私を助けたのはとある店長兼ヒーローだった スペシャル 作:水被り
「いやぁ、君が雄英高校に合格できたとは本当に素晴らしい」
「ええ」
「この春海冶(はるみや)中学で雄英高校合格者が出れば、名が上がるかもしれない。七咲魔理華君、君は本当にがんばった!」
「......はぁ」
そう言って魔理華を褒めたたえてるのは春海冶中学校の校長、タマ校長であった。見た目は三毛猫、いや三毛猫そのものである校長は紅茶を飲みながら、笑っていた。タマ校長が紅茶を飲んでいる時はいつも話が長くなってしまうので、それを知っている魔理華は小さくため息をついた。
「お菓子を用意しようか。ささみとチャ〇ちゅ~る、どっちがいいかね?」
「校長先生私人間です、猫のおやつは食べれません」
魔理華はタマ校長が自分用のおやつを取り出して言ったことにツッコミをいれた。
「ニャハハハ!ジョークだよ、キャットジョーク。そうだ、ケーキが置いてあるんだったな」
タマ校長は冷蔵庫の中から白い箱を出して、開けてみるとショートケーキが入っていた。
「私は甘いものが好きじゃないんだ。遠慮なく食べなさい」
魔理華は猫は甘みを感じることができないのを思い出し、ケーキを食べた。
「だったら何でケーキがあったんですか?」
それを疑問に思って魔理華はタマ校長に聞いてみた。
「実はあのクソネズミ野郎が甘いものが好きじゃないことを知っていてわざと私に渡したんだ」
タマ校長は話しながらもささみを食べ、嫌な顔して言った。
「その人とはどんな仲なんですか?」
「ケンカする仲さ。先週のゲームで負けた腹いせにケーキを渡してきたんだ」
「一緒にゲームやってるんですか!?その人嫌いじゃないんですか!?」
嫌いな人とゲームをしていることとタマ校長がゲームを嗜んでいることに魔理華は驚いた。
「嫌いだからこそゲームをするんだよ。知性を持ったものは必ず嫌いな者がいるんだ。性別、性格、今までの境遇がたとえ一緒だとしても相手には譲りたくないものがあるんだ」
「あいつに負けたくない、あいつに勝ちたい、そういった気持ちで嫌いな奴と戦うことは自分を成長させていく、その嫌いな奴をライバルや宿敵という存在になるのだ」
「だが、嫌いの度が過ぎれば人を殺しかねないものにもなる。君にもいるだろう、嫌いな奴が」
魔理華は自分が嫌いな人はすぐに思い浮かんだ。敵(ヴィラン)になる前、自分をいじめていた親戚の娘だった。
「その顔はいるみたいだな。その嫌いな奴か新しい嫌いな奴でもいい、この先君には一緒に競い合えるライバルが必要だ」
「はい」
「しかし、今の君を見ていると昔の修哉を思い出すなぁ」
「昔の修哉さんはどんな人だったんですか?」
魔理華は興味本位で昔の修哉について聞いてみた。
「まず彼にあったのは私がどこかに売り飛ばされそうになったことが始まりだ。私みたいな個性を持った動物は滅多にいないからな。実験に使われると思っていたよ」
「私はなんとか逃げて、その逃げた先で子供の頃の修哉に会ったのさ。修哉の親が私を売り飛ばそうとした組織を潰してくれて、今の私がいるんだ」
修哉さんの行動は親譲りだったんだと魔理華は理解した。
「君の入学だって修哉のお願いで転校生という形で入れたからねぇ。彼は今も昔も変わらなかったなぁ」
そんな話をしていると、トントンと扉を叩く音が聞こえ扉が開いた。現れたのはたくさんの書類を持った草川女史だった。
「校長先生、新しい書類を持ってまいりましたので作業をしてください」
「あぁ草川先生か、わかった今やるよ」
「それと新しいおもちゃも持ってきました。」
「またかね!?君ね、いい加減して欲しいよ!猫大好きだけど自分のマンションがペット禁止だからってね、私で遊ぶんじゃない!遊ぶなら猫カフェに行きなさい!」
「今回はレーザーポインターを持ってきましたー!」
「聞けえええぇぇぇぇぇっ!!ってああぁ!体が、体が勝手に、動いてしまう!」
ポインターのライトを光らせるとタマ校長は光を追って走り回っていった。
「あ、そうだ!魔理華君、なんとかしてくれぇ!君にかかっているんだ!」
「草川先生、猫じゃらしは入っていますか?」
「青い紙袋の中に入っていますわ」
「君もかい!!ってぎゃああぁ!恥ずかしい、人間以上の知能を持っていながら、生徒に猫じゃらしで弄ばれるなんて、一人の教師として恥ずかしい!!」
魔理華も猫じゃらしをうまく揺らして校長遊びに参加した。
「魔理華さん、中々やりますわね。でもこれならどうですか!」
「ぎゃああぁぁぁ!私の部屋の壁紙がーっ!」
「甘いですね、次はこう、宙返り!」
「ちょっと目が回る〜!」
それから30分後
「ぜぇ、ぜぇ、いいかね君たち、これ以上私で遊ぶんじゃない!」
「「はい、わかりました!」」
二人はお仕置きとして春海冶中学校名物、校長猫パンチを受けて(あまり痛くない)正座をして反省していた(本当は反省してないけど)。
「魔理華君、ここは君が今まで通ってきた中学校だ。もし高校で思い悩んでいたらいつでもここに来てもいい」
「......はい!」
この中学で魔理華はいろんなことを学んできた。タマ校長も草川女史も、自分を受け入れてくれた。帰る準備をして、魔理華は最後にこう言った。
「その時はネズミのおもちゃを持ってきますので、遊んでください」
「わかった君はもう来なくていい!!!」
この作品は不定期なので次回予告はやりません。
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