Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

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変革の第一歩……覚悟は良いか一夏?By夏姫      勿論だぜ!By一夏      なら弩派手に行くわよ!By鈴


Break4『First male manipulator』

Side:夏姫

 

 

まさか一秋の奴がISを起動するとは予想外だったと言うか何と言うか――何よりも驚きなのが、束さんが調整した『対IS用IS』じゃなくて、展示されていたISに偶然触れて起動したと言う事だ。

何だって、一秋はISを起動する事が出来たのか……何か分かりましたか束さん?

 

 

 

「んっとね~~~、端的に言うなら、此れはISが『勘違い』をしたっぽいね。」

 

「「「「勘違い?」」」」

 

 

勘違いって、どう言う事ですか束さん?

 

 

 

「言葉のままだよなっちゃん。アイツが起動したISは勘違いしたんだよ……織斑一秋と、蓮杖一夏を。

 いっ君としては全力で否定したい事実だろうけど、いっ君とアイツは一卵性の双子だから、遺伝子情報は100%一致する訳だよねぇ?――と言う事は、いっ君がストライクに選ばれたように、アイツも展示用のISに選ばれたんだよ。

 但し、同じ遺伝子を持ってた事から、いっ君と誤認してだけどね。」

 

「勘違いされてISを動かすとか、アイツにピッタリって言えばピッタリね。

 確かに平均よりは上の水準の能力を持ってたけど、其れで自分を本物の『天才』だって勘違いしてた一秋にはお似合いの起動理由だわマジ。」

 

「序に言うと、アイツは鈴だけじゃなく、箒にも好かれてたって勘違いしてたからな……」

 

「あ、そう言えば小6の時に『俺と付き合え』って言われた事があったわねそう言えば。まぁ、ジャンピング踵落とし喰らわして撃滅したけどね。」

 

「アイツ、鈴にも言い寄ってたのかよ!……よし、ちょっとクソッタレの事殺してくるわ。」

 

 

 

……気持ちは分かるが落ち着け一夏。

と言うか殺すのは駄目だ――曲がりなりにも、お前に次ぐ2人目のISの男性操縦者なんだ。そんな奴が死んだとなったら、色々面倒な事が起きてしまうだろうからね。

 

だが、一秋が『初の男性操縦者』と報道されているのは間違いだから、其れを正してやるとしようか――本当の『初の男性操縦者』の存在を持ってしてな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break4

『First male manipulator』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一秋がISを動かしたと言うニュースが世界中を飛び交う中で、ISRIも一夏の存在を世間に公開するために準備を進めて、『初の男性操縦者』のニュースが流れて2時間後には緊急記者会見の準備が整っていた。

まぁ、中学卒業年度に発表する予定だったから、準備は出来ていたのだけれどね。

 

会見はISRIの社長兼開発主任である『東雲千鶴』が行う事になってるんだが……こう言っちゃなんだが似合わないな束さん?

 

 

 

「確かにプロフェッサーには似合わないわね……」

 

「まさか、普通の格好してる人に違和感を覚える日が来るとは思わなかったぜ……」

 

「まぁ、束さんはウサミミ+エプロンドレスの『一人不思議の国のアリス』が基本だから、其れが普通のスーツ姿になったら違和感を覚えるわよ。」

 

「皆色々酷くない!?束さんは色々頑張ったんだよ!?」

 

 

 

其れは知ってる。知ってるけど、キッチリとスーツを着こなした束さんは違和感バリバリなんですよ。

加えて、服装だけなら未だしも、頭は黒髪ロングのウィッグをつけてるし、極めつけはアンダーフレームの眼鏡……ハッキリ言って別人28号ですよ束さん。ぶっちゃけアンタ誰ですから。

 

 

 

「別人28号って……まぁ、そう見えるなら成功かな?

 此れから会見を行うのはISRIの社長の『東雲千鶴』であって『篠ノ之束』じゃないからね~~…で、『東雲千鶴』として見た場合には如何かな?」

 

「まぁ、女社長には見えない事は無いですよ?」

 

なんて言うかこう『仕事の出来る才女』って感じはしますからね?

……箒や千冬さんみたいに、勘の良い人なら『篠ノ之束に似てる?』程度は感じるかも知れませんが、『東雲千鶴』をイコール『篠ノ之束』だと思う人は、先ず居ないと思いますよ。

 

それで、一夏の事を発表するんですから、一夏がその場にいるのは当然として、若しかしてアタシとマリアと鈴も同席ですか?

 

 

 

「勿論だよ!

 いっ君の事を発表したら、今度はなっちゃん達の事も紹介して、なっちゃんといっ君とマリちゃんと鈴ちゃんを、ISRIの企業代表として、IS学園に入学させるって事も発表するんだから。」

 

「はぁ!?俺がIS学園に――って、普通に考えれば当然か。

 世界初のIS男性パイロットとなれば何処の国もサンプルを欲しがるだろうし、下手をしたらISRIに襲撃を掛けて来る可能性があるからな……IS学園に入学すればその心配はないし、妙な組織のモルモットにされる事も無いって訳か。

 いや、だけどそうは言っても流石に……」

 

 

 

何だ?IS学園に入学する理由は理解してるし、納得もしてるみたいだが、他に何か問題でもあるのか一夏?

あそこのセキュリティは、まぁ多少大袈裟な物言いであるのは否めないが、アメリカ国防総省(ペンタゴン)の10倍らしいから不安は無いと思うが。

 

 

 

「いや、そうじゃねぇよ夏姫姉!

 IS学園は『今の所』女子校だろ!!それってつまり、俺と一秋以外は女子しか居ないって事だろ!!序に、高確率で『クラスメイトは全員女子』って状態になるのが目に見えてるだろ!?

 好奇の目に晒されるのは火を見るより明らかだし、正直言って俺の精神が持たないって!!」

 

「成程、一理あるな?……ならば鈴に癒して貰え。」

 

「対応が可成り適当!?否、鈴が一緒のクラスに居てくれるなら、可成り精神的には楽になるのは否定しないけどさ!?」

 

 

 

なら問題ないだろう?束さんの力を持ってすれば、お前と鈴を同じクラスにする事は可能だろうからね。

――ただし、アタシ達4人全員を同じクラスにするのだけは止めて下さいよ束さん?流石に一企業の代表全員が同じクラスにと言うのは、不自然でしかありませんから。

 

 

 

「OK、OK、其れ位は束さんだって理解してるから安心して良いよ~~~♪」

 

「ま、安心しなさい一夏。アタシがちゃんとアンタの事を癒してあげるから♪」

 

「鈴……IS学園に入学したらお世話になります。」

 

 

 

って、ごく自然に鈴を抱きしめるな一夏。そして気持ちは分かるが驚かずに喜ぶな鈴。

仲良き事は美しきかなとは言うが、何だって一夏と鈴は、呼吸をするように自然な流れでイチャ付くのか……いや、本人達にイチャ付いてる自覚が無いのが最大の問題なんだが……まぁ、今更見慣れた光景だから突っ込むだけ野暮か。

 

一夏にとって鈴の存在が癒しになるのは間違いないだろうからな――が、其れは其れとして、一夏と鈴が同じクラスになるのは束さんと言う存在のせいで確定してる訳だが、鈴には一夏の癒し以外の役目があるな。

いや、無論アタシとマリアにも課せられる役目ではあるんだが、同じクラスになるなら鈴がその役目の重きを持つ事になるからね。

 

 

 

「癒し以外のアタシの役目って?」

 

「一夏は世界初の男性操縦者だ。

 IS学園に入学すれば、日本を含めたあらゆる国からの干渉を受けなくなるが、だからと言ってこんな貴重なサンプルを各国が野放しにしておく筈がないだろう?

 一夏の専用機であるブレードストライクのデータを盗もうとする奴や、最悪の場合はハニートラップで一夏を引っ掻けようとする奴が出て来るかも知れないだろう?国からの命令でな。」

 

「確かにその可能性は否定できないわね……ってか一夏にハニトラ……そんな奴が現れたら問答無用で滅殺よね?」

 

 

 

……気持ちは分かるが、滅殺したら国際問題になるから、精々ストライクのワイヤーで拘束する程度にしておいてくれ。拘束した上で学園に突き出せば、然るべき処置がとられるだろうし、その処置によっては二度と他国が同じ事はしてこなくなるだろうからな。

本音を言わせて貰うなら、そう言った連中は、一秋の上辺の優秀さに惹かれてそっちに流れてくれ何だが、早々思い通りにはならないのが世の中だから、一応の対策としてな。

 

さて、其れじゃあそろそろ行くとしようか?――真の『初のIS男性パイロット』のお披露目にね。

 

 

そう言えば、この放送って千冬さんや、バカ秋が見てる可能性もあるんだが……まぁ、その辺は後で何とか出来るから、今は如何でも良いか。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

No Side

 

 

織斑一秋がISを起動してからおよそ2時間後、都内のホテルの大ホールは報道陣で賑わっていた。

何故なら、織斑一秋が『世界初の男性IS操縦者』と報道される中、近年業績が鰻上りの新鋭のIS関連企業である『ISラビットインダストリー』が、其の報道に『否』を叩きつけて緊急会見を開いたからだ。

 

『初の男性操縦者』を否定すると言う事は、ISRIは織斑一秋以前に男性操縦者を見つけていた事になる――其れがマスコミの報道熱に火を点け、大ホールを埋め尽くす事態となっていたのだ。

 

実際にこの大ホールの様相は異様と言うか凄まじいの一言に尽きる。

各局のカメラがスタンバイしてるのは当然で、有名新聞の記者達が腕章を下げてマイクとボイスレコーダーを手にして専属カメラマンがカメラを構えて、週刊誌の記者達が獲物を狙うハイエナの如き雰囲気で、ISRIの記者会見が始まるのを待っていたのだ。

 

――そして、報道陣が大ホールを埋め尽くしてから5分後に、其れは始まった。

突如ホールの照明が落ちたかと思ったら、今度はステージのみに照明が照らされ、照らされた舞台に、カチッとスーツを着込んだ黒髪の眼鏡の女性が現れ、其れに続くように、長い茶髪を後ろで一本に纏めて眼鏡を掛けた少女、アッシュブロンドの髪をカチューシャと縦ロールで纏めた少女、ツインテールと八重歯が特徴的な少女――そして、眉間に入った大きな傷跡が特徴的な少年。

ISRIの社長である東雲千鶴、ISRIのIS操縦者である蓮杖夏姫、マリア・C・レイン、凰鈴音、そして蓮杖一夏が舞台に上がったのだ――その瞬間に報道陣のフラッシュが眩しい位に炸裂する。

世界的なスクープを最もインパクトのある形でと言うのは、各社共通の思惑であるようだ。

 

 

「では、此れよりISRIの記者会見を始めます。」

 

 

そんな思惑を消すかのように、千鶴が記者会見の開始を宣言し、同時にマスコミ連中も、千鶴の方に集中する――この記者会見は、一文字たりとも聞き逃す事は出来ないのだから当然だが。

 

 

「まず最初に、世界初の男性のIS操縦者として、織斑一秋君が報道されているみたいですが、其れは間違いであると正させて頂きます。

 本当の世界初の男性操縦者は、我が社の一員である『蓮杖一夏』君です――彼は、2年前に我が社のテスト用のISを起動しましたので。」

 

 

そうして始まった記者会見で、千鶴は行き成り最大級の爆弾を投下してくれた。

2時間前に報道された『初の男性操縦者』現ると言う世界的大ニュースを間違いだと一刀両断し、本当の世界初の男性操縦者は、己の隣に立つ少年であり、2年も前にISを起動していたと言う大爆弾をだ。

 

当然この発表に会場は騒然となり、集まった記者やら報道陣から次々と質問が投げかけられるが、その大半は『何故、その事実を2年間も公表しなかったのか』と言うモノだった。

会場に集まった大半の人物がそう思うのは当然だろう。

男性がISを起動したとなれば、其れは世界的なニュースであるし、現在の世界に対する楔になり得る事であり、そんな希少な存在を有しているとなればISRIの企業価値が右肩上がりになるのは間違いない――なのに、何故2年間も隠して来たのか、気にするなと言うのが無理だ。

 

 

「皆さんの疑問も御尤もですが、だからこそです。

 2年前の段階で発表すれば、確かに我が社の企業価値は鰻上りとなり、他社との競争でも有利になったでしょう。

 ですが、それ以上にリスクも大きい――特にISを女性だけの物と考え、それ故にISを起動できる女性は優秀種と考え、起動出来ない男性を劣等種と考える女尊男卑の連中は最大のリスクです。

 そして、そんな連中が集まった女性権利団体がこの事実を知れば彼に対して何をしてくるか……最悪の場合、我が社諸共彼の事を消そうとしたかも知れない――なので、発表する事を控え、高校進学の際に発表する事にしたのです。」

 

「高校進学の際にと言うのは、何故でしょうか?」

 

「其れは……彼、蓮杖一夏君と、その双子の姉である蓮杖夏姫さん、そして我が社の専属パイロットである凰鈴音さん、マリア・C・レインさんを、我がISRIの企業代表としてIS学園に入学させる予定だからです。」

 

 

その理由を話す千鶴だが、このタイミングでの発表は何故かと言う質問に対し、またも爆弾を投下!

世界初の男性操縦者のみならず、その双子の姉と、ISRIの専属パイロット2人の計4人をIS学園に入学させると言うのだから。

 

だが、此の発表に多くの報道陣や記者は、このタイミングでの発表に納得していた。

彼等とて、伊達や酔狂でこの仕事をしている訳でなく、こう言う記者会見に於いては、少ない言葉から会見者の意図を正確に汲み取る力が無くては一流とは言えない。

故に、理解したのだ――IS学園に入学させるのならば、初の男性操縦者の存在を公表しても問題は無いのだと。

 

IS学園は『世界立』とも言える学園だが、同時に究極の『治外法権』であり、世界各国の法が適用されず、IS学園の学園規則が、そのまま学園が存在している孤島の法律であると言える場所だ。

其処に在籍している生徒に外部から危害を加える事は、極論ではあるが世界を敵に回すに等しい行為であり、其処に入学させてしまえば『男性排斥』を掲げる女性権利団体でも手が出せないのだ。

だから、2年間――件の少年が高校に進学するまで待っていたのだと理解したのである。

 

其れを理解した報道陣は自局のカメラに向かって熱っぽく語り、記者は記事にする為にメモにペンを走らせたり、タブレットに情報を入力したり忙しそうだ。

 

 

「其れでは蓮杖一夏君、初の男性操縦者と言う事だけど、ISパイロットとしての意気込みなんかを聞かせてくれるかな?」

 

 

そんな中で、ある記者が一夏に対してコメントを求める。

初の男性操縦者の言葉がもらえれば、其れは記事の目玉となるので、当然の事だが、コメントを求められた一夏は一瞬思案するような顔をするものの、直ぐに真っ直ぐに前を向き――

 

 

「意気込みって言うか、俺は俺のすべき事をするだけです。

 コイツは、ストライクは俺を選んでくれた。なら俺は、俺の事を選んでくれたストライクの思いに応えたい――只、其れだけです。」

 

 

力強くそう言い放ち、右腕に装着されたブレスレット――待機状態のブレードストライクを報道陣や記者に見せつけるようにポーズをとる。

と同時に、夏姫が一夏の右肩に左腕を乗せ、右手を腰に当てた姿でポーズを取り、鈴が一夏の左腕に抱きつき、満面の笑みでピースサインをし、マリアは一夏の足元に腰を下ろして、報道陣に向かって投げキッスのポーズ。

 

そして次の瞬間、凄まじいまでのフラッシュが炸裂!

スカーフェイスの美少年を、3人の美少女が取り囲むと言うのはとても絵になる光景だったらしく、これでもかと言う位にシャッターが切られ、報道陣は、自局のカメラにこの光景をエキサイト気味に伝えている。

 

取り敢えずこの写真が明日の朝刊の一面及び、週刊誌の表紙を飾るのは間違いないだろう。

 

其れから暫し、ISRIの企業代表4人の撮影会が行われた後に、記者会見は終了となったのだが……

 

 

「男がISを起動するなんて生意気な……死ね!!」

 

 

会見が終わり、全員が撤収作業を進めていた時に其れは起きた。

報道陣や記者に紛れていた女尊男卑の女が、ナイフを構えて一夏に突進して来たのだ――ISを起動した一夏の事を亡き者にしようとして、この場に会見の途中から紛れていたのだろう。

 

今まで息を潜め、会見が終わる一瞬の隙を突いて来たと言う所だろう。

その選択其の物は悪くない。僅かな隙を突くのは基本なのだから――だがしかし、今回は相手が悪かった。

 

 

「やらせると思うか?」

 

「やっぱり、紛れ込んでたか……夏姫姉の予想通りだな。」

 

「てか、ナイフで突貫とかアンタ馬鹿?やるなら狙撃ライフルで狙えってのよ――まぁ、其れでも一夏はやらせないけどね。」

 

「愚の骨頂とは、この事ね。」

 

 

夏姫と一夏と鈴とマリアは、己の専用機を部分展開し、専用のビームライフルで女の四肢を撃ち抜いたのだから。

実弾よりも貫通力があり、攻撃範囲も広いビームに四肢を撃ち抜かれてしまってはどうしようもないだろう――特に夏姫とマリアの一撃は、神経を切っていたのだから。

 

 

「予想はしていたが、まさか本当に現れるとは呆れてモノが言えん。

 だが、貴様はアタシの弟に手を出した……その事実は万死に値する――覚悟は良いな?」

 

「本当よね?……アタシの一夏を殺そうとするなんて良い度胸してるじゃない?

 ……アンタ、一夏を殺しに来たんだから、殺される覚悟は当然してるわよね?だったら覚悟を決めなさい――地獄に叩き落してやるから!!!」

 

 

その女に向かって夏姫と鈴は事実上の死刑宣告を下す。

夏姫にとって、一夏は大切な弟であり、鈴にとっての一夏は世界で最も大切な人なのだ――故に其れを殺そうとした馬鹿に対しての慈悲はない!

 

この女尊男卑の女性は、夏姫と鈴にフルボッコにされた挙げ句にお縄となったのだった。

序に、この馬鹿を夏姫がジャーマンスープレックスで抱え上げた所に、鈴がブルース・リーも真っ青の見事な飛び蹴りをかまして、その勢いを利用して夏姫がジャーマンスープレックスを決めた連携技は、『アタシごと蹴り倒せ』の名で世間に知られる事になるのだった。

 

何にしても、トラブルはあったモノの、一夏の存在を世に知らしめることは成功したと言えるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:一秋

 

 

試験会場に展示されてたISに触れて起動したのは予想外だったけど、それ以上に予想外だったのは、テレビの映像だ!

俺よりも先にISを動かした男が居たってのには驚いたけど、アイツは……2年前に死んだ筈の一夏じゃないか!!――其れに、一夏の双子の姉として紹介されたのは夏姫……一夏の姉貴分だった奴だ。

加えて鈴も!――俺の誘いを断って、脳天に踵落としを喰らわせてくれた奴もいるとは予想外だったぜ。

 

だが、此れはある意味で良い機会かもな?

アイツ等はIS学園に入学するって言ってたが、俺もIS学園への入学が決まってるからな――其処で、お前を叩きのめしてやるよ一夏!!

凡人のお前が、天才の俺に勝つ事は出来ないって、其の身に分からせてやる!!

 

そして鈴、お前も俺の物にしてやるぞ今度こそ!!

お前は、あの出来損ないには勿体ないからな?……お前は俺にこそ相応しいんだ、其れを教えてやるよ――!!

 

精々頑張ってくれよ一夏?俺の為の踏み台としてな!

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:千冬

 

 

一秋がISを起動したのには驚いたが、それ以上に驚いたのは、其れから2時間後に開かれたISRIの記者会見だ。

ISRIは2年前に男性操縦者を発見したと言っていたが、その男性操縦者を見て、私は言葉を失った――髪が茶色になり、眉間の傷が大きく印象を変えるが、初の男性操縦者と発表された『蓮杖一夏』は、一夏で間違いない!

それどころか、蓮杖一夏の双子の姉である蓮杖夏姫……アイツは夏姫其の物だし、凰は一度だけ会った事のある一夏の友人だった筈だ……マリアに関しては分からんが――ミューゼル先生、貴女は一夏が生きていると言う事を知っていたな?

貴女はIS学園の教師であると同時にISRIの社員だったのだから――如何して、もっと早く教えてくれなかったんだ!!

 

 

 

「貴女から彼の情報が漏れるのを防ぐためよ。

 ――其れに、私の口から伝えるよりも、貴女が直接一夏君に問い、一夏君が其れに応える方が良いと思ったからね。……だけど此れだけは言っておくわ千冬。

 貴女が一夏君を愛していたように、一夏君もまた貴女を愛していたわ……互いに通じる事は無かったけど、貴女と一夏君の間には確かな姉弟愛が存在していた、其れは間違いないわ。

 でも、私が言えるのは此処まで――後は直接彼から話を聞く事をお勧めするわ。

 そちらの方が、如何して彼が貴女の元に戻らなかったのか、その理由も分かり易いでしょうからね。」

 

「ならば、ISRIの企業代表が入学試験に来た日に聞いてみるか……何故私の元からいなくなってしまったのかをな。」

 

――良いアドバイスをくれた事に礼を言おうミューゼル先生。

そして、礼と言う訳では無いが、今夜一杯如何だ?美味い焼き鳥の店を知ってるんだ……良かったら、如何だろうか?放し飼いの地鶏を天然の荒塩のみで味付けした焼き鳥は絶品だし、其処で提供してる酒もまた一級品だぞ?

 

 

 

「あら、其れは魅力的ね?有り難く御呼ばれするわ千冬♪」

 

「ふ、貴女も中々の飲んべえだなミューゼル先生。」

 

「固いわね?私の事はスコールで良いわよ。」

 

 

 

そうか?ならばそう呼ばせて貰うとしよう。

何にしても、ISRIの連中が入学試験を受ける時が勝負か……お前は何故私の元から去ってしまったんだ一夏……せめて、其れだけでも知りたい所だな――

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:夏姫

 

 

一夏の存在を世に知らしめてから2カ月弱が経過し、いよいよIS学園に入学する為の試験の日か――とは言っても、束さんが居る時点で、ペーパーテストは満点確実だ。

ISの生みの親から直接勉強を教えて貰ったらIS関連の事はパーフェクトだからな。

実技の方だってアタシ達なら楽に突破できるんじゃないかって思うわ――アタシ達の専用機が『対IS用IS』である事を考えればね。

 

 

 

「もっちろん、なっちゃん達なら実技も無問題で突破だよ!」

 

「うわ!相変わらずぶっ飛んだ登場ですね束さん……」

 

「褒め言葉と受け取っとくよなっちゃん!」

 

「褒めてないがな。」

 

んで、何の用ですか?

 

 

 

「フッフッフ……なっちゃん達には入学試験の実技試験をセーブモードで行って欲しいんだよ。

 能力を大きく制限された機体でも、実技試験を突破すれば、誰も文句のつけようが無いからね♪」

 

「成程、そう言う事ですか。」

 

なら、セーブモードの中でやりたいようにやらせて貰います――アタシはアタシの為すべき事を確りと成すだけだからな。

 

 

だが、アタシも束さんも予想してなかった――まさかアタシの実技の試験官が現役のIS操縦者の彼女だなんて言う事はな。

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:???

 

 

うふふふ、今年の入学希望者は例年になく多いわね?

これもISRIが連城一夏君を初の男性操縦者として発表した事が大きいのでしょうけど、それ以前に私が興味を持ったのが、ワイドショーで一夏君の肩に腕を置いた、姉の蓮杖夏姫ちゃんだわ。

 

あの子は、あの4人の中でも多分一番強いわ――女尊男卑の襲撃者が現れた時、ISの部分展開は彼女が一番早かったし、射撃も最も的確な場所を撃ち抜いていたからね。

 

あの子の事が知りたいわ……調べるとかじゃなくて、直に戦って。

 

決めた!夏姫ちゃんの実技の試験官は私がやらせて貰うわ!!――異論は認めないわ。

織斑先生が何か言ってきても、生徒会長権限で潰すからね!!

 

 

 

「お嬢様、無茶苦茶です。」

 

「あら、少しくらい無茶苦茶な方が女の子には刺激になるのよ?」

 

「知りません!!」

 

 

 

あらら、此れは少しからかいすぎたかな~~……まぁ、虚ちゃんがからかいがいのある性格をしてるとも言えるけどね。

 

 

だけど、其れは其れとして入学の実技試験を楽しみにしてるわよ蓮杖夏姫ちゃん♪――貴女の力は、世界を変えるかも知れないからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 




キャラクター設定

・織斑千冬

一夏と一秋の実姉で、ISの国際大会『モンド・グロッソ』を2連覇した、名実ともに世界最強のIS乗り。
幼い頃に両親が蒸発した事で、自分が弟達を守らなければならないと言う思いに捕らわれ、バイトやら何やらをしていたが、それが逆に一夏との距離を離す結果になってしまった。
行方不明になっていた夏姫と一夏と、IS学園の入試試験会場で再会し、其処で一夏が自分の元から去った理由を聞き、ショックを受けるも、今の環境が一夏の幸せであるのならばと、一夏の事を夏姫と鈴に託した。
基本的には厳しいが、生徒の疑問やら何やらには、真摯に向き合って共に答えを考えてくれる、良い先生でもある。
スコール・ミューゼルとは、本音を語り合える飲み友達だったりする。


・スコール・ミューゼル

亡国機業の実働部隊『モノクローム・アバター』を率いる女性幹部。
長身で美しい金髪とモデル並みのプロポーションを持った、セレブ然とした抜群の美貌を誇る。
白騎士事件の黒幕を探っていた際に、行方不明とされていた束から接触され、目的が同じ事を知って協力関係を取る事を決める。(此れはスコールの独断であり、本部へは事後報告。)
実働部隊を率いているのでISパイロットとしての腕前は相当に高いが、其れのみならず頭脳も明晰で、交渉事を有利に進めるのが得意。
身体の一部が機械化されており、その為ISを装備していない状態であっても、高い戦闘能力を有している。
数年前に教員免許を取得しており、ISが世界に登場した後に設立された『IS』学園の教師を務めてたりする。
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