Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

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久々なのでな……少し暴れさせて貰うぞ!By夏姫      ふふ、ザクとグフは終了のお知らせね♪By楯無


Break44『戦闘終了~Battle Over~』

Side:一夏

 

 

海中からイキナリ発生した光の柱……其れが収束したら、其処に居たのは、細部が少し異なるけどフリーダム?……って事は夏姫姉だよな!?

生きて、たんだな……死んだとは思いたくなかったけど、あの馬鹿共に腹と胸を貫かれちまってたから、正直言うとちょいと諦めかけてた……生きててくれて嬉しいぜ、夏姫姉!!

 

 

 

「夏姫!生きてたのね……マッタク、心配させるんじゃないわよ!!」

 

「スマン、心配させてしまったな鈴。

 だが、文句を言うならアタシではなくあの馬鹿共に言え。アイツ等が余計な事をしなければアタシが落とされる事は無かった訳だし、そもそも前回の戦いで福音は無力化出来た訳だからね。」

 

「言われてみればその通りよね?

 よし、ザクとグフを全部倒したら改めてあの元祖馬鹿カップル(バカップルに非ず)をブッ飛ばしてやりましょうかね……問題ないわよね一夏?」

 

 

 

その意見に関しては諸手を挙げて賛成なんだが、今のアイツ等には殴る価値も無いからやるだけ徒労だろ?千冬さんも言ってたけどさ。

ぶっちゃけて言うなら、一秋も散も制裁を加える価値もねぇよ……アイツ等は、正統な制裁を受けずに、永遠に許されないままに惨めな人生を送るのがお似合いだとすら思うからな。

 

 

 

「アタシを貫いてくれたアイツ等は、何やら面倒な事になっているのか?」

 

「面倒ってか、自業自得ってか……少なくとも、夏姫姉を貫いた代償として、暫くは真面に動く事は出来ないと思うぜ?――限界を超えた力を行使した結果、全身の筋肉がガタガタになってるみたいだからな。」

 

「限界を越えた、か……確かに限界を越えていたのなら、アタシの攻撃に反応出来たのも頷けるな――問題は、どうやって限界を超えたかだな。

 だが、今は其れを追及している時では無いな?……先ずは、無人機退治だ!!」

 

 

 

だよな。

数は依然として多いけど、倒した分だけ補充されるって言う事は行われなくなって来たから、持って来たザクとグフは全て出しちまったんだろうな。

なら、この大群を退ければ其れでゲームセットだ……やってやる、行くぜストライク!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break44

『戦闘終了~Battle Over~』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

No Side

 

 

夏姫とフリーダムが復活し、楯無達の士気は急上昇――其れこそ、連戦の疲労など霧散したかの如くだ……この面子にとって、夏姫が如何に大きな存在だったのかが分かると言うモノだろう。

 

とは言え士気が高揚したのはプラスだ。

士気を取り戻した楯無達は、連戦の疲労をまるで感じさせない流麗な動きでザクとグフを狩って行く――その姿は、まるで映画のワンシーンを見ているかの如くだ。

 

だが、ザクとグフとて馬鹿ではない。

如何に士気が高揚した事で動きが良くなったとは言え、楯無達は既に連戦に連戦を重ねて疲労困憊の状態であり、テンション上昇によるブーストは、そう長く続くモノではないと考え、寧ろ脅威なのは今し方現れた新型――夏姫が駆るエターナルフリーダムだと判断。

 

即座に2機のブレイズザクウォーリアが、ブレイズウィザードからミサイルを放ち、1機のブレイズザクファントムがビームライフルで攻撃してくる。

 

 

「温いな……」

 

 

 

――ギュイィィィン……バリィィィィン!!

 

 

 

 

その瞬間に夏姫の中で何かが弾け、思考が一気にクリアになる。

そのクリアな思考を持った夏姫は冷静に、ビームシールドでビームライフルをガードすると、両手に持ったビームライフルでミサイルを迎撃!

其処からイグニッション・ブーストを発動して2機のブレイズザクウォーリアに接近すると、擦れ違い様にビームサーベルを一閃して頭部を切り落とし行動不能に陥らせる。

夏姫は何方かと言うと射撃型だが、近接戦闘も並み以上には熟す事が出来る――特にイグニッション・ブーストで接近してからの一閃は夏姫の得意技なのだ。

しかし、それにしても今の一閃は相当に速い一撃だったのは間違い無いだろう……2機のザクウォーリアは、一切反応出来ずに斬り捨てられたのだから。

 

 

『ナ、何ダ、アノ機体ハ?』

 

『新型カ?速イゾ?』

 

 

此れにはグフも驚き、すぐさまエターナルフリーダムへと向かって行く。……と言うか、話す事が出来たという事実に驚きだが。

兎も角、数体のグフがエターナルフリーダムに向かって、手首のビーム砲を連射するが、エターナルフリーダムには掠りもしない――旧フリーダムよりも向上した機動力を持ってして、ビームの連射をも完全に回避して見せたのだ。

 

 

『……フリーダム?』

 

 

ビーム砲を連射していたグフが呟くが、其れと同時にエターナルフリーダムが接近し、頭部と右腕を斬り捨て御免!

更に其処から、イグニッション・ブーストからの高速二刀流でザクとグフを切り裂き、二挺ビームライフルで近付いて来るザクとグフを撃ち抜いて撃墜して行く。

 

圧倒的とは正にこう言う事を言うのだろう。

戦闘が始まって、1分程度だが、既に夏姫は10機以上のザクとグフを撃墜しているのだから。

 

 

 

――ギュル……ガシィィィィン!!

 

 

 

だが、敵機とて只やられているだけではない。

2機のグフが電磁鞭でエターナルフリーダムの右腕と左足を絡め取り、その動きを制御しようとする――PS装甲を搭載しているエターナルフリーダムにとって、物理的な攻撃は意味を成さないが、動きが制限されたのでは堪ったモノではないだろう。

 

 

「ちぃ……舐めるな!」

 

 

 

――ババババババァン!!

 

 

 

だが、夏姫は冷静に機体を操作し、翼を展開すると同時に拡張領域からドラグーンを呼び出し、其処から放たれるビーム砲でグフの鞭を撃ち貫くと同時に本体への攻撃も行いグフを爆発四散させる。

 

 

「夏姫姉?……アレはまさか!!」

 

「ドラグーンね……二次移行で追加された兵装なのでしょうけど、其れをこうも軽々と扱うとは、夏姫の実力はまったく底が見えないわね。」

 

 

エターナルフリーダムにドラグーンが搭載されていた事に一夏は驚くが、楯無は夏姫の底の知れなさに驚いていた――まぁ、特殊な空間認識能力を必要とするドラグーンを手足のように動かして見せたのだから当然かもしれないが。

 

 

――ガシャン!

 

――ピ、ピ、ピ、ピピ、ピ、ピ、ピ、ピ

 

 

ともあれ、ドラグーンの攻撃でグフの拘束を脱したエターナルフリーダムは、高度を上げると同時にマルチロックオンを展開して、ザクとグフをマルチロックオンで捕捉する。

 

 

――ギュオォォォォォン……バガァァァァァァァァン!!

 

 

そして次の瞬間、二挺ビームライフル、腰部のレール砲、腹部のカリドゥス複相ビーム砲、背部のバラエーナ、そして10機のドラグーン、エターナルフリーダムに搭載された17門の火器が一斉に開放され、無数のザクとグフを鎧袖一触!!

 

 

「2分……たった2分で、45機のザクとグフを落とすって、幾ら何でもハンパないぜ夏姫姉……しかも復活直後だってのによぉ?

 こう言ったら何だけど、夏姫姉って死なないんじゃないかって思うぜ……楯無さんは如何思います?――出来れば分かり易い回答を……」

 

「不死身と言うのはちょっと思ったわ……アレだけの、致命傷とも言っていいダメージを負った直後なのに普通に動けているのだから。

 恐らくはフリーダムが夏姫を回復させたのでしょうけど、復活直後であの動きと言うのは……夏姫の生まれ持った生命力の高さが成せる事なのかも知れないわ。」

 

「ヤレヤレ、噂には聞いていたが、凄まじいなフリーダムと言うのは?

 こう言っては何だが、アレの実力は現役時代のブリュンヒルデに匹敵すると言っても過言ではないかも知れんな。」

 

 

復活直後であるにも拘らず獅子奮迅の活躍を見せる夏姫に、楯無達のみならず、謎の援軍である赤黒い機体のパイロットも驚いている様だ。

ともあれ、此れでザクとグフは粗方始末したのだが……

 

 

「……其処か!」

 

 

夏姫は何かに気付き、前方の空間にビームを発射。

するとそのビームは見えない何かに当たって消え、同時に今まで何もなかった空間に何かが現れる……其れは、ISRIが所持している『アークエンジェル』にも匹敵する巨大な戦艦。

目に見えない光学迷彩と、レーダーに映らないステルス機能の両方を備え、完全に隠れていたのだ。

だが、夏姫はエターナルフリーダムの超高精細カメラを通した映像で、空間の僅かな歪みを発見して戦艦を見つけ出し、ビームで表面の光学迷彩装甲を破損させ機能を失わせたのだ。

 

 

「無人機はあと10体以下――と言う事は、コイツを落とせば事実上のゲームセットか……楯無!」

 

「了解よ夏姫!」

 

 

姿を現した戦艦に、夏姫と楯無が向かい、残るメンバーはザクとグフの処理に当たる。

 

其れとは別に、この事態に驚いたのは戦艦自身だ――この戦艦は人が乗っておらず、複数のAIを搭載する事で戦艦の管制機能を司っているらしいのだが、まさか正体を見破られる事は想定していなかっただけにシステムが暴走。

 

 

『マサカ、光学迷彩ガ破壊サレルトハ……』

 

『敵IS接近!!』

 

『ゼ、全砲門開ケ!撃チ落トセ!!』

 

 

戦術も何もなく、自身に接近するエターナルフリーダムとインフィニットジャスティスを脅威と判定し、搭載された武装を全て展開して迎撃を試みる。

が、そんな破れかぶれな攻撃を喰らう夏姫と楯無ではない。

いっそ芸術かと思える位の華麗な動きで攻撃を回避すると、エターナルフリーダムは腹部のカリドゥスで、インフィニットジャスティスはビームキャリーシールドからビームブーメランを取り外して投擲し、戦艦の装甲を破壊!

 

 

「行け!!」

 

「此れで終わりよ!!」

 

 

更にエターナルフリーダムのドラグーンが戦艦のスラスターを破壊し、インフィニットジャスティスから射出されたファトゥム‐01がメインブースターを貫いて戦艦の機能を完全に停止させる。

そして、スラスターとブースターを破壊された戦艦は、エンジンが爆発して木っ端微塵に。――母艦が破壊された以上、これ以上ザクとグフが追加される事は無いだろう。

 

夏姫と楯無が戦艦を落とすのと同時に、一夏達も残ったザクとグフを一掃し、此れにてこの空域での戦闘は終了だ。

 

 

「終わったか……ならばもう此処に用はない。撤収させて貰うぞ。」

 

「待てよ!お前は一体誰なんだ?其れに、俺がお前の兄って如何言う事だよ!!」

 

「ふふ、今はまだ秘密だ夏兄さん――だが、そう遠くない内にまた会う事になるだろう……その時に私が誰であるのかを話す事にするさ。

 取り敢えず、嫁さん二人を大事にな。」

 

 

其れと同時に、自分の役目は終わったとばかりに、謎の援軍はその場を離脱。

一夏としては色々と謎な事を言ってくれた相手と、もう少し話したい所だったのだが、旅館に戻って報告しなくてなならなかった為に追い掛けるのを断念。

 

ともあれ、此れで戦闘終了。

福音を無力化してパイロットを救出し、現れた無人機を一掃した上に夏姫の帰還――謎の援軍こそ逃がしたが、任務の結果は大成功と言えるモノであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:一夏

 

 

旅館に戻って報告するよりも前に、千冬さんが夏姫を抱きしめて無事を確認してたな……まぁ、俺だってそうしたい位だったから気持ちは分かる。

でもって夏姫姉はそのまま精密検査……つっても臨海学校じゃ、出来る事は限られてるけど、其れを行うのは当然だよな……腹と胸を馬鹿コンビに貫かれた訳だからな。

 

んで、報告其の物は楯無さんがやるって事で、俺達は暇を持て余してる訳だ……取り敢えずダラダラしてるのもなんだから、砂浜にやって来た。

 

 

なんてな。

本当は箒が砂浜に行くのを見かけたから其れを追って来たんだけどさ。――よう箒、夜の浜辺で何してるんだ?

 

 

 

「一夏か……いや、少しばかり今日の事を思い返していてな。

 姉さんが来て、専用機を渡されて……福音が暴走して、愚妹と馬鹿が夏姫を殺しかけ、再び福音と戦い……そして、その後の無人機との戦いの最中に夏姫が復活して、あまりの事が一日の間に起こり過ぎた気がしてな。」

 

「確かに……トンだ誕生日になっちまったな?」

 

「そうかも知れんが、生涯忘れられない誕生日になったのも事実だ――尤も、これ程までに刺激的な誕生日は二度と御免だけれどな。」

 

「そりゃそうだ。」

 

バイオレンスな誕生日なんてのはあんまり笑えるもんじゃないからな。

そんじゃあ、その忘れられない誕生日の最後のサプライズだ……箒、誕生日おめでとう。

 

 

 

「一夏、此れは?」

 

「見て分かってくれよ、バースデープレゼントだ。」

 

「そ、そうか……開けてみても良いか?」

 

「あぁ、良いぜ。寧ろ開けてくれ。」

 

「では……此れは、リボンか?」

 

 

 

正解。

6年前の誕生日にプレゼントしたリボンを今でも使ってくれてるのは嬉しいんだけど、流石に6年も使ってたら幾ら大事に使っててもボロくなるのは避けられないからな……実際に、今のお前のリボンは大分色が褪せて来てるからな。

だから、新しいリボンだ――同じ物を探すのに苦労したけど、気に入って貰えたか?

 

 

 

「あぁ、最高のプレゼントだよ一夏……ふふ、リボンが私とお前を繋いでいる絆だったのかもしれないな。」

 

「確かに、その可能性は否定出来ないぜ。」

 

後は此れ。

コンビニのスウィーツになっちまうけど、誕生日には欠かせないケーキだ。――確か、箒は苺のショートケーキが大好きだったよな?

 

 

 

「あぁ、大好物だ。」

 

「良かった。其れと此れは飲み物な。」

 

コンビニのケーキと缶紅茶ってのは今一締まらないかも知れないけど、HappyBirthday箒。

 

 

 

「ありがとう一夏……此れは、本当に生涯忘れらない誕生日になったよ。」

 

「なら、良かったぜ。」

 

んで、その後は何時の間にか鈴も加わって、浜辺で箒のバースデーパーティだ。

夜の楽しみって事で持ち込んだ花火なんかも使って大いに楽しませて貰ったぜ……目まぐるしい一日だったが、最後の最後で箒の誕生日を祝う事が出来てホントに良かったぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:夏姫

 

 

ふぅ……漸く精密検査が終わったか……まぁ、胸と腹を貫かれてる訳だから、復活したとは言え精密検査を行わないなんて言う選択肢は存在していないからね。

尤も、胸と腹に傷跡が残ってる以外は何の問題も無かったのだけれどな。

 

取り敢えず今は温泉に入って、疲れを癒す、其れに限るな。

 

 

 

「夏姫……」

 

「楯無……お前も来たのか。」

 

「えぇ、少し疲れたから温泉に入ろうと思ってね。」

 

「お前も温泉で疲れを癒しに来た口か……まぁ、間違いじゃないな。此処の温泉は疲労回復に効果があるらしいからね。――隣にどうぞ?」

 

「そう?其れじゃあお言葉に甘えて♪」

 

 

 

ふぅ……生き返るな。

楯無、今回の一件は迷惑を掛けてしまったな……一秋と散が予想以上に強くなっていたと言うのは言い訳にもならん――その2人から不覚を取ったアタシのせいで、お前達は……

 

 

 

「其れは気にしちゃダメよ夏姫……仲間のフォローをするのもチームの役目でしょ?……でも、本当に良く生きてくれていたわ夏姫……」

 

「楯無?其れに今更だが、夏姫って……」

 

「ちゃん付けする事も無いかなって。

 其れは兎も角、織斑一秋と篠ノ之散が貴女を貫いた時、死んでしまったと思った……もう、二度と会えないんじゃないかとすら思ったわ。」

 

「楯無……」

 

大丈夫……アタシは死なないよ。……聞こえるだろう、アタシの心臓の音。

 

 

 

「うん……ドキドキ言ってる。

 と言うか、女同士とは言え自分の左胸に耳を押し当てるだなんて大胆ね夏姫?」

 

「其れが一番手っ取り早いからな……其れに、お前ならば大して気恥ずかしくもない――寧ろ、お前とならこうしていたいとすら思ってしまうよ。」

 

「そうなんだ……なら、言っちゃってもいいかな?」

 

「何をだ?」

 

「私、更識楯無は、夏姫の事を愛しています……女同士ではありますが、私とお付き合いして頂けませんか?」

 

「は?」

 

此れは……流石に予想外だったな?

アタシから離れてい姿勢を正したと思ったら……まさか、告白してくるとは夢にも思ってなかったよ――同性にモテるのは今更だが、よもや楯無がアタシに惚れたとは思わなかったわ――此れまでの事は冗談だと思っていたからね。

 

しかしまぁこう来たか……ならば其れには応えなばな。

楯無、ちょとこっちに来てくれるか?

 

 

 

「夏姫?」

 

「良いから。」

 

頭に『?』マークを浮かべながらも楯無は来てくれたか……その楯無を抱きとめて、そのまま唇を奪ってやる。――此れがアタシの答えだ。

何か不足は有るか楯無?

 

 

 

「お、お釣りの発生が無い位に過不足ないわ夏姫……でも、まさか此処まで大胆な答えを貰うとは思ってなかったわよ?」

 

「嫌だったか?」

 

「まさか……とても嬉しかったわ。――不束者ではあるけれど、宜しくね夏姫。」

 

「ふ、此方こそな。」

 

死にかけた事で己の気持ちに気付くなんてのは間抜けな事極まりないが、そのお陰で楯無への思いを自覚する事が出来たのだから、あながち悪い事でも無いのかも知れないな。

 

その後、アタシと楯無は暫く温泉の中で互いに抱きしめ合っていて……その結果見事にのぼせてしまったなウン――何とも締まらない結果になってしまったが、此れは此れでありなのかも知れん。

 

この後、一夏達に楯無と付き合う事になったのを報告したら、思いのほか驚いていなかったな?

其れだけならば兎も角、『何れこうなるんじゃないかって思ってた』って……つまり、アタシと楯無は周囲からそうみられていたという訳か……此れには私だけでなく、楯無も苦笑いを浮かべるしかなかったみたいだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

Side:千冬

 

 

ふぅ……まさかの事態だったが、最終的には何とかなってよかったよ――福音が有人機である事を最後まで隠し通そうとしたアメリカとイスラエルには、国連に『ブリュンヒルデ』での雷名を使って厳罰を課して貰ったから、最早逃げ場はないだろう。

国際的な立場を失うのは間違い無いだろうが、其れもまた身から出た錆、自業自得と言う奴だ……精々、自己保身だけを考えた末の愚行を後悔すると良いさ。

 

 

 

「まぁ、確かにアメリカとイスラエルには海より深く反省して貰わないとだよね。」

 

「束か……何用だ?」

 

「ん?戦勝祝いって所だよ。――たまにはいいでしょちーちゃん?」

 

 

 

酒か……本来ならば断わるべきなのだろうが、アレだけの事があった後だ、戦勝祝いなら確かに良いかも知れんな――してつまみは?

 

 

 

「鮭とば、チーズたら、ビーフジャーキーと一通り揃えてあるよ~~今の束さんは、歩くコンビニなのだ!!」

 

「ふぅ、お前は相変わらずだな……だが、只私を飲みに誘ったのではないのだろう?」

 

「流石はちーちゃん、鋭いね。ちょっと報告と話が有ってね。」

 

「ほう?ならばまずは報告とやらを聞かせて貰おうか?」

 

「回収した福音を解析した結果、外部からの干渉を受けていた痕跡が見つかったんだ。

 で、その痕跡を解析したら、其れはパイロットをISのパーツにしてしまう……VTシステムに近い物だったんだ。――でも、其れは完全にはインストールされていなかった。

 インストール中に機体が拒絶し、パイロットを守る為にその場を離脱したんだよ。」

 

「其処まで調べてしまうお前は流石だな。」

 

しかしそうなると、福音は暴走したのではなく、パイロットを守る為に自立行動していたという事か?

夏姫達を攻撃したのも、全てはパイロットを守る為に、己の脅威となり得る存在を無差別に攻撃していたというのならば一応の説明がつくし、自身に攻撃してこなかったザクとグフには攻撃しなかったのも頷けるからな。

 

「福音の方は分かった。其れで、話と言うのは?」

 

「ねぇちーちゃん、この世界は楽しい?」

 

 

 

楽しいかは兎も角、退屈だけはせん……学園でも色々あるから退屈してる暇もない。――尤も、この世界が歪んでいるのは間違い無いだろうな。

未完成だったISが原因で世は女尊男卑に向かっているのだからね――そして、その一端を担ったのは私だ……私がミサイルの欠片も全て処理していたら、こんな事にはならなかったかもだからな。

 

 

 

「まぁ、其れは確かにね。

 だけどだ、私達に白騎士事件を起こさせた奴は、一体何がしたかったのかな?」

 

「其れは……ISを兵器として広める目的があったんじゃないのか?」

 

「其れは確かにそうかも知れないけど、若しもちーちゃんが全てのミサイルを破壊できなかったその時は、私達に白騎士事件を起こさせた奴は如何する心算だったんだろう?」

 

 

 

如何とは、どういう事だ束?

 

 

 

「考えても見てよちーちゃん、今の日本は技術発展のおかげでアメリカをも抜いて世界一位の経済大国なんだよ――もしも白騎士が全てのミサイルを迎撃出来ずに、1個でも東京や大阪みたいな大都市に直撃したら日本経済は壊滅して、転じて世界経済も混乱に陥ったんじゃないの?

 結果的は白騎士が全てのミサイルを撃ち落として事なきを得たけど……幾ら何でも有り得ない。――白騎士事件は、ISが現行兵器を凌駕する性能を示しはしたけど、その時点まではISは机上の空論だったからね……まぁ、今は其れが認められてるけどさ。

 其れは其れとして、私達に白騎士事件を起こさせた奴は知ってたんだよ――白騎士なら全てのミサイルを破壊できるってね。」

 

「何だと?」

 

「そうじゃないと辻褄が合わないんだよ。

 白騎士なら、ISならばその力で数千発のミサイルを、少なくとも破片は兎も角として日本に着弾する前に空中破壊できる事を知っていないと、あんな事は出来ないんだよ……加えて、学園を襲った無人機の事も考えると、ちーちゃんだって大体予想がつくでしょ?」

 

「其れはまぁ、嫌でもな。」

 

つまりはそう言う事か……ならば、お前の口から直接聞かせてくれるか――私達に白騎士事件を起こさせた奴は、一体何者だ。

 

 

 

「誰かまでは分からないけど、私達に白騎士事件を起こさせた犯人は恐ろしく頭が切れるのは間違い無い――最も分かり易く言うなら、敵は、私じゃない『篠ノ之束』とも言える奴だって事だよ。」

 

「!!」

 

お前ではない『篠ノ之束』か……確かにそう言えるかも知れんな、此れまでの事を考えると。

しかし、お前と同等の頭脳を持った相手が敵か……此れは、少し悪夢かも知れないな――!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

 

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