Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

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デュノア、貴様は此れでお終いだ!By夏姫     流石に此れは、酌量の余地は無いからね?By楯無


Break26『疑惑のフランス男子を攻略せよ』

Side:一夏

 

 

……あふ、もう朝か。

時刻は6:00ジャスト……そろそろ起きるか――って、何だか左腕が重い?と言うか、自由に動かせない?

オイオイ、まさかとは思うが左腕だけ金縛りにかかったとか器用な事になってるんじゃないよな?……取り敢えず首は動かせるから、何がどうなってるのか確認して――

 

 

 

「Zzz……うぅん、一夏ぁ……」

 

「って、鈴かよ。」

 

成程、これは左腕を動かす事が出来ない訳だ――鈴が確りと俺の左腕に抱き付いてたんだからな……何で俺のベッドに鈴が入り込んでるのかは、今更だから突っ込まないけどさ。

取り敢えず起きろ鈴、朝だぜ?

 

 

 

「うみゅ?朝?」

 

「朝だ。そろそろ起きようぜ?」

 

「ヤダ、未だ眠い。……一夏が『おはようのキス』してくれたら目が覚めるかも。」

 

 

 

馬鹿な事言ってないで起きなさい鈴さん。

其れと、当然のように俺の理性を壊しに来るの止めてくれませんかねぇ?――俺はお前の事を大切に思ってるけど、同時に絶賛思春期の男子だって言う事を忘れんなよ?

あんまり理性壊しに来ると……喰っちまうぜ?

 

 

 

「きゃー!一夏のエッチ~~!」

 

「お前が言うかこのスットコドッコイ!!」

 

まぁ、俺にもその気がない訳じゃないけど、学園にいる間は我慢だよな……もしもの事があったら、俺も鈴も退学コース一直線間違いなしだし。

何よりも、夏姫姉にドンだけのお仕置きをされるか分かったモンじゃないからな……持ってくれよ、俺の理性。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break26

『疑惑のフランス男子を攻略せよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取り敢えず鈴を起こして、着替え――る前に鈴は朝のシャワーだな。……俺はあんまり気にしないけど、女の子はほんの僅かな寝汗の臭いってのも気になるみたいだな?

俺としては、そんなに臭うとは思わないし、寧ろ臭いじゃなくて『匂い』の部類だから其処まで気にする事は無いと思うんだけど……まぁ、俺と鈴じゃ感覚が違うって事なんだろうな。

 

 

 

「一夏、出たわよ~~!」

 

「おう、其れじゃあ朝飯食いに行こうぜ。」

 

今日の鈴は、シャワールームから出て来た時にはちゃんと制服を着てたか、感心感心――其れが出来るなら、下着一丁で出てくるのは出来るだけ控えて欲しい感じだけどな。

 

 

 

――コンコン……

 

 

 

って、誰かがベランダのガラス戸を叩いてるな?……隣の部屋の奴がベランダ越しに来たのか?――はいはい、どちら様でしょうか?

生憎と当部屋の住民は、これより朝餉に向かう所なんですけどね……要件があるなら手身近にお願いするぜ。

 

 

 

『ナラバ手短ニ済マセマショウ。』

 

 

 

ガラス戸を開けると、其処に居たのは赤いIS――一瞬イージスかと思ったが、よくよく見れば全く別の機体だ……お前、ISRIの無人機の最新型なのか?って言うか、そうだよな?

 

 

 

『ソノ通リデス――形式番号ZGMF-X23S、機体名セイバー……以後オ見知リオキヲ。』

 

 

 

ヤッパリそうだったか。

にしても、学園のセキュリティをすり抜けて此処まで来るとは大したモンだぜ――まぁ、束さんならIS学園のセキュリティ網を軽々突破する位のステルス機能を搭載するのは容易いだろうけどな。

 

「其れで、俺達に何の用だセイバー?」

 

『束様ヨリ、昨晩鈴様カラ頼マレテイタ物ヲ届ケルヨウ命ジラレ、其レヲ届ケニ来マシタ。』

 

「はぁ!?頼んだのって昨日の夜なのに、今日の此の時間に届くって、たば姐さんドンだけ!?

 ってか、普通に間違いなく貫徹したわよね此れ!?……たば姐さん過労でぶっ倒れたりしないわよね?――大分オーバースペックな人だから多分大丈夫だとは思うけど……」

 

「いや、大丈夫だと思うぞ鈴。

 束さんがISの開発してた頃なんて徹夜とか普通だったし、束さん自身が自分の事を『1日を35時間で生きる女』って言ってるからなぁ。」

 

「1日が35時間て、何なのよその凄い矛盾だらけの時間の経過の仕方は!」

 

 

 

束さんだからと言えば其れまでだよなぁ。

まぁ、ISの開発してた時は、流石にやり過ぎて夏姫姉や箒に注意されて、挙げ句の果てには千冬さんに強制的に寝かされてたけど、今は其処までの無茶はしてないと思うけどな。

 

でも、昨日鈴が頼んでたものって『    』だよな?其れがこんだけ早く出来たって事は、後はデュノアの素性が明らかになるのを待つだけだ。

此れを作ってたって事は、束さんの方ではまだ調べてないんだろうけど、楯無さんの方は既に調べ始めてるだろうから数日中にはアイツの素性は明らかになる筈だぜ。

そして、素性が明らかになったら、こっちから仕掛けるだけってな……チェックメイトまでは残り二手って所だな。

 

サンキューセイバー、ご苦労さん。

其れから、束さんにもお疲れ様でしたって伝えておいてくれ――後、コイツも礼として渡しといてくれ。

 

 

 

『了解シマシタ。デハ。』

 

 

 

――ブオォォォォン!!

 

 

 

変形して飛んでったか……途中で姿が見えなくなったから、光学迷彩ステルスを搭載してるのは間違い無いなアレは。

 

 

 

「ミラージュコロイドとは違うみたいだけどね。……時に、たば姐さんへのお礼って何?」

 

「俺特製のキャラメルプリン。」

 

「あ~~……うん、たば姐さんは泣いて喜ぶわね。

 ってか、アンタ主夫力高すぎ。アタシは料理に関しての女子力は自信があるからアレだけど、アンタの料理の腕前は並の女子高生の心を折るレベルだからね……将来は一緒に食堂でもやってみる?」

 

「俺って其処までなのか?自覚は無いんだが……でも、そう言う事なら其れも良いかもな。」

 

其れは其れとして、デュノアの包囲網は此れでまた1段階進んだ――後は、アイツが本当は何者で、本当に男であるのかどうかが明らかになれば、其れでチェックメイトだぜ。

デュノアの素性が明らかになったら、こっちから罠を仕掛けてやれば良いだけだからな。

 

 

 

んで、朝飯食いに行った食堂では、夏姫姉がボーデヴィッヒに『正しく、そしてより美味しい卵かけご飯の作り方』を教えてた……いや、確かに先に醤油を飯によく混ぜてから卵かけた方が美味いけど、態々教える程のモノでも無いんじゃないかと思うぜ夏姫姉?

 

まぁ、仕上げに味の素を一振りした『夏姫姉謹製TKG』は、ボーデヴィッヒには大ヒットだったみたいだから別にいいけどな――尚、俺の朝飯は納豆定食で、鈴は中華がゆセットだったとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:夏姫

 

 

ボーデヴィッヒ改め、ラウラとの交流から早3日が経ち、今やラウラもアタシ達のチームの一員と言って問題ない位に馴染んでいる――まぁ、多少一般常識に疎い所はあるが、基本的には良い子だし、現役軍人と言うだけあって実力も高いので、模擬戦のレベルも上がっているからね。

 

そして其れだけじゃなく、日本のサブカルチャーにも詳しいらしく、クラス内でのアニメや漫画の話題に積極的に加わってたりして、クラスにも馴染んでいるみたいだからな――その会話の中で、容姿が某魔砲少女アニメ第3期に登場する敵キャラに似てる事が暴露されたが、否定するのは難しいな……低身長、銀髪、眼帯の共通点はな。

 

 

 

「ラウラちゃんはチンクちゃんね♪」

 

「楯無、サラッと爆弾投下すんな。」

 

 

 

で、今アタシ達――アタシとマリアと一夏と鈴、静寐と清香と癒子とのほほんさんと虚さん、箒と簪と乱とメアリー、ラウラとダリルは、楯無に呼ばれて生徒会室に集合してる。

……何でダリルがと思ったが、彼女もISRIの一員だから、ストライクのデータが狙われてるとなればデュノア包囲網に参加するのは当然か。

それで、アタシ達を集めたって言う事は、デュノアの素性がハッキリしたって言う事だな楯無?

 

 

 

「えぇ、その通りよ夏姫ちゃん。

 先ずシャルル君は、皆の予想通り男の子じゃなくて生粋の女の子――本当の名前は『シャルロット・デュノア』。デュノア社の令嬢って所ね。」

 

「矢張り女だったか……」

 

「だよな、男にしては線が細すぎるからなデュノアは……でも、アイツが女なら、どうして学園は其れをあっさり通しちまったんだ?

 学園の審査を通り抜けるだけの戸籍改竄なんてのは、束さんクラスの人じゃないと無理だろ?……其れなのに、アッサリと学園に編入ってのは有り得ねぇだろ流石に?」

 

 

 

うん、確かに其れは有り得ないよ一夏。

アタシとお前、そしてマリアの戸籍は束さんが巧妙に作り上げたモノだが、其れも束さんだから出来た事であり、普通ならば絶対に出来る事ではないさ……其れこそ、法的な手続きが半端じゃないからね。

だから考えられる可能性は幾つかあるが、恐らくシャルロット・デュノアは、既に存在していたシャルル・デュノアの戸籍を乗っ取った……或いはデュノア社が乗っ取らせたのかも知れないな……まぁ、あくまでもアタシの予想だから、確定的な事ではないがな。

 

 

 

「だけど、其れが正解よ夏姫ちゃん♪」

 

――大正解!

 

 

 

は?大正解って……まさか今のは本当の事だって言うのか楯無!!

 

 

 

「えぇ、本当よ夏姫ちゃん。

 シャルル・デュノアと言う少年は確かに存在していたけれど、シャルル君は5年前に交通事故で命を落としてる事が判明したのよ。

 でも問題はその先――フランス政府にはシャルル・デュノアの死亡届が出ていたんだけど、数ヶ月ほど前にその死亡届は誤りだったとして取り消され、本当の死亡届としてシャルロット・デュノア死亡の届けが出されていたの。

 ――其処から考えられるのは只一つ……シャルル・デュノアの死を無かった事にし、逆にシャルロット・デュノアを死んだ事にしてシャルロットちゃんをシャルル君へと変えたと言う事よ。」

 

「なんだよ其れ……って事は何か、アイツはシャルロットである自分を法的に殺して、シャルルになったってのか!?」

 

「しかも、一夏の機体データを盗む目的で!?……頭オカシイんじゃないのアイツ!?」

 

 

 

法的に己を殺して別人になる……マリアや一夏、ひいてはアタシも同じ事をしてる訳だが、アタシ達の場合は現状から脱却して生きる為に必要な事だったからであって、そうやって誰かを騙して利を得ようとしたわけじゃないからな?

余程デュノア社に……恐らくは社長である己の父親に忠誠心を抱いているのか、或いはそうせざるを得ない状況にあるのか。

 

――まぁ、仮に後者だった場合、学園に事情を話して保護を申し出ればあの学園長なら保護してくれただろうが、其れをしなかったと言う事は自分の事よりも任務を優先したと言う事だから、酌量の余地はないけどね。

 

 

 

『マッタク持ってその通り!

 ぶっちゃけデュノア社の内情とか、アイツ個人には興味が無かったから何でそんな事をしてるのかまでは調べなかったけど、たっちゃんの言ってる事は全て真実だよ!

 束さんも調べたんだから間違いない!!』

 

「束さん、勝手に人のマイクロPC外部起動して、光学モニター立ち上げて会話に割り込んでこないで頂けます?」

 

「って言うか、何をしてるんですか姉さん……」

 

『お~~!箒ちゃんも居たんだね!

 何してるって、実は私はISRIの社長『東雲千鶴』その人なのだ~~!はい、此処驚く所~~~!』

 

「いや、そう言われて驚いてるのはオルコットと乱とラウラだけですよ姉さん。――簪は楯無さんから聞いて知っていますから。」

 

『え~~?箒ちゃんは驚いてないの?』

 

「……夏姫達からISRIの社長の事を聞く機会がありまして、その時に若しかしたら姉さんなのではないかと思ってましたので。

 と言うか、フリーダムやストライクの様なオーバースペックの機体は姉さん以外には作れる筈がないでしょう?」

 

『言われてみりゃ、そりゃそうだね~~』

 

 

 

突然の束さんの乱入だったが、束さんが調べた結果と楯無の調べた結果が合致したって言うなら、これはもう疑いようは無い――デュノアは『クロ』で確定だ。

興味が無いから内情は調べなかったと言うのは束さんらしいが、楯無の方は内情は調べたのか?

 

 

 

「調べていないわ。必要ないもの。

 重要なのはシャルル君が実はシャルロットちゃんだったと言う事実――此れだけでもまず学園に対しての偽装入学が確定するし、一夏君の専用機のデータを盗もうとしたとなればスパイである事も確定する。

 其れだけの事実があれば学園が彼と言うか、彼女を拘束する理由は充分……デュノア社の内情とかそんな物は、取り調べで明らかにすれば良いだけの事よ。

 何よりも、余計な情報って言うのは判断を鈍らせる結果になりかねないからね。」

 

「成程、確かに其の通りだな。」

 

となると、どうやってアイツに尻尾を出させた上で現行犯で捕らえるかだな?

アイツは学園に来てから毎日のようにアタシ達の訓練を――ISを使った訓練やISを使わないフィジカルトレーニングを問わずに観察して、如何にかして此方と接触する機会を伺ってたみたいだから、ここは一つ此方から訓練に誘ってみるか?

 

 

 

「其れに関してはオレは如何かと思うぞ夏姫。

 たった3日とは言え、お前等の事を観察してたってんなら、お前等がデュノアを警戒してるのは向こうだって分かった筈だ……そんな中で突然態度を変えたら逆に向こうが警戒するんじゃないのか?」

 

「確かにダリルの言う事は尤もだ――デュノアが生粋のスパイであったのならな。」

 

此れはあくまでもアタシの予想だが、デュノアは恐らくスパイとしての訓練は受けてないと思う。

スパイの訓練を受けてるにしては男としての振る舞いがマッタク出来てないみたいだし、アタシ達の観察の仕方も露骨すぎる……ハッキリ言って素人としか思えないレベルだ。

暗部の長としては如何思う楯無?

 

 

 

「そうねぇ、間違いなくちゃんとしたスパイの訓練は受けてないでしょうね――と言うよりも、一夏君や織斑君の事が無かったら、きっと彼女が学園に来る事は無かったと思うわ。

 男性操縦者が現れたから急遽学園に行く事になった……入学時期が遅れたのは、偽装工作が終わって無かったからでしょうね。」

 

「流石は暗部の長、鋭い洞察力だね。」

 

「成程、素人のスパイだからこそ、こっちが態度を軟化させればホイホイ食いついて来るって訳か……こりゃ、デュノアの奴は完全に詰みだな。」

 

 

 

そう言う事だよダリル。

此れで詰み上がりまでは残り一手……どうやってストライクに手を出させるかだが、其れも放課後の訓練にデュノアを参加させる事が出来れば略確定する事が出来るな。

 

 

 

「俺達と訓練をすれば、俺の部屋に来る理由を作る事が出来るからな。

 アイツが部屋に来たら、待機状態のストライクを目に付く所に置いてから俺が部屋から姿を消せば、其れで状況は整うって訳だ。」

 

「で、アイツがストライクに手を出した瞬間にアタシがアイツを捉えるって事ね。

 まぁ、その為にたば姐さんに『    』を作って貰った訳だし……取り敢えず、一夏を狙って来たデュノアには痛い目を見て貰うとするわ。」

 

「お姉ちゃん、やり過ぎないでね?」

 

「まぁ、鈴も加減は分かってるから大丈夫だよ乱。」

 

「そうだよランラン。機体のデータ強奪だったら大丈夫だって~~。

 若しも此れがイッチーに対するハニトラだったら、スズリンは間違い無くシャルルんを滅殺してると思うけどね~~♪」

 

「一夏にハニトラ?……そんな輩に慈悲は無い!ドーモ、ハニトラスレイヤーです!デュノア死すべしハイクを詠め!」

 

 

 

うん、少し落ち着け鈴。そして変な事を言わないでくれのほほんさん。

兎に角、これでデュノアは完全に『クロ』と言う事がハッキリしたから、此方から仕掛けてアイツを捕らえる――言い逃れって事が絶対に出来ない状況に追い込んでな。

 

 

 

「だね、私達の仲間である一夏君のストライクのデータを盗もうだなんて絶対に許せる事じゃないから。

 でも今日仕掛けるなら、今日の放課後訓練はフィジカルトレーニングにするのは如何かな夏姫?私達のやってるフィジカルトレーニングに彼女を合流させたら、間違いなくへばると思うんだ?」

 

「静寐、お前も中々策士だな?」

 

確かにアタシ達がやってるフィジカルトレーニングを行き成りやったらグロッキーは間違い無い――静寐達だって段階的にレベルを上げて行って今のレベルのトレーニングを熟してる訳だからな。

場合によってはスパーリングをやって関節技で痛めつけておく事も考えておいた方が良いな?……スパイに手加減は必要ないからね。

 

「そう言う訳だから、巧くデュノアを誘えよ一夏?」

 

「任せとけよ夏姫姉。――誘う序に、女子だったら大ダメージの下ネタもかまして精神的ダメージも与えてやるぜ。」

 

「……子供の頃から思ってたが、お前はやるとなったらとことん容赦ないな一夏。」

 

 

 

うん、一夏は容赦ないな箒――子供の頃、お前を虐めてた連中をアタシと一夏で撃退したが、その時も一夏はいじめっ子達に対して顔面パンチに顔面ケンカキックに顔面頭突きと容赦がなかったからな。

何にしても、貴様は此処までだデュノア。――悪いがアタシだって一夏同様に容赦する気はない。

 

弟が不利益を被ると知って、黙っている姉は居ないからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:一夏

 

 

で、結果から言うとデュノアの事を放課後のトレーニングに誘う事には成功した――『フィジカルトレーニングになるが、良ければ一緒に訓練してみるか?』って言ったら、ポップコーンに群がるお堀の鯉もビックリな位に食いついて来たからな。

序に、『フィジカルトレーニングはトレーニングウェアでやるから女子の曲線がバッチリ出て良いよな……男のミサイルが発射準備OKになるのは少し困るけどな。』言ってやったら、面白い位に顔真っ赤にしてやがったぜ……この程度の下ネタで狼狽えるとは甘すぎるぜデュノア。

 

「で、参加してみてどうだったデュノア?」

 

「……生きててごめんなさい。」

 

 

 

静寐の予想通り、俺達のフィジカルトレーニングを行き成りやったデュノアは絶賛完全グロッキー。真っ白に燃え尽きて最終回状態だぜ。

まぁ、筋肉の剛性を高めるトレーニングと筋肉の柔軟性を保つためのトレーニングをミッチリやった後に、スパーリングって言うハードコースをイキナリやったらこうなるよな。

 

 

 

「た、体力には自信があったんだけど、まさか此処までハードだとは思わなかったよ。

 見学してた時は僕でも出来るって思ってたけど全然そんな事は無かった……聞くと見るでは大違い――じゃなくて、この場合は見るとやるじゃ大違いって言うのが正しいのかな?

 フィジカルトレーニングで此れだと、ISを使った訓練も見た目以上にハードなんだろうね。」

 

「実際ハードだよデュノア君。

 マリアのプロヴィデンスのドラグーンからの攻撃を被弾せずに避け続けろとか、夏姫のフリーダムのフルバーストを完全回避した上で一撃入れるとか、高難易度の課題もあるからね。」

 

「何その無理ゲー!?……なんて言うか、凄すぎるよ皆。」

 

「ふん、情けないぞフランス人。」

 

 

 

アハハ、そう言ってやるなラウラ。お前だって最初は結構来てただろ?……3日で慣れたのは流石現役軍人って所だけどな。

 

さてと、取り敢えず今日のトレーニングは此処までにして、シャワー浴びて飯にしようぜ?流石に此れだけのハードトレーニングをすると腹が減って仕方ないからな。

 

 

 

「その意見には賛成だよ蓮杖君。

 あぁ、其れと食事が終わったら蓮杖君の部屋に行っても良いかな?少し男同士で話したい事があるんだ。」

 

 

 

っと、此処でそう来たか……餌に食いついてくれたな此れは。

 

「あぁ、良いぜデュノア。

 男同士でしか話せない事ってのもあるから、俺としては大歓迎だ――なぁに安心しろ、エロ本を何処に隠したら一番見つかり難いのかを伝授してやるぜ。」

 

「いや、そんな事を話す訳じゃないからね!?って言うかそんなの持ってないから!!」

 

「なにぃ!?思春期の男子がエロ本の1冊も持ってないとは正気か貴様!

 思春期の男子ならエロ本片手に『禁則事項』は当然だろうが!――まぁ、俺には鈴が居るから必要ないけどな。必要な場合に鈴に『検閲により観覧禁止』して貰えば良いし。」

 

「一夏の『放送禁止』ってばアレだから……」

 

「うっそだぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

 

うん、嘘。少なくとも学園卒業まではその心算ないからな。

其れは其れとして、OKよく乗ってくれた鈴!

お前が乗ってくれたおかげでデュノアの精神的ダメージは可成り大きくなったからな――後は俺の部屋でコイツの容疑を確定するだけだぜ。

 

此方の打てる手は此れで全て打った――チェックメイトの一手はお前自身が打つ事になるんだ、精々巧く打てよデュノア。その一手が、お前の最後の一手になるんだからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

Side:シャルル

 

 

蓮杖君に誘われたのは意外だったけど、今日は彼等と放課後の訓練を行う事が出来た……今日はフィジカルトレーニングだったけど、予想以上のハードさで参ったよ。

まぁ、訓練終了後に蓮杖君の部屋に行く約束を取り付けたのは僥倖だったよ。

 

食事の後で蓮杖君の部屋を訪れたら、彼はアッサリと僕を中に入れてくれたからね……僕への警戒心は可成り薄れてるみたいだから、僕自身が思ってる以上に任務は簡単に遂行できるかもね。

 

 

 

「適当に座っててくれ、今飲み物持ってくからさ。」

 

「あ、お構いなく蓮杖君。」

 

「客に茶の一杯も出さないなんて事は出来ねぇよ――って冷蔵庫のジュース類は無くなっちまってたか。

 仕方ねぇ、売店で何か買ってくるよ。希望は有るかデュノア?」

 

「えっと、其れじゃあミルクティーをお願いできるかな?」

 

「OK、ミルクティーだな。」

 

 

 

蓮杖君も僕を気遣って飲み物を用意しようとしたんだけど、如何やら在庫が無かったらしくて売店まで行ってしまったからね……此れは願ってもないチャンスだよね。

蓮杖君の机の上には待機状態のストライクがあるから、これのデータを入手すれば僕の任務は終わる……そして僕は自由になるんだ!

その為にも、ストライクのデータは貰うよ一夏君。

 

 

 

「はぁ、まさか此処まであからさまな罠に引っ掛かるとは、呆れてモノが言えないわねシャルル・デュノア――否、シャルロット・デュノアって言った方が良いかしら、デュノア社のスパイさん?」

 

「え?誰!?」

 

「答える義理は無いわね。」

 

 

 

――ギュリュン!

 

――ガシィィィィィィィィィ!!!

 

 

 

うわぁ!これはワイヤー!?――一体何処から……

 

 

 

「よーく目を凝らしなさい、そうすれば分かるかもよ?」

 

 

 

んな!君は凰鈴音!!何時の間に!!――マッタク持って存在を感知する事が出来なかったのに……それ以前に、何時から君は此処に居たの凰さん!!

 

 

 

「おかしなことを聞くわね?最初からアタシは此処に居たわ――只、姿を隠していただけよ……束姐さんが作ってくれた秘密兵器を使ってね。

 ミラージュコロイドって聞いた事有るでしょ?其れを使ったステルス迷彩で隠れてたのよ。」

 

 

 

ミラージュコロイドステルス!……そんな最新鋭の技術を使ってたなんて……反則だよ。

そんな……此れじゃあ八方塞がりだ……いや、其れ以上に此れは完全に詰んだかな――此れは、僕自身も可成りヤバい状況だね……何が何でも生き延びる位の事はしてやるって言いたい所だけど、其れもまた難しいだろうね此れは。

 

此れから始まるのは僕への尋問かな――マッタク持って、これは完全にやられたね……蓮杖君達が張ってた罠に、僕は自ら掛かってしまったと言う訳か……此れは、データの強奪を行った言い訳と、僕の境遇を話すしかなさそうだね。

 

こんな所で捕まってはいられないから、せめて同情を誘って厳しい処分を免れる事位はしようかな……僕自身の自由を手にする為にもね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 




機体設定


・セイバー

形式番号『ZGMF-X23S』。束が新たに開発した変形機構を有した無人機。
イージスの後継機的な機体だが、武装や機動力が大幅に強化されている事でイージス以上の戦闘力を有している。

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