千聖さんが見事にキャラぶっ壊れてます。そして出てくるモリフォニカキャラ。
美咲は千聖と一緒にちょっと遠目のカフェに来ている。その理由も千聖が密談をしたいと言ったからだ。
CiRCLEのカフェはバックに美咲の父親がついており密談には向かない。羽沢珈琲店は店長が自分の娘のこと以外は値段次第で平然と売るために密談できないのだ。
千聖は真剣な表情で美咲を見つめながら口を開く。
「美咲ちゃん」
「なんでしょう」
「どうやったら新Bear Warsの撮影を中止に追い込めるかしら」
「無理だと思いますよ」
「そこをなんとかしてほしいの!!」
哀れにもまだ千聖は親バカの呪縛から逃げられると思っているらしい。齢10を前にして親バカから逃げることを諦めた美咲からしてみたら可哀想で仕方ない。
「もう撮影も始まっているんですから諦めた方がいいんじゃないですか」
美咲の言葉に千聖の視線も店舗に付けられているテレビ画面に向かう。
『新Bear Wars撮影順調!!』と言うCMが流れていた。主演の部分にはバッチリ白鷺千聖の名前がある。
それをみて頭を抱える千聖。出演と言ってもバンドの一員としてだけなので完全に対岸の火事を決め込む美咲。
「わ、私が大きな不祥事を起こせば……」
「あのオヤジーズに揉み消せないことがあるとでも?」
政界に美咲の父親、経済界にこころの父親、芸能界にはひまりの父親と千聖の父親。
千聖はその事実に机に蹲って頭を抱える。
「なんであのオヤジーズは無駄に権力を持ってるの……!!」
「一人だけでもウザいのにそれが複数ですからねぇ」
一人ずつでも厄介なのにそれが10人以上。それが全員親バカと言う最悪っぷり。
「美咲ちゃん、昔からあの人達に振り回されているんでしょ? 何かいい対処法ないの?」
「ないですねぇ」
千聖の願いをアイスコーヒーをチューっと吸いながら切り捨てる美咲。それをジト目でみる千聖。
「美咲ちゃん、何か他人事みたいね」
「いえ、実際他人事ですし」
「そう、美咲ちゃんはそういうことを言うのね」
千聖はそう言ってからスマホを取り出して何事か打ち込み始めた。美咲は不思議そうにそれをみているが、千聖が打ち込み終わったのか美咲に画面を見せて来た。
「なぁ!?」
そこには『美咲ちゃんがミッシェルとして新Bear Warsに出たいと言ってるわ』と言う言葉が!!
美咲は慌てた様子で千聖のスマホを奪い取るが、千聖は優雅にコーヒーを楽しみながら口を開いた。
「残念ながら送信済みよ」
「ファッキンオヤジーズ!!」
すでにそには既読マークがついていた。娘からの連絡を素早く見過ぎだろう。
そして千聖はコーヒーカップを置きながら誰もが見惚れるような笑顔を浮かべて口を開く。
「さぁ、美咲ちゃん。一緒にあの作品を潰す方法を考えましょう?」
「あんた最悪だな……!!」
しかし、この連絡が千聖の父親の頭の中に入った時点で美咲の出演は決まったようなものだろう。
ならばどうやってあのクソ映画を潰すか考えた方が建設的だろう。
「事故を装って白鷺おじさんに死んでもらうのはどうですか?」
「やり方が問題ね。私が言うのもなんだけどあの親父なかなか死なないわよ」
「……美咲さん、何怖い会話をしているんですか?」
完全にダークサイドに落ちた会話を始めた美咲と千聖に話しかけてくる女勇者が一名。美咲が顔をあげると見覚えのある後輩の顔。
「あれ? るいるい、久しぶりだね」
「るいるいではなく瑠唯です」
近隣でも有名な月ノ森女学園の制服を着た女子学生がクールな表情を崩すことなくツッコミを入れてくる。
それに千聖は首を傾げた。
「美咲ちゃんの知り合いかしら?」
「中学時代の後輩です」
「え? 美咲ちゃん、元々月ノ森生だったの?」
「ヒント:うちの父親が月ノ森の理事長」
「あ(察し)」
美咲の父親が理事長のせいで美咲と妹の久留里は問答無用で月ノ森に放り込まれた。理事長の娘というだけでも周囲からのやっかみは高いが、父親はさらに爆弾を投下する。美咲と久留里を理事会の役員にしてしまったのだ。
当然のように生徒どころか教師からも腫れ物を扱うように扱われた美咲は父親の呪縛から逃げるために高校受験をして成功した。
問題だったのは変なところで真面目な美咲が真面目に月ノ森の理事会の役員の仕事をこなしたところ生徒達から多大な支持を受けてしまったことだろうか。そのせいで現在通っている久留里も苦労しているのは本気で土下座案件であった。
「美咲先輩と……すいません、そちらの方は?」
瑠唯が知らなかったことで千聖が軽いショックを受けているが、大人しく自己紹介をする。
そして美咲は瑠唯も同じテーブルに座らせる。それに千聖は不思議そうに首を傾げる。今は邪智暴虐なるオヤジーズに正義の鉄槌を下すべく勇者娘が作戦会議をしているところだ。そんなところに一般人を入れていいのだろうか。
そんな千聖を見て美咲は力強く頷く。
「るいるいは私達の味方です」
「瑠唯ちゃん、お父さんのことどう思う?」
「死んで欲しいとまではいきませんが都合よく行方不明になって欲しいです」
千聖の言葉にクールな表情を一切崩さずに嫌悪感丸出しで言葉を吐き出す瑠唯。それを聞いて千聖は瑠唯と固い握手をした。
そして美咲と千聖は現状を瑠唯に説明する。それを聞いて瑠唯はクールな表情を崩さず、だが少しだけ表情を顰めた。
「刑事事件を起こすことはオススメできません」
「? 何故かしら?」
瑠唯の言葉に千聖が首を捻るが、美咲はすぐに思いつく。
「あ、そっか。八潮のおじさんは……」
「はい、警視総監をやっています。刑事事件を起こしても即座に握り潰されるかと」
「本当になんであのオヤジーズは無駄に権力を持ってるの……!!」
千聖魂の恨み節である。だが仕方ない。オヤジーズは学生時代に『世界を俺達の手中に収めよう』と約束していたのだ。そして着実にそれは実行されつつある。
そんなオヤジーズの野望を唯一知っている勇者・ミサキは巻き込まれたくないのでその話は聞かなかったことにした。
「おやぁ? 千聖ちゃんに美咲ちゃん、それに瑠唯ちゃんなんて珍しい顔ぶれだねぇ」
そこに妙に間延びした話かたをした中年の男性が声をかけてくる。ボッサボサの髪に伸び放題の髭、そして目の下の濃い隈は完全に不審者で、そんな不審者が見た目麗しい若い娘に声かけとか完全にポリス案件だったが、ポリスを呼ばれることはない。
「瀬田おじさま」
「瀬田おじさん」
「瀬田さん」
上から順番に千聖、美咲、瑠唯である。ちなみに瑠唯は頻繁に父親に連れられて美咲の父親がやっている居酒屋に来るためにオヤジーズの大部分を知り合いである。
「〆切は大丈夫なんですか?」
「ははは、会って早々に〆切の心配なんて千聖ちゃんはできた娘だなぁ」
薫パッパの仕事は小説家である。しかも出す本出す本がバカ売れしてノーベル文学賞も受賞したことのある文豪である。
「瀬田おじさん、薫さんにキチンと言葉の意味を教えた方がいいですよ」
「うぅん、薫にはいつも『言葉だけを覚えずに意味も覚えなさい』って教えているんだけどなぁ」
そして薫がよく言う詩的な言い回しやシェイクスピアの名言は主に薫パッパの小説の資料が出典元である。だが、薫はとてもじゃないがそれを理解しているとは思えない。
だが薫パッパは伸びきった髭を擦りながら嬉しそうに口を開く。
「でもそんな薫がとても可愛いよねぇ」
「美咲さん、親バカの波動を感じました。この不審者にコーヒーをぶっかけていいですか?」
「るいるい、やるだけ無駄だからやめとこう」
全員の白けきった視線を受けながら『ごめんごめん』と笑いながら同じ席に着く薫パパ。
「それで? 何かあったかぁい? おじさんは鉄火場には出られないけど相談にのることくらいはできるよぉ」
この言葉からわかる通り薫パッパは常識人よりの非常識人だ。そこで千聖は邪智暴虐なる千聖パッパの所業を語る。薫パッパと千聖パッパは幼馴染のために関係を気安い。
「あ〜、白鷺から突然ストーリーの変更要求が来たのはそう言うことかぁ」
「あのクソ親父……!!」
どうやらストーリー原案の薫パッパのところに千聖パッパは速攻で連絡を取ったらしい。その事実を知った千聖から女優から漏れてはいけない言葉が漏れているが美咲と瑠唯は聞かなかったことにした。
「そ、それで瀬田おじさん。その原稿は書いていないですよね?」
これで瀬田おじさんが書いていなければ話は簡単だ。瀬田おじさんの腕をへし折って原稿を書けなくしてしまえばいいだけである。
そんな不穏なことを考えている美咲の心など知らずに薫パッパは苦笑しながら口を開く。
「ごめんねぇ、筆が乗っちゃったからもう送っちゃったんだぁ」
その言葉に美咲と千聖は机に沈むのであった。
奥沢美咲
まさかのミッシェルで映画出演決定
白鷺千聖
オヤジーズの暴走を止めるつもりが被害を増やしただけだった
八潮瑠唯
月ノ森中等部学生。美咲の後輩。パパは警視総監
瀬田父
薫さんパッパ。世界的に有名な小説家。常に〆切に追われている。そのため見た目は不審者
八潮父
るいるいパッパ。史上最年少警視総監。
そんな感じでネタができたから投稿です。そして未だに美咲ちゃんは一年生なのにるいるいをだす暴挙。ちなみに中等部なのでまだモリフォニカ組んでません。
と言うかバンドリで新キャラ出すなんて聞いてないっすよ、これじゃあオヤジーズがまた増えるじゃないか。しかも月ノ森の設定みる限りパパン達はどんなに設定盛ってもいいっぽいし。るいるいが先駆けて出たのは作者が好きだったから。モリフォニカの曲もヴァイオリンがいい感じでテンション上がります!!
え? るいるいの星4? ちょっと何言ってるかわかりませんね(二枚出た星4ましろちゃんから目を逸らして