Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

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何だかんだで50話だBy夏姫      でも、これで区切りじゃないぜ!By一夏


Break50『夏休み~フランス旅行も良いでしょう~』

Side:一夏

 

 

夏休みも本番とも言える8月に突入だぜ。

8月ってのは此れまで以上に海もレジャー施設も盛り上がるし、篠ノ之神社以外の夏祭りなんかも行われるから、夏休みの思い出を作るには絶好なんだよな。

 

 

 

「一夏、一緒にフランス旅行に行こう。」

 

 

 

と思ってた所で夏姫姉からの行き成りの爆弾投下。

あのなぁ夏姫姉、なんでいきなりフランス旅行なんだよ?幾ら何でも唐突過ぎねぇか?いや、旅行が嫌って訳じゃないけどさ。

 

 

 

「商店街の福引で特賞の『フランス旅行ペアチケット』を当ててしまってな……誰を誘おうかと悩んだ結果お前を選んだんだが、何か問題でも有ったか?

 もしそうなら、他の誰にするが?」

 

「いや、問題はねぇけどさ、なんで俺なんだよ?

 其れこそ、楯無さんを誘えば良いじゃないか?夏姫姉と楯無さんは恋人同士なんだからさ。」

 

「勿論それも考えたんだが、楯無とは何処かでデートをする事にしているから、この旅行に誘うのは如何かと思ってな……と言うか、一緒に旅行に行ったら、初デートのドキドキ感が味わえないと思ってね。」

 

 

 

其れで俺ってか?

 

 

 

「其れだけじゃなく、偶にはお前と姉弟水入らずでと言うのも良いかと思ってな。――お前と姉弟になって3年が経つが、その間に1度たりとも2人だけで何処かに行くと言う事は無かっただろう?

 姉弟での2人旅と言うのも良いんじゃないかと思ったんだ……ダメか?」

 

「いや、そう言う事なら問題ねぇよ。」

 

言われてみれば俺と夏姫姉は姉弟なのに、姉弟らしい事した事ってあんまりなかったかも知れないな?――そう言う意味では、このフランス旅行は良い機会かもな。

夏姫姉との姉弟の絆が、この旅行で深まったら、其れは確かに嬉しい事だしな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break50

『夏休み~フランス旅行も良いでしょう~』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

其れから3日後、俺と夏姫姉はフランスに到着だぜ!!

飛行機に乗ったのは2回目だったけど、今回は前回とは違ったな――まぁ、前の時はドイツに着くまでの間、一秋の野郎と一緒だったから、嫌な気分しかなかったからかもだけどさ。

だけど、今回は夏姫姉と一緒だったから結構楽しめたぜ?

羽田が曇ってたお陰で飛行機が雲の上に出たら、眼下に雲を拝むって貴重な体験も出来たし、夏姫姉と話すのは楽しかったからな……まぁ、改めて夏姫姉の雑学知識の広さに感服しちまったけどよ。

 

 

 

「まぁ、雑学知識を蓄えるのはアタシの趣味でもあるからね。

 取り敢えず、ホテルにチェックインするぞ一夏。」

 

「あぁ、そうだな。」

 

んで、ホテルのチェックインなんだけど、マッタク持ってスムーズに進んだな?

ってか、夏姫姉フランス語も普通に話せるとか凄すぎだろ!!英語にドイツ語、イタリア語にスペイン語、中国語に韓国語、ロシア語にフランス語って……一体どンだけの言語話せるんだ夏姫姉は?

 

 

 

「知らん。だが、主要な外国語は大概話せると思うぞ?」

 

「俺の姉はチートキャラでした。」

 

そう言えば夏姫姉って、学園でも日本語が苦手な外国からの生徒とはその人の自国語で話してたっけ?

今更だけど、夏姫姉の頭脳って束さんに匹敵するんじゃねぇか?ストライクをフリーダムに改造して、ブリッツをゴールドフレーム天に改造するとか普通は絶対に出来る事じゃないしな。

ま、あんまり気にする事でもないか。何か害がある訳じゃないしな。

 

さてと、俺達が泊まる部屋は……って、最上階のスウィート!?商店街の福引の賞品にしては奮発し過ぎじゃねぇか!?

 

 

 

「商工会の会長さんも随分と奮発したらしい。

 聞いた話だと、特賞は予算の関係で2つしか入れてない上に、3等以下の玉がもっさり入っているから、特賞が当たる確率は1%未満なんだそうだ……其れを1枚の福引券で当てた強運は自分でも凄いと思う。」

 

「夏姫姉、その強運生かしてギャンブラーかデュエリストになったら如何だ?」

 

「デュエリストは兎も角ギャンブラーは駄目だな。

 この手の謎力は、其れで金儲けとかしようとすると失われるって言うしね。」

 

「あぁ、其れじゃあ駄目だな。」

 

にしても、スゲェ部屋だな此れ?

テラスからパリの街が一望できるだけじゃなく、調度品から何からが全部超一流だってのが俺にも分かるぜ……ソファーのフカフカ具合とかマジでハンパねぇからな。

だがしかしだ、夏姫姉……何だってベッドがシングル2つじゃなくてダブルなんだよ!しかも、セミダブル!!

 

 

 

「ペアチケットだったからかもな。

 ペアチケットとなると、大抵の場合は恋人同士や夫婦って事になるだろうから、ベッドは一緒にって事だったのかもしれん――まかり間違ってもソファーで寝るとか言うなよ?

 セミダブルは1人で使うには大きすぎるからな。――大体にして、姉弟で恥ずかしがる事もないだろう?修学旅行も同じ部屋だったんだしね。」

 

「そういえばそうだったな。」

 

修学旅行の時も、部屋の大きさの関係で布団はくっついてたから、状況としてはセミダブルのベッドと大差なかったよな……って事で納得する俺も大概だと思うけどさ。

夏姫姉はガキの頃から姉貴分的な存在だったから、姉弟になってからもあんまり違和感なかったからな――ぶっちゃけて言うと、千冬姉以上に姉って感じがするからな、夏姫姉は。

或いは、双子の兄が酷過ぎたせいで、『双子の姉』がよりよく見えるのかもしれないけどな。

 

 

 

「一夏、如何かしたか?アタシの事をじっと見て……」

 

「いや……改めて俺の姉貴は最高だって思っただけだ。」

 

「最高?違うな、『極上』だろ?」

 

「ハハ、違いない。」

 

其れを口に出来るのは流石夏姫姉だと思うけどさ。

そんじゃまぁ、フランス旅行を楽しむとしようぜ!!――そう言えば、フランスと言えば何かあった気がするんだが、何だったっけか?……まぁ、重要な事ならどっかで思い出すだろうから、今は気にしないでおくか。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:夏姫

 

 

花の都パリ、先ずは観光からだな。

観光と言っても写真を撮ったりするから、ファッションは可成り選んだな――アタシはトップスは胸部分を覆うレオタードタイプの赤のインナーに半袖タイプの黒いジージャンを羽織って、ボトムスは白いデニムのホットパンツに膝下までの黒のロングブーツ、そして白のオーバーニーソックス。

一夏はチノパンに黒の半袖シャツの上に、袖なしのベージュのジージャンで靴は本革のスニーカーってコーディネート。

そして、姉弟でお揃いのシルバーチェーンのドックタグだな。

 

ふふ、結構注目されてるみたいだね?

観光客が増えた今でも、矢張りヨーロッパ人にとって日本人が居ると言うのは珍しいのか?――或は、姉弟だけでと言うのが珍しいのかもしれないわね。

 

 

 

「其れはそうかも知れないけど、注目のされてるのは俺よりも夏姫姉だから。

 もっと言うなら、夏姫姉の格好のせいだから!!ぶっちゃけて言うと、夏姫姉のその格好は全裸よりもある意味でエロいんだよ!!

 ボディラインがバッチリ見えるのは当然として、そのへそピアスがこの上ない色気を醸し出してると言いますか……兎に角野郎共の視線を集めて仕方ねぇんだよ!」

 

「いや、お前も中々注目を集めているぞ一夏よ。

 と言うか、注目度ならお前の方が上だぞ?――何と言っても世界初にして、現状では世界唯一のIS男性操縦者だからな。……まぁ、そんなのを抜きにして一部の女共はお前にクギ付けのようだけれどね。」

 

「嬉しくねぇって……つーか、俺には鈴と箒が居るから。」

 

 

 

そう言いきれるお前は立派だよ一夏。

まぁ、一緒に居ればナンパや逆ナンパをされる事も無いだろうし、ナンパや逆ナンパをして来た奴が居たらその時は、返り討ちにしてフルボッコにすればいいだけの事だ。

そうすれば、馬鹿な事をしてくる奴はいなくなるだろうからな。

 

 

 

「全面的に賛成だぜ夏姫姉。口で断って止める奴なら兎も角、そうじゃない奴は殴って分からせるしかねぇモンな。」

 

「そう言う事だ。

 さてと一夏、何処から見て行こうか?パリは名所が多いから少し迷ってしまうよな?」

 

「エッフェル塔に凱旋門、大聖堂にも行ってみたいし……まぁ、此処は適当にぶらつきながらって感じで良いんじゃねぇかな?

 何処からって決めるよりも、そうして回った方が多分楽しいだろうと思うしさ。」

 

 

 

其れもそうだな。なら早速――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「蓮杖さん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と思った所で誰かに声を掛けられた。

聞き覚えのある声だが……何か用か?

 

 

 

「やっぱり蓮杖さんと蓮杖君だった!!」

 

「お前、デュノアか!!」

 

「あーーー!そうだ、フランスには何かあったと思ってたんだけど、お前だったんだ!!

 そうだそうだ、お前が居たっけか……ぶっちゃけ、今の今まで完全にお前の事忘れてたぜ。」

 

 

 

……お前、其れは如何かと思うぞ一夏?

褒められた事ではないがデュノアはお前のストライクのデータを盗もうとしていたんだ……自分に上等働こうとした相手の名前位は覚えておいてやれよ。――そうじゃないとデュノアが哀れで仕方ないだろう。

 

 

 

「あ、あはは……相変わらず容赦がないね2人とも。

 でも、今の僕はもう『デュノア』じゃない――『シャルロット・ブリーズ』。其れが僕の今の名前なんだ。フランスに帰国後、僕のお母さんのお姉さんの養子って言う形で新たな戸籍を得て、ブリーズ姓になったんだ。」

 

「そうだったのか……ふむ、充実した日々を送ってるようだなブリーズ?」

 

「うん、とっても充実してるよ。

 伯母さんと伯父さんは優しくしてくれるし、僕自身新フランスの国家代表になったからね。」

 

「へ、お前国家代表なの?」

 

 

 

如何やら充実しているようだが、国家代表とは一夏も驚くのは無理ないな――スパイだった頃は代表候補生だったのだからね。

まぁ、コイツのIS操縦者としての腕前は『競技者レベル』で見れば大したモノだったから、新フランスとしてもその才能を腐らせるのは惜しいと思ったという所か。

しかし、国家代表と言う事は、また学園に来るのか?

 

 

 

「一応2学期から編入って事になってるんだけど、専用機が準備中だから若しかしたら少しずれこむかも。

 だけど、新政府が樹立されて、改めて第3世代の開発が始まったから専用機は前とは全く別の物になると思う。

 まぁ、其れは良いとしてフランスが第3世代の開発に遅れを取ってた原因ってのが旧フランス政府の連中が、開発費を着服して私腹を肥やしてたからだってのは笑えないよね。

 しかも、そのツケを払わせる形で僕にスパイをやらせたって言うんだから怒りを通り越して呆れちゃうよ。」

 

「そんな裏事情があったとは……確かに、怒りを通り越して呆れてしまうな。」

 

「自分達が馬鹿やった尻拭いでお前にスパイをやらせたとか、マジでふざけてるな……秋姉がデュノア社ぶっ潰したのは正解だったぜ。」

 

「結果論だけど、僕もあの時バレて良かったって思ってる。

 あそこでバレなかったら、僕は一生あの人達の奴隷として過ごしていたかもしれないからね……ねぇ、僕がまたIS学園の生徒になったら、その時は僕と友達になってくれるかな?」

 

 

 

大分いい顔をするようになったじゃないか?

だが、お前と友達になるかどうかはアタシ達が決める事であって、お前の望みを叶えてやる気はサラサラない――だから、アタシ達にお前と友達になっても良いって思わせてみろ。

 

 

 

「俺がお前と友達になるかどうかはお前次第だブリーズ。俺は、馴れ合う気はないからな。」

 

「ふふ、姉弟そろって硬派なんだね。

 だけど、僕がやった事を考えれば『友達になって下さい』なんて言うのは烏滸がましい事だから、先ずは君達の信頼を得られるように頑張ってみるよ。」

 

 

 

ふ、そう来なくてはな。

スパイをやっていた頃のお前だったら、逆ギレに近い反応をしていただろうが、冷静な判断の元に対処して見せるとは精神的にも成長したらしいな……お前、今の方が感じ良いよ。

お前と会うなんて事は予想してなかったが、息災なようで安心した――若しかして、謎の組織に拉致されて改造人間にされてるんじゃないかって思ってたからね。

 

 

 

「改造人間ってーと……変身!!」

 

「俺は怒りの王子。RXバイオライダー!って、違うから!!」

 

「意外とノリが良いなブリーズ。」

 

「実は日本の特撮結構好きなんだ。

 中でも仮面ライダーブラックと、ブラックRXは傑作だと思うんだ……主人公の『南光太郎』のイケメンっぷりがまたね――じゃなくて!

 そう言えば、僕が帰国してから学園では何かあった?」

 

 

 

何かあったかと言えばあったな?

一秋と散の馬鹿が、アタシを殺しかけて、その挙げ句に学園の地下房に永久幽閉になった……序に、一秋は千冬さんから、散は束さんが絶縁を言い渡されて、完全に後ろ盾を失った上に二度とISに乗る事は出来なくなったよ。

 

 

 

「さ、サラッと言ってくれたけど其れってとんでもない事だよね?……アレ、でも其れって僕は初めて聞いたんだけど?」

 

「だろうな。日本政府が国外への不祥事になる事を恐れて表面上は隠蔽したらしいからな……尤も、ネット環境が発達した今では完全な隠蔽なんて言うのは不可能だから、ネットを粗捜しすれば何処かで情報が引っ掛かるだろうけどね。」

 

「其れは言えてるかもね。」

 

 

 

実際に癒子が一秋と散の凶行の一部始終をネットの掲示板に書き込んだら、其れが方々に拡散して、最早国家権力を総動員しても拡散を止める事は出来なくなっているからね。

掲示板のアドレスを教えてやるから暇があったら見てみると良い……あの馬鹿共がドレだけ人間としてクズだったかが良く分かる。

アイツ等と比べれば、デュノア社の社長と社長夫人の方がずっとマシに思える位だ。

 

 

 

「うわ……其れを聞いただけでドレだけ酷いのかよく分かった気がする。」

 

「酷いを通り越して最悪だあんなのは。……やっぱり一発打ん殴っとくべきだったかもな。

 夏姫姉を殺そうとしたってのは、今思い出してもはらわたが煮えくり返る思いだからな……おし、日本に戻ったら学園に行って打ん殴っとこう。」

 

「いや、止めておけって。

 あんな奴等を殴ったら、殴ったお前の手が腐ってしまうぞ?」

 

「うげ、其れは嫌だなぁ……」

 

「あはは、何て言うか2人とも相変わらずだね。」

 

 

まぁ、此れがアタシ達だからね。

その後、ブリーズと適当な会話をした後に別れて観光を再開しエッフェル塔の写真を撮ろうと思ったんだが……

 

 

 

「お兄ちゃんとお姉ちゃん、旅行の人?」

 

 

 

エッフェル塔前の広場で声を掛けて来た女の子に、アタシも一夏も言葉を失ったな――だって、其の子の容姿は子供の頃の千冬さんにそっくりだったんだからね。

他人の空似で済ます事も出来るが、其れにしては似すぎている……此の子は一体何者なんだ……?

 

 

 

「私の顔に何かついてる?」

 

「いや、君があまりにもかの有名な織斑千冬に似ているから驚いてしまってね。」

 

「似てるどころか、姉妹だって言われたら信じちまうって。」

 

「あ、其れよく言われるんだ。 実は織斑千冬の生き別れの姉妹なんじゃないかとかね。

 挙げ句の果てには『ミニ千冬』だの『ブリュンヒルデ・プチ』なんて呼ばれ方までされちゃうから、ちょっと困っちゃうよ。」

 

 

 

其れはまた何とも。

所で君は1人なのか?お父さんやお母さんは一緒じゃないの?迷子って感じでもなさそうだけど……

 

 

 

「あぁ、私この辺に住んでるの。

 丁度新政府が出来た頃に、日本から移住して来たんだ。」

 

「この辺に住んでるのか。なら、1人で歩いててもオカシクはないよな。」

 

「そう言う事♪所で、お姉さん達ってカップル?」

 

「いや、姉弟だよ。双子なんだ。」

 

「おぉっと、似てないってのは無しだぜ?俺と夏姫姉は二卵性だから似てないのは当然だからな。」

 

「そうなんだ?

 其れは兎も角、写真を撮るって言うなら私が撮ってあげようか?姉弟旅行なら、記念撮影は一緒に映ってた方が良いと思うから。

 あ、其れからこの辺を観光するなら案内してあげるよ。この辺は結構詳しいし。」

 

「だってよ、如何する夏姫姉?」

 

「折角だからお願いしようかな。」

 

千冬さんとよく似てるのが気にはなるが、悪意や敵意は感じないし、何よりも折角の申し出を無碍に断るのも良くないと思うからね――此れもまた旅行の楽しみ方の1つだろうしな。

 

で、写真を撮って貰って、此の子のお勧めの場所を幾つか回った所で、最初に会った場所まで戻って来て彼女とは別れたんだが……あの子は只者じゃないな?

少なくとも、何らかの実戦格闘技を身に付けている可能性はあるだろうね。

 

 

 

「夏姫姉も気付いたか……あの子、俺達を案内してる最中も周囲への警戒を怠って無かったしな。

 身の熟し一つを見ても、素人なんかじゃねぇ……夏姫姉や楯無さんには及ばないかも知れないけど、あの子は相当な実力者なのは間違いないと思うぜ。

 まぁ、周囲への警戒はもっと自然にやる方が良いと思うけどな。」

 

「いや、アレはアタシと一夏なら気付くようにやっていたんだろうな。普通の人間では、彼女が周囲を警戒している事には気付かんだろうさ。」

 

「マジか?」

 

「マジだ。」

 

あの子はアタシと一夏になら分かる程度に緊張感を出していたからね。

敵とは考え辛いが、だとしたら一体何の目的でアタシ達に近付いて来たのかが謎だな?……束さんに調べて――は駄目か。名前を聞いてなかったし、彼女の写真は撮らなかったからな。

まぁ、特に何か問題があった訳でもないから、今は彼是考えるのは止めておこう。もしかしたら、また向こうから接触して来る事があるかもしれないしな。

何よりも、今は一夏との旅行を楽しまねば損だからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:???

 

 

兄さんがフランスに居ると知って、速攻でフランスに向かったのだが……兄さんだけではなかったな。

一緒に居たのは蓮杖夏姫……今の兄さんの姉――つまり私にとっては義姉さんになる訳だ。

臨海学校の時はISを纏っていたから素顔を見る事は出来なかったが、義姉さんは可成りの美人さんだったな――兄さんがイケメンなのは知っていたけれどね。

しかも、2人とも私が只者ではいと言う事を察知したみたいだしね……ふふ、矢張り真の実力者と言うのは観察眼も素晴らしいみたいだ。

フフフ、兄さん達が私の正体を知ったら果たしてどんな反応をするのか楽しみだ。

 

 

 

「○○○、其れは時として死亡フラグだと思う。」

 

「ならば私は、そのフラグを吹き飛ばすまでだ。」

 

今回は私の独断で来てしまったが、今度は正式な任務で会う事になるだろう……序に、その時には正体を明かして良いと言われているからね。

次に会うのはIS学園の学園祭か……ふふ、楽しみだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:夏姫

 

 

時の流れが速いってのは本当だな――あっと言う間に滞在期間が過ぎて今日が帰国日なんだが、楽しめたか一夏?

 

 

 

「勿論、楽しませて貰ったぜ夏姫姉♪

 だけど一つだけ言わせて貰うならそろそろ白飯と味噌汁が恋しいぜ。」

 

「ハハ、其れはアタシもさ。」

 

本場のフランス料理は確かに美味しかったけど、改めてアタシ達は日本人なんだって再確認する事になったからな――日本人にとって白飯と味噌汁は外す事の出来ない物だからね。

 

だがまぁ、このフランス旅行が夏休みでも最高レベルの思い出になったのは間違いないと思うわ――お前は如何だ一夏?

 

 

 

「言うまでもなく一生モンの思い出になったぜ――此れを当てた夏姫姉様様だっての♪」

 

「ふ、嬉しい事を言ってくれるじゃないか。」

 

なら、楽しんだ後は日本へ帰るとしよう――大分家を空けてしまったから、そろそろ戻っておくべきだろうからな。

だが、何にしてもこのフランス旅行は楽しめた……其れこそ、一生の思い出になるってモノだ。思わぬ再会もあったしね。――ふふ、滅多に出来る事ではないが、姉弟水入らずの旅行と言うのも良いかも知れないね。

さて、御土産に香水やらアクセサリーやらを買ったが、果たして喜んでもらえるかどうか……こんなドキドキもまた、海外旅行ならではなのかも知れないな。

時に一夏、鈴と箒への土産に随分と悩んでたみたいだが、結局何を買ったんだ?

 

 

 

「色々迷ったんだけど、ペアリングとシルバーチェーンにした。指輪にチェーン通せばネックレスとしても使えるしな。」

 

「其れはまた中々良いチョイスだ。」

 

尤も鈴と箒は、指輪を普通に左の薬指に通しそうだけどね。

何にしてもこのフランス旅行が、最高の思い出になったのは間違い無いね。――機会があったら、今度は皆と一緒に来たいものだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

Side:一秋

 

 

――プシュー……

 

 

 

「此れにてメンテナンスは終了だ……どんな気分かな、織斑一秋君?」

 

「あぁ、マッタク問題ねぇ……メンテナンスには時間がかかるみたいだが、此れだけのコンディションを得られるってんなら、メンテナンスの時間は決して長くねえ!!!

 寧ろウェルカムだぜ!!」

 

お前もそう思うだろ散!!

 

 

 

「ああ、同感だ……其れに、前よりも力が溢れてくる感じがする!此れだけの力があれば私達に屈辱を与えてくれた連中に復讐できる!

 私達の邪魔をする者なんて滅べばいい!否、滅ぶべきなんだ!!」

 

「フフフ、それで良い。

 メンテナンスの序に、身体の基本能力も強化しておいたから、存分に其の力を揮いたまえ。」

 

 

 

有難くそうさせて貰うぜ。

この天才である俺を虚仮にしやがった事は絶対に許さねぇ……特に蓮杖夏姫の奴は、只ぶっ殺すだけじゃなくて徹底的に屈辱と恥辱を味わって貰うとしようじゃねぇか。

クックック、アイツが泣いて命乞いをするのを想像するだけで興奮して来るぜ。

 

 

 

「やれやれ……マッタク持って呆れた思考回路の持ち主だなお前は――話には聞いていたが実際に見て見ると酷いモノだ。

 オリジナルが嫌悪していたと言うのも、機体に見限られたと言うのも納得してしまうな。」

 

「誰だ!!」

 

て、お前は……蓮杖夏姫!?

なんでお前がこんな所に居やがる――って、よく見ると髪型が違うし眼鏡もかけてねぇな?だが、其れにしたってその顔は他人の空似って訳じゃないよな?何モンだ、お前?

 

 

 

「さて、誰だろうな?

 只一つだけ言えるのは、私は蓮杖夏姫にはなれなかったと存在だと言う事だ。それ以上でも、それ以下でもない。」

 

「如何言う事だ?」

 

「フフフ、まぁ其れは何れ話す事になるだろうが、今は君達の事を優先せねばだ織斑一秋君、篠ノ之散君。

 彼女以外の仲間を紹介せねばならないし、この施設の案内もしなくてはならないからね。」

 

「施設の案内?」

 

「俺達は此れから此処で暮らす事になるからだろ。

 そう言えば、アンタの名前を聞いてなかったな?名前くらい教えろよ。」

 

「名乗る程の名は持ち合わせていなくてね。

 だが、其れでは不便だろうから、私の事は『ドクター』或は『教授』とでも呼んでくれたまえ。」

 

 

 

教授って、意味わからねぇよオイ。

まぁ、コイツ等が何者とかは関係ねぇ!

取り敢えず俺も散も完全に力が戻って来たから後はこの力でアイツ等に復讐してやるだけだぜ……だから、その時が来るまで精々人生を謳歌しとくんだな!!

お前達を叩き潰して、俺と散の理想の世界を創ってやる――俺達の思い通りにならないモンは全部消し去ってやるぜ!

クククク……ハッハッハッハ!ハ~ッハッハッハッハ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

 

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