシ達は整備室に集まって簪の専用機の開発に勤しんでいる――開発が凍結されたとは言え、簪のパーソナルデータは採っていたみたいだから、どんな機体にするのかはあまり迷う事はなさそうだな。

 

簪の専用機として開発が進められていた『打鉄・弐式』は、近接戦闘用の薙刀を装備しながらも、6個搭載された8連装のミサイルポッド『山嵐』による弾幕が真骨頂の機体だったみだいだから、何方かと言えば砲撃型だ。

 

なのでベース機体に嘗てのマリアの使用機だった『バスター』のデータを使う事にした。

バスターに搭載されたミサイルポッドは両肩の6連装ミサイルポッドだが、秒間4連射を可能にすれば山嵐と同じ弾幕を張る事が出来るし、搭載された大型の火器は夫々が必殺の威力を秘めているからな。

 

 

 

「其れは良いんだけど、バスターって砲撃支援型の機体だから近接戦闘用の武装って、一切積んでなかったよな?

 其れって、基本タイマンの試合では拙くないか?幾ら火力が強力でも、近接戦闘用の武装が無いんじゃ、懐に入り込まれたら万事休すだぜ夏姫姉?……其処は如何するんだ?」

 

「勿論考えているさ一夏。」

 

確かにバスターは砲撃特化の後方支援型の機体だが、その機体能力の高さから近接戦闘を十分に行えていた事が分かって居るんだ――開発者自らが、そう断言してるんだから間違いない。

まったく近接戦闘が行えないと言うのならば困ったが、近接戦闘の能力を有してたなら追加でクロスレンジ用の兵装を装備させてやれば、それで問題は解決するからね。

 

「装備するならビームサーベルがお勧めなんだが、簪は何か希望があるか?

 あるなら言ってくれ、一応電子カタログはあるからISRIが開発した兵装を全部見る事は出来るからね。」

 

「うん……だけど、一口に近接戦闘用の兵装って言っても可成り種類が多いんだね?

 ビームサーベル、レーザーブレード対艦刀、高周波振動ブレードサムライソード、ビームアックス、ビームランス、ビームサイズ、ビームトマホークに高周波振動ブレードコンバットナイフ……正直目移りしちゃうよ。

 でも、バスターの機体特性を考えたら、この『ヴァジュラビームサーベル』が良い。連結機構とかは無いけど、その分使い易そうだし、火器を片手で操りながら使う事も出来るから。」

 

 

 

ヴァジュラか。

ストライクのエールストライカーやデュエルに搭載されていたビームサーベルの発展形故に特殊な機構は無いモノの、その分クセが無くて使い易い――大型の火器を2つも搭載してるバスターにはピッタリの近接武器だな。

他に何か希望は有るか?

 

 

 

「万が一ビームサーベルが使えなくなった時の為に、高周波振動ブレードコンバットナイフ――アーマーシュナイダーも装備したい。

 あと、ミサイルポッドをより有効に使うために、マルチロックオンシステムが欲しいかな?」

 

「マルチロックオン……バスターの機体特性を考えたらプロヴィデンスよりもフリーダムのシステムの方が良いか?」

 

「そっちの方が良いと思うわ夏姫。

 プロヴィデンスのマルチロックオンはドラグーンに連動してる事を考えると、基本的に機体正面の対象のみをロックオンするフリーダムのマルチロックオンの方がバスターにはあっているわよ。」

 

 

 

だよな。

マルチロックオンは此れで良いとして、アーマーシュナイダーは如何するか?

左右の腰部アーマーはビームサーベルをマウント出来るモノに変えるから、旧ストライクで使われてたホルダー型の腰部アーマーをマウントする事は出来ない……リアアーマーを其れに変えたら取り回しが悪いしな。

 

 

 

「ならいっその事、折り畳み式じゃなくて、鞘に収納するタイプのコンバットナイフにして、大腿部のアーマーに簡易的な鞘型のホルダーを固定してやれば良いんじゃない?

 確か、本社がアストレイを補修・改修するって名目で新開発した『アストレイブルーフレームセカンドリバイ』に、同じ兵装があった筈よ?」

 

「本当か!?………確かに、搭載されてるな。」

 

お手柄だ鈴。

此れならビームサーベルとアーマーシュナイダーの両方を搭載する事が出来る。此れで武装は決まった、此れなら午後には機体を完成させる事が出来るし、明日には機体の試運転が出来るだろう。

まぁ、此処まで作業が円滑に進んだのは、本社からのデータ提供と資材提供があったからだけじゃなく、アタシ達が力を合わせたと言う事も有ると思うけどね。

 

 

 

「皆~、お昼買って来たよーーー!!」

 

「良い時間だし、ここらでランチにしようよ?」

 

「根を詰めすぎるのは良くないからな?適度な休息も必要だぞ?」

 

 

 

そして、其れはサポートをしてくれてる箒達もだ。

朝早くから開発を行ってるアタシ達に飲み物なんかを持って来てくれるだけでなく、工具やら何やらが足りない場合には技術準備室から持って来てくれたりと、裏方で頑張ってくれていたからね。

 

ありがとう、丁度キリが良かったので昼食にしようと思ってた所だから、ナイスタイミングだ。

 

 

 

「いやいや、其れ程でも……って言うか、作業用のツナギも似合うね夏姫さん。其れと、今日は眼鏡なしなんだ?」

 

「作業する時にはこっちの方が動きやすいからな。

 其れと、精密作業に眼鏡は邪魔だから今日は外して来たんだ――もとよりアレは、度の入ってない伊達眼鏡だから掛けてなくても問題ないからね……ふふ、眼鏡が無いと違和感があるか?」

 

「うぅん、眼鏡なしも素敵だよ夏姫さん♪」

 

「ナッキーは眼鏡があっても無くてもハンサム女子なのだ~~!!」

 

 

 

さいですか……もう、一々突っ込むのも面倒になって来た。

同性からモテると言うのも、ある意味ではアタシの個性だと言う事で受け入れるのがベターだろうな……そうじゃなかったら、此れから先、学園生活が苦痛になりかねんからな。

 

 

 

「一夏、此れで足りるか?」

 

「回鍋肉弁当とビビンバ丼とカツ丼……此れだけあれば充分だな。サンキュー箒。」

 

 

 

で、ランチなんだが、一夏は弁当3つか……普通ならオーバーカロリーと言う所だが、IS学園は元々女子校だった事も有って、食堂のメニューも売店の弁当も女子高生基準で作られてるから、男子の一夏には圧倒的に量が足りないんだよな。

定食だって、一夏は常に御飯もおかずもメガ盛りだからね。

 

 

 

「リンリンは油淋鶏弁当でいいかな~?」

 

「あ゛?なんか言ったのほほんさん?」

 

「あ、スマンのほほんさん!そのあだ名はNGだ!!

 鈴は小学生の時にそのあだ名で『パンダ』ってからかわれてからダメなんだ!!」

 

「そうなの?ごめんね?

 それじゃあ、そうだなぁ……うん、リンインは漢字で書くと『鈴音』だから、中国読みと日本読みを合わせてスズリンなのだ~~♪」

 

「まぁ、其れなら良いわ。」

 

 

 

そして食事中に、鈴のあだ名が『スズリン』に決まったとさ。

しかしアタシが『ナッキー』、マリアが『マリリン』、一夏が『イッチー』、箒が『モッピー』、静寐が『しずしず』、清香が『アッキー』、癒子が『ユッキー』で鈴が『スズリン』とは、アタシをナッキーと呼んだ時にも思ったが、のほほんさんはあだ名をつける天才だな。

 

因みにアタシの今日のランチは、静寐が選んでくれた『ガールズ&パンツァーコラボメニュー、アンチョビの釜揚げシラスペペロンチーノ』だったが、中々に美味しかったな。

 

 

 

「良かった♪

 其れで、簪さんの機体は完成しそう?」

 

「あぁ、其れは問題ない。

 今日中に機体は作り上げる事が出来るし、そうなれば明日にはフィッティングとパーソナライズが完了して稼働テストにまで持って行く事が出来る――ギリギリではあるが、週明けのクラス別対抗戦には間に合うよ。」

 

まぁ、其れは1組は2敗が確定したと言う事でもあるけどな。

こう言っちゃなんだが、織斑一秋(自分が天才だと思ってる馬鹿)如きが、鈴と専用機を手にした簪に勝てるとは思えん。

ぶっちゃけて言わせて貰うなら、瞬殺されて終わりなんじゃないか?――クラス代表決定戦後も、アイツは散と剣道ばかりやっていてISの訓練は片手の指で足りる程しかしてないからな……白式、悪い事は言わんから、さっさとそいつを見限った方が良いぞ。

 

だが、逆に言うなら其れは簪の実力を示すいい機会になるか。

ならば簪、アイツと戦う事になったその時は、徹底的に叩きのめせ……専用機の開発が凍結された恨みも含めて、あの天才(笑)を力の限りフルボッコにしてやれ、アタシが許可する。

 

 

 

「うん、そうする。

 幾ら夏姫とマリアがぶちのめしてくれた事で溜飲が下がったとは言え、ヤッパリ一発ぶっ飛ばしておかないと気が済まない……何よりも一夏君と同じ顔をしてるのに、中身は自称天才のクズって言うのは、一夏君の友達として黙ってられないから。」

 

「言うわねぇ簪?

 で、アタシがあの馬鹿野郎と当たった時にはどうすればいいのかしら夏姫?半殺し位で済ませれば良い訳?」

 

「半殺しだって?馬鹿を言うな鈴……」

 

そんな物、ギッタンギタンの9割殺しに決まってるだろう?

取り敢えず殺さないように、しかし徹底的にフルボッコにして死ぬ一歩手前までやってしまって構わんぞ――其れ位の事をされても仕方のない事を、アイツはして来たのだからね。

 

 

 

「「分かった、ぶっ殺す!!」」

 

「いや、殺したら駄目だからな!?」

 

「かんちゃん、スズリン、落ち着いて~~~!」

 

 

 

取り敢えず貴様は、敗北の闇に沈む事が確定だ一秋……否、敗北の闇だけではない――クラス対抗戦の成績によっては、貴様の評価は最低を突き抜けるからね。

 

ふ、精々頑張ってくれよ、努力を怠った天才君?――まぁ、貴様に待っているのは『敗北』の二字だけだがな。

 

 

 

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・・・

 

 

 

あの後、全ての兵装のインストールが完了し、簪の専用機体である『バスターMk.Ⅱ』は完成した。

その翌日に機体の稼働テストをしたら、その結果はマリアが旧バスターを使った時に叩き出した数値を遥かに上回ってた……本人に自覚が無いだけで、簪もまた楯無と同じ天才タイプと言う事か。

 

そうして生まれた簪の専用機だが、カラーリングは旧バスターから変更され、ダークグリーン部が濃い水色に、ホワイトベージュ部がライトグレーに変わっている。

簪のパーソナルカラーに合わせてみた結果だが、此れは此れで悪くないかもな。

 

 

 

「其れが簪ちゃんの専用機……完成したのね?」

 

「お姉ちゃん……うん、完成したよ私だけの専用機!!」

 

 

 

来ていたのか楯無。

如何だ、此れがお前の妹の専用機だ、悪くないだろう?――何て言っても、アタシ達が開発に携わったのだからね。

 

 

 

「えぇ、悪くない……それどころか最高よ夏姫ちゃん!そして簪ちゃんの専用機の開発に力を貸してくれた皆。

 本当に、貴女達には感謝してもし切れないわ……本当にありがとう――おかげで、簪ちゃんは持つべき力を持つ事が出来た……簪ちゃんの姉として、礼を言うわ。」

 

「お姉ちゃん……私からもお礼を言う。

 皆が居なかったら、私の専用機は完成しなかったから……だから、ありがとう。」

 

「気にするなよ簪、友達を助けるのは当然だろ?」

 

「そうそう、一夏の言う通りよ~~?

 友達が困ってるなら助けるだけってもんよ!!それに、アンタを放っておく事は出来ないからね――だから、気にしなくて良いわ簪。」

 

 

 

一夏と鈴がアタシの言いたい事を全て言ってくれたから、これ以上アタシから何かを言う事は無いが……週明けのクラス対抗戦、鈴も簪も直接対決までは負けるなよ?

 

 

 

「言われるまでもないわ!!3組の奴は兎も角として、一秋が相手だったその時は……問答不要で殺すから。」

 

「つまりぶっ殺す!……あの馬鹿には、文字通りの屈辱を与えてあげる……私の専用機の開発を凍結させた罪に対する罰を、其の身に喰らわせてあげる……その首、掻っ切る!!」

 

 

 

ふ、鈴も簪も闘気マックスだな?

なら、其の力をクラス対抗戦で爆発させてやれ――お前達が本気を出せば、鈴は簪以外に、簪は鈴以外に敵は居ないと言えるからな。まぁ、クラス対抗戦に出場する選手に限ってはだけどね。

 

 

 

「あらあら、其れを考えると……私結構ピンチだったりする?……幾ら専用機があるとは言え、夏姫ちゃんとの戦闘経験から、私の専用機であるミステリアス・レイディじゃ、ちょっときついかしら?」

 

「かも知れんが安心しろ、楯無。

 GW中に、ISRIはお前に専用機を渡す心算だ――其れを使えば、今の簪に負ける事は有るまい。だから、簪と戦うのはGW明けにしろ――互いに対等な立場で戦ったからこそ、結果に意味を持たせる事が出来るからね。」

 

「成程……其処まで考えていたとは流石ね夏姫ちゃん。

 でも其れは其れとして、1組のクラス代表は、男性操縦者だったけど色々アウトだから、其れを知らしめなくてはね。

 此れは薫子ちゃんに頼んで、学園全体に配布して貰うわ……彼の性格破綻ぶりは普通じゃない……間違いなくアレは、自分に酔ってる自己完結暴走型よ――徹底的に潰す以外に手は無いわ。」

 

 

 

了解した。

ならば徹底的に潰すだけだ――まぁ、何にしても明日のクラス対抗戦は大荒れになるのは間違い無いだろうね……少なくとも、鈴と簪が共に無敗の状態でぶつかる事になるのは略確定だからね。

 

 

此れは、少しばかりと言わずに、大いに外部からの接触を警戒しておくべきかもしれないな……ISRI製の機体のデータを狙ってる輩にとって、この手のイベントはある意味で格好のチャンスと言えるから、ね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 




キャラクター設定


・更識簪
日本の代表候補生であり、IS学園の生徒会長『更識楯無』の妹。
楯無の事は自慢の姉であると同時に、いつかは越えるべき壁でもあると感じているが、マイペースな性格で周囲を色々と巻き込む事が多いのには少々悩んでいる。
織斑一秋が現れた事で、彼の専用機『白式』開発の為に、自身の専用機の開発が凍結されたため、個人的に一秋には良い感情を抱いていない。
協力者が見つからなかったため、自分の力で専用機を組み上げようとして試行錯誤する最中に夏姫達と出会い、彼女達の助力を得て専用機を完成させる。
この事から夏姫達とは仲良くなり、以降は良く一緒に居るようになり、訓練なども一緒に行うようになった。



機体解説

・バスターMk.Ⅱ
形式番号『GAT-X103C』。『C』は『Custom(改造)』の意味。
夏姫達の協力を得て完成した、簪の専用機。
機体データに、マリアの以前の専用機である『GAT-X103バスター』のデータが使用されているが、近接戦闘武器を新たに搭載した事で、オリジナルのバスターの弱点であった白兵戦能力の低さを克服している。
また、基本的な性能はバスターだが、両大腿部にコンバットナイフ型のアーマーシュナイダーを搭載し、左右の腰部アーマーにはビームサーベルをマウントするなど、変更点は可成り大きい。
オリジナルのバスターはダークグリーンとホワイトベージュのカラーリングだったが、簪の機体はダークグリーン部が濃い目の水色、ホワイトベージュの部分がライトグレーとなっている。

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