Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

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平和な日常は貴重だな?By夏姫      だからこそ、大切にしないとねBy刀奈


Break67『貴重なる平和の日常である』

Side:夏姫

 

 

ん……カーテンから零れる光で目が覚めたが、もう朝か。

アタシの隣には一糸纏わぬ姿の刀奈……そう言えば昨日はそうだったな――己の不安を掻き消すかのように刀奈を求めたのだが、其れに応えてくれた刀奈には感謝する以外にはないな。

 

とは言え、そろそろ良い時間だから起こすか。

 

 

 

――ギュム……

 

 

 

「ん……」

 

「おはよう刀奈、そろそろ起きる時間だぞ?」

 

「夏姫?……~~~~!!///!!!」

 

「お、おい、如何した?」

 

「ゴメン、ちょっと恥ずかしくて……顔合わせられない。」

 

 

 

お前、今更何を言ってるんだ?こんな言い方をするのは如何かと思うが、初めてじゃないんだから今更恥ずかしいでもないだろうに……そもそもにして、昨日誘って来たのはお前の方だろうが。

其れで恥ずかしいとか、誘い受けのヘタレかお前は。

 

 

 

「違うわよ!

 確かに初めてじゃないけど、昨日はこれまでにない位に凄かったから、そのアレなのよ!私もこれまでにない位に乱れちゃったから、流石にちょっと恥ずかしいのよ!」

 

「恥じらう事も無いだろうに……可愛かったし。」

 

「ナチュラルにそう言う事言うの禁止!!って言うか、情事の後限定で禁止!!」

 

 

 

解せんが、お前がそうして欲しいと言うのならばそうしよう……何にしても、お前のおかげでアタシの出生に関するあれこれを吹っ切る事が出来たから、其れに関しては感謝しているよ刀奈。

改めて、お前がアタシの彼女で良かったと、そう思ったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break67

『貴重なる平和の日常である』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてと、そんな訳で朝食を食べに食堂に来たんだが……生徒達の視線は、略全てが食堂内に設けられたモニターに向けられていたな――当然と言えば当然だな。

モニターに映っているニュースが伝えているのは『女性権利団体が崩壊した』と言う事だからね……ISの登場以降、ISが女性にしか扱う事が出来ないと言う事を旗印に、女性を優勢種、男性を劣等種と決めつけて、女尊男卑の考え方を世に蔓延させた組織が崩壊したとなれば、誰だって注目すると言うモノだからね。

 

 

 

「こりゃ、思った以上に大ニュースになってるみたいだな夏姫姉?」

 

「まぁ、当然の事じゃないか一夏?

 女尊男卑を推奨して来た一大組織が滅んだとなれば良いニュースとなるし、ワイドショーでも良いネタになるだろうさ――きっと、ワイドショーでは女尊男卑のコメンテーターが、メディアに流れていると言う事も忘れて口汚く喚き立てるんじゃないかと思うぞ?……女尊男卑の人間にとって至高の存在であった女権団が潰れたとなれば、世の女尊男卑主義者は気が気でないだろうからね。

 取り敢えずマスコミは喜んでるんじゃないか?暫くは此れをネタに番組を引っ張る事が出来る訳だからな。」

 

まぁ、そのネタを提供する事になったのはアタシ達なんだが、昨日の今日で情報を掴んでると言う事を考えると、束さんが各種メディアにリークしたと考えるのが妥当か……束さん的にも、女権団は滅すべき存在でしかなかったって事だが、当然だな。

『ISを使える』と言う、只それだけの事で、ISを起動する事も出来ないクセに偉くなったと勘違いして女尊男卑に染まった存在は、ISの生みの親としては忌むべき存在でしかなかっただろうからね。

 

 

 

「姉さんは相当怒っているよ夏姫。

 昨日、解散した後――ISRIの本社に帰る前に言っていたんだが、女性権利団体が崩壊したと言う事だけでなく、女権団が此れまでして来た悪行を全てメディアに向けてたれ込むと言っていた……恐らく、昼のワイドショーの頃には女権団の悪行がメディアから発信されると思うぞ。」

 

「いや~、千冬義姉さんが怒ると怖いってのは知ってたけど、タバ姐さんも怒ると怖いわぁ。

 千冬義姉さんが『動』の怒りだとするなら、タバ姐さんは『静』の怒りって言うのかしらね?……こう、喋り方とかは何時もと同じなんだけど、怒りのオーラを纏ってるのがスッゴクよく分かるのよ。

 アレは、そんじょそこ等の一般人が喰らったら、間違いなく『○○は失神!生死は不明!』って感じになるわよ?」

 

「何だって其処で忍者スレイヤーっぽくなるんだよ鈴……まぁ良いけどさ。

 だけど、女権団はもう二度と再起は出来ないんじゃないか?本部は無くなって、団体のトップと幹部と戦闘要員は全員死亡、政治の世界に入り込んでた連中は更識によって一網打尽にされた上に議員資格を剥奪されて全員お縄になっちまった所に、昼には駄目押しの追撃コンボで女権団の悪事が白日の下に晒されると来た訳だからな。」

 

「まぁ、其処から再起する事が出来たらある意味で感動するぞアタシは……そのしぶとさは台所に出るG並み――等と言ったらGの諸君に失礼か。

 3億年以上前から地球に存在している生物の大先輩を、あのようなクズと同レベルに置くなど、無礼千万、失礼極まりなかったな。

 ふむ、そうなるとそのしぶとさは耐性菌並みだと言えば良いか。耐性菌は最も新しい生物だからな。」

 

「夏姫、なんかずれてる気がする。」

 

 

 

そうか?

だが静寐、薬でも殺す事が出来ない耐性菌の如きしぶとさと言うのは的を射ているとは思わないか?あくまでも、此処から女権団が再起したらと言う『もしも』の話ではあるがな。

 

 

 

「其れは、確かに言えてるかもだけど……再起したその時は、また倒すだけでしょう?」

 

「『死者蘇生』を使いまわして蘇っても、その都度私達がやっつけてやるだけだよね?って言うか、私達が負ける要素は何処にもないし♪」

 

「最強のイッチーと~、最高のナッキーが居る以上、負けは無いのだ~~~!」

 

 

 

まぁ、再起したら再起したで静寐の言うようにまた倒すだけだがな。

其れはまぁ良いとして、のほほんさんや、其れは流石に如何かと思うぞ?確かにアタシと一夏は少しばかり人とは違うし、ステータス的にも少々異常なのも分かってはいるが、寧ろ凄いのは楯無じゃないか?

楯無は天然モノなのに、アタシと引き分ける上に、一夏に対しては勝ってしまうんだから……己の出生を知ったからこそ、敢えて言わせて貰うぞ?

楯無、お前一体何者だ?

 

 

 

「更識家が保存していた初代楯無の遺伝子を受精卵の段階で組み込まれた強化人間……と言う設定は如何かしら?」

 

「悪くは無いが捻りが少し欲しい所だな?

 歴代の楯無の遺伝子情報の中から特に優秀な情報のみを取り出して、其れを合成させた人工遺伝子を培養して作られたデザイナーズベビーって設定の方が衝撃が強くないか?」

 

「良いかも。

 でもその場合、私はお姉ちゃんの2号機として作られたスペアって設定になるのかな?」

 

「そんな訳ないじゃない簪ちゃん?

 私は戦闘能力に、簪ちゃんは情報解析能力に長けた別個体に決まってるじゃない♪つまり、簪ちゃんの戦術サポートがあれば、私はどんな敵にも勝つ事が出来るわ。

 そう、織斑先生にもミューゼル先生にも、ルガール・バーンシュタインにも!」

 

「パワーマックス密着ジェノサイドカッター!」

 

「あは、其れは無理♪」

 

 

 

そう言えば、イルジオンと名乗ったアイツの黒いフリーダムもジェノサイドカッターと言う武装を搭載していたな?……教授とやらは、意外とネタに走る奴だったりするのだろうか?素性を知りたいとは思わないがな。

しかしまぁ、昨日の今日で己の出生をネタにする事が出来るとは、アタシも中々図太い神経をしているようだな……否、違うな。皆が、アタシの出生を知っても尚、アタシを受け入れてくれたからこそこんな事が出来るのよね。

もしも、あの話をアタシ1人で聞いていたら、確実に気が狂っていただろうと思うしな。

 

時に、マドカは如何したんだ?

確か今日から学園の生徒になる筈だが……

 

 

 

「マドカなら千冬義姉さんと一緒に職員室よ。

 乱と同じく飛び級での転校生って扱いになるから、色々準備が必要みたい――どうせなら2組に来てくれると嬉しいわね?

 一夏の嫁って事で、アタシの事を『スズ姉さん』って呼んでくれるから可愛いのなんのって!

 乱も勿論妹キャラとして可愛いんだけど、天真爛漫の乱と違って、マドカはクールな所が溜まらないわ……なのに、一夏と千冬義姉さんに対しては尻尾ブンブンのワンコになるのがもうね!!」

 

「うむ、其れはよく分かるぞ鈴。

 マドカは私の事も『箒姉さんでは味気ないな……モップ姉さんは語呂が悪いし、カタナ姉さんだと何やら色々と拙い気がする……』と悩んだ末に『ほー姉さん』と呼ぶ事になったからな。

 そう呼ばれるのは初めての事だったのでとても新鮮だった……マドカは良い子だ。」

 

 

 

成程職員室にか……しかし、鈴と箒はすっかりマドカの事が気に入ったようだな?

一夏の妹と言う事も大きいだろうが、その妹が兄の恋人である己を慕ってくれてると言うのならば気に入るのもまた然りだろうさ――裏表なく純粋に慕ってくれると言うのは嬉しい事だからね。

まぁ、かく言うアタシも、『夏姉さん』と呼んでくれるマドカの事は気に入ってるけどな……だが、一夏と鈴には悪いがマドカは1組所属になると思う。

 

 

 

「夏姫姉、其れはどういう事だ?流石に聞き捨てならねぇぜ今のは?」

 

「ふふ、そういきり立つな一夏。

 何、簡単な事だよ。マドカは『織斑マドカ』の名で編入する事になっている。

 そうなると名前から千冬さんの血縁者であると言う事を誰もが考えるだろう?『織斑』と言う名字は珍しいし、何よりアレだけ似ていて真っ赤な他人と言うのが無理だと言うモノだからね。」

 

「まぁ、遺伝子的な事を言うならマドカと千冬さんは双子な訳だからな……知らない人が見れば、歳の離れた姉妹にしか見えないか。」

 

「マドカとの関係をどう捏造するかは千冬さんのセンスに任せるしかないんだが、十中八九、千冬さんはマドカの事を自分の歳の離れた妹だと言う事にすると思うぞ?

 そうなれば、マドカは略1組に編入確定だと言う訳だ。理解したか?」

 

「成程、そりゃ納得だぜ。

 時に夏姫姉、其れ美味いのか?」

 

 

 

其れって……若しかして、アタシ特性のトッピングである『卵黄とネギと食べるラー油と明太子をトッピングした納豆』の事か?うん、とても旨いよ。

食べるラー油と明太子のホットな辛さが納豆にマッチしていて、卵黄がその味をマイルドに纏めているからな。(この組み合わせは、本気で旨いので是非とも試してくれ。)

其れよりも、アタシとしては朝っぱらから『大盛りスタミナ丼定食』に走るお前の方が本気かと言いたいぞ一夏?朝食にしては重くないか其れ?

 

 

 

「昨日は、結構スタミナ消費したから補給しとかないとなんだよ。今日は実技の授業もあるから、確実に鈴か乱と模擬戦する事になるだろうし。」

 

「確かに昨日は思い切り暴れたが、だからと言って其処までスタミナを消費したとも思えんのだが……と言うか、其れならば昨日の夕食で補充すれば良いだけだろうに。

 何で今朝になって――あ……」

 

「「//////」」(耳まで真っ赤)

 

 

 

そう言う事か……まぁ、あまり人前で言う事でもないから深くは聞かないでおこう。……アタシが言っても説得力は無いが程々にな。

 

 

 

「夏姫姉、何か?」

 

「いや、何も。

 時にラウラ、その小鉢、ほうれん草の胡麻和えは食べないのか?」

 

「うぅ……その、ほうれん草は栄養があると言う事で軍でも良く食べていたから大好きなのだが、胡麻と言うモノが少し苦手でな。

 クラリッサなどは香ばしいと言うのだが、私は胡麻の香りがあまり好きでは無いのだ姉上……鰹節と醤油で和えたお浸しなら良いのだがな……」

 

「胡麻が苦手だったのか。

 なら、アタシの小鉢の小松菜の辛し和えと交換するか?」

 

「良いのか姉上!」

 

「あぁ、構わんよ。」

 

好き嫌いは褒められた事ではないが、どうしてもダメなモノを無理に食べろとは言えないし、何よりも残してしまっては作ってくれた人に悪いからな。

ならば、食べられるものと交換してしまうのがベターな選択と言うモノさ。

 

 

 

『と、此処で速報です。

 たった今入った情報によりますと、女性権利団体は武器の密輸や、男性の社会的地位を奪う、ホームレスとなった男性を殺害する等の犯罪を犯しており、その被害者は100人を超えるとの事です。

 また、その中には3年前のドイツで起こった『織斑一夏誘拐殺害事件』も含まれるとの事。

 繰り返します。

 たった今入った情報によりますと、女性権利団体は武器の密輸や、男性の社会的地位を奪う、ホームレスとなった男性を殺害する等の犯罪を犯しており、その被害者は100人を超えるとの事です。

 また、その中には3年前のドイツで起こった『織斑一夏誘拐殺害事件』も含まれるとの事。続報が入り次第、改めてお伝えします。

 其れでは、次のニュースです。』

 

 

 

と、平和に朝食を摂って居たら、まさか昼を待たずに女権団の悪行がメディアにリークされたとは思わなかったよ……束さんの怒りは、アタシ達の想像を絶するモノだったって事みたいね。

束さんはあまり怒るイメージがないんだが、其れだけに一度本気で怒ると誰よりも恐ろしいと言う事か……何にせよ、女権団は完全に終わったな。

そして、同時に其れは女尊男卑の世界が終焉を迎えた事を意味するわ――其の内、束さんはISRIの社長『東雲千鶴』として、世界に『男性用ISの開発に成功した』と言う事を発信するだろうからね。

男性もISを使えるとなれば、女尊男卑主義者の根幹を成しているモノが崩れ去り、ISが女性にしか扱えないと言う前提のもとに女尊男卑となった女共は震えあがる事になるだろうな……まぁ、狂った思考に染まった己を恨むんだなとしか言えんよ。

とは言え、男性用ISの発表をするのは、イルジオンの居る組織を潰してからだな……アイツ等を残した状態で男性用ISを世に発表したら、如何利用されるか分かったモノではないからな。

 

 

 

「昼まで、じゃなかったな夏姫姉……」

 

「女権団許すまじ。確実にそんな所だろうな。」

 

「姉さんを敵に回した時点で、女権団は終わっていた……つまりはそう言う事なのだろうな。」

 

 

 

だな。

束さんを敵に回した瞬間から、そいつに待っているのはデッドエンドの未来だけだからね……天才にして天災にケンカを売ったら、待っているのは破滅一択だからね。

思えば女権団も哀れなモノだな……教授とやらの手の平で踊らされ、踊り疲れて死んでいったようなものだからな――間違っても同情はしないけれどね。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

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・・・・・・

 

・・・

 

 

 

朝食を終えて、朝のSHRだ。

何時も通り、千冬さんに続いて山田先生が入って来てだが――

 

 

 

「お早う諸君。

 今日も一日よく励んで己を高めるように――と言うのが何時ものSHRなんだが、今日はこのクラスに転校生と言うか、新たな編入生が来た。

 先ずは其の紹介から始めよう。……入って来い。」

 

「ふぅ、私も一緒に入っても良かったんじゃないかちー姉さん?」

 

「そう言うな、大切なんだよ演出的な事もな。」

 

「そう言うモノなのか?良く分からないな。」

 

 

 

此処でマドカの紹介と来たか……予想通り、マドカは1組になったな。

だが、マドカの事を知ってるアタシ、マリア、箒、静寐、清香、癒子、ラウラ、メアリー、のほほんさんは兎も角として、他の生徒は一様に驚いた様子だな?……まぁ、自分のクラスの担任と同じ顔をした少女が現れたとなれば当然の反応か。

 

 

 

「取り敢えず、先ずは自己紹介をしろマドカ。」

 

「ん、了解だ。

 織斑マドカだ。ちー姉さんもとい、織斑先生の妹なんだが、3年前のモンド・グロッソの後、姉さんがドイツ軍の教官を1年間務める事になった際に私も一緒に付いて行ったが、姉さんが1年間の教官期間を終えた後も、ドイツで学ぶ事は多いと思い、そのままドイツに留学し、ジャンク屋ギルドに身を置いていた。

 その3年間の間にIS適性がある事が分かり、ジャンク屋ギルドが開発した機体を与えられ、此度IS学園の生徒となる事になった。

 皆よりも年下故に迷惑をかける事も有るかも知れないが、どうかよろしく頼む。」

 

 

 

成程、マドカはそう言う設定になったか。

多少強引な感じがしなくもないが、此れならば其れ程無理ではないな――ジャンク屋ギルドの一員であると言う真実を混ぜる事で、逆に説得力がある感じになっているからね。

巧い具合に設定を考えたモノだわ。

 

 

 

「ようこそIS学園へ、マドカさん。

 私達1年1組は貴女の事を歓迎するよ。此れから、一緒に学んで行こうね♪」

 

「温かい歓迎の言葉、痛み入る。」

 

 

 

で、真っ先に反応したのはクラス代表である静寐だったか。

既にマドカの存在を知ってるからこそ出来た事だろうが、席を立ってマドカの所に行って手を出して握手をしたと言うのは悪くない演出だ――そのお陰でクラス全体がマドカを歓迎する空気に包まれたからね。

 

 

 

「教師としてはマドカを特別扱いする気は無いが、姉としては如何か仲良くしてやって欲しいと思う。

 少々仏頂面で言葉も少ないが、悪い子ではないので仲良くしてくれると有り難い……少々口が厳しいのは、私に似たと思ってくれ。」

 

「妹は姉に似る……が、私はちー姉さんよりも更に辛口だがな。」

 

 

 

……マドカが1組になったのは予想通りだが、此れは若しかしなくても少々突っ込み要員が足りなくなるかもしれんな?マドカは、一見突っ込み気質な感じだが、実は突っ込まずにボケに走るし事があるし、千冬さんは意外と天然だから突っ込みキャラではないからな。

つまりアタシとマリアと箒と静寐が1組の貴重な突込みキャラと言う事か……此れから、何かと苦労が多くなりそうだわ。

 

 

 

「まぁ、其れもまた私達の宿命として受け入れましょう夏姫。」

 

「宿命と来たか……運命は変えられるが宿命は変えられないと言うから、私達は苦労人の宿命からは逃れられないと言う事か――そんな宿命など焼き殺したい気分だ。

 只でさえ実の姉が突っ込み所しかないと言うのにな……」

 

「その気持ちは分かるよ箒。」

 

だが、其れが宿命だと言うのならば受け入れるのもまた大切な事だ。

運命と違って、変える事の出来ない宿命に抗うのは無駄でしかないからな……宿命は受け入れた上で、運命を変える方が絶対的に良いと思うからね――そう言う意味では、お前は己の運命に全力で反抗したのだろうなマドカ。

その反抗の結果、姉と兄と再会できたのだから、運命への反逆は無駄では無いのだろうな。

何にしても、アタシ達はお前を歓迎するぞマドカ――ようこそ1年1組にだ。

 

 

 

「夏ね――貴女も1組だったのか……宜しくな。」

 

「あぁ、此方こそな。」

 

『夏姉さん』と言いかけて止めたのは、要らぬ混乱を巻き起こさないようにする為かな。

で、SHRが終わった後は、1時限目が始まるまでマドカは1組の生徒にもみくちゃにされ、質問の雨霰状態だったみたいだが、千冬さんの実妹ともなれば其れもまた仕方ないから、諦めて受けろとしか言いようが無いわね。そもそもにして、編入生への質問の嵐はお約束みたいなものだからな。

尤も、この時のやり取りでマドカはクラスに馴染める事が出来たみたいだから、あまり悪い事ではなかったのかも知れないね……取り敢えず、マドカの学園編入は大成功だったと言って間違いないわね。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:刀奈

 

 

マドカちゃんの編入とかがあったけど、今日もIS学園は平和だったと言っても過言じゃないわ……って言うか、此れが普通なのよね?1学期が色々と異常だったのよね?

無人機の襲撃に、臨海学校での銀の福音の暴走とか、明らかに起きちゃいけない事件が起きてるのが気になるわ。……此れもまた教授とやらのシナリオだとしたら恐ろしい事この上ないのだけれど、私達ならばやられる事は無いと、言いきれるわ……少なくとも、ISRIの機体を使ってる者に限定して言うのならば誰が相手でも負ける事は無いからね。

 

 

 

「その意見に関しては諸手を挙げて賛成するが、今日の議題は其れじゃないだろう楯無?」

 

「おホン、そうだったわね夏姫。」

 

今日皆に集まって貰ったのは他でもないわ……来週に控えた修学旅行についてよ。

 

 

 

「そう言えば修学旅行が近づいていたな――臨海学校とは違って訓練は一切ない純粋な旅行と言うのは胸が高鳴るが……その事でアタシだけじゃなく、虚さんにのほほんさんまで集めたと言う事は、修学旅行先で何かが起きる可能性がある、そう言う事だな楯無?」

 

「That's right、その通りよ夏姫。」

 

其れこそ、女権団との戦いの時に現れた黒いフリーダムが再び現れる可能性は決して低くないと思うのよ――そうなった際に、如何するかを学園は決めかねているから、私達で決めてしまおうと言う訳よ。

 

 

 

「何とも大胆不敵なモノだが、其れがベターだと思うよ楯無。教師が決めあぐねていると言うのならば、生徒が決める事も必要だからな。

 その上で言うのならば、お前が修学旅行に同行して、オータムさんを学園の警備に当たらせるのがベターじゃないかと思うぞアタシは……修学旅行先で戦闘になったらお前の力は絶対に必要になるが、だからと言って学園の守りを手薄には出来んからな。

 そう言う意味でも、この案は悪くないと思うんだが如何だろうか?」

 

「確かに良い案ですね夏姫さん。

 其れならば、仮に学園が襲撃されても十分対処出来るでしょうから。」

 

「其処に~、ダリル先輩も加わる訳だから学園の防衛能力は充分だと思うよナッキー♪」

 

「そうね、その方向で調整するとしましょう。

 オータムさんにはアストレイの一個小隊を連れて来るように頼んでみるわ。」

 

修学旅行で教授とやらが率いた組織が攻めてくる事は否定出来ないからこそ、万全の状態を発揮しなくては守るべきモノを守る事は出来ないと言って過言じゃないからね。

持てる力の全てを注ぎ込んででも修学旅行先と学園、何方が襲撃された場合でも対処出来る様にしておかないとね――専用機を持たない、一般生徒の安全を守るのも私達生徒会の役目でもあるし、力を持つ者の使命なのだから。

 

「より対処しやすくするために、修学旅行前に更識の隠密班を京都に派遣して、色々と調べておいた方が良いかも知れないわね?」

 

「其れでしたらお嬢様、私の父が丁度部下数人と別件で京都を訪れていますので、其方に話しを回せば早いかと。

 潜入、調査は布仏が最も得意とする分野ですし。」

 

「そうね……ならお願いしちゃおうかしら?既に京都にいるなら、調査が終わるのも早いでしょうしね。」

 

「御意に。

 では本音、お父様に連絡を入れて京都の町をくまなく調べて下さいと頼んで下さい。」

 

「へ?私が~~~?お姉ちゃんがするんじゃないの~~~?」

 

「本音、普段碌に生徒会の仕事をしていないのだから其れ位やりなさい。

 そもそもにして戦闘になったら私も貴女も役に立たないんですから、裏方としての役目をしっかりこなすと言うのが筋でしょうに……ほら、直ぐにやりなさい。」

 

「は~~~~い。」

 

「……流石ののほほんさんの天然も、姉の虚さんには通じないみたいだな?」

 

「姉だからこそ、本音の動かし方を分かってるって所でしょうね虚ちゃんは。」

 

何にしても、次に何かが起きるとしたら学旅行で京都に行った時だと言うのは間違いないわ。

勿論何もないに越した事は無いけれど、何かが――特に学園の生徒を狙った襲撃が発生した時には、頼りにしてるわよ夏姫!

 

 

 

「任された。

 だが、お前が同行する以上、修学旅行で何かが起きた所で何とかなるだろう?フリーダムとジャスティスが揃ったのならば、ライブラリアンとやらが襲撃して来た所で返り討ちにするのは容易な事だ。

 其れに、一夏達も居るからな。」

 

「確かに今年の1年生の保有戦力を考えれば、仮に襲撃が有ったとしても略被害を出さずに対処する事は可能ですね。」

 

「機体性能が良いだけじゃなくて、パイロットの腕も最高だもの♪」

 

正義と自由の前に敵は無し。正義と自由の攻撃から逃れたとしても、一夏君や鈴ちゃん達が逃がしはしないモノ。

其れを考えたら、修学旅行の時に仕掛けて来たとしても全く問題はないわ――寧ろ来れるモノなら来てみやがれって感じだわ。……来たその瞬間に撃滅してあげるわ!!

 

 

 

「ふ、当然だな……修学旅行はまだ先だが、其れに便乗て襲撃してくるような阿呆には、相応の制裁を加えねばな。」

 

 

 

そして、夏姫もやる気がマックスだから、こうなった以上は不安要素は何処にもないわね♪

まさか、地面に拳を叩きつけて闘気を練り上げるとは思ってなかったけれどね……だけど、その姿はとても様になっているから最高だわ夏姫。

教授とやらが何者かは知らないけれど、来るなら来てみなさい――残らず返り討ちにして上げるわ、私達がね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

 

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