Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

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覚悟は良いなデュノア?By夏姫     フフフ、確認の必要は無いと思うけどね♪By楯無


Break27『スパイ拘束~偽りの男性操縦者~』

Side:鈴

 

 

一夏がこれ見よがしに置いて行ったストライクに、何の疑問も持たずに飛びつくとはアホすぎて開いた口が塞がらないわねデュノア?……こんなに甘い奴をスパイにするとは、よっぽどデュノア社ってのは人手不足なのか、あるいはトップが脳足りんなのかしらね?

あ、こんな見え見えの男装させてくるくらいだから、少なくともトップは完全に脳みそ足りてなかったわね~~……ゴメンゴメン、此れは失礼な事を言っちゃったわ、謝るわね。

 

 

 

「だ、男装って、何の事?」

 

「この期に及んでバックレるアンタに驚きだけど、アンタの素性はたば姐さんと楯姐さんの手によって既に暴かれてんのよシャルロット・デュノア。

 アンタが男装して、一夏のストライクをのデータを狙って来たのは、言い訳もしようがないわよ?データ盗難は未遂とは言え現行犯だしね。」

 

「えぇ、何時の間にか完全に正体ばれてたって言うの!?」

 

 

 

逆に聞きたいんだけど、アンタ其れで騙せると思ってたの?

書類は大分手の込んだ偽装をしたみたいだからIS学園には来れたみたいだけど、ハッキリ言ってアンタの事を男として見ろって言うのは結構無理があるわ……てか、その程度の男装で性別を偽れると思ってるとか、幾ら何でも舐め過ぎよ?って言うか学園に喧嘩売ってる?

 

まぁ、どっちでもいいけどさ――アンタに待ってるのは、情け容赦ない尋問だから、精々覚悟してなさい。

 

 

 

「ま、待って!僕の話を聞いて!!」

 

「アンタねぇ、そう言って話を聞いて貰えると思ってんの?

 立場が逆だとして考えてみなさい――アンタだったら、目の前で自分の所属会社が開発した機体のデータを盗難しようとしたスパイ取っ捕まえて、そのスパイを拘束した上で対峙して、そのスパイが話を聞いてくれって言って来たとしてアンタはその話を聞く?」

 

「き……聞かないと思う。」

 

 

 

まぁ、そうよね?

だから、アタシもアンタの話を聞く気はないわ――どうしても話したいってんなら、夏姫達がこの部屋に入って来たその時にするのね?

あぁ、先に言っとくけど下手な嘘とかは付かない方が良いわよ?

少なくとも夏姫と楯姐さんには嘘は通じないし、多分軍人のラウラにも通じない……其れに、嘘を吐き通そうってんなら楯姐さんがと~~っても恐ろしい体験をさせてくれるからね?

 

 

 

「ま、鈴の言う通りだから下手な真似はしない事だぜデュノア?」

 

「蓮杖君……騙したんだね、僕を――!」

 

「先に騙してたお前が其れを言うか?」

 

「そ、アンタに其れを言う資格は無いのよデュノア。」

 

転校して来てから今の今まで、アンタは2組のクラスメイト略全員を騙してた訳なんだから――その分の罪も、上乗せしといた方が良いかもね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break27

『スパイ拘束~偽りの男性操縦者~』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:夏姫

 

 

鈴からデュノアを現行犯逮捕して、一夏も部屋に戻ったとのメールが入り、何時もの面子(アタシ、更識姉妹、マリア、静寐、清香、癒子、箒、布仏姉妹、ラウラ、メアリー、乱とダリル)で一夏と鈴の相部屋の前までやって来たんだが、何と言うか室内から物凄い怒りを感じる気がする……怒鳴り声こそ聞こえてこないからアレだが、これは一夏と鈴が相当にお怒りのようだな?

ストライクのデータを盗まれそうになった一夏は勿論だが、一夏のデータを盗まれそうになったとなれば鈴も怒って然りか。

 

まぁ、かく言うアタシも、一夏にちょっかいを出して来たデュノアに怒りを感じていない訳じゃない――尤も、弟に手を出されて怒りの感情が湧かない姉は居ないと思うがな。

 

 

 

「散が何をされようと怒りがわかない所か、アイツが何かをするたびに怒りが湧くんだが……」

 

「アイツや織斑は例外中の例外だろ箒……実際に私とラウラが合体技で馬鹿をKOしても、千冬さんは何も言わなかったからな。」

 

「世の中には、守りたくない弟や妹って言うのも極稀にいるモノなのね……」

 

「とっても悪い意味でのウルトラレアケースって事だと思うぞ楯無。」

 

まぁ、取り敢えず今はまんまと罠にかかった間抜けな産業スパイを如何するかだ……たのもー!!

 

 

 

――バッギャーン!!

 

 

 

「……確かに効率的かもしれないけど、扉を蹴り開けるのは如何かと思うぜ夏姫姉――まぁ、夏姫姉なら絵になるからマッタク問題はないけど。」

 

「蹴り壊してないだけ良いだろ?……どこぞの馬鹿は、この扉を木刀で破壊すると言う蛮行をやっていたがな。」

 

さてと、室内には一夏と鈴、そしてストライクのワイヤーで拘束されたデュノアか……デュノアの服装が大分乱れてるのは、拘束から逃れようとしてもがいた結果だろうな。

まぁ、其れも無駄な足掻きだ――ストライクのワイヤーは1G下で10tの物質を振り回しても切れない剛性を持っているから、人の力では如何やったって切る事は出来んからね。

これを生身で千切る事が出来るのは、恐らく束さんと千冬さん位のものだ。

 

「さてと、シャルル否、シャルロット・デュノアよ、アタシの弟の機体のデータを盗もうとするとは、随分とふざけた事をしてくれたみたいだな?

 未遂であるとは言え、これは立派な犯罪であると同時に、デュノア社からISRIに対しての敵対行動だ……鈴、コイツのやろうとしてた事は録画してあるか?」

 

「勿論よ夏姫。

 バッチリとアタシのストライクで記録してるし、拘束してからの音声データも全部記録してるわ――でもって今もバッチリ録音中。」

 

 

 

グレートだ鈴。

聞いての通り、お前のスパイ行為を裏付ける証拠も揃っているし、一夏のストライクから指紋を採取すればお前の指紋も出るだろうからストライクに触れたのは明白だろうしね。

 

さて、何か申し開きは有るかデュノア?

 

 

 

「いや、蓮杖君と凰さんの仲間が来るのは予想してたけど、なんで教師が一人も居ないの!?

 自分で言うのも何だけど、こう言う時って教師も同伴する物じゃないの!?……学園の生徒だけでって言うのは、幾ら何でも有り得ないよ!」

 

「その事か……説明してやってくれ楯無。」

 

「了解よ夏姫ちゃん。

 さてシャルル君……いいえシャルロットちゃん。さっき一緒に訓練したから知ってると思うけど、私は更識楯無、この学園の生徒会長を務めさせて貰っているわ。」

 

「え?はい、其れは知ってますけど……」

 

「教師陣が居ないのはね、私が生徒会長だからなの。

 私の実家――更識家は日本の暗部、言うなればカウンターテロ組織でね、私はその更識家の十七代の当主でもある……その私が学園の生徒会長を務めていると言う事は、暗部の長として学園からある程度の権利を認められていると言う事でもあるわ。

 その一つが、貴女の様なスパイを拘束した際に、教師に変わってその相手を取り調べる事が出来ると言うモノ――そして、その取り調べに対しての一切は私に任されているわ。

 つまり、私の裁量で口を割らない相手を拷問にかける事だって出来るって訳――ふふ、理解できたかしらシャロット・デュノアちゃん?」

 

「ご、拷問だなんて、そんな非人道的な事が――!!」

 

 

 

普通なら許されんが、IS学園は別だ。

IS学園は規定で、あらゆる国家の影響を受けないとされているから、其れは逆に言うなら国連が定めている国際法ですらIS学園の中に限っては無効になると言う事だ。

故に、学園規則で禁止されてない事ならば、何をやっても問題は無いと言う事さデュノア。

 

 

 

「そんな無茶苦茶な……」

 

「貴女の男装の方が無茶苦茶な気がするよデュノアさん……改めて見てみると完全に女の子だね。」

 

 

 

少々無理矢理だが、良い切り返しだ静寐。

さてと、先ずは話して貰おうかデュノア……一体何の目的で一夏の機体のデータを盗もうとした?

 

 

 

「……そんなの決まってるじゃないか。会社を立て直す為だよ。

 公にはしてないけど、デュノア社は現在深刻な経営難で倒産秒読み寸前なんだ――そんな状況を打開する為に、男性操縦者のデータって言うのは喉から手が出るほど欲しい物だったって訳。」

 

「あれれ~~?其れって本当なのシャルルン~~?

 確か~、デュノア社ってフランスのIS業界ではシェアのトップだったと思うんだけど~~?」

 

「シ、シャルルンって……まぁ、確かに其の通りなんだけど、デュノア社の主力機のラファールは、高性能ではあるモノの所詮は後発型の第2世代で、第3世代の開発は欧州の他の国と比べると遅れてて、其れが原因で国内外でのデュノア社の株価は下がりっぱなしなんだ。」

 

「ふむ、そう言えばフランスは欧州の第3世代開発プロジェクト、イグニッション・プランから除外されたと言う話を聞いたな?」

 

「そうだったのか?」

 

ドイツ出身のラウラなら、欧州の事情に詳しいだろうから、恐らく事実なのだろうな。

其れで、経営回復の為に男性操縦者を作り上げて広告塔にし、第3世代以降のISのデータ収集のためにと言う建前で学園にと言う所か。

だが解せんな?

それ程までに第3世代機のデータと男性操縦者のデータを欲するなら、何故ISRIに業務提携を持ちかける事をしなかった?

其れをすれば何方のデータも安全に手に入れる事が出来る――産業スパイなんて言う危険な橋を渡るよりは、遥かに安全で確実な筈だが?

 

 

 

「重役会議ではその話も出たみたいなんだけど、そうなると其れって結局はデュノア社の独自開発機じゃなくなる訳でしょ?

 デュノア社は、単独で第3世代を開発したって言う実績が欲しかったんだよ――まぁ、他社の機体データを盗んで完成させた機体を独自開発機って言えるのかは疑問だけど。」

 

「花より実を取りたかってって事かな?ちょっと違うかもだけど。

 でも、だからって普通社長の娘をスパイに使う?もっとこう、訓練された産業スパイみたいなのを使うんじゃないの?」

 

「相川さんの言う通りですね……なぜ貴女が直々にスパイ活動を行っているのですかデュノアさん?」

 

 

 

……口調は穏やかだが、虚さんからのプレッシャーは中々に大きいモノが有るな?

其れを受けても平然としてられるデュノアは、鈍いのか、其れとも開き直っているのか、或いはこの状況を何とかできる一手があるのか……

 

 

 

「何故って、そんなの簡単だよ、社長が直々に僕に命令したから。

 ある日突然呼び出されたと思ったら、行き成り『男装してIS学園に潜入して、男性操縦者と第3世代機のデータを取って来い。』って言われてさ。

 僕は逆らえる立場に無かったら、言われるがままにってやつだよ。」

 

「父親に言われてって、其れマジかデュノア?……ちょっと信じられないぜ。」

 

 

 

社長命令だったみたいだが、デュノア社の社長の――父親直々の命令とはな……何とも、笑うに笑えない事実だが、一夏と同様にアタシも些か信じる事は出来んな?……元よりスパイの言葉を信じる心算は無いが。

とは言え普通に考えるなら、父親が娘にスパイ活動をさせるなど有り得ん事だ……にも拘らず、こうしてスパイ活動をさせていると言う事は、若しかしてだがお前、社長の愛人の子だったりするのか?

 

 

 

「正解。僕は妾の子でね。

 お母さんと一緒に暮らしてたんだけど、お母さんが2年前に去年病気で急死して、普通だったらお母さんの親戚筋に引き取られる所だったんだけど、其処に行き成り現れたのが父親であるデュノア社の社長だったんだ。

 僕を保護するって言う事だったんだけど、実際には会社の為のテストパイロットが欲しかったみたいでさ、引き取られて直ぐにISの適性を調べられて、高い適性があると分かった瞬間から、寝る時と食事の時以外は常にISを操縦してデータを採る日々だったよ。

 おまけに父の正妻である女性からは、初対面でいきなり『泥棒猫の子が!』って殴られるし……蓮杖君の機体のデータを得れば、僕はデュノア社から解放されて自由になる事が出来たんだけど……バレちゃったら此処までかな。」

 

 

 

矢張り愛人との子だったか……中々にハードな人生を送っているようだが――だから如何したと言うんだ?

生憎と、アタシ達はお前がどんな人生を歩んで来たか如何かにはマッタク持って興味もないし、其れを話された所で何も思わん――そもそもにして、お前が本当の事を言っていると言う保証もないしね。

 

 

 

「ちょ、此処って普通は同情してくれるところじゃないの!?」

 

「同情なんてする訳ないでしょ?って言うか、泣き落としを狙ってた訳なのアンタ?

 ――性質が悪い事この上ないわね……一秋以外の奴を思いっきりブっ飛ばしてやりたくなったのは久しぶりだわデュノア。」

 

「マッタク持って鈴の言う通りだな。其れに、親が居なくて苦労したのはお前だけじゃない。

 不幸自慢をする訳じゃないが、アタシの両親だって白騎士事件の時に死亡している――その上、両親は結構な額の遺産が残していて、其れに目が眩んだ親族がハイエナの如く群がって来てな。

 そんな奴等に良いようにされるのが嫌で、アタシは齢10歳でイギリスに密航し、其処で同じような境遇のマリアと出会ってストリートチルドレンとして生きていたんだ、ISRIに保護されるまでの間な……明日も分からない生き方と言うのは、中々に過酷だったぞ?」

 

其れに比べたら、お前は住む所と寝る所と食事は約束されていたんだ……アタシ達と比べたら格段に良い条件で生活してたと思うぞ?如何に母親を喪い、学園に来るまでの2年間、過酷な環境下にあったとしてもな。

 

 

 

「そうだな、夏姫とマリアに比べればお前は遥かにマシだなデュノア。

 私も篠ノ之束の妹と言う事で要人保護プログラムを受け、家族がバラバラになってしまったが両親は健在だし、衣食住には困らなかったしな?

 夏姫とマリアに比べたら、私やお前は可成り恵まれていると思うぞデュノアよ?」

 

「知った風な事言わないでよ!僕の何が分かるのさ!!」

 

「分からねぇ。ってか分かりたくもねぇよデュノア。

 どんな事情が有るにせよ、お前は自分でスパイになる道を選んだんだろ?――まぁ、その場では断れなかったのかも知れないけど、だが其れでも何とかしようと思えばできた筈だ、IS学園に来てからはな。

 学園にはデュノア社やフランスからの監視の目は無いんだから、学園に事情を話して保護を求めりゃよかったんだ。

 学園長の爺さんは、中々真面で然りした人だから、事情を話せば少なくともお前の身の安全は確保してくれたはず――其れこそ、楯無さんに更識の力を使わせるとかしてな。

 にも拘らず、其れをしないで俺のストライクのデータを盗もうと画策して実行に移したってのは、結局お前が自身が其れを選択したって事だろ!

 テメェの不幸をぶちまけて、デュノア社に利用された被害者面してんじゃねぇ!」

 

 

 

うん、よく言った一夏。マッタク以ってその通りだよ。

其れとな、任務が成功したらデュノア社から解放されて自由になれると言っていたが、恐らくそんな事にはならないぞ?

 

 

 

「え?」

 

「自由になれると本気で思ってたのか?

 そんな都合の良い話がある訳ないだろ――仮にお前がストライクと一夏のデータを盗んでデュノア社に提出したとして、お前に与えられるのは自由じゃなくて死か牢獄暮らしだ。」

 

「そんな……適当に出鱈目な事言わないでよ!」

 

「アラアラ、出鱈目じゃないわよシャルロットちゃん?

 根拠として、貴女の様なスパイを生かしておくのはデュノア社としては危険なの――貴女がデュノア社に絶対の忠誠を誓ってるって言うなら兎も角として、話を聞く限りじゃそうじゃないでしょ?

 そんな貴女が任務を成功させてデータを手に入れれば、デュノア社としては万々歳であると同時に、厄介な情報を持った人物を内包する事になる訳で、そんな人物に自由を与えるなんて事は無いの。

 だって、そうでしょ?自由を与えた途端に他国に亡命されて、スパイ活動の一切合切を暴露されたらデュノア社はお終いなんだから。

 だから、貴女には任務が成功しようと失敗しようと、THE ENDな未来しか待っていなかったと言う事なの。分かったかしら?」

 

――Avez-vous compris?

 

 

 

態々扇子にフランス語で出すとは芸が細かいと言うか何と言うか……兎に角まぁそう言う事だデュノア。

自由を条件にしたのは、其れを餌としてぶら下げてやれば、お前は絶対に食いつくと言う確信があったからだろうさ――そもそもにして、仮にデュノア社から解放されたとして、戸籍のないお前が生きて行くのは不可能だぞ。

 

 

 

「戸籍が無いって如何言う事!?」

 

「あ~~~……やっぱそれも知らなかったのね?

 楯姐さんが更識の力使って調べた事なんだけど、数年前に届けられてたシャルル・デュノアの死亡届が取り下げられて、新たにシャルロット・デュノアの死亡届が出されてたらしいわよ?」

 

「まぁ、戸籍を調べられてアウトにならない為になんだろうけど、普通に考えたらそんな事は出来ないよな?

 でも、其れが出来たって事はフランス政府がスパイの一件を暗に了承したって事だと思うぜ?――シャルロット・デュノアが死亡した事になっていれば、スパイ行為がバレたとしても、シャルロット・デュノアの死を理由にお前を斬り捨てる事が出来るからな。

 シャルロット・デュノアは既に死亡しており、学園でスパイ行為を行ったのはどこぞのテロリストであり、苦し紛れにシャルロット・デュノアを名乗ったのだろうってな。」

 

「そんな……僕は、捨て駒にされたって言う事なの……?」

 

「有体に言えば、そう言う事。」

 

 

 

鈴と一夏の説明に続いて、最後に簪がクールに締めてターンエンドと。

戸籍については知らなかったみたいだが、そもそもにしてこの事だってお前がスパイ行為を了承しなければ行われなかった事だ――結局の所、お前は自ら抗う事もしないで只々流されるままに生きて、そして目の前にぶら下げられた自由と言う餌に食いついて愚行を働いたと言う訳だ。

そしてその結果、こうして拘束されてしまったのだから笑い話にもならないわ……何にしてもお前に待っているのは自由とは程遠い未来だと言う事だけは確定しているぞデュノア?

さっきも言ったが、今回の事はデュノア社からISRIに対する敵対行為だから当然デュノア社に抗議をするが、デュノア社は先程言った理屈を展開して知らぬ存ぜぬを貫くだろう……フランス政府に抗議してもな。

そうなれば、お前は国際IS委員会に身柄を引き渡されて牢獄生活だ――そして、そうなるまでの間は学園の地下牢で過ごす事になるだろうからな……精々、お祈りでもしてろ。

 

 

 

「そんな……そんなの嫌だよ!

 助けて!助けてよ!!学園に事情を話せば保護してくれるんだよね?だったら、僕の事情を話したんだから助けてよ!!」

 

「……其れは多分無理だよデュノアさん。

 確かに事情を学園に話せば保護はしてくれたと思うけど、其れはあくまでも貴女がスパイ行為を行わなかったらって言う前提での事だから、実際にスパイ行為を働いた後じゃ無理があると思うよ?」

 

「静姉ちゃんの言う通りだよデュノア……て言うか、アタシ達を騙して、一夏お兄ちゃんのデータを盗もうとしたくせに、自分がヤバくなったら助けてくれとか、幾ら何でも都合が良すぎ。」

 

「厚顔無恥とはこの事ですわね?……同じ欧州の人間として恥ずかしくなりますわ……恥を知りなさい。」

 

「ま、そう言う事だから諦めなさいなシャルロットちゃん。」

 

「ひ、人でなしーーー!」

 

 

 

人でなしで結構。

生憎とアタシ等は敵対行為を働いた相手に情けを掛けてやる程優しくはないんでな……まぁ、恨むなら抗う事を止め、流されるままに生きて来た己を恨むんだな。

 

 

 

「抗い様がないのに、如何抗えってのさ!!」

 

「デュノア社に居た時、やろうと思えば其処から逃げ出す事は出来た筈だ、お前には専用機もあるのだからな。

 だが、お前は其れをしないで言われるがままに専属パイロットとしての仕事を熟していたんだろうが!……抗い様がなかったんじゃなく、抗う事を諦めてただけだろ。」

 

そもそもにして抗う気があるなら、抗い様がないような状況であっても徹底的に抗おうとするモノだ――アタシとマリアは、何が何でも生き抜いてやるって言う気で抗ったからな。

 

其れをしなかったお前は、言い方は悪いが生きてるのに死んでたんだよ――お前が何を言おうとも、其処を理由にして自分の逃げ場所にして居たとしか思えないからな。

 

 

「夏姫ちゃんの言う通り。

 だからもう覚悟を決めなさいなシャルロットちゃん……スパイの現行犯として貴女を逮捕、拘束するわ。」

 

「そんな!!」

 

 

 

――ガチャリ!

 

 

 

で、楯無がデュノアを手錠で拘束してお終いだ。

この手錠はIS学園が学園に侵入した不審者を捕らえる為に作ったモノだからその頑丈さは凄まじいし、特殊電子ロックのキーを使ってるからアナログな手錠と違って外す事は出来んからな。――と言うか、一体何処から手錠出した?

 

 

 

「企業秘密よ♪」

 

「……暗部の長の特殊能力だと思っておこう。」

 

ま、何にしても正式な処分が下るまで地下で大人しくしてろ。――暇な時は監視役の教師にでも話し相手になって貰え。

 

 

 

「く……鬼!悪魔!冷血人間!!」

 

「何とでも言え。その程度の罵倒で如何にかなる程、アタシの精神は柔ではないからな。」

 

「貴女の負けよシャルロットちゃん……虚ちゃん、彼女を地下牢に閉じ込めておいてくれるかしら?」

 

「了解しましたお嬢様。――来い、こっちだ。」

 

 

 

……虚さん、キャラが変わってる気がするが、アレが暗部の補佐としての顔なのかも知れないな……取り敢えず、デュノアのスパイ行為其のモノは未遂に終わったが、だからと言ってこれで終わりと言う事ではないよな?

 

 

 

「終わり所か、逆に始まりじゃないか夏姫姉?……此れだけの事をし腐ってくれたデュノア社に何もないとか、幾ら何でも有り得ない事だよな?」

 

「あぁ、有り得ないよ一夏。」

 

だから、今し方束さんにデュノア社の内情を調べて貰ってるんだ――束さんの手にかかればデュノア社の内情を探るくらいは訳無い事だからなどんな結果が待ってるかは分からないが、事と次第によっては、デュノア社の本社に襲撃を掛ける事になるかも知れないけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:束

 

 

さ~てと、なっちゃんにお願いされて、デュノア社の内情を調べてみたんだけど、これはブラック企業なんて物じゃないね……スパイ行為だけじゃなくて、脱税とか可成りヤバい事もやってるみたいだからね……特に社長夫人は資産隠しまでしてるみたいだしね?

 

こんな言い方は如何かと思うけどこの会社絶対に頭悪い!

まぁ、バレバレのスパイを送り込んできてる時点で頭は悪いんだろうけどね。――でもまぁコイツ他のやってる事は絶対に許しちゃいけない事だ。

 

そんな訳だから、アストレイ小隊引き連れて、デュノア社ぶっ潰してくれるかなオーちゃん?

 

 

 

「任せとけや束。

 つーか、こんな腐った会社は滅びて然りだろ?……お前のお望み通りぶっ壊してやんよ!このオータム様から逃げられると思うんじゃないぜ!!

 デュノア社の連中には地獄を見せてやんぜ!!」

 

「OK、頼んだよオーちゃん!」

 

「オウよ!オータム、アサルトデュエル、行くぜ!!」

 

 

 

――バシュン!!

 

 

 

で、本社屋上にあるカタパルトデッキから出撃したか……まぁ、何にしても、オーちゃんがアストレイ小隊を引き連れて行った以上、アンタ等に待ってるのは滅び一択だよデュノア社。

 

私達に喧嘩を売ったその代償は払って貰うとするよ!!

私達に敵対の意を示したんだから、覚悟はしておけよデュノア社!――お前達は、必ずぶっ壊す!!まぁ、せめてお祈りでもしてるんだね!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 




キャラクター設定



・シャルロット・デュノア

フランスの代表候補生で、デュノア社の社長の娘だが愛人との間に生まれた子供である為、ずっと母親と2人で生活していた。
2年前に母親が亡くなった後、デュノア社に引き取られ、偶然IS適性が高かった事からテストパイロットとして過酷な日常を送っていたが、自由になる事を条件に、社長命令で男装してIS学園に入学し、一夏のブレードストライクの稼働データと男性操縦者のデータを盗もうとした。
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