Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

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鈴!……貴様等!!By夏姫     これは、滅殺一択だわ……!By楯無


Break30『愚者の愚行と鈴の音の崩壊』

Side:鈴

 

 

皆が来る前にウォーミングアップしておこうと思った矢先に馬鹿と阿呆に喧嘩売られたけど、売られた喧嘩は買ってやろうじゃないの――丁度良い機会だから、二度とアタシ等に関わろうと思わない位に徹底的に叩き潰してやるわ。

 

行くわよ、ストライク!!

 

 

――ジャキィィィン!!

 

 

 

「何だ、フルスキンじゃないのか?」

 

「生憎と、アタシ等は普段はセーブモードで訓練してんのよ。

 機体性能が制限されてるセーブモードで訓練してれば、フルモードで起動した際の能力はより高くなるからね……ま、戦闘力5程度のアンタ達が相手なら、これでも圧倒出来るだろうけどね。」

 

「貴様……一秋を馬鹿にするなど許さんぞ!!」

 

 

 

別にアンタに許されようとか思ってないから、如何でも良いわ散――って言うかアタシはただ素直に真実を述べただけし、そもそもにして相手になってやるだけ有難いと思いなさいよ?

アンタ等如きと戦った所で経験値の足しにもならない、アタシにとっては無意味極まりない模擬戦を受けてあげるんだからさ。

何にしても、アンタ等はアタシの敵であるのは間違い無いから、完膚なきまでに叩きのめしてやるから覚悟しなさい!

 

特に一秋――アンタの事はクラス対抗戦でフルボッコにした程度じゃ済まないからね!

 

 

 

「良いぞー!やっちゃえ鈴さん!!」

 

「愚か者に慈悲は無し……滅殺の方向で!!」

 

 

 

アリーナの客席からも、アタシを応援する声が聞こえるから、この模擬戦は、勝たせて貰う――二度と自分を『天才』だなんて言う気が起きない位にボッコボコにしてやるわ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break30

『愚者の愚行と鈴の音の崩壊』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んでもって模擬戦が始まった訳だけど……本気でコイツ等弱いわね?

二人がかりなのに、アタシにブレードの先端が掠りもしないって如何言う事よ……双刃式ビームサーベル分割しての二刀流を使わなくても余裕で捌けるくらいに温い攻撃だわ此れ。

もしも相手が一夏と箒のタッグだったら、アタシはとっくに落とされてる所だけど、コイツ等は突撃して斬りつけるだけ、しかも馬鹿みたいに真正面からだけ。

タッグ組んでるなら、左右からの挟み撃ちとか、背後からの奇襲とかも使いなさいってのよマッタク。

 

「ったく本気で弱いわねアンタ――クラス対抗戦の時から全然成長してないじゃない!

 ブレオンのイカレタ機体とは言え、専用機を貰ったにもかかわらずこの体たらくって、アンタISを舐めてんの!?一夏なら、パートナーとの連携を駆使して、速攻でアタシを倒してるわ!」

 

「く……俺をあの出来損ないと比べるな!!」

 

「そうだ!一秋を、あんな出来損ないと一緒にするな!!」

 

 

 

はぁ……この場に夏姫が居たら、絶対にぶっ殺されてるわねコイツ等。

夏姫はブラコンじゃないけど、一夏の事を弟として大切に思ってるからね~~?って言うか、アタシと一夏が出会う前からの付き合いで、元々夏姫は一夏と箒の姉貴分だったらしいし。

 

まぁ、アンタ等が一夏の事を如何言おうと『弱い犬が吠えてるだけ』だから、ムカつきもしないんだけど、アンタ等の言う『出来損ない』と時間切れまで戦って、ギリギリの勝利だったアタシに後れを取ってるアンタ等は一体何なの?

一夏が出来損ないだって言うなら、アンタ等は『出来損ないにすらならなかった失敗作』って所かしらね?

 

 

 

「お前……舐めるな!!」

 

「一秋を馬鹿にするなぁ!!」

 

「いや、一秋だけじゃなくてアンタも一緒に馬鹿にしてるから散。

 って言うか、人の事を馬鹿にするくせに自分が馬鹿にされたらキレるとかガキかアンタ等は?……否、自分の実力を見極める事も出来ないクセに、自分には能力があるって思いこんでる性質の悪いガキだったわね。」

 

いやー、自分でも驚く位に口が悪いわね今日は?

其れだけコイツ等に絡まれたのがムカついてるって事なのかも知れないけど、これは確かに乱が昔『イラついてる時の鈴お姉ちゃんは、口から毒吐く、ポイズンマシーンになる』言ったのも頷けるわ。

 

さてと、そろそろ終わらせようかしら?一夏達が来た時にコイツ等が居ると邪魔だし。

先ずは一秋!アンタから!

 

 

袈裟切りを捌いた所で、コンボウェポンユニットでの近距離砲撃かまして、怯んだ所をゲイボルグⅡで吹っ飛ばす!……ち、少し浅かったか。

ISの強制解除までは行かなかったみたいね?……まぁ良いわ、続いて散!

 

一秋がやられて逆上した所に……ボディブロー!からのアッパーカットでカチあげた所をクビ相撲で絡め取って、連続膝蹴りから投げっぱなしアントニオドライバーで一秋とは逆方向に投げ飛ばしてやったわ!

 

ったく本気で情けないわね?

2対1で、しかも自分達よりも体格で劣る相手に此処までいいようにやられるとか、実力不足なんてモンじゃないわ――本気で、アンタ等が入学する事になったために、本来なら学園に来てたであろう2人の人間に謝れって感じね。

 

「さてと、実力差はもう分かったでしょ?

 分かったならサッサと帰んなさい。ぶっ倒しちゃったら後始末が面倒だから、自力で戻るだけのエネルギーは残しといてやったわ――これ以上の醜態は曝すべきじゃないと思うわよ天才君?」

 

「舐めるな……勝つのは、俺達だ!!」

 

 

 

はぁ……期待してた訳じゃないけど、降伏勧告は聞き入れないわよね。

普通なら、最後の最後まで戦う姿勢って言うのは評価すべき物なんだろうけど、コイツがやると只の悪足掻きにしか見えないわー……またしても真正面から馬鹿正直に突っ込んで来た訳だし。

 

そんなのは余裕で対処出来るっての……ったく、素人の剣丸出しね!

 

 

 

「そうかな?散!!」

 

「あぁ、任せろ一秋!!」

 

 

 

ふぅん?少しは考えがあるみたいね?

別々の方向に吹っ飛ばされた事を利用しての前後からの挟み撃ちは悪くないけど、声に出してたら意味は無いわ!返り討ちにしてやる――

 

 

 

――シューーーーー!!

 

 

 

「!!!」

 

んな、振り返った瞬間に顔に何か……スプレーみたいだけど――って、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

目が、目が痛い!熱い!!目を開けてられない……まさか、今のは……催涙スプレーだったって言うの!?……この、飛び道具が卑怯とか言っておきながら、アンタの方が卑怯じゃないの!!

 

 

 

「卑怯?勝てばいいんだよ勝てば。散は其れを実行しただけさ。

 其れとな鈴、そいつは催涙スプレーじゃなくて、超激辛のハバネロと長天唐辛子の粉で作った唐辛子スプレーだ。真面に喰らったら、最低でも1時間は目を開ける事が出来ないぜ?」

 

「目が見えなくてはどうしようもないだろう?」

 

 

 

コイツ等本気で最低だわ!

だけど、目が見えないなら耳に全神経を集中すれば良いだけの事よ――IS何て音の塊みたいな物なんだから、駆動音や飛行音から場所を特定するのは難しくないしね。

 

 

 

「かも知れないけど、投擲物に関しては何を投げられたか分からないよな?」

 

 

 

一秋……手首の稼働する音って事は何か放ったわね?

と言う事はハンドグレネードみたいな投擲兵器……なら、其れは討ち貫く!多分この辺りの筈!!!

 

 

――バシュゥ!!

 

――ビチャァ!!

 

 

良し、命中!

なんか液体みたいなのを被っちゃったけど、この程度は問題ない――って、何よ此れ、動く事が出来ない!?

まるで、とりもちに絡め取られちゃったみたいに……否、粘っこさはとりもち以上よね?ストライクのパワーを持ってしても千切る事ができないだなんて、ドンだけよ!

 

此れだけの粘度を持った物質って……まさか、簪のバスターの粘着弾!?

 

 

 

「より正確に言うなら、アレをベースに俺が作ったモノさ。

 粘着液が相手にかかれば良いから、作るのは簡単だった――広範囲に飛び散る粘着剤と火薬と、其れを包む入れ物があれば充分だしな。

 だが、これでお前はもう動く事は出来ないだろ鈴?……目も見えず、身体も動かせない状況の中で、一方的に嬲られる恐怖ってモノを味わわせてやるよ。」

 

「ククク……公開処刑と言う訳だ。せいぜい恐怖するが良いさ。」

 

「この、弩卑怯者……!!」

 

視界を潰された上に、動きも封じられたって言うのは可成りヤバいわね……馬鹿と阿呆が相手であっても、動く事が出来ないんじゃ其れは只の的に過ぎないからね。

 

動きが完全に封じられた状況で使えるのはコンボウェポンユニットだけ……殆ど詰みじゃない此れ――!

こんな奴等にやられるなんて冗談じゃない――!

 

 

 

「取り敢えず、クラス対抗戦の時の礼だぜ!!」

 

 

 

――ガスゥ!!!

 

 

 

ガハッ……!!

こ、コイツ……セーブモードだと装甲に覆われてないお腹を狙うとか……って言うか、女の子のお腹を殴るってどんな神経してるのよ!!

 

「ぐ……動けない相手を殴るとか……しかも行き成り女の子のボディブローかます?」

 

「今のは単なる挨拶だぜ鈴……本番はこれからだ!!」

 

「地獄を見せてやるぞ中国人!!」

 

 

 

――ドガァ!!

 

――バキィ!!

 

 

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

く、此のまま攻撃を受け続けたら幾ら何でも……ストライク、フルモード起動!!

フルモードなら、全身がPS装甲で覆われるから、攻撃を耐える事が出来る筈よ!

 

 

 

「甘いんだよ!喰らえ、零落白夜!!」

 

「!!」

 

コイツ本気!?

零落白夜を喰らったら、幾らたば姐さんお手製のISでも強制解除されちゃうじゃない!――まさか、コイツ等、生身の状態になったアタシを!!!

 

 

 

「や、ヤバいよアレ!私、先生呼んでくる!!」

 

「其れじゃあ私は、蓮杖さん達を呼んでくるよ!」

 

「つ、使える訓練機何処!!」

 

「でも使用許可!!」

 

「緊急事態に四の五の言ってられるか!!」

 

 

 

一秋が零落白夜発動したのを見て、客席に居た子達も『ヤバい』と思ったらしく、行動を始めたみたいだけど……ダメ、間に合わない!!

助けて……一夏――!

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:夏姫

 

 

開催まで10日を切った段階でいきなり学年別トーナメントがタッグトーナメントに変更されるとはな……幾らなんでも急過ぎじゃないのか?大会の形式が変わった事は、生徒会メールで全生徒に一斉送信したが、今から10日でタッグパートナーを決めて、そして練習すると言うのは、如何考えても準備時間が足りないだろう?

一体学園側は何を考えてるんだ楯無?

 

 

 

「個人データは普段の授業で得る事が出来るから、タッグを組んだ場合のデータを得たいのかも知れないわ。

 タッグは個人の能力だけでは決まらないモノだから、個人データではパッとしない子でも、タッグを組む事でその真価を発揮する子がいるかも知れないでしょう?」

 

「まぁ、其れは言えてるかもしれん。

 プロレスでも、シングルではパッとしないレスラーが、タッグを組むと光ると言う事は有るからね。」

 

だが、タッグトーナメントとなったら優勝者は略確定だろ?

アタシは出ないが、そうなると一夏と鈴のタッグを止められるタッグが居るとは思えないからな――静寐とマリアが組めば、可成りのタッグになるだろうが、其れでも一夏と鈴のタッグには勝てないだろうからね。

 

 

 

「一夏君と鈴ちゃんのタッグは、以心伝心と言っても過言じゃない位に見事ですものね。」

 

「あぁ、あの2人のコンビネーションには一切の隙が無いからね。

 一夏と鈴のタッグに勝てる奴が居るとしたら、其れは恐らくアタシとお前のタッグだろうな楯無――お前とのタッグはマリアと組む以上にやり易いからね。」

 

「あら、嬉しい事言ってくれるじゃない?

 其れはつまり、私と夏姫ちゃんの相性は最高って言う事よね♪」

 

 

 

……まぁ、そう言えるかもな。

だが、機体の相性で言うならフリーダムとジャスティスは最高の相性だと思うぞ?もともとジャスティスは束さんがフリーダムの兄弟機として開発していただけあって、フリーダムとの連携をした時にこそ最高のパフォーマンスを発揮するからね。

 

さてと、其れじゃあ仕事は終わったから放課後訓練と行くか――結構時間が押してしまったから、一夏達はもうアリーナに居るかも知れないがな。

 

 

 

――バァン!!

 

 

 

と思った矢先、生徒会室の扉が荒々しく開かれて、息を切らした生徒が――如何した、何かあったのか?

 

 

 

「蓮杖さん、生徒会長さん……直ぐにアリーナに来てください!織斑君と篠ノ之――散さんが凰さんを!!」

 

「「!!」」

 

 

一秋と散が鈴に何かしたのか?

鈴がアイツ等に後れを取るとは思えんが……一般生徒が血相を変えて来たと言う事は、何かがあって鈴が窮地に追い込まれてるか、或いは大ダメージを受けていると言う事か?何にしても、只事ではないだろうな。

 

 

 

「その可能性は高いわね……行くわよ夏姫ちゃん!!虚ちゃんもいざと言う時の為について来て!」

 

「了解しました、お嬢様。」

 

 

 

虚さんも一緒に来てくれるなら頼もしい限りだが……クソ、この間感じた嫌な予感の正体は此れか!――どうか無事でいてくれよ鈴!!

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

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・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

だが、そんなアタシの願いも虚しく、アリーナに着いたアタシが見たのは、傷だらけになって気を失ってる鈴と、其れを守るようにして立つ一夏と箒、その一夏達と睨み合いをしてるクズ野郎と下衆女郎だった。

 

一夏も鈴の事を聞いて直通したんだろうが、間に合わなかったと言う所か。

 

 

 

「テメェ……鈴にこんな事しやがって!……ぶっ殺される覚悟は出来てんだろうな?」

 

「散……このような蛮行をしてタダで済むと思ってはいないだろうな?……貴様のような下衆は、最早妹とは思わんぞ!」

 

 

「俺を殺す?出来るもんならやってみろよ出来損ない!お前も、そいつと同じ目に遭わせてやるからよ!」

 

「妹と思わないならどうする?私を殺すか姉さん?」

 

 

 

……取り敢えず一夏と箒から発せられてる殺気と闘気がハンパないな?

一夏は彼女を、箒は親友を傷つけられたと言う事だから当然だが――と言うか、アタシと楯無だって相当にブチ切れてるし、アタシ達と同じ様に現着した静寐達だって可成り怒ってるわ。

 

取り敢えずアイツ等がやらかしたのは間違い無いが、先ずは何があったのかを知らなければだ。

アリーナで一体何があったんだ?

 

 

 

「凰さんが練習しようとしてた所に、あの2人が現れて模擬戦を挑んできて、その模擬戦の中で目潰しを喰らわせた上で、粘着弾で動きを止めて、更に零落白夜で凰さんのISを強制解除して、後は二人でリンチ……」

 

「良く分かった……話してくれてありがとうな、夜竹。」

 

夜竹さやかの証言で、何があったのかはよく分かったが……貴様、鈴を殺す心算だったのか?

 

 

 

「オイオイ、リンチだなんて人聞きが悪い事言うなよ?

 俺達は鈴に模擬戦挑んで、鈴は其れを了承して模擬戦をやっただけだ――確かに少しばかりやり過ぎちまったかもだが、これは模擬戦の最中の事故だぜ?

 其れに目潰しって何の事だよ?俺等が其れを使たって言う証拠でもあるのか?」

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

 

 

誰も何も言わないと言う事は証拠はなない――否、誰もが鈴が負けるとは思っていなかったから動画撮影とかはしてなかった事が逆にコイツ等にとって有利に働いたか……其れを目敏く見つけるあたり、コイツは悪知恵だけは働くな本気で。

 

 

 

「生徒達が証拠を持っていなくとも、アリーナの監視カメラ映像は残っている――お前等がやったことは許されんぞ織斑、篠ノ之妹。」

 

「そうね。ISが解除された相手への攻撃は、国際ルールと照らし合わせても明らかなルール違反……それも選手資格を剥奪されるレベルのね。」

 

 

 

っと、此処で千冬さんとスコールさんが参上か。

学園のトップ2の参上に場は引き締まるか――まぁ、世界最強と、亡国企業の実働部隊のリーダーの発する覇気は、アタシでも身震いする程だからな。

 

 

 

「生徒達が録画していなくとも、アリーナのカメラには確りと記録されているから、言い逃れは出来んぞ織斑。」

 

「其れだけじゃなくて、貴方と篠ノ之散には、ISRIから損害賠償が請求されるからその心算で――企業代表にこれ程の重傷を負わせてくれたのだ

 から当然よね?」

 

「もっと言うなら、私はその請求に対して一切肩代わりはしないから、お前が身銭を切れ織斑。

 そして、其れだけでは済まん――アリーナの記録映像から貴様等が凰に対して一方的な暴行を行った事は明らかだからな……如何足掻いても懲罰は避けられないと思え!」

 

「はぁ?模擬戦中の事故に賠償請求って、アンタ等の会社頭おかしいだろミューゼル先生?――其れに、鈴は俺達との模擬戦を了承してこうなったんだから、俺達に責任はないでしょう。

 其れに織斑先生も、その記録映像だけじゃ、俺達が鈴に害をなす目的があったとは証明しきれないですよねぇ?……その記録映像には、周りの連中が言ってる様な、散の目潰しは映ってない筈ですし。」

 

「私と一秋は悪くない。単にそいつが弱かっただけだ。」

 

 

 

この期に及んでこんな事が言えるとは、呆れを通り越して逆に感心するぞ……周りの生徒達も、余りの態度にドン引きしているみたいだからね。

まぁ、コイツ等が何を言おうと罰が下されるのは確実――ドレだけの懲罰になるかは分からないが処分は避けられない筈だ……だが、一夏は其れでは納得しないだろうな。

 

 

 

「織斑先生、スコール先生……コイツへのこの場での処分は見送って下さい。

 鈴に此処までの事をした奴等が、学園の温い裁きで裁かれるなんてのは我慢できねぇ……コイツ等の事は、俺がこの手で直々に叩きのめさないと気が済まねぇんだ!!」

 

「蓮杖弟?」

 

「蓮杖君……気持ちは分かるけど……」

 

 

 

一夏の好きにさせてやってください織斑先生、ミューゼル先生。

鈴に此処までの事をしてくれた相手への一夏の怒りは、この馬鹿共を自らの手で叩きのめす以外に収まる術を知らないと思いますし……何よりもアタシ自身が、この馬鹿共が学園の基準で裁かれて、はいお終いって言うのは納得できませんから。

アタシからもお願いします、今回だけは一夏の好きにさせてやってください。

 

 

 

「蓮杖姉……其処まで言うのならいいだろう。この場では処分を下さん。そして、学年別トーナメントまでの間、一切の私闘は禁ずる!

 だが、織斑と篠ノ之妹の罪が消えた訳では無い――大会が終わったら、その2人には然るべき罰を与える。」

 

「あぁ、それで良いですよ織斑先生。」

 

尤も、懲罰を与える必要すらなくなるかも知れないがな。

 

 

 

「覚悟しやがれ、このクズ野郎。

 テメェの事は、学年別トーナメントの舞台で叩きのめす!――鈴にやった事を、1000倍にして返してやるから覚悟するんだな!!」

 

「吠えてろ出来損ない!お前じゃ俺には勝てねぇよ!」

 

「その言葉、そっくりテメェに返してやるぜ!!」

 

「やってみろ!――そうだな、お前が勝てたらお前等に土下座して謝ってやるよ。

 だけど、俺が勝ったら、お前等が喚いてる鈴へのリンチとか言うのをすべて取り消して、俺と散に土下座しろ。名誉棄損って事でな!!」

 

「上等だぜ……覚悟しろよ、このクズ野郎!!」

 

 

 

一夏の闘気は既に燃え盛っていて、其れだけで一秋を焼き尽くしそうな勢いだからね。……と言うか、本気でクズだな一秋の奴は。

其れは兎も角、鈴に相当な無体を働いてくれたみたいだが、其れが貴様等の終焉の始まりだと知れ――貴様等は一夏の事を本気でキレさせてしまったのだからな……精々覚悟を決めておくが良い。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:一夏

 

 

あのクソッタレは、俺が必ずぶっ潰す――そう思ってた時期が俺にもありました!

でも、夏姫姉からトーナメントはタッグマッチだと聞いて、絶賛ピンチの真最中!――タッグなら鈴と組もうと思ってたのに、鈴が此れじゃあ俺のタッグパートナー居ねぇじゃん!!!

 

夏姫姉と楯無さんは、当日の学園警備があるから組む事は出来ないから仕方ないとして、マリアはセシリアと、清香はのほほんさんと、癒子は乱と、静寐は簪と組む事になったみたいだから、俺のパートナー居ねぇじゃん!

箒と組もうかとも思ったけど、『訓練機の私では足手まといにしかならない』って言って不参加だし……パートナーが決まって無くて大会に出れなくて不戦敗とか、幾ら何でも笑えねぇぞオイ!

 

 

 

「フッフッフ、困っているようだな蓮杖一夏?」

 

「天井裏から声……何奴!!」

 

 

 

――ズドォォォォォン!!

 

 

 

「レーザーブレード対艦刀を部分展開しての天井を攻撃したのは見事だが、少しばかり的が外れた様だな?私は50cmほど離れた場所に居た!」

 

「………」

 

天井裏から現れたのはラウラ……何だってそんな所に居たんだお前は?

 

 

 

「ちょっとしたニンジャごっこをしていただけだ。」

 

「忍者ごっこって……否、それ以前にどうやって屋根裏に入ったのか気になる所なんだが、まぁ其れは聞かないでおくぜ。」

 

だが、やるじゃないかラウラ!今のは完璧に忍者だったぜ!色々と間違った日本知識が有るみたいだけどアニメやマンガだけじゃなくて、実は結構時代劇とか好きだったりするのか?

 

 

 

「うむ、大好きだ!

 ニンジャとサムライには心が躍る――して、タッグパートナーの事で何やら悩んでいたようだが、お前さえよければの話だが、私と組まんか?

 実を言うと、私もタッグパートナーが決まって居なくてな。」

 

「お前も決まってないのかよ?……若しかして、現役軍人と組むと足手まといになるんじゃないかと思って、組んでくれる奴が居ない感じか?」

 

「うむ、その通りだ。して、私がパートナーでは駄目か?」

 

 

 

お前ほどの実力者がパートナーなら異論はねぇよ……だが、俺をパートナーに選んででも大会に出ようってのは、お前もあのクソッタレの事は許せない訳か――まぁ、俺も許す心算は毛頭ないけどよ。

あの野郎には、死んだ方がマシと思える位の事してやるぜ!!

 

 

 

「私もその心算だ!あのような下衆、矢張り織斑先生の弟である資格はない!

 故に奴は滅するのみ……同じ目的を持つ者同士、我等は同志だな。其れは其れとしてだ、凰鈴音は大丈夫なのか?」

 

「其れに関しては大丈夫だ。今は薬が効いて眠ってるよ。」

 

ストライクは零落白夜で強制解除されたから損傷は殆どなし。

鈴自身も多数の傷はあったけど、骨折とか内臓の損傷とかはなかったからな――尤も、全治3週間だから学年別トーナメントに出場する事は出来ないけど、治療用のナノマシンカプセル飲ませたから少しは回復が早いとは思う。

だがまぁ、何にしても鈴の事を、ふざけた手段でリンチして大会参加不能にしたアイツ等は、マジで滅殺だぜ。

 

 

 

「あぁ、滅殺一択だな!!――格の違いを言うモノを見せてやろうではないか!!」

 

「言われるまでもないぜラウラ!!」

 

何にしても、一秋と散は越えちゃならない最後の一線を越えちまったから、手加減なんて事をする心算は毛頭ねぇ……トーナメントの何処で当たるかは分からないが、戦う事になったその時は徹底的に叩きのめしてやるぜ!!

 

鈴に手を出してリンチしたテメェは必ず滅殺してやる!!

今度は、テメェ等がフルボッコにされる番だから、精々覚悟しておけクソが!

 

 

――テメェ等に慈悲はねぇ、徹底的に叩き潰してやるぜ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 




キャラクター設定


夜竹さやか

・夏姫のクラスメイトの女の子。
 ミディアムサイズの黒髪が特徴であり、スレンダーで均整のとれた体格をしている。
 此れと言った特徴のある生徒ではないが、実は観察眼に優れており、今回の一秋の暴挙に関してもいち早く気付いて行動していた。

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