Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

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試作機の暴走か……厄介だなBy夏姫      でも、其れを何とかしないとよねBy楯無


Break39『暴走せし福音を沈黙させよ』

Side:夏姫

 

 

臨海学校2日目。

順調に訓練を行い、束さんがやって来て箒に専用機を渡したりと、色々有ったが――その最中で何か問題が起きたみたいだな?

織斑を除いた専用機持ちが千冬……織斑先生の部屋に集められたと言う事を考えても、のっぴきならない事態が起きたのだと言う事は、考えなくても分かるからな――一体、何が起きたんですか織斑先生?

 

 

「……アメリカとイスラエルが共同で開発していた無人のISが暴走した。

 そして、その機体は太平洋を渡り、狙ったかのように此方に向かってきている――IS学園には、政府より、当該ISを無効化せよとの命令が下った次第だ。」

 

「ISの暴走か……其れは確かに厄介ですけど、其れならば開発者である、アメリカとイスラエルが自分達で何とかするべきじゃないんですか?」

 

「夏姫姉に同感だぜ。

 何だって俺達が対処しなくちゃならないんだよ?」

 

「あまり言いたくはないが、政治的な彼是だ。

 アメリカとイスラエルとしては、今回の一件は露呈したくないだろうし、日本政府としてはこの事態を鎮圧した事でアメリカとイスラエルに恩を売っておきたいと言う所だろうな。」

 

 

 

成程……汚い大人の駆け引きって事ですか。

でもまぁ、件の機体を放置していたら、旅館の生徒にも被害が及びかねないから、アタシはやらせて貰いますよ織斑先生――要は、件のISを撃破すれば良いだけの話ですから、大して苦労はありませんし。

 

 

「そう言って貰えると、少し心の荷が下りた気がするよ――すまんな、蓮杖姉。」

 

「まぁ、これ位は如何って事ないですよ織斑先生。」

 

其れよりも、暴走したISとやらを何とかしなくてはだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break39

『暴走せし福音を沈黙させよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時に織斑先生、暴走したISはどんなモノなんでしょうか?

 

 

 

「機体名は『銀の福音』。先程も言ったように、アメリカとイスラエルが共同で開発した無人機体だ。

 本日が最終の起動テストだったらしいのだが、最終テスト前に行き成り機体が暴走して、施設を離脱してしまったらしい――マッタク持って迷惑な事この上ない。」

 

「アメリカとイスラエルの共同開発の機体――可成りのスペックがあるのは間違い無いな。」

 

アタシを含めたISRI製の機体を使ってれば大した相手でも無いのかも知れないが――暴走状態であるのが危険極まりないだろうね……一歩間違えば、此方が全滅させられるかもしれないからな。

 

 

 

「織斑先生、福音のスペックを伺っても?」

 

「あぁ、構わん。

 だが、これは最上級の極秘事項だから、此処で見た事は己の頭の中に止めておくように――もしも、口を割ってしまったら、最低でも3年間の監視が付くからその心算でいてくれ。」

 

 

 

口にはチャックと言う事だね。

で、公開されたデータなんだが……成程、コイツは中々に強力な機体みたいだな?――最大の攻撃は、全方位へのビーム攻撃か……此れは一筋縄で如何にか出来る相手じゃないな。

 

全方位へのビーム攻撃自体はフリーダムのフルバーストと、箒のアカツキで対処出来るが、最大の問題は銀の福音の機動力だ――マックススピードは音速を越えるって一体どれくらいだ?

アタシ達の中で最速は箒のアカツキだが、其れでも最大速度は亜音速だから銀の福音には僅かに及ばない……機動力もある無差別攻撃可能な機体など、悪夢以外の何者でもない。

 

ジャスティスのミラージュコロイドステルスで近付いてと言う方法もあるが、其れも一撃で仕留めなければならないからな……あの馬鹿の零落白夜なら一撃なんだろうが、アイツは監視用の部屋に放り込まれてるからな――まぁ、アイツが居ても、其れは其れで只邪魔者でしかないんだけど。

 

 

 

「楯無さんのジャスティスでミラージュコロイドを発動して、出来るだけ固まって福音に近付いて、そんでもって機動力を発揮出来ない位の波状攻撃で撃破するしかなさそうだぜ。

 まぁ、クロスレンジに持ち込めばビーム攻撃の機会は減るし、俺と鈴と箒、其れに清香とソードに換装すれば静寐もクロスレンジが出来るし、癒子のレイダーの鉄球だって有効になるだろうからな。」

 

「其れで巧く行けば一番だが……ミラージュコロイドステルスを見破られてしまったら、其れまでだろう一夏?」

 

「其れはそうだけど……現状では、それ以外に手は無いぜ夏姫姉?」

 

「まぁ、そうなんだけどね。」

 

ラウラ、現役軍人として、お前だったらどうする?

遠慮はいらないから、思ったことを率直に言ってくれて構わないわ――状況が状況だけに、意見があるなら其れをドンドン聞いて行きたいからね。

そして、其処から見えてくる事も有るからね。

 

 

 

「姉上……そうだな、私ならばまず生徒会長殿のミラージュコロイドステルスを持ってしてミドルレンジまで近づいた所で、姉上と更識簪と鷹月静寐による飽和砲撃で福音の動きを封じ、そしてクロスレンジを仕掛けてシールドエネルギーを削り取るのが一番ではないかと思う。

 だが、これもまた福音のシールドエネルギー量によっては失敗するかもしれん。」

 

「飽和攻撃による福音の抑え込みか……成程、これは行けるかも知れんぞラウラ。」

 

「ほ、本当か姉上!!」

 

「あぁ、本当だ。」

 

多少運の要素が絡んで来るが、砲撃能力の高いフリーダムとバスターとカラミティの飽和攻撃は相当な物が有るから、絶えず攻撃していれば福音は防御が主となって、攻撃の機会は激減する。

一番厄介な全方位ビームも封じる事が出来るし、仮に放たれたとしても箒のアカツキならばビームを無効化出来るから問題ない。

不確定要素としては、ミラージュコロイドステルスが見破られて銀の福音に逃げられると言う事だが、其れでもミドルレンジならクロスレンジよりは気付かれ難いか……何れにしても簡単なミッションではないだろうね。

 

 

 

「ところがギッチョン、そうでもないんだな此れが!!」

 

「姉さん!?」

 

「束……さっきのビーチでも思ったが、何処から湧いた?」

 

「酷いよちーちゃん!束さんを台所に出るGみたいな言い方しないでよ~~!!束さんは何処からも湧かないからね!!!」

 

「何処から湧いたかは兎も角として、お前の生命力はG並みだから問題あるまい。――世界が核戦争で滅んでも、お前とGだけは地球上で生存し

 ていると私は確信しているからな。」

 

「ウワォ、全然嬉しくない。」

 

 

 

だがしかし、此処で束さん登場。

千冬さんと毎度なやり取りをしてる訳なんだが、今度は一体何の用ですか束さん――只遊びに来たって訳じゃないですよね?

 

 

 

「勿論だよなっちゃん!

 実は、なっちゃんとたっちゃん専用の追加装備と、いっ君と鈴ちゃん専用追加装備と、しずちゃん達の機体の追加装備を持って来たんだ――福音の暴走が起きちゃったから、さっきは渡しそびれちゃったんだけどね。」

 

「アタシ達の……」

 

「追加装備……っすか?」

 

 

 

其れって如何言うものなんですか束さん?

フリーダムとジャスティスは言うに及ばずですけど、一夏達の機体だって可成りのハイスペック機だから追加装備って言うのはあんまり想像出来ないんですが……そもそもストライクはストライカーパックを換装すれば追加装備も要らない訳でしてね?

 

 

 

「まぁ、そうだろうね?

 だけど束さんを甘く見たらいけないよ――ハイスペック機を、更にハイスペックにする位の事、私には朝飯前だからね!――取り敢えず、外をご覧あそばっせい!!」

 

「外を?」

 

果たして何があるのかと思ったが……外には巨大な追加ユニットらしきモノが2つと、ストライカーパックの追加ユニットと思われるモノが2つ、そしてボード型のフライトユニットのようなモノが8つ――此れが束さんの言う追加装備って言う事なのだろうか?

 

 

 

「その通り!

 先ずこっちは、ストライク専用の追加ユニット『ストライクブースター』だよ。

 現在使用中のストライカーパックに追加装備する事で機動力を飛躍的に高めてくれるモノで、最高速度は銀の福音すら上回る超音速!

 でもってこっちはフリーダムとジャスティス専用の追加ユニット『ミーティア』――多数のミサイルポッドと二基のビーム砲、そして強力な主砲兼ビームソードが売りな追加ユニットだよ。

 勿論追加のロケットブースターが搭載されてるから、飛行速度だって可成り上がって音速レベルだよ!

 んで、此のボード型のがマリちゃん達用の超高速フライトユニット『グゥル』。こっちも最高速度は音速レベルだよ。」

 

「また凄い物を作りましたが、ストライクブースターとミーティアとグゥル……此れは、行けるかも知れないな。」

 

ミーティアはその大きさから細かい動きは出来なくなるだろうが、フリーダムのバラエーナの倍はある大口径の主砲と側面のビーム砲、そしてミサイルポッドでの火力は凄まじい物が有りそうだから、全火器を解放すれば福音を暫く釘付けに出来るだろう。

加えて一夏と鈴が福音以上の機動力を手に入れたのならば、仮に福音が逃げようとしても追いかける事は可能だし、グゥルを装備したマリア達も福音には僅かに及ばずとも機動力で喰らいつく事は出来るから後は連携次第で何とかなる。

トドメに福音の切り札である全方位へのビーム攻撃は、箒のアカツキで略封殺状態だからな――此れは、余程の事態がない限りは負ける事は先ず無いと、自信を持って言えるわね。

 

仮にミラージュコロイドステルスが見破られたとしても、その時はアタシと楯無で回避不能のミーティアフルバーストをかましてやれば良いだけの事だからな。

 

「織斑先生、束さんのおかげで何とかなりそうです。

 銀の福音の暴走、アタシ達が止めて見せます。」

 

「そうか――ならば頼む。

 本来ならば我々大人が何とかするべきなんだろう……そもそもにして、学園の生徒に危険な任務を任せると言うのは言語道断だ――が、日本政府の決定である以上、学園は其れに従うしかないのだ。

 お前達には、本当に申し訳なく思っている――だから、私が諸君らに言う事は只一つ!全員、必ず生きて帰れ!

 福音の暴走を止める事は重要だが、其れよりも生還する事を第一に考えろ!!」

 

「勿論!言われなくてもその心算よ千冬義姉さん!」

 

 

 

あぁ、鈴の言う通り、言われるまでもない事ですよ織斑先生。

アタシ達は絶対に帰ってきます、福音の暴走を止めてね――だから、心配しないで待っていて下さい。大丈夫です、束さんの追加装備を貰ったアタシ達なら、絶対に負けませんから。

 

 

 

「蓮杖姉……あぁ、お前達を信じよう。

 各員直ぐに準備に取り掛かれ!準備が出来次第ミッションを開始する。

 尚、今回のミッションは私が全指揮を執り、スコール先生と山田先生がオペレーターとして諸君らとの通信を行うのでその心算でいるように。」

 

「了解です、織斑先生。」

 

しかしまぁ、福音を倒しに行く軍勢に自由と正義が居ると言うのは、何ともアレな構図だが気にしたら負けだな。

何にしても、ミッション名『オペレーション・シルバリオゴスペルダウン』――此れは必ず成功させなくてはな。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:一夏

 

 

まさか、アメリカとイスラエルが共同開発した無人機が暴走するとはな――其れだけなら未だしも、其れの処理を俺達が行う事になるとは夢にも思ってなかったぜ。

折角の臨海学校をと思わなくもないけど、コイツを野放しにしちまったらトンデモナイ被害を色んな所に与えちまう可能性があるから、流石に無視は出来ないし、日本政府からってんなら学園も従わざるを得ないからな。

 

……俺としては、国の名誉の為に俺を斬り捨てた日本政府なんざマッタク持って信用ならねぇんだけどな。

でもまぁ、やるとなった以上は目的を果たすだけだぜ!束さんが持って来てくれた追加ユニットがあれば何とかなるだろうし、箒のアカツキなら福音の攻撃を完封できるからな。

 

束さんによる機体の最終調整が終わって、そろそろ出撃なんだが……箒、若しかしなくても緊張してるのか?

 

 

 

「……情けないがその通りだ一夏。

 剣道の試合とは違う――今回の一件は、下手をしたら命に係わる事態が起きかねない事だ……姉さんが開発してくれた私の専用機、そしてお前達の追加装備があるなら大丈夫だとは思うのだが、私が足手まといになってしまわないかと思ってな。」

 

「あ~~……成程、お前の気持ちはよく分かる。」

 

だけどな、お前が足手纏いになるなんて事はねぇよ。

俺達はお前の実力は知ってるし、お前が剣道だけじゃなくてISの訓練だって頑張ってるのも知ってる……そりゃあ、実戦は初めてだろうけど、お前だったら絶対に出来るって信じてるぜ俺は。

 

 

 

「一夏……だが!!」

 

「お前が自分が力不足で不安だってんなら、お前を信じる俺達を信じろよ。

 さっきも言ったけど、俺達はお前の努力と、其れによって培った実力を知ってる――もっとぶっちゃけて言うなら、専用機を貰った事で漸く其の力を発揮出来るって感じだろマジで。」

 

「一夏の言う通りよ箒!

 アンタの実力は、誰もが認めてんのよ――あぁ、一秋と散の今世紀最大の馬鹿コンビは別だけどね。

 篠ノ之箒の実力は、アタシが保証するわ!!」

 

 

 

鈴、ナイス援護射撃。

箒、鈴だってこう言ってるんだ、少しは自分に自信を持てよ?――謙虚なのと、自己評価が低いってのは別物だぜ?……まぁ、一秋みたいに無駄に根拠のない自己評価の高さってのはそれはそれで問題だけどな。

兎に角、お前を信じる俺達を信じろ。其れで充分だぜ?

 

 

 

「私を信じるお前達を……」

 

「其れでも不安が有るってんなら、とっておきのおまじないでもしてやろうか?」

 

「おまじない、だと?」

 

「そ、おまじない。」

 

 

 

――チュ

 

 

 

「!!」

 

「恋人同士になってから、未だしてなかったからな――お前のファーストキス、貰ったぜ?」

 

「一夏~~!!///!!!」

 

「この状況で、乙女のファーストキスを奪うとは、やるわね一夏。」

 

 

 

褒め言葉と取っておくぜ鈴。

だけどどうだ箒、未だ緊張してるか?

 

 

 

「……否、不思議と緊張は消えてしまったな?

 まぁ、緊張を上書きする程の衝撃だったからなお前からの口付けは……だが、此処までされたのならば覚悟を決めねばなるまい――微力ながらも、頑張らせて貰うさ。」

 

「おっし、それでこそ箒だぜ!」

 

箒も戦う意思を決めて、そんでもって束さんの機体チェックも終了!――夏姫姉、そっちは如何よ?

 

 

 

「ふ、全く持って問題なしだ。

 お前の方こそ如何なんだ一夏?――不覚を取って、箒と鈴を悲しませる事だけは無い様にしておけよ?」

 

「不吉な事言わないでくれよ夏姫姉!!」

 

「……まぁ、お前は殺しても死なないような奴だから、余程の事がない限りは大丈夫だと思うがな。

 束さんと並んで、お前はG級の生命力があるとアタシは信じてる――何と言ってもマリアの『滅殺サンドウィッチ(単体、威力500、100%即死)』を喰らっても腹下した程度で済んだからね。」

 

 

 

いや、あれは微妙に死にかけたからな?

だけど、確かに不覚を取って鈴と箒を悲しませちまったら男として最低だからな……まぁ、やられないように注意するさ。夏姫姉の方こそ、福音に落とされるなよ?

 

 

 

「言われるまでもない――が、アタシを誰だと思っている?

 束さんをして『天才』と言わしめた存在だぞ?そのアタシが、束さんが開発したミーティアユニットを使っている以上、余程の事がない限り落とされる事は有り得ん――そもそも楯無も居るから、その心配は無用の長物だ。」

 

 

 

言われてみれば其れもそうか。

おっしゃ、それじゃあ準備もできたから行くとしようぜ……暴走した福音を止めにな!

 

 

 

「あぁ、そうだな。

 蓮杖夏姫。フリーダム、行きます!!」

 

「更識楯無。ジャスティス、出る!」

 

「更識簪。バスター、行くよ!」

 

「マリア・C・レイン。プロヴィデンス、出撃するわ。」

 

「鷹月静寐。カラミティ、発進します!」

 

「相川清香。フォビドゥン、いっくよー!!」

 

「谷本癒子。レイダー、目標を駆逐する!」

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ、シュバルツェア・レーゲン出るぞ!」

 

「セシリア・オルコット。ブルー・ティアーズ、行きますわよ!」

 

「凰乱音。甲龍・紫煙、出るよ!」

 

「篠ノ之箒。アカツキ、出撃する!」

 

「凰鈴音。ストライク、行くわよ!!」

 

「蓮杖一夏。ストライク、行くぜ!!」

 

待ってろよ銀の福音――お前の暴走は俺達が止めてやるからな。

なんでお前が暴走しちまったのか、其れは分からないけど、其れがお前の意思じゃなかったってのは何となく分かるぜ――ISが暴走するなんてのは、ラウラの機体に違法に搭載されてたVTシステムでもない限りは有り得ないからな。

 

だから、俺達はお前を止める!

お前に恨みも何もないが、悪いけど落とさせて貰うぜ……覚悟するんだな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:一秋

 

 

クソ、クソ、クソォォ!!

なんだって、俺がこんな目にあわなきゃならないんだ!!散も一緒に!!

此れも其れも、全てはアイツ等のせいだ……蓮杖夏姫、アイツさえいなければ俺は今頃学園の一番になってた筈なんだ!!――それなのに、ISRIの専属パイロットとかで出てきて目立ちやがって……目障りな事この上ねぇ。

 

だが、それ以上に気に入らないのは蓮杖一夏だ!

髪の色を変えて別人を演じちゃいるが、アイツはあの出来損ない!!その出来損ないが、専用機を手に入れてるってのが気に入らねぇ事この上ないぜ!!

何よりも、タッグトーナメントの時に、俺の事を的にしやがったのは許せねぇ!!

 

如何にかしてアイツ等に復讐する術はないのか――!!

 

 

 

「あるぞ、君が望むのならばな。」

 

「「!!」」

 

 

と思ってたら、目の前にはローブを纏った謎の存在が――誰だテメェ?

 

 

 

「これは失礼。

 とは言え、軽々と正体を明かせる身ではないので、多少のご理解は頂きたいものです――私は、君達を助けに来たのですよ……扉の前の教師陣も私の前では他愛ないモノ……まぁ、彼女達は目を覚ましても、自分に何があったのかは覚えてないでしょうからね。

 まぁ、其れは別に如何でも良い事――織斑一秋君、篠ノ之散さん……彼方達は、絶対の力を欲しいとは思いませんか?」

 

「絶対の力だと?」

 

「そんなモノ、欲しいに決まっているだろう!」

 其れさえあれば、姉さん所か、誰が相手であっても負ける事は無くなるんだからな!!」

 

「あぁ、欲しいな絶対の力――お前が其れを持っていると言うのならば、其れを俺に寄越せ!!」

 

「ふふ、その意気や良し。

 では、これより君達の中にある潜在能力と言うモノを最大まで引き出してあげよう――流石に、これだけの事をすれば、蓮杖夏姫が相手でも早々負ける事は無い筈だ。」

 

 

 

へっ、アイツにも負けないってのは大きいぜ。

ローブの野郎が何者かは知らないが、こうして俺と散は表舞台で輝ける権利を手にした――そして、クソ目障りな蓮杖の奴を、事故に見せかけて始末する事だって出来るからな。

 

 

 

「そう、それで良いのですよ。

 何時だって人を強くするのは己の闇――欲望こそが人を強くするのですから。

 まぁ、今回は簡単な挨拶と君達の強化と言う手土産だけですが、次に会うその時は君達は此方側に来る事になるでしょう――おっと、これは未だ言うべき事ではありませんでした。

 さて、君達の潜在能力を限界まで引き出す訳ですが、其れは身体の限界を超えた力を引き出すと言う事……潜在能力解放直後は爆発的な力を得る事が出来ますが、その後は暫く動く事も出来なくなります――其れでもよろしいのですね?」

 

「構わねぇ……俺が一番になれるなら後の事は如何だって良い!散も其れで良いだろ?」

 

「あぁ、勿論だ……力があれば何だって出来るんだからな!!」

 

「ふふ、益々気に入りました。

 では、解放してあげましょう君達の力を……」

 

 

 

――ヒィィィン

 

 

 

なんだ此れは?

ローブ野郎が手をかざした途端に、身体の中から力が溢れてくる!!此れが俺の潜在能力ってやつか!

最高だぜ!此れだけの力があれば、誰が相手でも――其れこそ千冬姉が相手でも負ける気がしねぇ!!

此れまで奴等に苦汁を舐めさせられてきたが、今度こそ俺のターンだ!!解放された俺の真の力で、あの出来損ないと蓮杖夏姫に目に物見せてやるぜ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

 

 




機体設定


・ミーティア

束が開発したフリーダムとジャスティスの追加ユニット。
大口径のビーム砲と巨大なビームソード、高出力ビーム砲と多数のミサイルポッドを備え、圧倒的な火力を搭載している。
その巨大さ故に、装備した際は細かい動きは出来なくなってしまうが、そもそもにして大多数の敵を単騎で殲滅する事を目的に作られている為、細かい動きが出来ない事はさして問題にはならない。
尚、ミーティアを装備した場合に限り、ジャスティスはマルチロックオン機能が作動するようになっている。



・ストライクブースター

束が開発したストライカーパック用の追加ブースター。
全てのストライカーパックに対応しており、機体の機動性を大きく向上させる事が出来る。



・グゥル

束が開発した汎用IS高速機動ユニット。ボード状の機体にISを固定する形で使用される。
足が固定されるため動きが制限されるモノの、機動力の強化により足を自由に動かせないデメリットはあまり関係なくなっている。


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