Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

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京都最終日、楽しませて貰うわBy夏姫      修学旅行は楽しんだ者が正義よ♪By刀奈      そりゃ、ある意味で真理だぜBy一夏


Break76『修学旅行最終日!楽しむが正義』

Side:夏姫

 

 

修学旅行も今日が最終日か……最終日は全体行動で伏見稲荷神社を訪れた後に、大型の土産物店を訪れ、其処の食事処で昼食を撮ってから新幹線で東京へ戻り、そしてモノレールでIS学園へと言うスケジュールだったな。

最終日も、誰よりも早く目覚めたので、朝シャワーでサッパリして、戻って来たんだが……起きてたのか一夏。

 

 

 

「何か目が覚めちまったんだ。

 だけど、寝覚めに其れは刺激が強いぜ夏姫姉……ちゃんと服着ようぜ?下はジャージ履いてるのに、上はブラオンリーって……何だよ、その一部の特別な趣味の人間が喜びそうな格好は!」

 

「いや、一式持って行った心算だったんだが、シャツだけ無かったようでな?

 こっちで着ようと思ってたら、既にお前が起きていたんだよ。」

 

「偶然の事故なのは分かったけどよ、その姿は色々刺激的だから、彼女の居ない思春期男子にゃ目の毒だぜ?

 もしも此処に弾……は虚さんが居るから大丈夫だとして、数馬の馬鹿野郎が居たら、間違いなく夏姫姉に襲い掛かってるから!!」

 

「襲い掛かりたければそうするが良いさ……襲い掛かって来たらその時は、この拳で撃滅する、只其れだからね。」

 

「対応がバイオレンスだが……何だろう、夏姫姉なら誰に襲われたとしても絶対に大丈夫な気がして来た。」

 

 

 

大丈夫に決まってるだろう一夏?

アタシを誰だと思ってる?『最高の人類を生み出す』事を目的としたスーパーヒューマノイド計画に於ける唯一の成功例だぞ?……そのアタシが、そんじょそこ等の不埒者にやられると思っているのか?

そもそもにしてアタシには楯無が居るんだ……その辺のチャラ男共に興味はない。

 

 

 

「楯無さんが相手って言う所に、本来なら突っ込みを入れるべきなんだろうけど、夏姫姉と楯無さんは同性なのにめっちゃお似合いだから、俺がとやかく言うのはお門違いだよな。

 にしても、スッカリ目が覚めちまったな?起床時間までまだ少しあるけど二度寝って気分でもないし。」

 

「なら、お前もシャワーを浴びて来たらどうだ?大浴場での朝風呂ほどではないが、サッパリするぞ。」

 

「そうだな、其れも良いかもだぜ。」

 

「着替えはちゃんと持って行けよ?……アタシのようにシャツを忘れるなら兎も角、下を忘れたら大問題だからな?」

 

「忘れねぇよ!!」

 

 

 

忘れたら忘れたで、後で刀奈が其れをネタに壮大に弄り倒すのが容易に想像出来るな……下手したら、薫子さんを巻き込んで『修学旅行でのチン事』等と銘打って号外作りそうだ。――そんな事になったら力尽くでも止めるがな。

まぁ、其れは其れとして修学旅行最終日だ。最後まで楽しまねばだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break76

『修学旅行最終日!楽しむが正義』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで、修学旅行の最終日。先ずは1日の基本である朝食。

最終日の朝食は、所謂『バイキング形式』で、各自が好きなモノを選ぶ事が出来るのだが、和、洋、中の全てが揃っていると言うのは流石は高級ホテルと言った所かな?

皆思い思いに選んでいるが、バイキング形式だと思い切り個人の趣向が出るみたいだわ――ある人は定番の和食な朝食かと思えば、コーヒーとシリアルって言う軽めの人も居るし、反対に朝からガッツリと肉とか揚げ物に走る人も居るからなぁ……ホントに人の好みは千差万別だな。

 

其れで、アタシはと言うとサンドイッチ用にカットされたイングリッシュマフィンを2つ。

1つにはレタスとスライスオニオンとスモークサーモンとカッテージチーズをサンドして、もう1つにはボロニアソーセージと目玉焼きとピクルスをサンドした2種のマフィンサンドだ。

其れに、ソーセージとザワークラフト、カフェオレのセットだな。

 

 

 

「あら、其れも美味しそうね?」

 

「お前のバターロールサンドも旨そうだな楯無。」

 

刀奈は、バターロールに切れ込みを入れて、1つには卵サラダとスライスきゅうりとハムを挟み、もう1つにはチーズとレタスと鱈のトマト煮を挟んだサンドイッチに、目玉焼きとトマトサラダのセットと来たか。

他にも、箒は定番の白飯・味噌汁・焼き魚・漬け物の和定食で、鈴はご飯に豪快にエビのチリソースをぶっ掛けたエビチリ丼、マリアはピーナッツバターのトーストとオムレツ、静寐はパンを主食に、色んな洋のおかずをと言った所か。

清香と癒子は朝からうどん……此れだけでも突っ込むべき事なのだろうが、乱は朝っぱらから中華風の総菜を駆使して作った『台湾風油そば』とはね……流石に其れは朝のメニューとしては重すぎないか?

 

 

 

「重くないよ?って言うか、此れは台湾では割とポピュラーなメニューなんだよ?

 台湾は街の彼方此方で屋台が開かれてて、その屋台で朝ごはんを摂る人も少なくないんだけど、混ぜ麺を朝ごはんにする人って結構居るんだ。」

 

「そうなのか?……文化の違いと言う奴だな此れは。

 だが、乱のメニューは其れで納得できるとして、お前の其れは一体何だ一夏?」

 

「え?何か変か?」

 

「白飯に納豆と言う組み合わせ自体はおかしくないが、アタシが突っ込みたいのは納豆のパックの多さと、納豆以外の副菜と調味料の数々だよ。

 お前、何を考えてるんだ?」

 

「ん?いやぁ、この前スマホでネットサーフィンしてたら、ネットニュースで『茨城県民の9割は納豆好き』って見出しを見つけてさ、ちょっと気になったから見てみたら、其処で色んな納豆のトッピングが載っててさ、其れを試してみようかなぁと。」

 

 

 

納豆は茨城県民のソウルフードだとは聞いていたが、県民の9割が納豆好きとは驚きだな……此れは香川県民のうどん好きをも上回るかも知れないわ――と言うのは、良いとして、その記事にはどんな納豆のトッピングがあったんだ?

 

 

 

「結構あったぜ?

 野沢菜漬け、粉チーズ、紅ショウガ、高菜漬け、ごま油、たくあん、刻みのり、温泉卵、塩昆布、とろろ昆布、しらす干し、シーチキン、ラー油、海苔の佃煮、マグロ、イカ、これ以外にも多数だぜ。」

 

「此れだけでも充分だが、これ以外にも多数となると、納豆には無限の可能性があるのではと思ってしまうな。」

 

で、お前が選んだのは、高菜漬けとたくあんと温泉卵とホテルの自家製ツナだったと言う訳か……正直どんな味になるのか想像する事が出来ん。

だから、どんな味だったのか教えてくれ一夏。

 

 

 

「取り敢えず、ツナと納豆の相性は抜群だぜ。

 個人的にお勧めの味付けは一味唐辛子と醤油だな……ツナと醤油は相性が良いし、一味唐辛子が全体の味を引き締めてくれるからな。」

 

「うむ、覚えておこう。」

 

結果として、一夏が選んだトッピングは全て正解だったみたいね。

高菜漬けとたくあんと温泉卵は合うと思っていたけれど、ツナが相性抜群だったって言うのは予想外だったな……この事実をコンビニ各社が知ったら、新商品として『納豆ツナサンド』が発売されるかもしれないわ。

 

 

 

「その可能性は否定できないぞ夏姉さん。

 だが、実際に其れをやる場合は、パンは米粉のパンを使った方がより美味しく出来る気がする。」

 

「確かに其の通りかもな――って、お前も朝から大分ガッツリ行くなマドカ?

 鶏の香草焼きに、ミートボールのトマト煮、豚の角煮、生ハムのサンドイッチ、極めつけは牛の串焼きか……朝食のメニューとしては随分と肉々しい様に思うんだが?」

 

「朝食のメニューはガッツリとタンパク質を摂った方が、脳が活性化して身体のエンジンもかかり易くなるんだよ夏姉さん。

 ジャンク屋のギルドに居た時は、戦闘任務のある日なんかは朝からステーキとかザラだったからな?……まぁ、朝からステーキを3枚平らげていた私も大概だけれど。」

 

「朝からステーキ3枚って……あ、ハンドボール部の清香なら行けるんじゃない?」

 

「ちょ、無理に決まってるでしょ癒子!ってか、勝手に人の事を年中腹減りの体育会系にしないで貰いたいんですけど~~!!

 って言うか、体育会系はどっちかって言うと癒子でしょ、専用機的に!棘付き鉄球ぶん回して物理攻撃上等だし、口からビーム出すし、二次移行した時に夏姫と一夏君の武装をちゃっかり搭載してるし!」

 

「鉄球攻撃は兎も角、顔面ビームと追加武装は、体育会系と関係ないでしょ其れ!?如何思う静寐!」

 

「ん~~~、どっちでも良いかな?

 でも癒子は体育会系と言うよりも、若干中二病だよね?自称『7月のサマーデビル』だし。夏の悪魔って一体何なのか説明してくれるかな?」

 

「グハァァァァァ!!」

 

 

――KO!PERFECT!!

 

 

静寐、お前意外と容赦ないな……確かに自称7月のサマーデビルは中二要素万歳かもしれないが、其処はそっとしておいてやるのが人としての優しさと言うモノだと思うんだよアタシは。

其れにだ、中二病発言&設定は、其れが黒歴史となった頃に掘り返してやる方が効果が大きいぞ?

 

 

 

「夏姫、貴女の方が遥かに容赦ないと思うわ。」

 

「黒歴史と化した中二病を掘り返してやるのが楽しいらしいぞマリア……まぁ、束さんのように現行で中二病バリバリな格好をしてても、其れが全くもって黒歴史にならない人も居るけれどな。」

 

「姉さんだからな……あのエプロンドレスはそろそろ卒業して欲しい。」

 

「心中察するぜ箒……」

 

 

 

束さんは本気で色々ぶっ飛び過ぎだからな。

そんな感じで最終日の朝食は過ぎて行ったんだが……今更ながらに一夏の納豆よりも、のほほんさんの『納豆鱈フライエビチリチーズ丼』に突っ込みを入れるべきだったかも知れん。

如何に個人的な趣向とは言え、あの組み合わせは流石にないわ。

 

 

 

「ゴメン夏姫、本音はちょっと特殊だから。」

 

「あぁ、其れは分かっているから大丈夫だよ簪。」

 

のほほんさんの特殊な嗜好は今に始まった事じゃないから、今更驚く事でもあるまい……と言うか、のほほんさんやる事に一々驚いて居たらアタシの身が持たないからね。

適当にスルーするのが上策さ。

 

 

 

「うん、其れで間違ってない……本音は良い子だし、普通に付き合う分には問題ないけど、食べ物の趣向に関しては御菓子以外は可成り特殊だから適当にスルーするのが一番。」

 

「矢張りそうだよな……将来的にのほほんさんがコンビニの商品開発部に就職しない事を願うよ。」

 

「本音が其処に就職したら、納豆ツナサンドイッチを超えるキワモノが全国のコンビニに並ぶ日が来るかもしれない……其れは、普通に悪夢。」

 

「あぁ、間違いなく悪夢だな。ナイトメアだ。」

 

取り敢えず、のほほんさんの食事の趣向は極めて特殊だと言う事で結論だな。

 

 

そんなこんなで朝食を終え、荷物を纏めてからバスに。このホテルとも、今日でお別れか。――京都にいる間お世話になったから、こうして此処を発つのは感慨深いな。

だからこそ、最後にちゃんと礼をな。

 

「4日間、お世話になりました。」

 

「「「「「「「「「「お世話になりました!」」」」」」」」」」(カギカッコ数省略)

 

 

 

アタシが生徒を代表してホテルのスタッフに礼を言い、他の生徒が其れに続く……本来ならば、生徒会長である刀奈がやるべきなんだろうが、今回は1年の修学旅行だから、副会長であるアタシがやるのが妥当なんだとさ。

ま、其れが役目だと言うのならばやるだけだけだ。

 

 

で、ホテルから伏見稲荷まではバス移動になるんだが、バス移動となれば当然移動中の暇潰しが発生する訳で……

 

 

 

「無邪気に笑う君を見てると、涙がなぜ止まらなくなるの」

 

 

 

1組のバス内では1日目と同様にカラオケ大会が勃発だ。

皆がノリノリで次々と歌声を披露し、千冬さんと山田先生もノリノリのデュエットで高得点を叩き出している――チョイスが『奇跡の惑星』で、千冬さんの桑田佳祐の歌真似が滅茶苦茶巧かったね。

そして、アタシはと言うと、刀奈と静寐と一緒にボーカロイド楽曲である『ACUTE』を歌ったんだが、アタシがKAITOパートで、刀奈がルカパートで、静寐ミクパートって……アタシは最終的に静寐に刺し殺されて、静寐は自ら首を斬って命を絶つのか?……ACUTEの歌詞内容は、そのまま昼ドラシナリオとして使えそうな位にドロドロだな――大丈夫か、作者の黒ウサ大丈夫か?と思わずにはいられないわ。

 

まぁ、其れは其れとして、カラオケを楽しんでいる間に伏見稲荷神社に到着したわね。

有名な連続の紅い鳥居は、実際に見ると迫力がある上に、何と言うか特別な波動みたいなものを感じるわ……此の場所には、本当に特別な力が宿っているのかもしれないな。

 

 

 

「そうなのかも知れないわよ夏姫。

 あまり知られてない事だけど、此の伏見稲荷は、傾国の美女として知られる妖狐である玉藻が殺生石に変わる前に僅かな期間だけ身を寄せていたと言う伝説があるのよ。

 その為に、ここのお稲荷様は、全国でも最も強い妖力を宿していると言われているのよ。」

 

「伝説の九尾が身を寄せていたとなれば其れは凄いな。」

 

だからこその此の霊験の新たか差があるのかも知れん……此れは、本殿への賽銭をケチっては罰が当たるやもしれんな?――一夏、お前は賽銭をドレだけ入れた?

 

 

 

「奮発して500円だぜ。」

 

「500円か……確かに硬貨では最高額であり、賽銭としては充分かも知れないが、その程度で奮発とは笑止千万だぞ一夏?本当の奮発とは、こうやるんだ。

 アタシは諭吉さんを召喚し、そのまま賽銭箱にダイレクトアタックだ。」

福沢諭吉:ATK10000

 

 

 

「馬鹿な、諭吉さんでダイレクトアタックだと!?……惜しげもなく諭吉さんを賽銭箱にダイレクトアタックさせるとは、流石だぜ夏姫姉……!!」

 

「本当の奮発とはどういう事か分かったか一夏?

 まぁ、此れは流石にやりすぎかもしれないが、嫁さんに奮発する時は出し惜しみだけはするなよ?取り敢えずエンゲージリングは、鈴と箒の2人にプラチナのフレームにダイヤをあしらったモノを用意してやるんだな。」

 

「おうよ!それが用意できるように、俺は頑張るぜ夏姫姉!!」

 

「ふふ、その意気だ一夏――其れ位の事が出来なくて、男の甲斐性は語れないからな。」

 

……うん、自分でも物凄くアホな会話だと思うが、こう言うやり取りは面白いから止められない――何よりも、こんなバカ話が出来るのも姉弟ならではだからな。

しかしまぁアレだな、一夏に言った手前、アタシも刀奈にリングを用意しておいた方が良いのかもしれないね。

 

本殿へのお参りを終え、今度は恒例とも言えるお御籤だ。初日は中々に良かったが、最終日は……大吉か、幸運だな。

刀奈と鈴と乱も大吉で、箒とマリアとメアリーが中吉、静寐と癒子と清香とラウラと乱が小吉――して、今回はどうなった一夏?

 

 

 

「此れはもう苛めか?『超最凶』ってなんだこりゃあ!!今回も『すい難』の相が出てるしよぉ!!」

 

「今回も出たか『すい難』が……」

 

 

 

――ピカーン!!!

 

 

 

そして今回もまた何処からともなく現れたロシアの赤きサイクロンが一夏を捉えてファイナルアトミックバスターに移行したのだが、流石に同じ技を2度連続で喰らう一夏ではなく――

 

 

 

「見切ったぁ!!喰らえ、キン肉ドライバー!!」

 

「ぺぎゃらっぱぁ!!!?」

 

 

 

トドメのスクリューパイルドライバーを斬り返してキン肉ドライバーをブチかまして赤きサイクロンを完全KO!……うん、実に見事な一撃だったよ今のはな。

此れは、アタシがキン肉バスターを習得して、何時の日かマッスルドッキングを決めねばだ。いや、一夏がマッスルスパーク地を覚えて、アタシがビッグベンエッジを習得してのマッスルキングダムもアリかもな。

 

さて、今日と最後の全体行動も此れで終わりか……後は土産物店に寄って、そこのフードコートで昼食を摂った後に新幹線で帰るだけだな。

 

 

 

――クイ

 

 

 

と思ったのだが、誰だアタシの尻尾(二又の超ロングテール)を引っ張るのは?

 

 

 

「コン♪」

 

「って、子ぎつねか?」

 

真っ白の子ぎつねがアタシの尻尾を引っ張っていたのか?……警戒心は全くないが、其れを抜きにしても何かアタシに懐いてないかコイツは?

少し相手をしてやろうと思って手を差し出したら、その手に乗るだけじゃなく、腕を駆けあがってそのまま頭に乗っかってしまったからな……まさか狐に懐かれるとは思ってなかったわ。

如何にも降りそうにないし、バスの所まで来ても全然離れてくれないとなると、此の子は一緒に連れてくのが一番よね。

だが、お前が本物の狐だとバレると面倒だから、此れから行く店や帰りの新幹線の中では大人しくしておいてくれるか?

 

 

 

――シャキーン!!

 

 

 

「動きが完全に止まったわね?」

 

「此れはペットの究極奥義である『ぬいぐるみ』だな……まさか、その奥義を会得してるとは思わなかったが、其れが出来るのならばIS学園まで行く事は出来るだろうさ。」

 

ペットの飼育許可は新たに申請する必要があるんだが、その程度は大した手間ではないからね。

しかしまぁ、雪のように白い毛並みの狐は本土では珍しいと言うのに、其れがアタシに懐いて来たと言うのは、特別な感じがしてしまうよ――人の夢と希望と欲望の結晶であるアタシが、白い狐と出会ったと言うのはね。

まぁ、この出会いは偶然でしかないのかもしれないけれどね。

 

そのままこの子狐を連れて大型土産物店に移動し、其処でお土産を購入だ――生八つ橋は鉄板だが、オータムさんには京都の最高級純米吟醸酒だな。飲兵衛のオータムさんには酒以外の土産は有り得ないからな。

虚さんとダリルへの土産は、普通に生八つ橋――でも良いけど、ダリルにはチョコ八つ橋にしておくか。アメリカ人には餡子よりもチョコレートの方が馴染み深いだろうからね。

だが、アタシは餡子以外の八つ橋は認めないけれどな。

 

 

この土産物店でそれぞれ土産を選んだ後は、フードコートで昼食だ。

修学旅行最終日の昼食は、ご飯と漬物に加えて、紙の鍋の山海鍋って、豪華にも程がるだろ?……紙鍋料理、堪能させて貰ったわ。一切の曇りを感じさせない汁は最高だったからね。

だが、昼食を終えたと言う事は、いよいよ京都ともお別れと言う事か。

 

 

 

「よーし、全員揃っているな?」

 

 

 

京都駅に到着し、点呼を行った後で、新幹線で東京にだからね。

だが、誰1人として欠ける事なく修学旅行を終える事が出来たと言うのは、アタシにとっても嬉しい事だったよ――ライブラリアンが襲撃して来た場合は、最悪の場合はIS学園の生徒が犠牲になっていた可能性はゼロではないからね。

 

一先ず、東京までの旅路はゆっくりさせて貰う――

 

 

 

――キィィィィィン!!

 

 

 

心算だったのだが、そう簡単には行かないか。

ずっと向こうだが、アレは黒いフリーダム……イルジオンのジェノサイドフリーダムね……態々現れるとは愚の骨頂!――と言いたい所だけど、この状況で専用機を展開する事は出来ないから、迎撃は出来ないか……何を考えている?

 

 

 

『………』

 

――パチ!パチ!!パチ!!!

 

 

 

「!?」

 

此れは、光を使ったモールス信号……『次は戦場で』か――結局そうなってしまうんだろうなアタシ達は……京都での一時は楽しい時間だったけれど、アタシとお前は硝煙の立ち上る戦場で見えるのがお似合いなのだろうさ。

ライブラリアンの目的が何であるかは知らないが、この世界を壊すと言うのならば、其れを黙って見ている事は出来ないからな……次に会ったその時はまた敵同士だ――精々、お互いが満足するまで遣り合おうじゃないか姉さん。

だから、遠慮せずに掛かって来るが良い。アタシならば何時でも相手になってやるからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:イルジオン

 

 

ふぅ、戻ったぞ教授。此度の休暇は、実に有意義なモノだったわ。

 

 

 

「其れは良かった。

 君の事だ、蓮杖夏姫君に会ったのだろう?どうだったかね、己をも越えた完全体と出会ったと言うのは?」

 

「悪くなかったよ。

 オリジナルが完全体をも越えた究極体である事を実感できたし、何よりもとても楽しい時間を過ごす事が出来たからな――それこそ、あのままオリジナル達の方に行ってしまっても良いかと思ったからな。」

 

「ほう?だが、其れでも君は此方に戻って来たと?」

 

 

 

私の目的は蓮杖夏姫を殺して、私が私になる事だが、ライブラリアンは私とお前で組織したモノだから勝手に抜ける事も出来んさ。

何よりもライブラリアンを抜けては目的を達する事も出来ん……私がお前と共にライブラリアンを組織したのもオリジナルと戦う事が出来るからだし。

まぁ、お前には私とは別の目的があってライブラリアンを組織したのだろうが、正直お前の目的など如何でも良い……結局は利害が一致しているからライブラリアンを組織したに過ぎないのだからな。

私は私の目的を果たすから、お前はお前で目的を達成するが良い――お前の目的を果たす為の駒も実験材料もそこそこあるのだからね……精々好きなようにやってみるが良いさ。

……尤も、お前のような外道が、目的を果たすまで生きて居られるかどうかは知らん。其処まで私が考えてやる義理も義務もないしな。

 

 

 

「ククク、随分と手厳しいが、私はそう簡単には死なないし殺される心算もない。計画はまだ始まったばかりだからね。

 だがまぁ、其れは其れとして、京都土産は忘れてないだろうね?」

 

「ちゃんと買って来たよ、生八つ橋だ。定番だが、此れならば間違いないだろう?」

 

「うむ、その通りだ。京都と言えば、此れを買わなくてはね。」

 

 

 

精々味わってくれ。

其れはお前の為に、八つ橋を作る体験が出来る場所で、私が手作りした特製の生八つ橋だからな……余りの旨さに絶叫する事この上ないと言っておこうかな。うん、絶叫間違いなしだ。

 

「時に教授、あの馬鹿2匹は如何なっている?

 ハッキリ言って、あの馬鹿共は再調整した所でオリジナル達には勝てんぞ?特に散の方は腕を失っている状態だからな。

 仮に高性能な機械義手を付けてやった所で、篠ノ之箒に勝つ事は絶対に出来ん……いや、それどころか出戻りのフランス代表にすら勝つのは難しいんじゃないのか?」

 

「うむ、マッタク持ってその通りなのでね、調整ではなく思い切って改造してしまおうかと思ってね。

 彼等に合わせた機体を造るのではなく、彼等の方を高性能な機体に適合した身体にしてしまえば、戦闘力は飛躍的に向上する筈だ――尤も、其れをやって、一秋君は漸く一夏君と何とか戦えるレベルになる訳だがね。

 そうだ、いっその事、君以外の全員に同じ改造を施すと言うのは如何だろうイルジオン?序に、各国から代表選考に漏れた者達を攫って同じ改造と洗脳を行えば、人員不足もある程度解消できるだろう?」

 

「好きにしろ。だが、私は人員確保を手伝う気は無いからな?」

 

「其れは分かっている。そちらの任務は隠密機能を持った無人機に行わせるから安心したまえ。」

 

「お前が安心しろと言うの程、安心できないモノはないんだがな……だが、そうなると1ヶ月近くは戦闘任務は無しか。」

 

私が無人機を引き連れて行ってもツマランし、私だけ出撃したと知ったら、アイツ等が目覚めた時に面倒な文句を言ってきそうだからな。

其れよりも教授、生八つ橋は鮮度が命だ。其れは今日作ったモノだが、早めに食べた方が良いぞ?

 

 

 

「そうかな?では、失礼して頂くとしよう。」

 

 

 

包みを破って、箱を開けて一つ取って、口に入れて……動きが止まった。あ、汗が出て来た。

だんだんと顔が赤くなってきて、汗の量も増えて来たな?

 

 

 

「みぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

 

 

そして次の瞬間、口からファイヤー。教授は『かえんほうしゃ』を覚えた。ってね。

 

「大成功。」

 

教授に渡した生八つ橋は、餡子の中に激辛のハバネロパウダーをたっぷり混ぜ込んだ超激辛生八つ橋、一口食べたら辛さで300m走り回る激辛の極致とも言うべきものだから、流石の教授もダメージを受けたみたいだな。

口から火を吐くと言う、貴重な体験をした気分は如何だ?

 

 

 

「イルジオン、私を殺す気かね!!」

 

「いや、お前は此れ位じゃ死なないから大丈夫だろ?本当はその3倍辛くする心算だったけど、流石に其れは止めたからな。」

 

「此の3倍って……外道か君は!!」

 

「お前にだけは外道とは言われたくないわ、此の人類史上最悪の腐れ外道が。」

 

「腐れ外道、私にとっては最高の褒め言葉だ!!」

 

「……お前、本気で一度病院に行った方が良いぞ?」

 

既に手遅れだろうけどな。

……拾って貰った恩があるとは言え、オリジナルを殺した其の後は、コイツを抹殺すべきかもしれないな?コイツの様な腐れ外道は、存在其の物が犯罪と言っても過言ではないからね。

 

取り敢えず教授、土産を腐心したのはお前なんだから、其れ、残さず食べるようにな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

 

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