相変わらずバンドリの世界とは思えない世界になっているのでそれをいいという方のみスクロールしてください
「美咲、美咲のハンバーグと私のパセリをトレードしない?」
「おたえはそのトレードを本気で受け入れられると思ってるの?」
美咲の言葉に本気で不思議そうに首を傾げるおたえ。それを見て美咲はこれだから天然は困ると思った。
今日はハロハピのメンバーとポピパのメンバーが一緒に昼食をとっている。理由? 香澄とこころが揃った。それだけで説明はつく。
「な、なあ、奥沢さん」
「なんですか?」
ついにトレードではなく略奪を仕掛けてきたおたえの箸を迎撃している美咲に、有咲が話しかけてくる。美咲とおたえのやりとりに軽くドン引きしているようだが、美咲的にはいい加減慣れて欲しいものである。
「お、奥沢さんってポピパのメンバーの父親全員と知り合いなんだよな?」
「ええ、まぁ。不本意ながら」
美咲に悪影響を与えたのはポピパのオヤジーズだけではない。ファッキンファーザーズ。
そこで有咲は覚悟を決めたように口を開く。
「奥沢さんは私の父親と会ったことあるのか?」
有咲の言葉に美咲は不思議になっておたえと顔を見合わせる。
「ありますけど」
「私もあるよ」
「おたえも!?」
美咲の言葉におたえも続くと有咲はマジ驚愕の声をあげる。そして美咲の肩を掴んでガックンガックン揺らし始めた。
「なんで娘の私が会ったことなくて友人の娘が会ったことあるんだ!? おかしいだろ!?」
美咲も有咲の言葉に不思議になる。あの親バカの市ヶ谷おじさんが有咲と会ったことがない? それはおかしい。
「でも市ヶ谷おじさんは頻繁に市ヶ谷さんに会いに行ってるって言ってましたよ?」
「はぁ? 会ったことねぇぞ?」
なんということだ。ついに美咲の交友関係の中で数少ない常識人である有咲がやさぐれてしまった。
とりあえず後でオヤジーズに八つ当たりをすることを心に決めつつ話を進める。
「でも市ヶ谷おじさんは週5で会いに行ってるって言ってましたよ?」
「いや、来てねぇって」
「でもちゃんと『夢』にお邪魔してるって言ってましたけど」
「ちょっと待ってくれ」
美咲の言葉に頭痛が痛いポーズをとる有咲。どうやら現実を受け入れられないようだ。
「悪い、聞き間違えたみたいだからもう一回言ってくれるか?」
「『夢』にお邪魔して週5で会いに行ってるって言ってましたよ」
「おかしくねぇ!?」
何を今更。自分の父親だけまともだと思っていたのだろうか。美咲からしてみたら市ヶ谷おじさんはオヤジーズの中でもトップクラスの変人だ。
「待て待て待て、週5で夢に出てくるってまさか見た目高校生くらいの金髪のイケメンか?」
「あ、それですね」
「なんてこったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
この世が憎いとばかりに地面を叩く有咲。美咲は有咲がそこまで絶望している理由がわからない。
するとおたえが思い出したようにポツリと呟いた。
「あれ? そういえば有咲がポピパの罰ゲームで言っていた好きな人って夢に出てくるお兄さんだったような」
「おたえ! 言うなぁぁ!!」
美咲の有咲を見る視線が暖かくなる。まぁ、確かに市ヶ谷おじさんは白鷺おじさんとは別ベクトルのイケメンだ。思春期の女子学生なら惚れても仕方ない。
それが実父だと知ったら完全に黒歴史だが。
「おかしいだろ!? なんで夢に出てこれるんだよ!?」
「市ヶ谷おじさんは仙人ですから」
「やめろぉぉぉ!! これ以上ツッコミどころを増やすなぁぁぁぁぁ!!」
美咲の言葉に前衛芸術のような態勢になる有咲。するとおたえが何かに気づいたように手を叩いた。
「そっか、有咲はお父さんに会いたいんだね」
「は? いや、会えるもんなら直接会って文句は言いたいけどよ」
有咲の言葉におたえの行動は早かった。
「美咲、私は紗夜さんと日菜さんに連絡とるね」
「それじゃあ私は大和おじさんに装置が使えるか確認とるよ」
「私はどこに連れて行かれるんだ!?」
「と言うわけで市ヶ谷おじさんがいる世界に転移したわけですけど、何か言いたそうですね市ヶ谷さん」
「私はどこに連れてこられたんだ!?」
「? 市ヶ谷おじさんがいる世界だよ?」
「そうじゃねぇんだよ、おたえ!!」
有咲渾身の叫びである。まぁ、美咲と紗夜は理解できなくもない。
「この山岳地帯はどこだ!? 明らかに地球じゃねぇよな!? だってみたこともない生物もいるしよぉ!!」
「も〜、そんなちっちゃいこと気にしちゃルンとこないよ有咲ちゃん」
「日菜先輩はどういうことだ!? つぅかなんで私らはこんなにゴッテゴッテの鎧をつけてておたえ達に至ってはバカデカイ武器持ってるの!?」
「流石にこの世界は素手で行くには危険が多いので」
「どう言うことですか紗夜先輩!?」
「単純に言うと超危険地帯ってことです」
「ヌヲォォォォォォォォ!!!!!!」
美咲の言葉に頭を掻き毟ろうとして兜が邪魔して搔き毟れなかった有咲。
「大丈夫ですよ。昨日のうちにお父さん達が危険なドラゴンは狩ってくれておいたはずなんで」
「待ってくれ、待ってくれよ奥沢さん。この世界にはドラゴンがいるのか?」
「? 普通にいるよ!!」
「おかしいだろ!!」
元気のいい日菜の言葉に世界はこんなことじゃないことばっかりだと叫ぶ有咲。
「ム」
「? どうかしましたか、紗夜さん」
状態異常:混乱にかかった有咲の相手をおたえに丸投げして、美咲は紗夜に近く。
「ちょっと止まっいてください」
それだけ言い残して紗夜は大岩の上に登って双眼鏡で何かをみている。そしてすぐに飛び降りてきた。
「まずいですね、進路上にリオレウスとリオレイアがいます」
「何が何やらわからないけど危険なんだな、引き返しましょう」
紗夜の言葉に食い気味にかぶせてくる有咲。しかし、非常識な父親に育てられた娘が常識人なわけないのだ!!
「あ、私閃光玉持ってきてるよ!!」
「それじゃあ日菜に閃光玉を投げてもらって速攻で手前にいるリオレイアを潰しましょう」
「一撃で潰すなら手数の多い私や紗夜さんじゃなくておたえですかね」
「任せて」
日菜の言葉に紗夜が冷静に作戦(と呼べるものではない)を立てると美咲が続く。すると太刀を持ったおたえは力強く頷いた。
「いやいや!! 大人しく帰ろうぜ!!」
「それじゃあ皆さん、一狩り行きましょう!!」
「「「おぉ!!」」」
「帰ろうぜぇ!!」
有咲の言葉は日菜の投げた閃光玉に掻き消されるのであった。
「死ぬかと思った……マジで死ぬかと思った……」
「? 市ヶ谷さんに危険はなかったはずだけど?」
「クソでかいドラゴンがこっちに突進してきたけど!?」
「それも日菜さんがハンマーで殴り飛ばしたじゃないですか」
前衛芸術のようになる有咲。どうやらsan値がピンチらしい。
「あ!! 天鱗出た!!」
「いいなぁ、日菜さん。私は重殻だけだ。紗夜さんはどうですか?」
「煌液が出ましたね」
「それで日菜さん達は何やってんの!?」
「素材の剥ぎ取りですよ」
「なんで奥沢さんはそんなに普通なんだ!? 私か!? 私がおかしいのか!?」
残念ながらこの場に限って言えばおかしいのは有咲である。
「まぁ、もうすぐ目的地ですから。みんなも剥ぎ取り終わったみたいだから行きましょうか」
それぞれ剥ぎ取った素材を持ち物袋に入れて(明らかにサイズを無視いた袋への入り方に有咲は発狂した)から全員で歩き出す。
途中で襲撃してきたランボスの群は美咲が双剣で切り刻んだり紗夜が弓で纏めて撃ち抜いたり日菜がハンマーで押しつぶしたりおたえが太刀で一刀両断にしたりしたために大きな問題にはならなかった(当然のように有咲は発狂した)。
そして目的地に辿り着く。
「つきましたよ、有咲さん」
「あ!! 美咲ちゃん!! 私達は発掘してるね!!」
「つっこまねぇ……!! 絶対につっこまねぇからな……!!」
ツルハシ持って崖の方に行った氷川姉妹とおたえと見送りつつ美咲は有咲が可哀想になる。
早く現実を見ればいいのに、的な意味で。
有咲は大きく深呼吸してから真面目な表情になる。
「それで? 私の父親はどこにいるんだ?」
「あそこですよ」
有咲は美咲の指差した先を見てから一度目をよく揉んでからもう一度口を開く。
「それで? 私の父親はどこにいるんだ?」
「あそこですよ」
「羊の群れの上に宇宙服で寝ている奴しかいないぞ!?」
「市ヶ谷さんの目は正常ですね。羊の群れの上で寝ている宇宙服の人が市ヶ谷おじさんです」
「ヌォォォォォォォォ!!!」
正確に言えば市ヶ谷おじさんが着ているのは宇宙服ではなく怠惰スーツ(非常に頑丈で冷暖房完備、さらには人工呼吸器も完備している)らしいが、詳しい説明をすると有咲が壊れると思って美咲は説明をやめた。
唸っていた有咲は突如、動きを止めると鬼気迫った表情で市ヶ谷おじさんに走り寄っていく。
そして勢いよくジャンプした。
「起きやがれクソ親父ぃぃぃぃぃぃ!!!」
そして思いっきり飛び蹴りを叩き込んだ。しかし、悲しいから氷川おじさんなどの人類をやめている人々からの一撃も完全防御の怠惰スーツである。人類の範疇である有咲の一撃ではヒビすら入らない。
モフモフの群れの中に落ちる有咲、どうなるかなぁと完全に他人事で見ている美咲。そしてツルハシで鉱物を掘り出している氷川姉妹とおたえ。
控えめに言ってカオスであった。
だが、ようやく怠惰スーツに動きがある。怠惰スーツの上に若い男性がホログラムで現れたのだ。
『ああ、めんどくさい考えたくない。なんだい有咲? 脳を働かせるのだったカロリーを消費するんだよ?』
「初めて会いに来た娘に対する第一声がそれか!?」
有咲の言葉に市ヶ谷おじさんは何やら考えていたが
「何を言ってるんだい? 週に5回は会ってるじゃないか」
「羊が喋った!?」
『自分の口で喋るのは面倒だから彼らの口を借りることにするよ』
「どこまで物臭なんだ!!」
驚愕の声を上げる有咲だが、美咲的に市ヶ谷おじさんが羊の口を借りてとは言え会話をしていることが驚きだ。なにせ市ヶ谷おじさんは店に来たとしてもホログラムな上に会話も面倒だと言って相手の脳内に直接語りかけてくるからだ。
「有咲とお母さんには悪いことをしているとは思っているんだ」
「え? ちょっと待ってくれ? 私はマジで羊と会話しろって言うのか?」
「結論から言おう。有咲のお母さん……まぁ、私の妻だけど生きているよ」
「はぁ!?」
そして割と娘にとって爆弾発言をする市ヶ谷おじさん。
「ど、どこにいるんだ!?」
「仙人界」
「……は?」
「だから仙人界。会いたいのなら止めないけど頑張って行きなよ。まぁ、奥沢あたりに言えばどうにかしてくれるんじゃないかな」
「いやいやいや!! 私はまだ両親が仙人だったことをう受け入れきれていないんだよ!!」
「そのうち仙人界からスカウトが来ると思うから頑張ってね」
「待て待て待て!! どう言うことだ!!」
有咲は必死になって喋っていた羊に詰め寄るが、羊は『メ〜』と鳴くだけだ。
「……なぁ、奥沢さん」
「市ヶ谷おじさん、完全に寝たっぽいんで一ヶ月はホログラムも出てきませんよ」
「クソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
市ヶ谷有咲
市ヶ谷有咲は普通の女子高生!! みんなとちょっと違うところは両親が仙人ってこと!!
最初からあった有咲の両親は仙人設定。残念だったな有咲、お前が一番非常識な存在なんだよ。
奥沢美咲
武器は双剣
花園たえ
武器は太刀
氷川紗夜
武器は弓
氷川日菜
武器はハンマー
市ヶ谷父
有咲パッパ。現代(しかし異世界である)に生きる仙人。元々は仙人骨を持つ普通の人間だったが、仙人の奥さんと結婚するために修行して仙人になった。怠け癖が強すぎる超怠惰男。呼吸もめんどくさい。
有咲パッパがいる世界
モンスターをハントする世界
超絶お久しぶりです。前回の更新が去年の4月末だったんでギリギリ一年以内に更新できましたね!! あ! やめて石を投げないで!!
ちなみにこの世界の仙人界はフジリュー封神演義の世界です。つまり有咲パッパは実は太上老君の名前を継承しているすごい人っていうどうでもいい設定もあります。お母さんはまだ決めてません。
さて書けなかったのにも色々理由がありましてパニック障害になったりそのせいで仕事を辞めたり開き直ってガチで小説家を目指して公募用の小説を書いたりしていたのでここまで手が回りませんでした。今後もきっとこんな感じの更新です。