Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

83 / 123
圧倒的な力の差を知るが良いBy夏姫      夏姫が言うと、説得力があるわね……流石超人By刀奈


Break82『Think of the difference in the case』

Side:夏姫

 

 

一夏とイチの模擬戦の後でアタシ達の模擬戦になったのだが、その先陣はアタシが務めさせて貰う……相手はこの世界のラウラだが、一切合切手加減をしてやる心算は無い。

イチの模擬戦をの結果を『只の敗北』としか取らない辺り、一秋と大差ないレベルだからな……悪いが本気で潰しにかからせて貰う。

アイツ等には、一度決定的な敗北と言うモノを味わわせなけれは分からないだろうからな……尤も、分かるかどうかがかな~り微妙な感じなのが悲しいけどな。

 

 

 

「いや、俺の予想だと絶対に分からねぇと思うぜ夏姫姉……だから手加減不要。完膚なきまでにぶっ倒せだ――アイツ等は、一度徹底的な敗北ってモンを味わうべきだ。

 負けを知らない奴は、伸びる事が出来ないんだからな。」

 

「至言だな一夏……だが、アイツ等が伸びると思うか?」

 

「……思えねぇな普通に――夏姫姉、俺が悪かった。」

 

 

 

別に謝る事でもないさ……何にしてもモップとスズ達は、一秋と同じレベルの最低最悪生徒なのは間違いないようだ……なればこそ、鈴と箒も遠慮なしで叩き潰せるだろうさ。

鈴と箒ならば、ぐぅの音も出ない位に徹底的にやってくれると思うしな。

其れよりもアタシの相手はラウラだが、正直言って全然脅威を感じない……アタシの世界のラウラならいざ知らず、この世界のラウラではアタシのシールドエネルギーを1ポイントたりとも削る事は出来まい。

イチを上から目線で見ている、お前の実力が如何程か見せて貰おうか……退屈させてくれるなよドイツ人?

 

 

 

「退屈かどうかは、貴様の身体に聞くが良い!!

 貴様如き、我がシュヴァルツェア・レーゲンの敵ではないと言う事を教えてやる……1分以内で倒してやろう!」

 

「ふ、あまり大口を叩くな、弱く見えるぞ?……まぁ、精々アタシを満足させてくれよ――模擬戦の相手が何の足しにもならないポンコツだったと言うのは、幾ら何でも笑えないからね。」

 

黒い雨如きが永遠の自由を止める事が出来ると言うのならばやってみせろ……お前にイチを評価する資格は無いと言う事を、其の身に嫌と言う程刻み込んでやるさ。

アタシの弟を甘く見た事への姉としての制裁も含めて、な。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break82

『Think of the difference in the case』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラウラの使用機体『シュバルツェア・レーゲン』……アタシの世界のラウラの機体は二次移行して『シュバルツアストレイ』になっているが、こっちでは一次形態のまま――と言う事は、搭載されている武装も一次形態の物だけだと思って良いだろうね。

細かいディティールに多少の差異はあるが、基本的な形状其の物はアタシの世界のシュバルツェア・レーゲンと略同じだからね。

 

「で、如何した?1分以内でアタシを倒すんじゃなかったのか?既に30秒経過しているが?」

 

「く……ちょこまかと!!」

 

 

 

模擬戦の方だが、アタシの事を1分で倒すとか言ってくれたから、1分が経過するまでアタシからは一切攻撃せずに、回避と防御に徹してラウラの動きを観察している。

腐っても鯛と言うか、流石は現役の軍属と言うべきか、攻撃其の物は悪くない……レールカノンの狙いは正確だし、一気に距離を詰めてプラズマ手刀やワイヤーブレードで強襲するのも悪くはない。

悪くは無いが、其れだけだ。

確かにレールカノンの狙いは正確だ――正確故に読みやすい。フェイントも混ぜなければ意味をなさない。

近接戦闘に関しても、ワイヤーブレードやプラズマ手刀オンリーで、近距離でいきなりレールカノンを使う事も無い……近距離でのノーモーション射撃は有効な攻撃手段なのにな。

 

 

 

「クソッ!何故当たらん!

 いや、それ以上に、逃げてばかりで恥ずかしいとは思わんのか貴様!!」

 

「何を勘違いしているんだ?

 お前がアタシを1分で倒すと言ったから、1分が経過するまでは攻撃してやってないだけだ……1分で倒すと宣言したのに、逆に1分未満で負けてしまっては面目丸潰れだろうからな。

 因みに、あと10秒で1分だ。」

 

「舐めるな!!」

 

 

 

ふ、少し煽ってやったら逆上してレールカノンを連発して来たか……此の沸点の低さで、よくもまぁ一国の軍隊の一部隊の隊長を務める事が出来るモノだ――この場にアタシの世界のラウラが居たら、間違いなく一発ビンタかまして正座で説教1時間コース間違いないぞ。

さてと、此のレールカノンはもう避けるのも面倒だから、斬るか。

 

 

 

――バシュ!バシュ!!バシュ!!!

 

 

 

「馬鹿な、レールカノンの弾を斬っただと!?」

 

「また、つまらぬモノを斬ってしまったか……」

 

 

 

「はぁ!レールカノンの弾を斬るって、お前の姉貴ドンだけだよナツ!レールカノンって初速から時速7000km出てんだぞ!!」

 

「あぁ……まぁ、夏姫姉だからなぁ?

 夏姫姉はレールカノンよりも高速で飛んでくるビームすら斬り飛ばすから、レールカノンなんざ『銃弾がどうぞ斬って下さいと言っている』って状態じゃないかと思うぜ。」

 

「千冬姉の人外っぷりも相当だけど、お前の姉貴も大概だな……レールカノンが止まって見えるってどんなレベルだよ……」

 

「夏姫姉はガチで超人な部分があるからなぁ……キン肉バスター出来るし。」

 

「基本超人強度は95万、火事場のクソ力発動で7000万パワー以上か、スゲェな。」

 

 

 

イチはアタシがレールカノンの弾を斬った事に驚いているようだ……いや、イチだけでなくスズにモップ、セシリアとデュノア、おまけに千冬さんまでもが驚いていたが、驚きすぎて声も出せないらしいな。

反対に楯無さんと簪君、虚先輩とおっとりさん(のほほんさんだと被るからこう呼ぶ事にした。)はそれ程驚いては居ない……矢張り此の4人は他者の実力を正確に把握出来ると見て間違いなさそうだな。

 

さてと、驚いている所悪いが、今ので1分……サービスタイムは終わりだ、今度は此方から行くぞ?

 

 

 

――ギュオォォォォォン!!

 

 

 

「んな、速い!!」

 

「遅い。」

 

まずは擦れ違いざまにビームサーベルでプラズマ手刀とワイヤーブレードを破壊し、続けてビームライフルを連結させた長射程ライフルでレールカノンを破壊……此れで、お前の武装はすべて無くなってしまった訳だが未だやるか?

武装を失ったお前に勝機は無い。潔く降参するのも、時には大事な事だと思うけれどね?

 

 

 

「黙れ!降参などする位ならば、刺し違えた方がマシだ!」

 

「……成程、如何やらアタシが思っていた以上に救いようのない馬鹿らしい……ならば、此れで逝け。」

 

 

 

――バババァァァン!!!

 

 

 

ん?何だ、何時もよりもドラグーンの反応が少し鈍い……戦闘に支障が出るレベルではないが、アタシの操作と実際に動き出すまでの僅かなタイムラグを考えて動かさねばだな。

まぁ、もう盤面は詰み上がったけれどね。

 

 

 

「!!此れは、BT兵器だと!それも10基!!更に自身が動きながら操作するだと!?」

 

「此れ位、訓練すれば出来るだろう?其れと、此れはBT兵器とは少し違う。

 此れはドラグーンと言って、アタシの世界の束さんが開発したBT兵器をも遥かに上回る性能を持った無線誘導兵器だ……そして、最早逃げ場は存在しないぞ?

 10基のドラグーンは、お前を囲い込んでいるのだからね。」

 

「射出してから2秒で……!!10基のBT兵器をこうも自在に動かすとは、貴様本当に人間か!!」

 

「失礼な事を言う奴だな……アタシは人間だよ。ただし、お前と似たような存在ではあるがな。」

 

「私と似たような存在だと?……まさか、お前も!!」

 

「そう、アタシもまた試験管ベイビーさ。」

 

最も強化人間であるお前と違い、アタシは人類の狂気の果てに生まれてしまった文字通りの『超人』ではあるけれどね……まぁ、アタシとお前はどちらも試験管ベイビーではあるが、その性能は段違いだと言う事だ。

まぁ、そんな事は如何でも良い事だが……お前の実力はよく分かった――この程度の実力で、よくもイチに彼是言う事が出来たモノだ……厚顔無恥とはこの事だと実感したよ。

だからもう良い……此れで終わりだ。

 

 

 

――ギュオォォォォン……バガァァァァァァァァァン!!!

 

 

 

フリーダム本体の火器と、ドラグーンのビームの一斉掃射でシュバルツェア・レーゲンのシールドエネルギーを一気にゼロにしてやる……1分で倒すとか言ってくれたが、逆にお前の方が1分ちょいで倒されてしまったな。

負けたラウラは、アタシの事を睨みつけているが知った事か。アタシの方がお前よりも強かった、只それだけの事だからな。

ラウラでこのレベルでは、他の奴等はハッキリ言って期待できまい……残りの試合は、10分もあれば全部終わるだろうね。

其れよりも気になったのは、少しばかりドラグーンの反応が鈍かった事だ……何か不具合が起ってるのかも知れないから、束さんに見て貰うか。

 

 

 

「夏姫姉、お疲れ……な訳ないか。」

 

「疲れる要素が全く無かったからな……だが、1分だけ攻撃しないでいたのは間違いだったと反省しているよ。

 イチの結果に文句を付けた上にアタシの事を1分で倒すなどと言ってくれたから、どれ程の実力があるのかと思って、アイツが自分で設定した1分と言う制限時間内は『見』に徹したが、見る程の実力では無かったよ。」

 

「あのラウラを一方的に倒しちゃうとか、アンタ凄いよな……箒達どころか、千冬姉まで吃驚してるみたいだぜ?」

 

「この世界でもラウラが千冬さんの教育を受けたのならば驚くだろうさ。」

 

そんな事よりも束さん、少しフリーダムの調子を見て貰えますか?

今の模擬戦で、少しドラグーンの反応が何時もよりも鈍かったので……本当に少し、其れこそアタシでなければ気付かない位の鈍さなんですけど、だからと言って放置して良い物ではないと思いますから。

 

 

 

「ドラグーンの反応がねぇ?……そうは見えなかったけど、なっちゃんがそう感じたんならそうなんだろうね。

 分かった、模擬戦が終わるまでに原因を突き止めておくから、少しフリーダムを預かっとくね~~♪……此れは、若しかしたらひょっとしてだね。」

 

「何がもしかしてなのかは分かりませんが、お願いします……で、スズとモップ達は何を驚いた顔で見ているんだ?」

 

「あ、アンタ……アレで反応が鈍いですって!?冗談もほどほどにしなさいよ!!あんだけのBT兵器操作見せといて、反応が鈍かったとかそんな訳あるかぁ!!」

 

「其れは、実際に有ったとしか言いようがない……と言っても、普段と比べて0.5秒ほどの誤差だが。」

 

「0.5秒だと!?ホントに誤差の範囲内だろう!!」

 

 

 

普通ならばそうなんだろうが、アタシの場合は『僅かな誤差で済む』モノも、『ハッキリと違う』と認識出来てしまうんだ……此れもまた、アタシが超人であるが故の事なのだろうな。

 

しかし、こんな些細な事、そんなに過剰に反応する事でもないだろうに……自制心なさすぎじゃないか?

楯無さんを見習えよ、余裕の表情で扇子に『お見事』って出してるぞ?……その横で楯無が『流石は私の嫁』と出していたのには、一瞬『タチのアタシが嫁なのか?』と思ってしまった。

 

「アタシにとっては、其れでも充分な違いだと言う事さ……だが、アタシのドラグーンの操作に驚いている様では、マリアの試合では身が持たんぞ?」

 

「あの、其れは一体どういう意味ですの?」

 

「……其れは、お前が其の身で知るが良いさオルコット。」

 

 

 

さて、次は静寐の番だ……アタシの様な様子見は必要ない、圧倒的な力の差をデュノアに教えてやれ――此の世界での事を前提にして選んだ安全牌は、実は危険牌だったと思い知らせてやると良いわ。

 

 

 

「言われなくてもその心算だよ夏姫……この世界の私は一般生徒みたいだから、デュノアさんは私を指名したみたいだからね。

 其れって、この世界の私の事を馬鹿にしてるって言うのと同じだし、並行世界との存在とは言え自分が馬鹿にされたのは流石に頭に来たから徹底的にやって来る!!」

 

「その意気だ、やって来い静寐。」

 

そんな訳で、続いては静寐vsデュノアだ。

開始早々、デュノアはイグニッションブーストを発動して静寐に接近……カラミティを砲撃型と見て近接戦闘を仕掛けたんだが、其れはモノの見事に防がれてしまったな――ザンバーに換装したカラミティの対艦刀で。

 

 

 

「そんな、砲撃型じゃなかったの!?」

 

「私のカラミティは、砲撃型のブラストと、近接戦闘型のザンバーを切り替えて戦う事が出来る機体なんだ――だから、私には不得手な間合いは存在しないんだよ。」

 

「嘘!!……この世界の君は、専用機の無い一般生徒なのに!!」

 

「その認識が間違いなんじゃないかなデュノアさん?……私が専用機を持っている時点で、この世界の私とは別物だって認識すべきだったね。」

 

 

 

其処からは静寐の独壇場だな。

近接戦闘では対艦刀を腕に装着したトンファーブレードで圧倒し、距離が開けばプラズマバズーカと、背部の4連装ビーム砲が嵐の如き勢いで襲い掛かって来るのだから溜まったモノではないだろう。

デュノアも次から次へと武器を換装して対応していたが、静寐の高速切り替えに比べれば遥かに遅いが故に、ドンドンジリ貧になって行き――

 

 

 

「此れなら!!」

 

 

「アレは、シャルの切り札の盾殺し!!」

 

 

 

逆転を狙って切り札を切って来たが、静寐は其れをアッサリとトンファーブレードで白刃取り的な方法で挟み取ると、切り札を防がれた事に驚いているデュノアに、略ゼロ距離からのスキュラ――もとい、二次移行で強化されたカリドゥスの一撃を叩き込んでゲームエンド……所要時間は1分5秒か。

あ、デュノアは目を回してるわ……まぁ、この結果がお前の今の実力と言う事だな。

 

 

 

「ラウラに続いてシャルまで……冗談よね?何かの間違いよね此れ!?」

 

「偶々だ、偶々が2回連続で起こったに過ぎん……セシリア、お前で巻き返してくれ!!」

 

「言われなくともその心算ですわ箒さん。」

 

 

 

2人連続で1分ちょいで倒されたのを見ても尚、実力差を認めない……否、認める事を無意識の内に拒否しているのか。

恐らくだが、今までコイツ等は同世代の相手に圧倒的に負けた事が無いのだろう――加えて国の代表候補生ともなれば己の実力に自信が付くと言うモノだ……モップの場合は代表候補ですらないが、天災お手製のISを使ってると言う事で、自分が特別な存在であると思ってるのだろうが。

だから敗北を認められない、認めたくない、敗北理由を己の実力不足以外のモノに求めたい、そんな感じなのだろうな。

 

ともあれ続いてはマリアvsオルコットだな。

 

 

 

「踊りなさい、私とブルーティアーズの奏でるワルツで!」

 

 

 

そんなオルコットのセリフで始まったこの戦いは、ハッキリ言って戦いにすらなっていなかったと言うのが正直なところだ――オルコットのブルーティアーズは一発限りのミサイルビット以外のBT兵器は4基だが、其れに対してマリアのプロヴィデンスには16基のドラグーンが搭載されているからね。

戦力差が4倍となればその時点で相当な無理ゲーなんだが、マリアはオルコットと違って16基のドラグーンを操作しながら、自身も自在に動く事が出来るから、そもそも勝負になる筈が無かったか。

マリアは空間認識能力と並列思考能力に限って言えばアタシを凌駕しているからな……うん、よくよく考えるとマリアも大分人間じゃないな。

 

 

 

「先程の言葉、今度は貴女に返すわ……逝きなさい、私とプロヴィデンスが奏でるレクイエムで!」

 

 

 

其処から先は、試合とは到底言えないような蹂躙劇……圧倒的な物量差による殲滅戦であり、無線誘導兵器の扱いの差が明確になった戦いだとしか思えないしな。

同じ存在であっても、己を磨いていた者と、肩書に胡坐掻いていた奴では雲泥の差があるらしい。

 

 

 

「全身どこもかしこも未熟の塊!未熟未熟未熟!未熟千万だわ!!その程度でブルーティアーズの全てを引き出したつもり!?恥を知りなさい!!」

 

 

 

そして最後は16方向からのドラグーンの一斉掃射と、本体からのビームライフルのフルバーストを喰らってシールドエネルギエンプティでマリアのノーダメージパーフェクト勝利だな。

マリア、良くやってくれた……GJだ。

 

 

 

「この程度の実力で、イチが勝てなかった事を非難するなんて言うのは、嫌味と皮肉を最大限に込めて言うと、尊敬に値するわね。――加えて、あのうざったい喋り方が癇に障るわ。

 お嬢様言葉を止めて正解だったと、心の底から思ったわよ。――メアリーの話し方にはそんな事は思わないのだけれどね。」

 

「其れは単純に自分と同じ顔をしている奴がお嬢様言葉を使ってるからでは無いのだろうか?」

 

アタシだってもしもイルジオンがお嬢様言葉で話しかけて来たら、速攻でブッ飛ばす位の気持ち悪さを感じてしまうからな……あ、ドラグーンの一斉掃射を喰らったオルコットは完全に伸びてるな。

此れで3連勝。うち2勝はKO勝ちと言う訳か。

 

さて、残るは鈴と箒の試合だが……

 

 

 

「ねぇ、残り試合はタッグマッチにしない?アタシと箒が、そっちのアタシ達と戦うってのは如何?」

 

「「タッグマッチ?」」

 

 

 

此処でスズがタッグマッチを提案して来たか……タッグマッチ、タッグマッチねぇ?

一夏の幼馴染コンビ同士の対決と言える試合、確かに面白そうではあるが、この局面でタッグなどと言い出したのは何か企んるんじゃないかと思ってしまうな?……否、謀など器用な事は鈴も箒も得意じゃないから、きっとスズも『ちょっと思い付いた』と言う感じなのだろうが。

 

 

 

「ふ~~ん?別にアタシ達は構わないわ。良いわよね、箒?」

 

「そうだな、別分断る理由もない……が、負けた時にタッグパートナーを敗北の理由にするなよ?」

 

「しないわよ!」

 

「誰がするか!」

 

 

 

で、鈴と箒はこの提案を受け入れ、箒は確りと負けた時にパートナーを理由にするなと釘を刺していたか……マドカ、ちゃんと録っておいたな?

 

 

 

「勿論だナツ姉さん。『そんな事は言ってない』等とは言わせん。

 其れよりもナツ兄さん、此れから出撃する嫁さん達に一言無いのか?鈴義姉さんと箒義姉さんの事を信頼してるのはよく分かるが、こう言う時は何か一言言ってやるべきだぞ?」

 

「そうね、其れに関してはお姉さんもマドカちゃんに同意ね♪」

 

「と言う訳で、嫁に何か言ってやれ一夏。」

 

「妹、姉の彼女、姉の3連コンボをやらなくても良いだろ……言われなくてもその心算だっての。

 鈴、箒、難しい事は言わねぇ……イチの嫁気取りに、俺の嫁の強さを思い知らせてやれ!」

 

「無論だ!!」

 

「一夏の嫁コンビの強さを見せてやるわ!!」

 

 

「ぐぬぬぬ……ちょっと一夏!アタシ達には何もない訳!!」

 

「そうだぞ!私達にもお前から何かあっても良いだろう!!」

 

「ん?あぁ、まぁ頑張れよ?」

 

 

 

マドカ、楯無、アタシの3連コンボ(?)の後で一夏が鈴と箒にエールを送ったのを見て、スズとモップはイチに半ば強要に近い形で其れを求めたが、イチの口から出て来たのはマッタク心の籠ってない定型句。しかも疑問形。

此れは間違い無く、ラウラから始まったパーフェクト負け3連発が効いているな……自分の負けを非難・批判した相手が、1ポイントも削れずに70秒程度で完敗したのを3連続で見せられれば思う所もあるだろうからな。

さてと、そうなるとこの試合が決定打になる訳か……任せたぞ、鈴、箒。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:鈴(IB)

 

 

模擬戦の最後はアタシと箒のタッグが、スズとモップのタッグと戦うタッグマッチ……提案して来たのはスズだけど、『タッグマッチなら2対1の状況を作れる、2対1を2回繰り返せば勝てる。』とか考えたんでしょうね。

其れ自体は、悪くないと思うけど、同じ事はアタシと箒だって出来る事を完全に失念してるわよ……如何する箒、先にどっちかを2対1で倒しちゃう?

 

 

 

「其れでは言い訳をされそうだから、ツーマンセルのマルチバトルで勝つのが一番だろう。

 先ずは自分と戦い、状況次第でスイッチする、後は試合の流れでやれば良い。

 と言うか、彼是チマチマと頭で考えるのは性に合わんだろう私達は……ならば、その場の流れでやるのが一番力を発揮出来ると言うモノだろう?」

 

「言われてみりゃ、其れもそうね。……そんな訳で掛かって来なさい?」

 

「余裕ぶっこいてんじゃないわよ、ムカつくわね!!」

 

「その鼻っ柱を圧し折ってやる!!」

 

 

 

軽く手招きしてやったら速攻で乗って来るとか、マジで沸点低いわね~~?エベレストの7合目の方が沸点高いんじゃないかしら……と言うか、此れが並行世界のアタシとか普通にないわ。

モップが散状態だった箒よりは遥かにマシかも知れないけどさ。

取り敢えずスズはアタシを、モップは箒を狙って来たけど、そんな単純な攻撃を受けてやる程アタシも箒もお人好しじゃないのよね?

 

 

 

「どりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「単純な突撃は、格好の的って知りなさい!」

 

「チョイサァ!!」

 

「そんな見え見えの太刀筋が通ると思うか!」

 

 

 

アタシはスズに向かってリニアランチャーをぶっ放し、箒は八十枉津日太刀の鞘当でモップの攻撃をいなしてからの居合でカウンターを叩き込んで逆先制攻撃ってね。

でも、これで終わりじゃないわ……此処からはずっとアタシ達のターンよ!

 

 

 

――ジャキィィィィン!!!

 

 

 

アロンダイトを抜き、更に翼を展開して光の翼を発生させてスズに突撃!と同時に複雑な軌道を描いて進む事で、光の翼のミラージュコロイドでアタシの分身を幾つも発生させる……ミラージュコロイドの散布範囲が広かった事で、箒の分身も作っちゃったのは予想外だったけど。

だけど此れは効果抜群だったみたいね?

 

 

 

「ちょ、分身って!そんなの有りな訳!?」

 

「く……ドレが本物か分からん!!」

 

 

 

まぁ、分からないでしょうね?

この光学分身は、夏姫や楯姐さんでも完全に見切る事は出来ないから、アンタ等じゃ見切る事は絶対に出来ないわ……だから、此れ壊させて貰うわよ?

 

 

 

――バガァァァァァァァン!!

 

 

 

「きゃあ!!な、何!?」

 

「手の平に内蔵された短砲身ビーム砲、パルマフィオキーナでアンタの機体のアンロックユニットを破壊させて貰ったわ……アンタの切り札をね。」

 

「龍咆が……!!この、やってくれたわね!!」

 

「が……何時の間に後ろに!!」

 

「鈴が偶発的に生み出してくれた幻影に気を取られ過ぎたな……目でしか相手を追う事が出来んとは、剣士としては二流以下としか言えんぞ。」

 

 

 

アタシは甲龍のアンロックユニットを破壊し、箒はモップの背後に遠心力たっぷりの一撃をお見舞いしてやったわ!

其処から箒は八十枉津日太刀と鞘の疑似二刀流でモップを攻め立て、アタシはアロンダイトの高速連撃でスズに反撃の暇を与えない――2m以上の得物を扱うのは相当に大変なんだろうけど、アタシも持ち前のパワーとデスティニーのパワーアシストがあれば此れでの光速連撃も何のそのよ!

 

 

 

「鈴、撃て!!」

 

「よし来た!!」

 

更にその乱戦の最中、箒にビームライフルをぶっ放す……スズとモップは驚いてたけど、此れは箒がパートナーだから出来る攻撃!アカツキにビーム反射装甲が搭載されているからこそ可能なトリックプレイ!!

アタシが放ったビームをアカツキが反射し、スズとモップに直撃!

其れを合図にアタシと箒はスイッチして相手を変え、更に猛攻を続ける……其れこそ基本はツーマンセルのマルチバトルだけど、所々で息の合った連携を出して圧倒してるわね。

 

 

 

「く……何なのよアンタ達……息が合いすぎじゃない!?」

 

「ハッ!アタシと箒の息が合ってるのは当然でしょ?アタシと箒は一夏の嫁よ?息が合ってなきゃ一夏を満足させられないでしょ……主に夜のバトルの方向でだけど♡」

 

「「だにぃぃぃぃぃぃ!?」」

 

「何を言ってるんだと思ったが、精神的にクリティカルだったみたいだな……それはさておき、衝撃を受けて放心してる今は好機、終わらせよう。」

 

「そうね……アンタ達には、イチの隣にいる資格はない、其れは間違いないわ。」

 

で、アタシのカミングアウトに放心したスズとモップにイグニッションブーストで近付き、アタシはアロンダイトの袈裟切りを、箒は八十枉津日太刀の居合を叩き込んでシールドエネルギーを削り切る。

アタシと箒のパーフェクト勝ちか……マッタク持って、アンタじゃ燃えないわ。

 

 

 

「クククク……ハハハハ……ハァ~ッハッハッハッハ!!そのまま死ね!!」

 

「三段笑いからのそのまま死ね……箒、アンタなんでそれをチョイスしたし。」

 

「此れは可成りの精神的ダメージがあるかなと。」

 

「成程ね……アンタが意外とSだった事はよく分かったわ。」

 

ともあれ、此れで模擬戦はアタシ達の全勝……しかもこっちの世界の連中は、イチ以外は只の1ポイントも削る事が出来ずに負けた訳だから、言い訳すら出来ない完敗だとしか言えないわ。

全くこの程度で、イチの模擬戦の結果にケチをつけるとは、大した精神の持ち主だわね。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:夏姫

 

 

模擬戦最終戦も、問題なく鈴と箒の嫁タッグが圧倒的な実力差を見せつけて勝利したか……結局、模擬戦の総時間は4戦で10分にも満たなかったか、まぁ予想はしてたがな。

其れでイチ、この模擬戦を見て如何思った?

 

 

 

「俺、なんで箒達に負けた事を非難されなきゃならないんだろう?って言うか、なんで俺って今まで箒達と一緒に居たんだろうって思ってます。」

 

「イチ、其処に気付いてくれたか……俺は嬉しいぜ!!」

 

「ナツ……お前達のおかげで気付けたよ……俺は、もう少しアイツ等に厳しい態度を取るべきだったんだって!――考えてみれば、俺が出来ない事は非難するクセに、出来た事に関しては『出来て当たり前』みたいな感じだったしな。

 そういう意味では、楯無さんと虚さん、簪とのほほんさんは俺が出来た事に関しては褒めたり凄いって言ってくれたんだよな……其れを考えると、俺の事を見てくれてたのって、その4人なんだよな?」

 

 

 

ふ、其処まで気付く事が出来たか……ならば、ダメ押しの一手でお前の中にある汚泥の根幹と、汚泥を注ぎ込もうとする存在を全て抹消するとしようじゃないか?……もう、お前は呪縛から解放されるべきだからな。

 

「楯無さん、貴女はさっき千冬さんに『自分が出張る事になる訳だ』と言っていたが、其れは具体的に如何言う事なのか説明して貰っても良いか?」

 

「夏姫ちゃん……そうね、模擬戦が終わったら説明すると言ったから、話させて貰いましょうか――何故私が2学期から一夏君のコーチ兼護衛を務める事になったのか、その理由を。

 でもそれは同時に、1学期の間、一夏君を取り巻いていた環境――織斑先生と専用機持ち5人に対する処刑判決でもあるのだけど、一夏君の為にも、私は心を鬼にして其れを話させて貰うわ……!!!」

 

 

 

……よもや、並行世界で異次元同位体とは言え楯無の本気の怒り顔を見る事になるとは思わなかったが、思わず本気の怒りが湧き上がる程に、楯無さんはイチの現状に不満を抱いていたと言う事なのだろうな。

果てさて、そんな彼女の口から語られるのはどんな真実なのだろうね……少なくとも、決してプラスの評価が出来るモノでないのは確実だな。

取り敢えずよく聞いておけイチ……そして知れ、お前に本当に必要な人は誰なのかと言う事をね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。