Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

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学園祭ライブは、盛り上がるものだなBy夏姫      ライブハウスとは違った空気が有るわよね♪By刀奈


Break56『学園祭は兎に角盛り上がれ!』

Side:夏姫

 

 

刀奈と共に学園祭デートをしている最中なんだが、何処のクラスも中々凝った出し物をしているな?

特に凄いと思ったのは、1年4組の出し物だよ。――ISの理論やら何やらを纏めた展示会を開催して、更には現在のISに関する彼是を、ジョークやIS系都市伝説を交えながら説明するって言うモノだったからな。

総合司会を務めていた簪も、割とノリノリだったからね……刀奈、お前の妹は思った以上に凄いな?

 

 

 

「フフフ、当然よ夏姫。

 簪ちゃんは、私の自慢の妹だからね♪――ぶっちゃけて言うと、簪ちゃんは戦闘力は私はまだ及ばないけど、論理的思考や計算能力に限って言えば私を上回ってると思うわ。」

 

「感覚的な部分ではお前が上、理論的な部分では簪の方が上か――何方も感覚派であるアタシと一夏とは違うな。」

 

まぁ、アタシの場合は理論と感覚が同居してる感じだけれどね。

で、アタシと刀奈は、2組の出し物である屋台村に来てる訳なんだが……行列が出来てるから大盛況なのは分かってたが、実際に中に入ると、予想以上の盛況ぶりだな?

一夏と鈴の姿が見えないあたり、今は休憩中なのかも知れないが、大丈夫か乱?

 

 

 

「あ、お姉ちゃん!来てくれたんだ♪

 うん、大丈夫だよ?鈴お姉ちゃんとお兄ちゃんは休憩時間でデートに出ちゃったけど、麻婆は大量に作ってあるし、点心の類も鈴お姉ちゃんが大量に作ってくれて、蒸せば良いだけになってるから問題ないし。」

 

「準備は万端だったって事か。」

 

ならオーダーをお願いしたいんだが……おすすめって言うのは何かあるのか?

 

 

 

「全部おすすめなんだけど、私的には鈴お姉ちゃんの『本格四川麻婆丼』と『海老蒸し餃子』のセットと、私の『屋台風台湾まぜそば』と『台湾風焼き豚串』のセットがおすすめかな?」

 

「なら、其れを1つずつ頼む。」

 

1つずつ頼めばシェアも出来るからな。――お前も其れで良いだろ刀奈?

 

 

 

「勿論よ。

 寧ろ、そのオーダーの巧さには感心しちゃうくらいよ♪」

 

「感心する事でもないと思うけどな。」

 

取り敢えず、2組の出し物は色々と大成功だった言うのは間違いないだろうね――アタシと刀奈の頼んだメニューは、お世辞抜きで魂が震える程の美味しさだったからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break56

『学園祭は兎に角盛り上がれ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:一夏

 

 

休憩時間に鈴と一緒に学園祭を回って、夏姫姉達のクラスの出しものに顔を出したんだが……此れは客が来る訳だぜ。

スタッフがアニメやゲームのコスプレをしてるってのは知ってたけど、其れが全部誂えた様に似合ってるんだから、話題になって客足は増えるってモンだ……ラウラは最早そのままだし、のほほんさんに至ってはコスプレかどうか大分怪しい所もあるけどな。(汗)

で、そんな中でも一番はやっぱり箒だ!俺評価だけど、異論は認めねぇぞ!

黒いシグナムコスが凄く似合ってるってか、元々髪型は略同じだし、凛とした雰囲気も似てるモノが有るから、ピッタリだって言うか、兎にも角にも色々とスゲェわ箒が!!

 

 

 

「ホント色と身長以外は再現度100%よね。……ぶっちゃけ胸の大きさも同じ位あるだろうし――下手したら箒の方が大きいかもだけど。

 アタシも最近大きくなってきたとは言え、箒と比べたら負けるわ。何よ、バスト98って……アレが所謂一つの『魔乳』って奴なのかしら?」

 

「何だよ魔乳って?」

 

「胸の大きさよ!

 下から、『無乳』、『微乳』、『貧乳』、『並乳』、『豊乳』、『巨乳』、『爆乳』、『魔乳』ってなってんのよ!でもってアタシは、貧乳から並乳に昇格したって訳。

 ふっふっふ、年下の乱に負けてたけど、遂に抜いてやったわ。」

 

 

 

その分類は誰が言いだしたのか気になる上に、何処が境になるのか激しく謎な部分が有るような気がするぜ……此れに関しては、突っ込みは不要の方向が良いかも知れないな。

因みにだけどさ鈴、お前だったらアニメやゲームキャラのコスプレやるとしたら何をやってみたい?

 

 

 

「え?そうねぇ……アタシと言えば、此のツインテールが特徴だから、其れを生かせるキャラが良いわ。

 空の軌跡のエステルとか行けてると思わない?」

 

「天真爛漫なツインテール、確かにピッタリかもな。――となると、俺はヨシュアで行くべきか?」

 

「あ~~、一夏の場合はそっちよりもFFⅧのスコールの方が合ってるんじゃない?

 髪の色も似てるし、眉間の傷痕も同じだしね……黒主体のコーディネートに、ガンブレードを装備した一夏――アンタ、今直ぐスコールコスしろ。」

 

「OK、少し落ち着こうか鈴。」

 

まぁ、俺も鈴のエステルコスを見てみたいと思ったから偉そうな事は言えないけど、取り敢えず落ち着こうぜ。てか、今すぐとか無理だから。

休日にどっかのイベント会場に行く事が有ったら、やってみても良いかもだけどな。

 

 

 

「一夏のスコールか、確かに見てみたい気はするな。」

 

「箒、もう良いのか?」

 

「あぁ、休憩時間に入ったからな。

 此処からは、私も同行させて貰うぞ一夏、鈴。」

 

「勿論OKよ箒!

 折角の学園祭なんだから、彼氏と一緒に回らないとか有り得ないでしょ♪――まぁ、女所帯のIS学園で学園内に彼氏が居る生徒なんて、アタシと箒しか居ないんだけどね。

 夏姫と楯姐さんは女同士だから除外だし。」

 

 

 

夏姫姉と楯無さんはカウントしちゃダメだろ。

俺としては、夏姫姉が百合~な事に驚いてはいるんだが、スコールさんと秋姉の事もあってか、女性同士の同性愛にはあんまり抵抗がないんだよなぁ……野郎同士は絶対受け入れねぇけどな。

もしも弾や数馬が俺に告白して来たその時は、脊髄反射で顔面パンチ→ハンマーパンチ→シャイニングウィザードのコンボをかます可能性が否定出来ねぇ……ってか、絶対にやるだろうからな。

 

んん、其れは其れとして、学園祭を楽しもうぜ?

 

 

 

「そうよね!楽しみましょう!!」

 

「祭りは、楽しまねば損だからね。」

 

 

 

んで、箒も加えて学園祭巡りを再開した訳なんだが、鈴は相変わらず腕を組んで来るし、箒とは所謂『恋人繋ぎ』をしてるせいで、来客の野郎共の視線がうざったい事この上ねぇな……気持ちは分かるけど、ナンボ俺を睨みつけた所で恋人が出来る訳じゃねぇと思うんだけどさ?

こんな事を言ったら怒られるかもしれないけど、折角所謂『女子の花園』に来た訳なんだから、ダメ元でナンパでもしてみれば良いんじゃないか?

結果に関しては責任持たねぇし、場合によっては摘まみ出される可能性が無くは無いけどな。

 

最も、鈴と箒を超える女子は、そんなに居ないとは思うけどな。――そんな最高な彼女が二人も居るなんて、俺って可成り勝ち組だよな絶対に。

 

 

 

「アンタを勝ち組と言わずに何が勝ち組な訳?

 こう言っちゃなんだけど、アタシと箒って言うタイプの違う美少女を彼女にしてるとか、世のモテない男共に呪殺されても文句言えないわよ一夏。」

 

「まぁ、呪われた所で巫女である私が何とかしてやるがな。」

 

「うん、俺は恵まれてるって超実感したぜ。」

 

モテない野郎に呪殺されるって、其れは流石にゴメン被りたいからな。

そんなこんなで各クラスの出し物回りをしてたんだが、校門前に差し掛かったところでトラブル発生だ――如何にもガラが悪そうな連中に虚さんが対処してる……其れだけなら未だしも、問題はガラの悪い連中と虚さんの間に弾が居るって事だ。

俺が招待状送ったから、来てるとは思ってたけど、まさか厄介事に巻き込まれてるとはな。

てか、あのガラの悪い連中はどうやって中に入ったんだ?絶対に招待状を持ってるとは思えねぇよなぁ……あ、無断で入ろうとして虚さんに止められたのか?……招待状持ってねぇ奴が真正面から入ろうとするとかあのオッサン達馬鹿だろ絶対?入れる訳ねぇじゃんか。

 

普通なら、此処で助けに入るところなんだろうが……まぁ、あの程度の連中が相手なら大丈夫だろ――あのオッサン達、ガラが悪い上に強面だから、普通はビビっちまう所だけど、アレは中身が全然ともなってねぇよ。

多分真面なケンカすらした事ないだろうから、弾の敵じゃないぜ……俺の知る限り、弾は『赤毛が目立つ』って理由で上級生に呼び出されては返り討ちにしてたからな。

体育の授業の柔道とかは弱いくせに、ルール無用のケンカになると弾は滅法強いんだよなぁ。

 

 

 

「そんなつれない事言わないで、俺等と遊ぼうよ?」

 

「お断りしますと、先程から申し上げているのですが?」

 

「そんな事言わずにさぁ?」

 

「嫌がってる人を無理矢理にかよ……ナンパするにしても、ナンパのルール位守ったら如何なんだオッサン。」

 

「アンだガキが……女の子の前だからって粋がってんじゃねぇぞ!!」」

 

 

 

んで、始まった大立ち回り。

先ずはリーダー格の奴に顔面パンチブチかました後で、ダウンする其れを踏み台にして別のナンパ野郎に電光石火の串刺しシャイニングウィザードをブチかまして、その隙を突いて来た馬鹿にケンカキックかまして、怯んだ所にSTO!

更に、反撃して来たリーダー格のオッサンの攻撃を止めると、胸倉掴んで連続ヘッドバット……派手に鼻血出してら、アレは確実に鼻骨折したな。

で、始まって数分で決着……中学1年の時よりケンカの腕前上がってんなアイツ。

多少は反撃されたみたいだが、相手の人数考えりゃ殆どノーダメじゃねぇか?マッタクもって見事なケンカっぷりだったぜ弾。

 

 

 

「だ、大丈夫ですか五反田君?腕、怪我してるじゃないですか!!」

 

「んあ?此れ位は何て事ないっすよ虚さん!

 其れに、テメェの惚れた女性を守れたってんなら、コイツは名誉の負傷ってやつっすよ!」

 

「そうですか……って言うか、惚れた!?」

 

「あ。」

 

 

 

……盛大に自爆したな弾。こりゃ、夏祭りで会った時に一目惚れしやがったな。

まぁ、お前と虚さんは中々にお似合いだから、付き合っても良いんじゃないかって思うぜ?――熱血の弾と、理性的な虚さんは、組み合わせとしては最高かもだからな。

弾も虚さんも真っ赤になっちまってるが、こりゃ完全にカップル成立間違いなしだぜ。

 

「よう弾、中々やるじゃないかお前?今のは結構カッコ良かったぜ?」

 

「げ、一夏!其れに鈴と篠ノ之さんも!?」

 

「やるじゃない弾。『彼女が欲しい』ってのを連呼してる馬鹿かと思ってたけど、アンタもやるときゃやるのね?」

 

「鈴、お前其れは褒めてんのか貶してんのかどっちなんだ?」

 

「褒めてるんだと思うぞ五反田。

 いや、今のは私から見ても見事だった――武道の立ち回りではないが、的確で威力の高い攻撃は素晴らしいし、何よりも女性を守る為に戦ったお前の行動は正しいと思うからな。」

 

 

 

ま、そう言う事だ弾。今のは正直よくやったと思ってるぜ俺も。

あぁ、お前がノシちまった連中に関しては心配すんな、楯無さんと夏姫姉……学園の生徒会長と副会長に頼めば何の問題もねぇから。ってか、虚さんは楯無さんの専属メイドみたいなもんだから、その虚さんが迷惑被ったと知れば、楯無さんがコイツ等にキッツイ有罪判決下すから。

 

「んで、惚れた女を守った弾君は此れから如何するのか気になるんだが?」

 

「んあぁ!?」

 

「いや、この場合大事なのは虚姐さんでしょ一夏?

 弾は自爆とは言え告白したも同然なんだから、此処は虚姐さんが如何答えるかよ?――と言う事で、弾は虚姐さん的には如何でしょう?」

 

「えぇえぇ!?」

 

「鈴、其れは幾ら何でも強引過ぎると思うぞ?」

 

「あぁ、俺もそう思う。」

 

でも鈴の言ってる事も間違いじゃないんだよな?

自爆とは言え、弾は自分の思いをある意味で虚さんに伝えたに等しい訳だから、虚さんには其れに応える義務が有ると言えるからな……まぁ、虚さんの反応を見る限り感触は良さそうだけどな。

其れで如何っすか虚さん、弾は?

コイツは少しお調子者で馬鹿なとこもあるけど、実は仲間思いの熱血漢で、目標の為なら努力を惜しまねぇ奴なんです――今だって、実家の食堂を継ぐ為に日々修業してるみたいっすからね。

 

「其れに、虚さんて意外と弾みたいなタイプが好みなんじゃないっすか?

 夏祭りで弾に会った時、ちょっと見惚れてましたよね?」

 

「い、一夏君!?

 其れは其の……あの、えっと……その通りなのですが……その、私なんかで良いんでしょうか五反田君は?」

 

「惚れたって言ってるから良いんじゃないっすかね?

 オイ弾、お前は虚さんが良いんだよな?」

 

「寧ろ虚さん一択で!知的な美女がハートにドギュン。」

 

「成程……其れでは虚姐さん、一言どうぞ。」

 

「赤毛の熱血漢にハートブレイクされました。」

 

 

 

何とも頭の悪いやり取りだった気がするけど、こうしてカップルが誕生したのは祝福すべき事だよなぁ――漸くダチ公に春が来た訳だしな。

そんな訳だから弾、お前これから虚さんと一緒に学園祭回って来い。カップル記念日って事で、其れが最高の思い出になる様に虚さんエスコートしろ……って言うかやれ。

初デートのエスコート位、やって見せろよダチ公。

 

 

 

「タイプの違う美少女を二人も嫁にしてるお前に言われると若干ムカつくが、其れ位出来ねぇと漢じゃねぇよな――爺ちゃんからも、『本気で惚れた女なら、何が有っても守って楽しませてやれ』って言われてたからよ。

 えっと、其れじゃあ一緒に回って貰えますか虚さん?」

 

「えぇ、私で宜しければ喜んでお願いします五反田君――否、弾君。」

 

 

 

弾の自爆に乗じて、俺達が色々やったとは言え、カップル成立だ――弾と虚さん、いいカップルになると思うぜ。……でも、学園に居る虚さんと、本土に居る弾だと遠距離恋愛になるんだよな。

弾がISを起動できれば、学園に来る事が出来るんだが、其れは流石に無理だろうからな……

 

 

 

「一夏、滅多な事を言わないでくれ……姉さんなら、世界情勢を考えずに男性用ISを開発してしまうかもしれないからな。」

 

「束さんならやり兼ねねぇな確かに。」

 

俺のストライクも、元を正せば束さんが最初に開発した『男女問わず起動できるIS』だった白騎士のコアが使われてたから、男の俺でも起動出来た訳だからな。

其れを踏まえると、束さんは何時でも男性用ISを開発出来るんだよな……今それをやったら、間違いなく女尊男卑のせいで不当な扱いを受けた男性が暴動を起こすからやらないだけでな。

何時かは、男性用ISを発表する時が来るんだろうけど、其れはまだ先の話だよな。

 

「そう言えば鈴、午後はライブやるって事だったけど、時間は大丈夫なのか?」

 

「へ?あぁ、そろそろ時間だわ!!

 ゴメン一夏、箒!アタシはライブの準備が有るから、此処でデートはお終いだわ――でも、これで終わりってのは味気ないから、必ずライブに来なさいよ?

 夏姫と一緒に最高のステージを見せてあげるから。」

 

 

 

おうよ、楽しみにしてるぜ鈴。

学園祭のライブってのは、プロミュージシャンのライブとは違う盛り上がりが有るって聞いた事が有るからな――ステージ衣装も含めて、楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:夏姫

 

 

さてと、いよいよアタシ達のバンドのライブの時間だ……否が応にも気持ちが高まって来るな。

ステージ衣装は、アタシが黒のレザータンクトップと黒のダメージジーンズにウォレットチェーンって言う出で立ちで、鈴はミニスカにタートルネックのシャツを合わせてグレーのジージャンを羽織った出で立ち。

他のメンバーも、レザーパンツにブラトップとジージャン、ミニスカとロングシャツ、タイトスカートに膝下までのロングブーツに赤いジャケットと良いコーディネートだからね。

 

 

 

『其れではお待ちかね!此れより、軽音楽部のバンド『Band Of Infinite Stratos』、通称『BOIS』のライブの開幕です!!

 客席の皆、盛り上がってるかー!!』

 

「「「「「「「「「「「おーーーーーー!!!」」」」」」」」」

 

『本当に盛り上がってるかーーー!!』

 

「「「「「「「「「「おーーーーーー!!!」」」」」」」」」

 

『OK、Great!

 其れじゃあ、呼ぶとしよう!!このライブの主役、BOISの登場だーーーー!!』

 

「「「「「「「「「「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」」」」」」

 

 

 

ヤレヤレ、司会が煽ってくれたおかげで、登場前から大盛り上がりか……だが、これだけ盛り上がっていると言うのならばダサいステージにする事だけは出来ないな?

上等だ、アタシ達のライブで最高のステージを作ってやろうじゃないか。

アタシも鈴も、盛り上げるのは得意だからな。――さて行くとするか!!

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:刀奈

 

 

司会の子が上手く煽ってくれたお蔭で、夏姫達のライブは始まる前から大盛り上がりだったんだけど、夏姫達がステージに現れた瞬間に、ライブ会

場のボルテージは最高潮になったわね……夏姫達の衣装は、魅力的だったからね。

特に夏姫……黒のレザータンクトップと、グレーのダメージジーンズの組み合わせは反則だわ本気で。

で、会場の熱気が冷めやらぬ前にライブが始まった訳なんだけど、此れは本当に凄かったわ。

 

1曲目は『MysteriousLady』って言う曲だったんだけど、何処かミステリアスな雰囲気がありながらもテンポの良い曲だったし、2曲目の『龍神娘々』は、激しいロックのリズムの中に中国的な雰囲気を取り入れた楽曲で、3曲目の『加虐的な眼差し』は激しいロックのリズムにサックスを合わせた良曲で、4曲目の『KD-ダブルオーセブンシックス』はテンポのメリハリが楽しい曲で、5曲目の『Freedom Tears』は静かなリズムから始まって、少しずつアップテンポになって行く良い曲だった――このバンドは、普通にメジャーデビューできると思うわ。

でも、このライブは残る2曲が本領なのよね……残る2曲は、夏姫のヴォーカル曲なんだから。

 

 

 

――ギュオォォォォォン……ダンダンダン!!

 

 

 

なんて事を思ってる間にヴォーカル曲の1曲目が始まったわね……

 

 

 

「I couldn't find a word, I touched it involuntarily You say nothing and shake cold.

 Little love is crumbling because of only minor misunderstanding I do not want to see such a lonely face.

 Even if my dream is lost, I can not throw away that smile alone.

 Someday we swear, the future we will draw with this hand.

 Surely where you were at this place.

 But now I believe that the two of them are the ones who have turned indiscriminately, that they can meet.

 

 The starry sky that I gave up together, many lights were flowing Memories still do not disappear.

 Once you've heard it, you can begin to hear the phrase of that song that whistled.

 And beyond the sky, tomorrow will be drawn by my heart Let's be next to you at that place again.

 Surely we are going to run through from now on, if every day has a meaning.

 

 Someday we swear, the future we will draw with this hand.

 Surely where you were at this place.

 And beyond the sky, tomorrow will be drawn by my heart Let's be next to you at that place again.

 But now I believe that the two of them are the ones who have turned indiscriminately, that they can meet.」

 

 

 

軽快にサウンドにのった英語の歌詞も素晴らしかったけど、間奏での鈴ちゃんのギタープレイもプロ顔負けだったとしか言いようがないわ、マジで。

しかもより激しいリズムが奏でられるように、ピックじゃなくて素手で弦を弾いてたからね……プロのギタリストでも中々やらない高等テクニックを惜し気もなく披露してくれるとは思わなかったわよ鈴ちゃん。

 

でも、そのお陰で会場は大盛り上がり!最後の1曲に相応しい空気が出来上がったわね。

 

 

 

「アタシ達のライブに来てくれてありがとう。

 凄く盛り上がってくれて、アタシ達としても嬉しい限りなんだが、残念な事に次が最後なんだ……だから、皆も思い切り一緒に歌って、場合によっては踊って、大いに盛り上がってくれ!

 準備は良いか?」

 

「「「「「「「「「「おーーーー!!!」」」」」」」」」」

 

「One More Time!」

 

「「「「「「「「「「おーーーー!!!」」」」」」」」」」

 

「OK、Great!

 其れじゃあ、此れがアタシ達のライブのラストナンバーだ……聞いてくれ『Real Riser』!」

 

 

 

夏姫が会場の盛り上がりを最高にした所で、最後の曲が演奏開始ね。

深い音の前奏から始まって、其れが盛り上がって行ったところで夏姫がマイクに手を掛けた……此処からね。

 

 

 

「I don't even know where to get to I believe it will arrive and I will run my thoughts now.

 I will change my mind and mind But there is a wish that will not disappear.

 I have a different dream and I see the same sky That day I swore "do not lose"

 Two people forever without this hand was looking for the meaning of being born.

 I don't even know where to get toI believe it will arrive and I will run my thoughts now.

 When it goes beyond mistakes Wishes hug me awake, wake up to the future.

 

 Flow in the wind, the loneliness of that cloud Are you feeling somewhere too?

 In order to protect the dream, hurt each other I walked back to back.

 I will surely understand someday I want to believe in the same feeling.

 Fly up without fear of getting lost The heart beats up yet Don't give up on your dreams.

 Face the darkness and loneliness Let's always tell the pleasure that I met you.

 

 I don't even know where to get to I believe it will arrive and I will run my thoughts now.

 Even if it is a mistake This sky is the same as that day…… It continues to you.」

 

 

 

今度もまた全編英語の歌詞だったけど、心に染渡った歌だったわ……『辿り着く場所さえも分からない』だなんて、IS学園に在籍している私達の事をそのまま歌ったようなモノだからね。

でも、このライブは観客が総立ちした訳だから大成功だったと言っても過言じゃないわね……って言うか、ステージで演奏する夏姫に惚れ直しちゃった位だもの。

 

でも、ライブが此れほどの盛り上がりを見せてくれたって言うのなら、次に控える生徒会のイベントで引けを取るには行かないわ――夏姫にも虚ちゃんにも本音にも内容は教えてないけど、結構なモノを考えてるしね。

 

 

 

「お姉ちゃん、なんかトンデモナイ事考えてない?」

 

「トンデモナイだなんて酷いわね簪ちゃん……とっても楽しい事を考えてるだけよ?」

 

「聞いた事を後悔した。

 お姉ちゃんが『楽しい』って言った時は、間違いなくトンデモない事を考えてる事の証だから……取り敢えず、夏姫と一夏は頑張って。」

 

 

 

い、色々酷いわね簪ちゃん……私だって、常にとんでもない事を考えてる訳じゃないのよ?と言うか、なんで夏姫と一夏君が頑張れなのかしら?

 

 

 

「お姉ちゃんが、あの二人を巻き込まない筈がない。――少なくとも、恋人である夏姫の事は絶対に巻き込むから。」

 

「アラアラ、其れは否定できないわねぇ♪」

 

流石は簪ちゃん、お姉さんのことをよく分かってるわね?

でも、今回に限っては夏姫と一夏君頑張れとは言い難いのよね……だって、ターゲットになるのは、あくまでもデジタル抽選で選出された人になるからね――うふ、楽しい事になりそうだわ♪

 

 

 

「お姉ちゃん、何する心算?」

 

「其れは、始まってからのお楽しみよ簪ちゃん♪」

 

只、此れだけは言っておくわ――私が考えたイベントは、此の学園祭でも最高の盛り上がりを見せるモノになるってね♪……さぁ、誰がターゲットになるのか、楽しみになって来たわ。

学園祭最大のイベントを、そろそろ始めるとしましょうかね♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 




キャラクター設定



・布仏虚

IS学園所属の3年生で、更識楯無の従者を務めている。
本音の姉だが、本音とは違い常に理性的に物事を判断する眼鏡美人であり、楯無からの信頼も厚い。
学園祭の際に起こったごたごたによって、五反田弾と交際する事になった――人生何が有るか分からないモノである。



・五反田弾

一夏と鈴の親友兼悪友とも言える熱血男児。
赤い髪にバンダナを撒いたワイルドな風貌が特徴的で、ケンカの腕前も超一流。
彼女が欲しいと公言しているが、軟派な性格な訳では無く、相手がいればその人一筋になる一本気な性格。
学園祭にて、ガラの悪いオッサン共から虚を守った事で、自爆同然に告白まがいの事をし、結果として虚と交際する事になった。良かったな弾。


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