そんなわけで注意事項に追加です
『原作キャラ設定の超拡大解釈』
「ごちそうさまでした、と」
美咲は出てきたAランチを食べ終えて呟く。見ると他の5人も食べ終わっている。有咲だけは頭痛がするように頭を抑えているが。それが心配だったのか、香澄が声をかけた。
「どうかした、有咲?」
「いや、お前はおたえを見て何も思わないのか?」
有咲の言葉に美咲の視線もおたえのところにいく。おたえの前には空になったAランチ(大盛り)、Bランチ(大盛り、デザート付き)、Cランチ(チャレンジメニューの大盛りとか意味不明の代物)、ビッグデラックスジャンボパフェ(通常は3人くらいで食べる)、1ホールのケーキ(追加)の空になった器が置かれている。
視線に気づいたのかおたえは不思議そうに首を傾げた。だが、すぐに思い当たる節があったのか力強く頷いた。
「羽沢珈琲店のケーキはオススメ。私もお父さんによく買ってきてもらう」
「違う、そうじゃねぇ」
「ほんと!! 今度私もお父さんに頼んでみる!!」
「そうじゃねぇだろ、かすみぃぃ!!!」
(律儀に突っ込む市ヶ谷さんはすごいなぁ)
美咲のツッコミどころもどこかずれているが、口には出さなかったので有咲から突っ込まれることはなかった。
「あ、あの。どのタイミングで逃げればいいのかな……?」
どこか小動物感を出しながら聞いてくるりみに、美咲は食後に頼んだコーヒーを一気に飲み干す。
「もうそろそろ大丈夫ですよ。店側も同時にスタートできるように料理を出すタイミングとか測っているんで」
美咲の言葉に慌てて立ち上がろうとした香澄、りみ、有咲を止める。
「何で止めるんだ?」
「最初の1人目は生き残れる確率は低いんです。何せ真っ先に鬼役から狙われるんで」
そのために参加者達からは緊迫感が出ている。
「でも、このままじゃつぐのお父さんに捕まっちゃうんじゃないの?」
「戸山さんの言う通りです。なんで、素人がそろそろ……動いた!!」
美咲の言葉の途中で学ランを着た男子生徒(多分中学生)が座っていたテラス席から立ち上がって逃げ出すが、路地から出て来た薬局のおじさんによって捕獲されていた。
「うぉ……マジかよ。あの人の動き見えなかったぞ」
「市ヶ谷さん。鬼役を見るのもいいですけど、周囲を見てください」
「周囲? ……うわ!? みんないなくなってる!? おたえとはぐみまで!?」
有咲の言葉の通りにテラス席にいた学生達はみんないなくなっている。やっていることはアホの極みだが、やっている方はガチなのだ。
「おたえちゃんとはぐみちゃんはどこに行ったのかな……」
「おたえは裏路地通って南側の出口を目指すみたいですね。はぐみはさっきの学生が捕まった瞬間にその上を飛び越えて行ったんで、東側ルートですかね。ひょっとしたら東側ルートの路地から北側ルートに出られる道が今回はあるんでそっち狙いかもしれませんけど」
「見えてたのか!?」
有咲は驚愕の表情で美咲を見てくるが、これはこのゲームの必須技能だ。
「他の参加者は味方であると同時に敵なんで、どっち方面にどれくらい向かったかは把握できた方がいいですよ。同じ方面にベテランがいると、協力したり囮に使ったり使われたりするんで」
「……恐ろしいゲームだな」
「今回は南におたえが行ったんで、南側ルートに結構流れましたね。それじゃああたし達も行きましょうか」
美咲も羽沢珈琲店から出てくる参加者達の流れ(店内ではすでに羽沢おじさんの無双が始まっているようだ)に乗るように三人を促して中央広場に向かう。
「なんで中央広場に出るの?」
「いえ、まぁ。これは私のやり方なんで真似しなくてもいいんですけど、中央広場に出ると、四方のルートが全部見渡せるんですよ。それで実際に配置されている人員を確認してから、逃亡ルートを決めるのが私のやり方なんで」
香澄の質問に答えながら美咲は中央広場に出る。その瞬間に飛んできたバゲットを1本掴んで、同時に三人を狙って飛んで来ていたバゲットを叩き落とす。
「あ、とりあえず南側ルートから死角になる中央広場の柱の陰に隠れてもらえますか?」
「いや。いやいやいや!! なんだよ!? なんでバゲットが飛んで来てんの!?」
美咲は飛んでくるバゲットを叩き落としながら、騒ぐ有咲を柱の陰に押し込む。目をキラキラさせている香澄と困惑しているりみも一緒に押し込むのを忘れない。
バゲットの投擲者もターゲットを別にしたのか、美咲達の方へ投げてこなくなった。美咲は顔見知りの参加者(男子高校生)に斬りはらいの武器としてバゲットを投げ渡して、柱の陰に隠れる。
「ちょっと待ってくれ。あのバゲットはなんだ?」
「なんだって言われても、パンとしか言いようがないんですけど」
「パンは叩いた時に金属音は出ねぇよ!!」
「私も山吹ベーカリー以外のパンであの音は聞いたことないですねぇ」
「……え? 沙綾ちゃんのお店のなの?」
りみの言葉にちょっとだけ顔を出させて南側ルートを覗かせる。
そこには道の中央に陣取って参加者に向けて鈍器のバゲットを投げつけている沙綾の姿があった。先ほど美咲が武器をあげた男子高校生も同時に4本飛んできたバゲットを捌ききれず、お腹に直撃してうずくまったところを山吹家チビッ子達に捕獲されていた。
「……えぇ、沙綾……マジかよ……」
「わぁ!! さーやすごい!!」
「それどころじゃないよ香澄ちゃん……」
本気で唖然としている有咲。ずれた感想を言う香澄。それに突っ込むりみという状況になっている。
「山吹おじさんがいない……あぁ、なるほど。東側ルートが逃げやすくなっていると思ったら山吹おじさんと花園おじさんを配置していたわけだ」
先ほど、一瞬だけ東側の路地から花園おじさんが飛び上がっている姿が確認できたし、東側ルートには南側ルートとは比べられない精密差でバゲットが飛んでいる。確実に山吹おじさんが出口付近で獲物を狙撃しているのだろう。
「やっぱりおたえの感はバカにできませんね。危機察知能力が半端じゃない」
「そう言ってる場合か!? 私達はどうするんだ? 北側ルートはスッゲェ人いるぞ!!」
有咲の言う通り、北側ルートには大量の人が配置されていた。
「このまま北側ルートで行きます」
「マジか!? あの人数だぞ!?」
美咲の言葉に有咲は信じられないものを見る表情で美咲を見てくる。だが、美咲にだって理由はある。
「北側ルートの人員を見るに、厄介なのは指揮官役のリサさんだけです。他は見たことない人が多いんで、新米鬼役が多いと思います。その分、慣れた鬼役は他のルートに配置されていると思うんで、難易度はさらに高いです」
北側ルートの中央にはリサがコンビニの制服に商店街のロゴの入ったエプロンを着て、北側に配置された人員を動かして参加者達を捕獲させていた。
「リサさん、容赦ねぇな。1人に対して3人で囲ませてるぞ」
「逆に考えると、スリーマンセルで動かさないといけないくらいの経験者しかいないってことですよ」
気をつけなきゃいけないのはリサと同じバイト先で、食い逃げ常連のモカだが、参加者側にも鬼役にも姿が確認できない。不確定情報で動きたくないが、今回の美咲にはルーキー3人の面倒も見なきゃいけない。あまり時間をかけすぎるとそれぞれの持ち場を殲滅したオヤジーズが集まってくる可能性が高いので、時間はかけられない。
「仕方ない、か。戸山さん、りみ、市ヶ谷さん。私が北側ルートの鬼役を引きつけるんで、それぞれの判断で突破してください。最初の予定だと上手く案内できるかと思ったんですけど、想定外に厳しいんでそれぞれ頑張ってみてください」
「うん!!」
「わ、わかった。頑張ってみるね」
「それは大丈夫だけどよ……奥沢さんは大丈夫か? あの人数だぞ?」
香澄は元気よく、りみは不安そうに、有咲は逆に美咲を心配してきた。
(なるほど。おたえが言ってた市ヶ谷さんがツンデレだって言うのは事実だったわけだ)
「あ、なんか今、無性に腹が立ったんだが」
「気のせいですよ」
美咲の考えを読んだかのように発言した有咲を流し、美咲は北側ルートに突入する。鬼役の手をギリギリで避けながら鬼役の集団を掻き乱す。美咲の動きに釣られて鬼役のフォーメーションが崩れる。それを待っていたかのように他の参加者も北側ルートに突入してくる。ここまで残っているということはベテラン組だろうか。
「12班と15班だけで美咲を追って! 他は隊列崩さないで食い逃げ犯人を捕まえる!!」
リサの指示に鬼役の方に規律が戻りそうになるが、美咲は再び鬼役の集団に飛び込んで釣り出す。美咲のおちょくるような動きにムキになって追いかけてくる鬼役達。
(これ以上釣り出すのは無理かな)
美咲はそう判断すると、最初から目をつけていた細い路地に入る。後ろからは結構な人数が追ってきている気配がする。
「このままだと逃げ切られるぞ!!」
「大丈夫! この路地はバリゲードで封鎖されているはずだから!!」
「そんなの百も承知ですよ、と」
鬼役達の言葉に美咲は呟く。そして角を曲がって鬼役から見えなくなった瞬間に、細い路地に立つ建物の壁を交互に蹴りながら建物の屋上に飛び移る。
「あれ!? いないぞ!!」
「嘘でしょ!? どこ行ったの!!」
「……鬼役の新人だったのかな」
細い路地で美咲を見失った鬼役の集団を見て美咲は呟く。はぐみのように垂直飛びで屋上に飛び移るバグを筆頭に、美咲やおたえのように壁ジャンプで屋上まで上がる参加者は多い。身体能力凡人のベテランだって各所に設置されている梯子を使って屋上に上がるのは普通である。その証拠に北側ルート以外の逃亡ルートでは屋上でも攻防戦が起きている。
美咲がざっと他のルートを確認すると、西側ルートでは見るからにヤンキーの格好の高校生達が美咲の父親と氷川おじさんを相手に屋上で逃亡を測っては即捕縛されている。多分、地上ルートは北沢おじさんの独壇場なのだろう。東側ルートは山吹おじさんのバゲット狙撃で動きが止まった参加者が屋上で待機している鬼役に捕獲されている。やはり1番安全だったのは南側ルートだったのか、屋上にも人がいない。このまま南側ルートに変更することが美咲にとっては逃げ切るのに1番いいかもしないが……
「まぁ、面倒みるって約束しちゃったしね」
とりあえず3人のいる北側ルートに戻る。もし生き残っているようだったら援護をしてあげることもできると考えながら屋上を飛び移りながら北側ルートに戻る。商店街の建物の間隔は短いので、恐怖心さえ克服すれば凡人でも行ける距離である。
北側ルートが見える建物まで戻ったところで美咲の背後から手が伸びてくる気配を感じ取る。瞬間的に回避しようとするが、視界に入った法被を確認した瞬間に美咲は避けることから伸びてきた手を捌きながら合気道の用量で相手を投げる。
美咲が投げた相手も空中で体勢を立て直して着地していた。そして笑いながら美咲に挨拶してきた。
「よ、美咲」
「宇田川さんですかぁ……」
気軽に挨拶してきたのは宇田川おじさんの長女・巴だった。
「宇田川さんって法被でしたっけ?」
「うん? あぁ、今回からな。前回、食い逃げ成功させた奴が多かったからさ、商店街会長が張り切っちゃってさ。結構な奴が法被着てるよ」
つまりただでさえ武闘派な商店街の面々がさらに強化されているわけである。ちなみに法被を着ている鬼は食い逃げ犯に怪我をさせないように無力化して、捕獲した証拠である手錠をつけなければならない。そのために法被鬼は手錠を何個も持っているのだが……
「宇田川さん、手錠は1個ですか?」
「まぁな。さっきまで沙綾の手伝いで南側ルートにいたからさ。たえ以外は全員捕縛できたんだけどなぁ」
南側ルートの掃討が終了したので、北側ルートの手伝いに来たらしい。南側ルートが掃討されたと言うことは、沙綾もフリーになったということなのでバゲット狙撃が北側ルートにも飛んでくるということだ。
「あ、ちなみに美咲が面倒見ていた3人はリサさんに追い込まれた所に待機してたモカに捕獲されたぞ」
「なんであたしが面倒見てたこと知ってるんですかねぇ」
「つぐが情報を回してくれたからな。だから、美咲を狙うのは最後になった。美咲の親父さんが、美咲は3人を逃してから本格的に逃げるって予想してさ」
「ファッキンファーザー」
完全に父親に動きが読まれていた。
「それじゃ……行くぞ!」
その言葉と同時に巴が10mはあった距離を一瞬でつめて美咲に拳を繰り出したり、引きづり倒そうとしてくる。美咲は北側ルートの出口に向かって下がりながら、巴の攻撃を全て捌いていく。一瞬でも気を抜けば即ゲームオーバーの状況である。
建物の端に辿りついたので、次の建物に飛び移った瞬間に美咲に寒気が走る。
それと同時にほぼ同時の竹刀2段突きが美咲に向かって飛んでくる。相手が法被だったのを瞬間的に判断して、美咲は最低限の動きで回避する。
「ミサキさんはスゴイです!! 突きを回避した上に、予備で腰に下げていた竹刀を折られてしまいました!!」
「若宮さん、殺意高くない?」
素直に賞賛してくる法被装備の日本とフィンランドのハーフのイヴ。法被鬼と判断した瞬間に予備武器破壊の蹴りを入れた美咲の言えた義理ではないが、殺意が高い。
「オトーサンの出す『クズリューセン』には届かないですが、私の突きを回避できたのはヒナさんに続いて2人目です!!」
「一般人には出さないほうがいいですよ。高確率で病院送りになるんで」
テンションの高いイヴに答えながら、美咲は逃亡ルートを考える。
「考え事とは余裕だな……と!!」
「そうでもないですよ……!!」
追って来た巴の攻撃を捌きながら別の屋上への逃亡を狙うが、イヴがそれを牽制してくる。美咲の救いは巴とイヴが連携を取れていないことだろう。連携を取られていたらとっくに美咲の腕には手錠がつけられているだろう。
美咲は大振りになったイヴの一撃を回避して蹴りで竹刀を破壊。そして援護のために割り込んできた巴の拳を受け止め、その勢いを利用して美咲達がいた北側ルートの反対側の建物に向かって跳躍する。もちろん、沙綾からのバゲット狙撃が来るが、山吹おじさんの理不尽バゲット狙撃と違って、来ることがわかっている狙撃なら対処することは可能なので、空中でバゲットを手で捌きながら反対側の建物に降り立つ。誰かがいることはわかっていたので、法被鬼だと判断して迎撃しようと蹴りを放とうとする。
「うっそでしょ!?」
美咲の視界に入ったのはまさかのエプロン鬼。法被鬼だったら問題にならない蹴りだが、エプロン鬼だった場合は洒落にならない事態になりかねない上に、触れられたら捕獲なので慌てて回避する。
「あいた!!」
美咲が回避したことでベチャリと倒れ込んだのはファーストフードの制服を着てエプロン装備の彩だった。
「え〜い!!」
美咲はさらに飛びかかってきた人間を回避する。法被鬼なら迎撃一択だが、この状況だとエプロン鬼の可能性があるので、回避できるなら回避した方が確実だ。
それは正解だったようで、美咲に飛びかかってきたのは彩と同じ制服を着たひまりであった。
「う〜、もうちょっとだったのに……」
「彩さん、もう少しですから頑張りましょう!!」
「なんでこのタイミングで一般人枠の上原さんと丸山さんが来るんですかねぇ」
美咲の質問に答えたのは地味に美咲の逃げ道を潰しているエプロン鬼のモカだった。
「リサさんの指示でね〜。法被鬼のトモちんとイヴちゃんをくぐり抜けた直後にエプロン鬼が行けば判断が遅れるってことらしくてさ〜」
「そのせいで丸山さんの顔面に蹴りを叩き込むところだったんですけど」
「あちゃ〜、彩さんの顔面が潰れるところでしたね〜」
「私はそんな危険だったの!?」
今更ながらに自分の身に迫っていた危険を教えられ、驚愕している彩。美咲的にもこんなに心臓に悪い罠を張らないで欲しい。ガチで大怪我を負わせるところだった。
「まぁ彩さん!! あとは巴とイヴちゃんに任せましょう!!」
「任された!!」
「任せてください!!」
ひまりの言葉に当然のように距離のある北側ルートを飛び越えてくる巴とイヴ。しかもイヴは空中で竹刀の代わりの武器になるバゲットを沙綾から受け取っている。
巴とイヴの攻撃を捌き、受け流し、バゲットは隙をついて破壊する。だが、巴とイヴはお互いに邪魔にならないように交代しながら攻撃をして来て、破壊したバゲットもすぐさま沙綾によってパスされてくる。彩とひまりは素人丸出しの包囲をしているが、それをカバーするようにモカが美咲の逃亡ルートを防いでいる。流石は食い逃げベテランである。逃亡者のことを熟知している。いっそのこと一か八かで北側ルートに降りようとおも思ったが、すでに美咲達がいる建物はリサの指示によって包囲されていた。
「本気すぎませんかね……!!」
「会長からたえか美咲は確実に確保しろって指示が出てるんでね!!」
巴の一撃を捌き、背後から飛んできたバゲット斬撃を回避する。そろそろ美咲の体力が限界になってきたので、武器破壊する余裕もなくなってきた。
「この手は使いたくなかったんですけどね……」
動きの止まった美咲に距離を詰めてくる巴とイヴ。しかし、美咲は動じることなく逆転の一手を叫ぶ。
「助けてお父さん!!」
美咲が叫んだ瞬間に巴は北側ルートの反対側の建物に投げられ、イヴが持っていたバゲットは粉々になった。
そして美咲を守護するように立っていたのは美咲の見慣れた後ろ姿。
「無事か、美咲」
「うん、大丈夫」
美咲の父親だった。美咲の予想通りに近くにいたらしい。おそらくは巴とイヴと美咲が危険な領域の戦闘に入った時に無力化する役割だったのだろうが、美咲はそこを利用させてもらった。
すなわち、この親バカは助けを求めたら確実に助けてくれるということである。
事実、美咲の予想通りに本来の役割を投げ捨てて助けてくれた。
「お父さん、あたしを守ってね」
「パパに任せとけ!! さぁ、今の俺は阿修羅を凌駕する存在だ!!」
「何をやってるかこのバカがぁぁぁっぁぁぁ!!!!!」
美咲が逃亡を開始し、父親が叫んだと同時に花園おじさんの一撃が父親に叩き込まれたようだ。人体からは絶対に出ないであろう轟音が響きわたった。
だが、人外同士の戦いに巻き込まれるのは勘弁なので後ろは振り返らない。むしろ花園おじさんが父親と同時に病院送りになってくれると美咲の心労が減る。
『バカかお前は!? 俺たちは鬼側だろうが!! 参加者の逃げるのを手助けしてどうする!!』
『はぁ!? 何を言ってるんですかぁ!! 娘を助けるのはパパの義務ですから!! 花園だって地味にたえちゃんの逃亡のサポートをしていただろうが!!』
『バ!? あれはサポートじゃねぇから!! 俺が掃除したところをたまたまたえが通っているだけだから!!』
親バカ同士のくだらない口喧嘩と一緒に凄まじい轟音が商店街に響いている。美咲がチラリと確認すると、モカは彩とひまりを連れて退避し、リサも包囲していた鬼役全員を離れさせている。
「ま、あれだったら怪我人も出ないでしょ」
美咲はそう呟きながら北側ルートのゴールの電柱まで飛び降りたのだった。
ちなみに父親と花園おじさんによる怪獣大決戦は『生きたバグ』の氷川おじさんによる蹴りと、『現代の雷電為右衛門』と呼ばれる北沢おじさんによる張り手によって双方KOとなった。
奥沢美咲
前編の時点でキチの片鱗を見せていた主人公。むしろキチでバグなオヤジーズに育てられて普通なわけないよね!! 性格は常識、能力は非常識な流行りの最強系主人公な『スーパー美咲ちゃん』。しかし、周囲にいる大人が最強系通りすぎたバグばかりなので自称『普通』。この作品の美咲ちゃんの完全上位互換が氷川姉妹。作者の勝手な原作イメージが『器用になんでもこなす』イメージだったので、それを超拡大解釈した結果『器用万能』になりました。
花園たえ
食い逃げエリート戦士。原作設定の『食べることが好き』を超拡大解釈した結果『私の胃袋はブラックホールだ』になりました。そして天然キャラなので捕まるイメージが湧かなかった結果、1年で12回行われる食い逃げの内3回成功すれば天才と呼ばれる食い逃げにおいて中学3年間一度も捕まらないという脅威の存在。美咲ちゃんや氷川姉妹も捕まったことがあるのにおたえは毎回逃げ切る。きっと商店街会長から懸賞金をかけられてる。
今井リサ
頼りになるリサ姐。面倒見がいいという設定を超拡大解釈した結果『商店街の若者達から慕われるお姉さん』になり、その結果指揮官になりました。この作品ではパパの影響でオカン気質が強化されています。ちなみにリサ姐パパの登場はいつになるか不明。ちなみに父親の影響で割と容赦がない。
宇田川巴
宇田川姉妹パパは地元の顔役で喧嘩の仲裁とかやっていると書きましたが、この作品の巴はそれらに同行したり、父親と一緒に893な方々の事務所に殴り込んでいました。その結果が武力特化。性格は原作のままのつもりなんですが、どうですかねぇ
若宮イヴ
特に原作から変わってないですね。だって公式設定からして『アイドル活動しながら喫茶店でバイトして、茶道部・華道部・剣道部に入っている』っていう超人設定ですから。ちょっとパパの影響で剣道が強くなっただけです。ちなみにイヴパパの剣の流派はイヴ曰く『ヒテンミツルギスタイル』っていうそうです。
丸山彩
普通の努力の女の子。原作から変わっていません。だが、少し考えてもらえば『彩パパとこころちゃんパパと美咲ちゃんパパ』の妨害を受けながらも芸能界デビューを果たしたという現実を見つけられると思う。どりょくの、ほうそくが、みだれる!!
上原ひまり
こっちこそ普通の女の子。パパも表面上は普通なので、なんもいじってないです。え? ひまりパパはどんな人か? それは出てきてからのお楽しみで
青葉モカ
食い逃げゲーム常連だが、商店街内のコンビニにバイトを始めたことによって鬼役に。参加者常連なので逃亡者達のやり方や心理を理解しているので、一番確保率が高い。この作品ではモカパパの影響で無自覚煽り能力が向上。主な被害者はひまり。
山吹沙綾
バゲットスナイパー。性格は原作(アプリゲー)準拠ですが、スナイプ範囲は南側ルートから北側ルート全域。沙綾バゲット狙撃で逃亡者の動きが止まったところを山吹家チビっ子達が確保するファミリーコンビネーション。でちなみにパッパの方は『見える範囲が射程距離』。
松原花音
彩とひまりと同じバイト先なんですから、当然鬼役で参加。え? 出てきていない? それはそうですよ。開始と同時に迷子になって『ふぇぇ』ってなってたところをたまたま羽丘の音楽室に訪れた蘭ちゃんに保護されてましたから。
助けてお父さん!!
娘達の禁じ手。一般人が相手だと命に関わる。
こんな感じで原作キャラサイドを書いて見ました。うん、すまない。キャラ崩壊なんだ。でもあのキチに育てられた子供が普通だったら奇跡だと思うんだ。あとでキャラ崩壊タグを追加しておきますね。
あとがきを書いている時に気づきましたが、アフグロで蘭だけ出演できてません。仲良し5人組なのに……! 全く、蘭ちゃんもバイトしている設定があったらコンビニとファーストフード店みたいに商店街内にあるっていう超力技ができたのに。
あ、参加者の人数とか鬼役の人数とか気にしないでください。書いている本人が1番謎なので。
さて次回はせっかくクロスオーバータグを生かすべく、他の作品のキャラを出します。設定としてはファーザーズと高校生時代の同級生設定。ちなみにパパさん達の出身校のヒントは下の通り。
ヤンキーがいっぱいいる・ゴリラがいる・フレディがいる
いやぁ、ヤンキー漫画なんかいっぱいあるので、なんのキャラが出てくるか楽しみにしてくださいね!