Infinite Breakers   作:吉良/飛鳥

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亡霊が執行者に勝てると思うのか?身の程を知れBy夏姫      力の差と言うモノを骨の髄にまで刻み込んであげるわBy刀奈 


Break89『Crash of the Ghost Soldiers』

Side:夏姫

 

 

学園に襲撃をかけて来たのは、アメリカの超極秘部隊だったか……あらゆる個人情報が抹消されているのであれば、束さんでも正体を割る事が出来なかったかも知れないけれど、ナターシャさんの存在が超極秘部隊の隊員――と言うか、隊長の存在を立証する事になるとは、予想外だったよ。

アタシ達にとっても、そしてお前達にとってもな。

 

まぁ、其れが原因でゴーストの連中はナターシャさんを最優先で潰そうとしているみたいだが……そうは問屋が卸さんぞ?

 

 

 

――バシュ!バシュゥ!!

 

 

 

「擦れ違いざまに、ビームサーベルの二刀流で斬り捨てるとは流石ね夏姫?……しかも、シールドエネルギーだけを削り取って、パイロットには一切の怪我を負わせないとは凄いと思うわよ?」

 

「殺すのは駄目だからな……尤も、シールドエネルギーがゼロになった奴は海へのスカイダイビング確定だから、可成りの恐怖を味わうのは間違いないと思うけれどね。

 まぁ、自分から攻めて来たんだから、どんな結果になろうとも全ては自分の責任だろう?アタシ達が心配する事でもない。」

 

「マッタク持ってその通りね♪」

 

 

 

攻めて来たのはそっちで、攻め込まれたのはIS学園の方なのだから、アタシ達には『学園と生徒を守る為』と言う大義名分があるから、相手を殺しさえしなければ、大概の事は不問になるからね。

そもそもにして、アタシ達レギオンIBは超法規的部隊であるから、何処の国の法律によっても縛られる事は無い――故に遠慮なくやらせて貰うだけの事だ。

何よりも、アメリカのプロ集団との事だったが、ハッキリ言ってアタシと刀奈――いや、この場にいる誰の相手にもならん。

兵士としての訓練は受けているようだが其れだけだ……恐らくだが、潜って来た修羅場の数で言うのならば、アタシ達の方が上かも知れん――っとなると、戦いの年季はアタシ達の方が上かもな。

ゴーストに、戦いにおける年季の違いを、其の身に刻み込んでやるわ。

だが、ゴースト以上に気になるのがイルジオンだ……気配を感じた以上、近くにいる筈なんだが姿が見えん……一体何を企んでいるのか、だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Infinite Breakers Break89

『Crash of the Ghost Soldiers』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

No Side

 

 

IS学園近海の上空では、IS学園公認の独立機動部隊レギオンIB+αと、アメリカ軍が放った超極秘部隊であるゴーストによるISバトルが展開されていた……果たしてこれがISバトルと言えるかどうかは甚だ疑問ではあるが。

 

 

「如何した?足を止めたら撃ち抜くぞ!」

 

「さぁ、踊って下さいまし……私とブルーティアーズが奏でる円舞曲で!」

 

 

数の上では圧倒的に有利なゴーストだったが、その数の差は夏姫のフリーダムとセシリアのブルーティアーズDに搭載されているドラグーンによって意味をなさないでいた。

夏姫のドラグーンとセシリアのティアーズ操作は神がかっていて一切の隙が無い……自身も動きながら無線誘導機動兵器の操作もすると言うのだから其の並列思考はどれ程のレベルであるのか想像も出来ないだろう。加えてセシリアの場合は空間認識能力もずば抜けているのだから。

この二人だけでも相手にするのは厄介極まりないのだが……

 

 

「だから、夏姫とセシリアちゃんに気を取られていると危ないわよ?」

 

「武士の情けだ、命だけは取らないでおいてやる。」

 

 

ドラグーンとティアーズの攻撃を避けた所を攻撃して来る刀奈と箒がまた厄介だった。

刀奈も箒も射撃戦よりも近接戦闘を得意としているが、其れだけにドラグーンとティアーズに翻弄されるゴーストの隊員は格好の的だった訳だ。

……動きが制限された相手ならば近付くのは容易だし、近付いてしまえば刀奈と箒の独壇場だ。

実際に今も刀奈はビームエッジを展開した足での蹴りで、箒は峰打ちではあるが全力の唐竹割を相手の脳天に叩き込んで、一撃でシールドエネルギーをエンプティーにしたのだから。

 

 

「楯無さん、二次移行してから足癖悪くなってませんか?」

 

「アラアラ、人聞き悪いわねぇ箒ちゃん?

 私は元々拳の技よりも足技の方が得意なのよ。武器を使った戦闘だと拳は使えないから、足技を重点的に鍛えて来たし、何よりもビームエッジ展開した蹴りなんて生身じゃできないモノ♪」

 

「生身で出来たら、其れだけで一生食うに困らないでしょうね。」

 

 

そして戦闘中であるにも拘らずこの余裕だ。

刀奈は更識の長と言う事で胆力は元々あるのだが、箒も箒で『篠ノ之束の妹』として扱われ、更に散と言う最悪級の妹の彼是に対応していた事で精神的に強くなっているようだ。

 

 

「く……これが、学園の生徒だと?

 冗談じゃない、此れまで私達が相手にした誰よりも強いじゃないか……IS学園は、こんな連中を擁していたのか!!……クソ、何が『学生相手の楽な任務』だ!よく調べもしないで、上層部の無能共が!!」

 

 

だが、ゴーストからしたら此れは完全な予想外。

IS学園の脅威はブリュンヒルデこと織斑千冬只一人だと思っていたのに、箱を開けてみれば一流の軍隊のソルジャーに勝るとも劣らないIS乗りが行く手を遮って来たではないか……簡単な任務だと思っていたゴーストにとって、此れは正に予想外のカウンターだっただろう。

 

 

「くそ……だが、私達の事を知るナタルだけは絶対に始末せねば……ナタルを優先的に狙え!!」

 

「「「「「「「「「「Yes Manm!」」」」」」」」」」

 

 

其れでも己の素性を知るナターシャだけは最悪でも葬ろうと考え、ナターシャを最優先に狙うが……ナターシャの専用機であるシルバリオストライクGは、元は何だったのか思い出して欲しい。

 

 

「私を狙って来るか……存在しない存在を知っている人間を生かしてはおけないモノね。

 だけど、私とこの子を甘く見ないで欲しいわ……行くわよゴスペル!!」

 

『La……』

 

 

そう、シルバリオストライクGは銀の福音が二次移行した機体を束が再調整した機体であり、銀の福音の最大の特徴であった『全方位へのビーム攻撃能力』は健在なのだ。

ナターシャの呼びかけに応えるかのように、シルバリオストライクはストライカーパックに搭載された武装を展開して全方向にビームを発射!!

夏姫のドラグーンフルバーストとは異なる、凄まじい火力の暴力だ……この攻撃により、ナターシャを落とそうとしていた機体は5割が撃破されて海へのスカイダイビングを行う事になり、残る5割は撃破こそされなかったがシールドエネルギーをガッツリ持って行かれる事になった。

 

 

「たとえ嘗ての同僚でも容赦はしないわ……何よりも、アメリカは私とこの子を斬り捨てようとした――故に、アメリカへの愛国心なんて、消え去ったわ!!」

 

 

ナターシャとしても、自身と福音が斬り捨てられたと言う事に思う所があったのだろう……と言うか、自国の面子の為に斬り捨てられたと知れば、愛国心なんてものは無くなって然りだ。

だから、ナターシャは嘗ての同僚に銃を向けるのも厭わないのだろう。

 

で、こんな戦場で忘れてはならないのが……

 

 

「オラァ!テメェ等、オレの仲間に手を出してタダで済むとは思ってねぇよな?

 殺しは駄目だって事だったから命までは取らねぇが、二度とISに乗ろうと思わねぇようにしてやるから覚悟しろや!死なない程度にぶっ殺すぜ!!」

 

「いや、オータムさん其れ色々とオカシイ。」

 

 

オータムである。

姉御肌で何かと頼りになるオータムだが、その本性は誰よりも戦闘が大好きな戦闘狂!――だが、戦闘狂であっても姉御肌であるのも事実であるので、自分の仲間、取り立て自分よりも年下の妹分や弟分に手を出されたら速攻でプッツンだ、プッツンオラだ!

本日のアサルトデュエルがオプション武器として持って来たのが、『電磁リニアキャノンゲイボルグ』でなく、本来はランチャーストライカーパックのメイン装備である『超高インパルス砲アグニ』である事からも盛大にブチ切れているのが分かるだろう。

夏姫の突っ込みも何のそのと言った感じで、次から次へとゴーストの部隊を落として行く……亡国企業きっての実力者の腕前は伊達では無いのだ。

 

 

「此れで大体半分と言った所か……しかし、50機以上のISとは、アメリカは正規部隊にISを配属していないのか?」

 

 

そんな戦闘中に、ふと夏姫には疑問が湧いていた。

超極秘の部隊にISが50機……其れは現在のISコアの絶対数を考えれば有り得ない事なのだ――だって、各国に分配されたISコアの最大数は50なのだから。

そうであるにも拘らず、極秘部隊のISが50機と言う事は……

 

 

「まさか、疑似ISコアか?」

 

「疑似ISコア……ISコアとは似て非なるモノだけど、其れがあれば疑似ISを作る事も出来るって訳ね――束博士以外にISコアを開発する事は出来ないけど、贋作だったら作る事は出来るかも知れないしね。」

 

 

其処から夏姫と刀奈が辿り着いたのは、アメリカが疑似ISを開発しているかもしれないと言う可能性だ――確かに刀奈の言うように現状は束以外にISコアを開発する事は出来ないが、限りなくオリジナルに近い疑似コアを開発する事は一定以上の技術力がある国ならば可能なのだ。

 

 

「と言う事は、アレは実際にはISではなく、ISに最も近い何かか……束さんの夢を穢す以外の何物でもない訳だな?……よし、ぶっ壊す。」

 

「そうね……ぶっ壊しましょうか♪」

 

 

だが、疑似ISコアがあるのかも知れないと言うのは夏姫がブチ切れるには充分な情報だったようだ……ISは束の宇宙進出の夢の結晶であると言う事を知ってる夏姫にとって、疑似ISコアなどと言うモノは、その夢を穢す害悪以外の何物でもないのだから。

で、その夏姫の思いに刀奈が同調した事で、戦場は正にカオスディメンションに!!

フリーダムとジャスティスは、元々二機での運用が想定された機体だったが、夏姫と刀奈はシミュレーションの結果を遥かに上回る動きで、ゴースト達を撃滅!抹殺!!瞬獄殺!!いや、死んでないけどね?

 

永遠の自由と無限の正義の前に敵は無い、そう言う事なのだろう。

 

 

 

――バギャァァァァァァン!!!

 

 

 

だが、此処で落とした筈の機体が再び現れてくれた――一度落とした機体が復活するなどと言う事は、二次移行でもしないと有り得ない事だが、夏姫達の前には落とした筈の相手が現れたのだ。

 

 

「倒した筈なのに……往生際が悪い奴等だぜ!!……ってか、何で生きてやがんだテメェ等?やられたらやられたらしく浜辺で死んでろボケ!!」

 

「オータム、其れ無茶苦茶だから。

 でも、これは……万が一の時の為にサブエネルギーバッテリーが搭載されていたのかも知れないわ――其れを使えばシールドエネルギーを即座に回復できるからね。」

 

「反則技の極みだなオイ!!」

 

 

それらはナターシャの言うように、予備のサブエネルギーバッテリーを搭載していたらしく、其れを起動する事で戦線復帰を果たしたのだ。

勿論、其れだけならば如何と言う事は無い……復活したと言うのならば、また落とせば良いだけなのだから。

 

 

「……?何だ、コイツ等さっきよりも動きが良くなってる?」

 

「其れだけじゃないわ夏姫、機体の性能も大幅に上昇してる!!」

 

 

其れが、如何言うカラクリなのか、再起動したゴーストの面々は明らかに動きが先程よりも鋭くなり、機体の出力も大幅に上昇している――最低でもライブラリアンが女権団との戦いに投入して来た黒いザクと黒いグフと同等レベルにはだ。

無論、だからと言って負ける相手ではないが、この突然の強化は明らかに異常と言えるだろう。

 

 

「この異常な強化……まさか、ゴーストだけでなく、ゴーストに配備されている機体には秘密が有るっていう噂も本当だったと言うの!?」

 

「あん、そりゃどんな噂だナタル?」

 

「……ゴーストの使用しているIS……正確には疑似ISとも言うべき機体には、特定条件下で発動する強化状態――バーサーカーモードとも言うべき機能が搭載されていると言う噂よ。

 ゴーストの存在以上に眉唾な噂だったのだけれど、まさかそれすら真実だったとはね……彼女達はどうなってしまったのアメリア!!」

 

 

その秘密もまた、嘗てアメリカ軍に所属していたナターシャが明らかにしてくれた……特定条件下で発動する強化状態が存在するなど、普通ならば到底考えられる物ではないが、ゴーストの機体には其れが搭載されているらしいのだ。

 

 

「嘗ての仲間のよしみで教えてあげるわナタル。

 貴女達の予想通り私達の機体にはサブエネルギーバッテリーが搭載されていて、其れを使えば一度だけシールドエネルギーを全回復させて再び戦闘が可能になる。

 だけど其れだけではなく、サブバッテリーの起動と同時にパイロットの安全の為に搭載されている機体リミッターが解除され、パイロット自身にも一時的に身体能力を向上させる薬が投与されるのよ。要するにドーピングね。

 普通こんな事をしたら身体がボロボロになるところだけれど、私達ゴーストの隊員は其れに耐えらえれるように過酷な訓練を積んでいるからマッタク問題にならないわ。」

 

 

其の強化状態の正体は、機体のリミッター解除と所謂ドーピング。

この二つの相乗効果により、復活したゴーストは本来の数倍の能力を獲得したのだ……加えて、そんな無茶な強化状態に耐えられる身体を造っているなど正気の沙汰ではない。

尤も、『存在しない人間』だからこそ、こんな非人道的な事が行われているのかもしれないが……

 

 

「狂ってますわ……!」

 

「あぁ、狂ってるな……だが、逆に言うなら強化状態を倒せば其処で打ち止めと言う事だろう?

 急な強化には驚いたが、超人強度50万が90万になった所で、超人強度7000万には勝てん……再起動したと言うのならば、また落とすだけだ。」

 

 

とは言え、再起動したと言うのならばもう一度落とせば良いだけの事であり、夏姫はドラグーンを、マリアはティアーズを操作して再びゴーストへの攻撃を開始する。

 

が……

 

 

「何ですって!?」

 

「避けた、だと?」

 

 

復活したゴーストの隊員はドラグーンとティアーズの攻撃を避け、そのまま一直線に学園を……目指さずに、箒のアカツキに向かって行く。元米兵であり、ゴーストの隊長であるアメリアの事を知っているナターシャにではなくだ。

 

 

「ドラグーンの攻撃を避けるとは……成程、データ頼みの無人機と違って、人が操作しているのならば学習すると言う事か……!

 だが、箒を狙うのは解せんな?お前達が確実に仕留めたいのはナターシャさんじゃなかったのか?」

 

「ナタルは勿論始末するが、篠ノ之箒もまた我々が確保すべき最優先の相手でな……彼女の身柄を確保すれば、其れをカードに篠ノ之束を我が国に従わせる事も出来るしな。」

 

 

その目的は単純明快、箒の確保だ。――まぁ、確かに箒を確保する事が出来れば束を従わせる事も可能かも知れないが、そんな事をしたら速攻でアメリカ終了のお知らせだと言う事には気が付いていないのだろう。

自分にとって都合の良い事しか考えず、都合の悪い事は見ない聞かないガン無視シカト……其れで良いのか合衆国大統領。

其れは其れとして、ゴーストは目的の為に箒を捕えんとするが……

 

 

「私を捕えて姉さんを従わせる、だと?……随分と舐められたものだな?

 確かに私の実力は、レギオンの中では高い方ではないが、貴様等程度に後れを取りはせん!そして、何よりも私を姉さんに対しての交渉のカードとするなどふざけるな!!」

 

 

アメリアの言葉を聞いた箒がブチ切れ、そして吼える。

そして、その瞬間にアカツキが眩いばかりの光に包まれたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:箒

 

 

……なんだ此処は?浜辺、か?

私はゴーストとか言う連中と戦っていた筈だが、何故こんな場所に?……こんな所にいる場合では無いのだがな。

 

 

 

「よう、大将!やっと会えたな!!待ちわびてたぜ!!」

 

「え?」

 

私に声を掛けて来たのは、肩までのウェーブのかかった金髪と、顔に大きな傷跡のある男……其れだけでも、可成りインパクトのある見た目だと思うのだが、それ以上に――

 

「声がテラ子安。」

 

「OK、メタい発言は程々にな大将。」

 

「スマナイ、言っておかねばならない気がしたのでな……其れで、此処は何処だ?そして、お前は一体誰なんだ?」

 

「此処は、ISコアの世界とでも言えばいいのかな?俺にも良く分からんけど。

 で、俺が誰かと言われれば……察してくれよ大将、今まで一緒に戦って来ただろ?」

 

「今まで一緒に?……まさか、アカツキなのか!?」

 

「は~い、大正解。

 大将が此れまで頑張って来てくれたおかげで俺のレベルも上がってな……大将の怒りをトリガーにしてこうして会う事が出来たって訳だ。

 まぁ、大将を生け捕りにしてお袋を従わせようなんてのは俺としても業腹モンだったから、俺と大将の怒りがリンクしたのかもしれないけどな。」

 

 

 

お袋と言うのは、多分姉さんの事だろうな……まぁ、ISの生みの親だから間違いでは無いのだろうが、何だろうこの拭い去れない違和感は?ハッキリ言うと、姉さんが母親になると言うのが全く想像出来ない。

そもそもにして相手が居ないしな。

 

 

 

「大将、その辺にしてやってくれ、お袋が哀れになって来るから。

 そんな事よりも、ふざけた事を抜かしてくれた連中に一泡吹かせてやろうじゃないか!俺と邂逅した事で、新たなストライカーパックが使えるようになったみたいだしな!!」

 

「二次移行、と言う奴か!!」

 

「まぁな。

 つっても、ストライカーパックが追加される以外の変化はないんだよなぁ……まぁ、俺は他の機体と違ってお袋が気合入れまくって作ったから、本体の性能が二次移行する必要がない位に高いからな。」

 

 

 

姉さん、ドンだけ気合い入れたんですか貴女は。

ですが、そのお陰で私は戦う事が出来るのだから感謝しかありません――では、行こうかアカツキ?私を捕らえるなどとふざけた事を言った連中に目に物見せてやらねばな!!

 

 

 

「アイサー!いっくぜぇぇぇ!!!」

 

 

 

アカツキの新たな力、シラヌイストライカー……其の力を思い知らせてやるとしよう!!

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:夏姫

 

 

アカツキが光に包まれ、その光が収まった時にはアカツキの姿が――正確に言うのならばストライカーパックの形が変わっていた……二次移行したと言う事かアレは。

まぁ、箒はアカツキを手に入れてからもストイックに己を磨いていたから、何時二次移行するかと思っていたが、まさか戦闘中に二次移行するとはな。

だが、あのストライカーパックはどんな兵装なんだ?見た限りでは四方八方向いたビーム砲塔があるみたいだが?

 

 

 

「行け、ドラグーン!!」

 

 

 

――バババァン!!

 

 

 

「な、ドラグーンだと?」

 

「箒さんには無線誘導兵器の適性は無かった筈ですわ……其れなのになぜですの!?」

 

 

 

アカツキの新たなバックパックに搭載されていたのはまさかのドラグーン。

ドラグーンは非常に強力な兵装ではあるが、使用者の空間認識能力と並行思考能力に依存する兵装だから、誰でも扱える訳じゃない――フリーダムのハイパードラグーンの様な第2世代のドラグーンですら空間認識能力への依存は無くなったが、並行思考能力への依存は無くなっていない。

故に、よく言えば一本気、悪く言えば直情的な箒には扱う事の出来ない兵装なのだが……

 

 

 

「ドラグーンを操作しているのは私ではない、アカツキのコア人格だ。」

 

『宜しくな、嬢ちゃん達!!』

 

 

 

操ってるのはアカツキのコア人格と来たか……と言うか、それ以前に何でコア人格が普通に表に出て来てるんだ?アレは、深層意識でしかコンタクトが出来ないモノなんじゃないのか?いや、良く分からないが。

 

 

 

『ふ……俺は、不可能を可能にする男だぜ?

 大将をサポートする為に、機体のAIって形で表に出て来させて貰ったぜ!!』

 

「……何と言うか、なんでもアリだな本気で……まぁ、束さんが箒の為に気合入れまくって作った機体だから、何が起きた所で納得してしまうのだけれどね。」

 

「束博士は、本当に何でもアリね。」

 

「楯無さん、今更です。姉さんは何でもアリですから。」

 

 

 

だな……だが、箒もまたドラグーンを手に入れたと言うのならば、此れはもう箒を捕える事など出来まい――ドラグーンの多角的な攻撃に、箒の剣術が合わさったら最強クラスだからね。

何よりも、ドラグーン使いが増えたと言う事は、此方の火力は更に強化されたと言う事だからな。

 

 

 

――ガシャン!!ピ、ピ、ピ、ピ、ピ……

 

 

――バガァァァァァァァァァァァン!!

 

 

 

マルチロックオンを展開して、メアリー、箒と共にトリプルドラグーンバーストをブチかまし、再起動した連中を再び撃滅してやった……サブエネルギーバッテリーも削り切られては今度こそ本当に戦闘不能だからね。

再び撃破された連中は、又しても海へのダイブを行う事になる訳だ。

 

 

 

「だが、そうなる前にコイツ等は回収させて貰うぞオリジナル。……数にして25、半分か――まぁ、数としてはソコソコと言った所か?

 取り敢えず、此れだけ回収できれば充分だろうな……では、アディオス。」

 

 

 

そう思った次の瞬間、黒いフリーダム……イルジオンのジェノサイドフリーダムが現れ、撃破した連中にワイヤーを巻きつけてそのまま其処から離脱して行った……じゃなくて、何をナチュラルに拉致ってるんだアイツは?

 

 

 

「あまりにナチュラルに拉致られたから、反応すら出来なかったわ……やるわねイルジオン。

 とは言っても、彼女に付き合ってる暇はないわ……残り半分も撃破して、全滅させなきゃならない訳だからね?」

 

「だな。」

 

イルジオンが掻っ攫って行った連中はライブラリアンの駒になると見て間違いないだろう……イルジオンの目的は戦力の確保だったと言う事か――尤も、イルジオン自身が考えた事ではなく、教授とやらの命令なのだろうけどな。

ゴーストの半数が持って行かれたと言うのは、してやられたと言う所だ……ライブラリアンの戦力を強化する事になってしまった訳だからね。

まぁ、起きてしまった事は仕方ないから、アタシ達のすべきことは残る相手を撃破する事だわ。

 

 

 

『此方織斑千冬。

 海上で戦闘中の諸君に朗報だ、今し方スコールと山田君に学園長から直々に出撃命令が下った。あと2分で諸君等に合流出来るだろう。』

 

 

 

そしてここで千冬さんからの通信――スコールさんと山田先生が出撃してくれたと言うのは有り難い事だわ……教師陣トップ2の片割れと、ナンバー3である山田先生が加わってくれたら鬼に金棒だからな。

だから覚悟しろゴースト共……亡霊の分際で執行者に牙を剥いたその愚考、精々後悔するが良い。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

――夏姫達が戦っているのと同刻

 

 

Side:一夏

 

 

海から現れたオッサン達は、プロの戦闘集団なんだが……俺達を舐めんなボゲェ!!

こちとら、毎日の様にテメェの事を鍛えてんだ!お前等みたいなテロリストみたいな奴等に負けるかってんだ……出直してきやがれってんだ此のクソオヤジ!!

 

 

 

――メキャァ!!

 

 

 

「うわぁ……模造刀とは言え、鉄製の得物で顔面強打とか容赦ねぇな一夏?……いや、敵に容赦とか必要ねぇけどよ?」

 

「容赦が必要ないなら問題なくねっすか?

 ってか、初期型のシャイニングウィザードをブチかましたダリル先輩が容赦ないとか言います?初期型のシャイニングウィザードは下手したら鼻骨骨折か眼底骨折っすからね。」

 

「そんときゃそん時だろ?ってか、襲撃かけて来たズベ公にそんな配慮してられっかってんだ。

 其れにだ、お前やオレの容赦のなさも、お前の妹に比べりゃ大分優しいと思うぜオレは。」

 

「ダリル先輩、其れは言わないお約束で。」

 

釘バットを装備したマドカはマジで無双してるからな……何時の間にか金属バットとの二刀流になってるし――そんでもって、マリアのサポートがあるからマジで無双だわあれ。

俺の妹は思った以上にバーサーカーだった件について……なんか、ラノベのタイトルみたいだな。

 

 

 

「だな。……にしても一夏よぉ、こうして戦ってみると、お前は背中を任せられるくらいに頼りになるじゃねぇか?……フォルテが居なかったら、オレも惚れてたかもだぜ。」

 

「先輩みたいな美人さんにそう言って貰えるなんて、男冥利に尽きますよ……先輩が良ければ今度一緒に遊びに行かねっすか?鈴と箒、それとフォルテも一緒にですけど。」

 

「お、良いねぇ?ゲーセンで遊んで、カラオケコースか?そりゃ楽しみだ。」

 

「其れをやる為にも先ずはコイツ等をぶっ倒さないとですけどね!!」

 

次から次へを現れる敵を、鞘打ちや居合切りで撃破してるが、悪いが俺の得意技は剣術だけじゃねぇ……武器を使わない格闘も得意なんだ――そっちの方も味わえ!

喰らえや、タワーブリッジネイキッド!!

 

 

 

――メキャァァァァァァァァ!!!

 

 

 

「ちょ、待て一夏!物理的に不可能な技をどうやってやった!って言うか、やられた相手の背骨から鳴っちゃいけない音がしたぞオイ!!」

 

「其れに関しては企業秘密って事にしておこうぜダリル先輩。」

 

其れに、派手に音がしたけど背骨を折った訳じゃなくて、指を鳴らすの同じ要領で背骨を鳴らしただけだしな――とは言っても、背骨に急な負荷を掛けられたオッサンは白目を剥いて失神しちまったけどな。

失神したと同時に小便漏らしてら……このオッサン人生終わったぜ完全に。

 

ま、此の調子で残る奴等もぶっ倒して行けばいいだけだな――マドカ……好きなように暴れて良いぜ。

 

 

 

「その言葉を待っていたぞナツ兄さん!……取るに足らない雑魚共が、身の程を知れ!!」

 

「ノリノリっすねぇマドッち……今のマドッちには誰も勝てる気がしねぇっすよ。」

 

「だろうな。」

 

実際問題、リミッターが解除されたマドカに勝てるのは俺と千冬さんと夏姫姉、其れから楯無さん位だろうからな……ま、取り敢えずアンタ等は後悔すると良いと思うぞ?

どうせ『IS学園の脅威は織斑千冬だけ』って認識だったんだろうが、其処に俺達みたいなのが居た訳だからな?――学生だと侮った事を、精々後悔しやがれだぜ!

 

尤も、後悔した所で後の祭りだけどな!

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:鈴

 

 

さてと、此れからアタシ達は電脳ダイブを行う訳だけど、電脳ダイブって如何するのかしら千冬義姉さん?

 

 

 

「学園のコンピューターにお前達の専用機を接続した上で起動し、そしてお前達の意識を直接電脳空間に送り込む――ISがあればこそ可能になる力技だが、学園のホストコンピューターが乗っ取られた以上、電脳ダイブで直接何とかする以外に手はない。

 故に、お前達には危険な仕事を任せてしまうが……スマナイな。」

 

「其れは言いっこなしよ千冬義姉さん……アタシ達は学園を守る為に此処に居るんだから、多少の危険なんて想定の範囲内よ!でしょ、皆?」

 

「鈴お姉ちゃんの言う通り!此れ位の危険がナンボのモノだよ!!」

 

「実際に戦場に出てる夏姫や一夏君と比べたら、私達の危険なんて微々たるモノだと思います――何よりも、私達が頑張らなかったら学園のホストコンピューターを奪還する事は出来ませんから。」

 

「静寐に賛成!此処は任せて下さい織斑先生!」

 

「のほほんさんと簪、其れに虚さんがオペレーターとしてついてくれるのなら、心配はないしね。」

 

 

 

乱も静寐も清香も癒子もやる気バッチリね?

癒子の言う通り、オペレーターも揃ってるから不安はないしね……だから、アタシ達を信じて待っててよ千冬義姉さん――電脳空間の不具合をぶっ壊して、学園のホストコンピューターを取り戻して見せるから。

 

 

 

「頼もしいな凰姉……ならば行ってこい。そして必ず帰って来い!私がお前達に命ずるのは其れだけだ!!」

 

「千冬義姉さん、了解です!!」

 

千冬義姉さんに向かって、全員で敬礼して、いざ電脳ダイブ開始ってね!

デスティニーに身体を預ける感じで……そのまま、眠りに落ちる様な感覚を覚えた次の瞬間には、アタシの意識は全く異なる場所にあった――幾何学的な模様がある空間……此れが電脳空間って事か。

乱達も来てるだろうだか、先ずは合流して其処からホストコンピューターに向かうのがベターよね。

 

 

そう思ってたんだけど……

 

 

 

――ギュルリ……

 

 

 

え?何か景色が渦巻いてる?……其れだけじゃなくて、アタシもその渦に引き寄せられてる!?……そんな、一体何が起きたって言うの!?……まさか、外部からの干渉が有ったとでも言うの!?

く……渦から逃げられない……そんな、嫌だよ――此の渦に呑み込まれたらどうなるか分からない……助けて、助けて一夏!!うわぁぁぁぁぁぁぁ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

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