Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

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イチ強化計画其の一By夏姫      まずは機体を強化しましょう♪By刀奈 


Break85『新たなる一歩を踏み出そう!』

Side:一夏(IB)

 

 

あふ……もう朝か。

昨日は模擬戦からずっとタテさんのターンに始まり、最後は束さんが天災を帰還不可能の異界送りにしたとか色々あって、流石の俺も疲れちまったから、何時もよりも起床時間が遅くなっちまった……7時か、完全に寝坊だな。

イチは、まだ寝てるか……ま、半年近い拷問生活から解放された訳だから、安心して眠っちまうのは仕方ねぇか……ホント、よくもまぁ半年近くも劣悪極まりない状況に耐えられたもんだ――其れだけで尊敬に値するっての。

 

で、貴女は何をしていようとしていたんでしょうかタテさん?

 

 

 

「あら、バレちゃった?

 完全に気配は消していた筈なのに……何で分かったのかしら?」

 

「完全に気配を消していたからです。

 僅かにでも気配が有ったら、其方に意識は向きますけど、完全に消えたとなったら逆に不信感を覚えるんすよ――余程の訓練を受けた人間でない限りは、自分の気配を完全に消す事は出来ないっすからね。」

 

「アラアラ、此れは一本取られちゃったわね♪」

 

 

 

よく言うぜ……絶対気付いてだろタテさんは。

だけど、此の位の事では怒りも何も湧いてねぇんだよな……楯無さんの飄々とした態度は、世界が違ってもそんなに変わりはないって事なんだろう。

で……イチに何をしようとしてたんすかね?

 

 

 

「何もしないわよ。

 強いて言うなら、寝顔を撮って、スマホの壁紙にしようかなぁって♪」

 

「タテさん、其れ普通に犯罪だから。相手の許可なしに撮影とか、殆ど盗撮だから。」

 

まぁ、そんな事を本気でやる程馬鹿じゃないってのは分かるし、誰かに不利益が発生するでもないから強く言う事も出来ねぇってのが本音なんだけどよ……取り敢えず、イチが起きるまで待つか。

今日と明日のスケジュールは可成りハードだから、確り寝て体力を蓄えて貰わないとだからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break85

『新たなる一歩を踏み出そう!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:夏姫

 

 

異世界旅行2日目は、先ずは皆仲良く朝食だ――私達の事情は学園長に話してあったので、その関係から土日でも学食を解放する事にしたらしい。

完全にアタシ達が原因なのだが折角の好意だから甘えさせて貰うとしよう。

で、先ずは一日の基本となる朝食だが、多少のメニューの差異はあるモノの、全員が『和食』の朝食だな。

御飯と味噌汁と焼き魚にお新香がセットになった、ザッツ朝定食!なメニューなんだが、アタシと一夏とイチはオプションとして納豆を選択したよ……朝食には納豆と言うのがアタシだからね。

と言うか、略毎日朝食には納豆を食べているからな……そのお陰で丈夫な体を得る事が出来た訳なんだが――一夏よ、其れは何だ?

 

 

 

「え?納豆だけど?。」

 

「そんなモノは見ればわかる。

 その可成り赤い納豆は一体何のだと聞いているんだ。」

 

「あぁ、此れか。

 納豆に豆板醤、花椒、オイスターソースとラー油を混ぜ合わせた、麻婆納豆だぜ!!ニンニクとショウガのダブルスタミナパワーを納豆に加えて、豆板醤の辛味が食欲をそそるんだ!」

 

「其れはまた何とも……イチも納豆を買ったらしいが、其れは何ぞや?」

 

「納豆に、卵黄と粉チーズとオリーブオイルを混ぜ合わせたカルボナーラ納豆ってね!……商品化には、マダマダ程遠いけど、此れ結構いけるぜ!」

 

「中華風とイタリア風の納豆、ね。」

 

まぁ、好みは人夫々だからお前達が如何言う食べ方をしようとも文句を付ける心算は無いが、混ぜてるモノが結構臭い強いから気を付けろよ?

特に一夏。ショウガと豆板醤は兎も角、生のニンニクは相当に来るからな?口臭ケアはちゃんとしておけ……幾ら顔が良くても口が臭かったら色々と台無しだからな。

 

 

 

「分かってるって。ちゃんと歯を磨いた後にリステリンするし、ブレスケアも飲むからさ。」

 

「ならば良いが……楯無さんと簪君とのんびりさんと虚女史は如何した?イチのカルボナーラ納豆に驚いたと言う感じでもなさそうだが……?」

 

「一夏君の納豆の食べ方は個性的でいいと思うんだけど……夏姫ちゃん、マドカちゃんの朝ごはんはアレで良いの?」

 

「ハムサンドとからな兎も角、朝からアレはちょっと重い気が……」

 

「朝食にたんぱく質を確り取る事が良いと言うのは知っていますが、だからと言ってアレは流石に驚いてしまいますよ……同じ事をやれと言われても、私にはまず無理です。」

 

「見事なまでに~~、お肉だよね~~♪」

 

 

 

あぁ、マドカの朝食のメニューに驚いていたのか……アタシ達はもう慣れてしまったが、初見だと吃驚するだろうなアレは――本日のマドカの朝食メニューは、1ポンドステーキのレアだからね。

マドカは朝からガッツリと肉を行く子なんだよ……留学時代に所属してたジャンク屋のギルドでは、朝から肉とか普通だったらしくてな。

 

 

 

「そ、そうなんだ……ワイルドで元気があると見れば良いのかしら……?」

 

「まぁ、そう言う奴もいると思った方が色々と楽だぞ。食の好みに彼是言うのはナンセンスだからね。

 時に箒、その包みは何だ?アタシの見間違いでなければ、弁当のように見えるのだが……今日は別に弁当が必要と言う事もないよな?」

 

「此れは姉さんへの差し入れだ。

 あの人の事だから、本当に徹夜で作業をしているだろうし、碌に休憩も入れてない筈だ……そろそろ作業は終わって居る頃だろうから、届けてやろうかと思ってな。

 姉さんの好物を詰め込んだ弁当だから、きっと喜んでくれると思う。」

 

「……ナツ、お前の嫁さんはマジで最高だな。本当に篠ノ之の異次元同位体なのかと思っちまうぜ俺。」

 

「モップのダメな所は、散として分離したんだろうなきっと……そして他5人のダメなところが集約した存在が一秋って所か……そう考えると、一秋と散が救いようのない馬鹿で阿呆な愚か者ってのも納得出来るぜ。」

 

「其れ、納得して良いのか?」

 

「良いんじゃね?

 何度制裁されても懲りずに要らん事して、挙げ句の果てにはテロリストにまで身を堕とした連中だからな……生命力だけは無駄に強いから、早々くたばりはしないだろうが、何れはキッチリとな……」

 

「ドンだけの屑だよそいつ等……」

 

 

 

まぁ、アイツ等以上の屑は層々居ないだろうな……其れこそ、アイツ等以上となったらライブラリアンの『教授』とやら位だろう――イルジオンは兎も角として、一秋と散を招き入れた時点でロクデナシなのは間違いないからね。

 

だがまぁ、そんなクズ共の話は止めて、さっさと食事を済ませて束さんの所に行こうか?あの人が本気を出せば、一晩でイチと楯無さんと簪君の機体を改造するなど余裕だからね。

 

 

 

「いや、夏姫さん、幾ら束さんでも其れは流石に……」

 

「模擬戦が全部終わる間に、フリーダムのドラグーンの不具合を直して、更に強化改造までした件について。」

 

「そういやそうだったな……」

 

「束博士、ホントにハンパないわよねぇ……あの人ならそのうち本当にヤタノカガミとPS装甲のハイブリット装甲を開発しそうな気がしちゃうわ。」

 

「楯無、空恐ろしい事言わんでくれ。」

 

あの人は本当にやりかねないからな……尤も、其れをやろうとしたら開発費が凄い事になるだろうから現実にはあり得ないと思うけれどね。

其れは其れとして、束さんはイチと楯無さんと簪君の機体を如何言う風に改造したのか、楽しみではあるな。

 

 

 

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さて、朝食を終えたアタシ達は、束さんが作業をしている整備室に。扉の中からは作業音は聞こえないから改造は終わったのか?……束さんが作業途中で休憩を入れるとは思えないから終わったんだろうな。

 

「束さん、入りますよ?」

 

「おぉ、なっちゃん!其れに皆も良いタイミングで来たね!!丁度今し方、イチ君とタテちゃんとカッちゃんの機体の改造が終わった所なんだよ!!

 いやぁ、イチ君の機体の改造には手間取ったけど、其れが終われば後は楽勝だったね、アッハッハ!!」

 

 

 

イチの機体の改造には手間取ったって、何かあったんですか?

 

 

 

「何かあったどころじゃなくて問題だらけ。

 零落白夜のエネルギー食いは勿論だけど、白式はそもそもにしてモップの専用機と一緒に行動する事が前提とした機体で、其れが有って初めて機体性能をフルに出せる機体だったの。

 拡張領域に余裕がない無いのも、余裕がないんじゃなくて、最初っから零落白夜の分しか容量が確保されてなかったからだしね……完全にあの天災はイチ君をモップとくっつけさせる心算だったんだよ。」

 

「マジかよ……冗談にしても性質が悪過ぎるぜ。」

 

 

 

マッタクだなイチ……お前の言った事は、この場にいた全員が思った事だよ――あの天災はマッタク持って何を考えているのか本気で意味が分からないな?全てはモップの為なのだろうが、だからと言ってこんなピーキーな機体をイチに使わせてもしもの事が有ったら如何する……いや、その時はその時で、自分に都合のいいイチのクローンを作っただけか……本気で狂っているな。

束さんがアイツを並行世界のサルだった事の人間の時代に送ったのは正解だろうな……流石に弱肉強食の世界では、あの天災も生きるのは大変だろうからね。

 

 

 

「お疲れ様でした姉さん……どうせ休憩も入れないで突貫作業していたのだろうと思って弁当を作って来ましたので、手が空いたら食べて下さい。」

 

「マジ!?箒ちゃんの手作り弁当!?ウワォ、其れだけで束さんあと10年は余裕で戦えるんだけど!!

 其れで其れで、中身は一体何かなぁ~~!!」

 

「姉さんの好きな稲荷寿司とだし巻き、後は豚の角煮と金平ごぼうですね。稲荷寿司の油揚げは、薄味よりも醤油とたっぷりの砂糖で煮たモノの方が好きでしたよね?」

 

「見事に全部大好物!!もうね、大好き箒ちゃん!!」

 

「……そっちの束さんは、常識はあってもハイテンション&妹スキーなのは変わらねぇのな。」

 

「まぁ、其れが束さんだからな。」

 

「一夏よ、其れは身も蓋もないぞ……と言いたい所だが、其れで納得してしまうアタシが居るのもまた事実なのが微妙に悲しいと言うか何と言うか。」

 

結局のところ『此れが束さん』と言う事なのだろうね……寧ろ、束さんが大人しくなったらそちらの方が心配になってしまうか。

其れで束さん、イチ達の機体はどんな風に改造したんですか?

 

 

 

「フッフッフ、よくぞ聞いてくれました!!

 其れじゃあ、とくとご覧あそばっせい!!此れが束さんが徹夜して改造したイチ君達の新たな専用機だよ!!!」

 

 

 

そう言って束さんが改造した機体を起動すると、其処には3体の全身装甲のISが……純白のストライクEに、漆黒のジャスティスに、真紅のバスターの姿が――ストライクがイチ、ジャスティスが楯無さん、バスターが簪君のかな?あくまでも、アタシ達の世界を基準にした場合の話だが。

ただ、ストライクだけでなくジャスティスとバスターも武装が微妙に異なるな?一体どんな機体なのか。

 

 

 

「此れが、俺達の新しい専用機……」

 

「どれが自分のかは分からないけど、でもすごい機体なのは分かるわ。」

 

「この中の一つが弐式……カッコ良くなったね。」

 

 

 

如何やらイチ達もお気に召したようだな……取り敢えず束さん、機体スペックと搭載武装なんかを説明してくれませんか?自分の機体に搭載されてる武装は理解しておかないとですからね。

 

 

 

「だね。先ずはイチ君、君の新たな機体は、真ん中の白いのだね。

 機体名はブリッツァーストライク。エールストライカーを発展させたブリッツァーストライカーを搭載した、近接戦闘能力と機動力に特化した機体だよ。

 フルスキンになったのは見て分かると思うけど、他にも異なる点はある。

 先ず武装だけど、雪片弐型は破棄した……織斑千冬の武器の後継機何て言うのは、君にとっては只の重荷――否、織斑千冬信奉者からの呪いと言っても良いだろうからね。

 代わりに、新たな近接ブレードとして重斬刀を搭載して、零落白夜の機能もこっちに移動させたよ。」

 

「零落白夜は残したんですか?」

 

「まぁ、アレは確かにIS戦に於いては無類の強さを発揮する正に反則技、ぶっちゃけ何で第2回モンド・グロッソで使用禁止にならなかったのか、この束さんでも理解出来ない。

 何れ試合での使用制限が掛かるかも知れない機能だけど、イチ君を狙ってきた奴とのガチの戦闘ではこれ以上なく頼りになるものだからね……身を守る為なら反則技もへったくれもないし。」

 

 

 

予想通りストライクがイチの機体だったか……いや、徹夜したとは言え一晩で改造するだけじゃなくて新たな装備を作ってしまうとは流石としか言い様が無いと言うか。

近接戦闘能力と機動力に特化した機体と言うのはイチにピッタリだと思うが、エールストライカーを発展させたと言っていましたけど、形状的にはフリーダムのバックパックに近くありませんか?

 

 

 

「そりゃそうだよ、私が設計した方のフリーダムは、元々エールストライクを発展させたモノだったんだから。マッタク偶然だけど、なっちゃんが改造した方のフリーダムと、私が設計したフリーダムはウィングスラスターの形状は略同じだった訳さ。

 流石の束さんでも、ウィングスラスターをバラエーナーのバインダーとして使う発想は無かったけどね。」

 

「成程、そうでしたか……すみません、説明の続きお願いします。」

 

「はいはーい!武装に関しては重斬刀以外は、右の腰のホルダーにはアーマーシュナイダーが収納されてるよ。

 其れから、見て貰えば分かると思うけど、左腕の方が右腕よりも長くなってるでしょ?此れは、マドちゃんのテスタメントに搭載されてるトリケロス改を簡易化したって言えば良いかな。

 白式に搭載されてたクローの強化版と思ってくれれば良いよ。荷電粒子砲もちゃんと使えるしね。

 それから、あの天災の策略だった燃費の悪さはシールドエネルギーとは別に、稼働エネルギーとして大容量のバッテリーを搭載する事でクリア。

 零落白夜を使っても稼働エネルギーを消耗しないように、重斬刀自体にも零落白夜用のバッテリーを搭載して、零落白夜自体の燃費も向上!!

 消費エネルギーは此れまでの半分で、稼働可能時間は此れまでの3倍にしてみたよ!!」

 

「使用エネルギーが半分で、稼働可能時間が3倍ってーと……」

 

「単純計算で性能が6倍に向上した事になるわね……」

 

「マジっすか楯無さん!!」

 

 

 

いやはや……こりゃ、白式のピーキーさには、束さんも相当カチンと来たみたいだが、其れもそうか。あの天災が、自分の思い通りになるようにイチの力を抑え込んで居たようなモノだからな。

にしても、核融合エンジンは搭載しなかったんですか束さん?

 

 

 

「最初は搭載しようと思ったんだけど、如何もあの天災は核融合エンジンもPS装甲も開発してないみたいなんだよね。

 ぶっちゃけて言うと、核融合エンジンもPS装甲も束さんだから作れたものな部分がある訳さ……だけど、束さんは明日には元の世界に戻っちゃうじゃん?

 そうなると、何か不具合が起きた時にメンテナンス出来る人が居なくなるから搭載しなかったの。」

 

「成程、流石は考えていらっしゃるわねプロフェッサー。」

 

「いやいやいや、此れ位の事は普通考えるっしょ?」

 

「この世界に存在してた天災は、そんな事を考えないと言う件に賛成の人。」

 

「「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」」(鍵カッコ省略)

 

 

 

まっとうな束さんの意見から続いた静寐の問いかけには、全員が同時に挙手したが、其れだけあの天災はあり得ない奴だったと言う事だろうね。

取り敢えず束さん、楯無さんと簪君の機体についても説明お願いします。

 

 

 

「はいよ~~!先ずは、タテちゃんの機体はこっちの黒いのだね。機体名はヴァルキリージャスティス。

 基本的にはたっちゃんのジャスティスと同じだけど、ビームサーベルとビームライフル、其れから左腕に搭載されてたビームキャリーシールドはオミットして、右腕に実体ブレード、ビームライフル、実体シールドの3つを纏めたヴァルキリーソードを搭載してるのが特徴だね。

 ビームライフルはブレードを展開してる状態でも使用できるから、ブレードで戦ってる最中に不意打ちとかも可能だよ。

 あと、ミステリアス・レイディに搭載されてたナノ粒子の精製能力はそのまま残しておいたから、そんなに違和感なく使えると思うよ。」

 

「此れが私の……霧の淑女が戦乙女の正義になるとはね……ありがとうございます篠ノ之博士。」

 

「何のこれしき!さてさて、続いてカッちゃんの機体行ってみよう!機体名はストームバスター。

 カンちゃんのアズールバスターと同様に、両腰に大口径のビームランチャーを搭載して、両肩には6連装ミサイルポッドが搭載されてるけど、左肩に搭載されてたビームライフルと右肩に搭載されてたガンランチャーはオミットして、新たに左肩に大口径の電磁グレネードバズーカを、右肩にビームガトリングを搭載してみたよ。

 両肩のミサイルポッドは6連装だけど、秒間10連発出来るからミサイル弾幕は弐式を上回ってるよ!!」

 

「ストームバスター……此れが弐式の新たな姿……うん、とってもカッコいい。気に入りました。」

 

「ハッハッハ、そう言って貰えると徹夜した甲斐があったってもんだね!」

 

 

 

確かにな。

だがまぁ、束さんが直々に改造した機体が3機もあれば学園の防衛は充分だろうな……恐らく束さんの事だからイチ達の機体を完全に『兵器』にしただろうからね。

この世界の天災は、ISを兵器として世に売り出した訳だから、ある意味ではこの世界のISのあるべき姿に戻したとも言えるのかも知れないが、束さんが兵器に改造したのであれば、既存のISでは到底勝ち目はない……世代で言えばイチ達の機体は、第15世代位になった訳だからな。

 

 

 

「第15世代って……マジっすか?」

 

「本気と書いてマジだイチ。

 アタシ達の世界の束さんが本気を出せば、既存のISをも上回る性能の機体を生み出すのなんて朝飯前だと言う事だ……そして、お前達は其れだけの力を手にした。

 ……アタシが言わなくても分かってると思うが、力の使い方を間違えるなよ?」

 

「おうよ、其れは分かってるぜ!!」

 

「大丈夫よ夏姫ちゃん、一夏君達には私達が居るモノ。」

 

「一夏が道を踏み外しそうになったら、殴ってでも私達が止めるから大丈夫。」

 

「イッチーには私達が居るから大丈夫なのだ~~♪」

 

「本音……ですが、一夏さんの事は私達が全員でサポートしますのでご安心ください。」

 

 

 

強い力を手に入れた者は力に溺れてしまう事が有るのだが、イチは大丈夫そうだな……もしもイチが道を誤りそうになっても、その時は楯無さん達が目を覚まさせてくれるだろうからな。

さてと、其れじゃあ新たな機体を受領した所で、早速訓練と行こうか?……イチよ、今日と明日でみっちりとお前を鍛えてやるから、覚悟していろよ?

 

 

 

「おうよ!徹底的にやってくれ!!」

 

「その意気やよし。頑張れよ。」

 

「……その意気やよしって、リアルに聞くのは初めてだな。」

 

 

 

……其処は突っ込まないでくれマドカ。自分でも言ってしまったと思っている所だからな……マッタク持って、誰が最初に言ったか分からないセリフだが、気合を入れるにはいいセリフかもしれないな。

 

 

 

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・・・

 

 

 

そんな訳で、訓練を終えて今は大浴場で一日の疲れを癒している所だ。

今日の訓練で分かった事は、矢張りイチは防御と回避、特に回避の能力がずば抜けて高いと言う事だ……ISを使わない格闘訓練の時に、手加減なしで放ったアタシの攻撃を掠る程度の被弾はあったにせよ致命傷はゼロで避けきったからな。

イチは如何やら動体視力が凄まじく良いらしい……そうでなければ、アタシの攻撃を見てから回避する事など不可能だからね。

ISバトルに関しても、モップ達から押し付けられた攻撃方法を完全に捨てる事で、動きの無駄がなくなってカウンターヒッターとしての才能が一気に開花したらしく、アリーナの使用時間終了間際に行った模擬戦では一夏と略互角に遣り合っていたからな。

余計なモノがなくなった途端にこの急成長……モップ達はイチにとって本気で枷でしかなかったと言う事か。

 

さて、大浴場で一緒に風呂ともなれば女子トークに花が咲くわけだが……

 

 

 

「ねぇ、そっちの鈴ちゃんと箒ちゃんは一夏君と付き合ってるのよね?」

 

「そうよ、アタシと箒は一夏の嫁♪」

 

「其れが、どうかしましたか?」

 

「参考までに聞いておきたいのだけれど……初めての時ってやっぱり痛いの?」

 

 

 

楯無さん、何を聞いてるんだアンタは?

 

 

 

「ん~~……思ったほどは痛くなかったわね?寧ろ痛みよりも、一夏に愛されてるんだって言う気持ちの方が大きくって、痛みなんて全然気にならなかった感じなのよね~~♡」

 

「そ、そうだな……一夏は気遣ってくれたし、抱きしめられて耳元で『愛してる』とか言われたら、痛みなど全く感じないモノだ。」

 

 

 

そして答えるな一夏の嫁二人。

アタシがとやかく言う事でもないかも知れないが、そう言う事はざっくばらんに言う事でもないだろうに……或いはこれも、男子が居ない状況だからこそなのだろうか?

 

 

 

「そ、そうなんだ……その時の為に毛の処理はしておいた方が良さそうね。

 其れとは別に、そっちの私は夏姫ちゃんと付き合ってるのよね?」

 

「そうだけど、其れが如何かした?」

 

「ぶっちゃけた事聞くけど、どっちがタチでどっちがネコなの?」

 

「夏姫がタチで私がネコかしら?……夏姫はバリタチだから。」

 

 

 

だからと言って、軽々しく言うな楯無!!

確かにアタシはタチだが、バリタチでもないだろうに!!少なくともずっとアタシのターンで終わった事はない!!必ずお前のターンもあった筈だぞ!

 

 

 

「いやぁ、夜のバトルに関しては私ってちょっとヘタレネコだし?」

 

「大概の場合、誘ってくるのはお前の方からなのにどの口が言うか。」

 

「此の口~~?」

 

「ほう?ならばその口、今此処で塞いでやろうかアタシの口で?」

 

「ごめんなさい、私の負け。」

 

「よし、勝った。」

 

何ともアホなやり取りだと思うが、こんな事が普通に出来る位にアタシ達は馴染んでると言う事なのだろうな……この世界の更識姉妹と布仏姉妹もノリノリだったからな。

そう言えば、今日一日スズ達は何もしてこなかったが、若しかしてまだショックから立ち直れていないのか?……だとしたら、イチの絶交宣言はダメージ4倍の効果は抜群だったのだろうな。

まぁ、其れならばそれでいいさ……ショックでトチ狂われるよりは遥かにマシだからね。

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:一夏(IB)

 

 

あ~~……やっぱ風呂は癒されるぜ……風呂は最高だ、お前もそう思うだろイチ?

 

 

 

「完全に同意するぜナツ……ってか、同性と大浴場ってのは初めてだから、なんだか新鮮だぜ。」

 

「だろうな。実を言うと俺もなんだ……一秋の奴と同じ風呂なんざ御免だから、意図的に時間ずらしてたからな――あの野郎と一緒の風呂に入る位なら死んだ方がマシだっての。」

 

「其処まで言われるって、ドンだけの屑なんだよ一秋って奴は?」

 

 

 

アイツはガチで人間の屑。寧ろ比較するにも屑に申し訳ないレベルだっての……アイツに比べたら、アメリカで銃乱射事件を起こした奴が可愛く思えるレベルだぜマジで。

そんな一秋の金魚のふんの散はマジ終わってるぜ。

 

 

 

「コメントのしようがねぇな其れは。

 其れは其れとして、ナツは鈴と箒と付き合ってんだよな?……その、こんな事を聞くのはアレだと思うんだけど――若しかしなくてもやってます?」

 

「もしかしなくてもやっちゃいました。」

 

「やっぱりかよ!!……後学の為に教えてくれ……初めての時って、男は如何すれば良いんだ?」

 

 

 

ん~~?別に特別な事をする事は無いぜ?

自分の思いに素直になれば良いだけの事だ……相手への愛を前面に押し出して愛してやればそれでいいんだよ。俺も鈴と箒にはそうしたからな。

お前の愛をタテさん達にぶつけてやれば良いんだ、簡単だろ?

 

 

 

「……その時が来たら頑張ってみるわ。」

 

「おうよ、頑張れイチ!」

 

その時が来るのはそう遠い未来じゃないだろうけどな。――この世界でお前を支えてくれる人達の事大事にしろよ?……絶対に楯無さん達の事を裏切るんじゃねぇぞイチ。

 

 

 

「言われるまでもねぇよナツ。俺は絶対に楯無さん達を裏切らない……そして、楯無さん達に相応しい男になる!約束するぜ!!」

 

「その言葉が聞けただけでも良かったぜイチ……俺達は明日の訓練が終わったら元の世界に戻るが、此れなら不安は無いぜ……お前とタテさん達なら、どんな敵が来ても負けないって確信したからな。」

 

そう言えば、イチに絶交されたモップ達がショックから立ち直って逆ギレ特攻をしてくるんじゃないかと思ってたんだが、そんな事も無かったな……まぁ大人しくしてくれているのであれば其れに越した事はないぜ。

アイツ等の存在はイチにとって害悪でしかないからな……まぁ、突撃して来たその時は、今度こそ完全に引導を渡してやるだぜ!!

 

 

その後、風呂上りに俺とイチが頼んだのは揃って牛乳……世界が変わっても、嗜好ってのはそうそう変わるものじゃないのかも知れないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:鈴(並行世界)

 

 

一夏に絶交された……なんで?何でそんな事になるの?アタシは一夏のために一生懸命だったのに、どうして絶交されないといけないの?何処にも理由が見当たらない。

楯無さんが何か言ってたけど其れも覚えてない。何で、如何して?

 

 

……あぁ、そうか……アイツ等が、並行世界からやって来たとか言ったアイツ等が居たせいでアタシは一夏と引き離される事になったんだ……全てはアイツ等が悪いんだ。

そうだ、アイツ等が来なければこんな事にならなかった!一夏はずっとアタシの側にいてくれたんだ……其れなのにアイツ等が来たせいでアタシは一夏と……許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない!!

殺してやる……絶対に殺してやる!!そして一夏を取り戻すのよ!!……待っててね一夏、アタシが迎えに行ってあげるから!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

 

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