BOOMERANG WITCHES   作:B-506

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いらん子2巻発売されましたね。エルマさんとハッキネンさんに声が。ハッキエルが捗る。エルマさんかわいい!!!!


帰路

「まさか慣熟訓練が実戦になるとは思わなかったね。皆は大丈夫かな。」

「ログには交戦開始の報告はありません。ほかの隊はとっくに帰路についてることでしょうね。」

「そっかー。戦闘は私達だけか。ついてるんだかついてないんだか。」

春燕とそんな会話を挟みフェアリィを目指す。

すると

「ズークより各機、12時方向よりアンノウン。IFF応答無し。無線にも応答が無い。警戒を。20秒後に交差する。」

「雪風了解。ブーメラン-リーダーより各機、残存兵装をチェック。報告せよ。」

「カーミラより雪風。残存兵装は機関砲及びPKP。機関砲残弾約700。PKPは300発あります。」

「春燕より雪風。残存兵装は機関砲と狙撃歩槍のみ。機関砲残弾およそ500。88は40発しかないや。」

「ズークより雪風。残存兵装は機関砲だけだ。残弾も少ない。150ちょっとだ。」

「了解。敵性航空機の場合、私とカーミラが迎撃します。2人は私達の後ろへ。....来ますよ。」

 

視界に黒点が現れ、急速に大きくなる。果たして敵か、それ以外か。

答えは

「.....YF-23?」

4人の横を通り過ぎて行った機体は、かつてノースランド・グラマーとボーニングが開発したステルス試作戦闘機YF-23の1号機、ブラックウィドウⅡそのものだった。

「誰か、あの機体のコックピット内か、もしくはなにか所属の識別が可能なものを見ましたか?」

「私には真っ黒な機体に見えたが。そもそもアレは試作機だろう。F-22に負けて、ストライカー共々リベリオン空軍博物館に展示されてるはずだ。」

「強行偵察.....と言っても私達がいまさっきやっつけた方面だったよねぇ?実は巣でもあったとか!」

「そんなものがあったら我々はとっくに地面に落ちてると思いますよ。」

「フムン。とりあえず司令部に報告だな。急いで帰ろう。」

 

「警告!レーダー照射を受けています!6時の方向!」

「レーダー照射だと!?」

「私達がネウロイに見えてるのかな」

「さっきのYF-23が反転!こちらに向かってきています!」

 

《こちらは連盟空軍所属第501統合戦闘航空団1番機。貴機の所属と目的、そしてレーダー照射の理由について説明願う。繰り返す。こちらは連盟空軍所属第501統合戦闘航空団1番機。貴機の所属と目的、そしてレーダー照射の理由について説明願う。》

雪風が問う。

 

「呼びかけましたが、先程と変わらず無線に応答無し。IFFにも応答ありません。司令部にも問い合わせてみますが....」

《こちらB-1。司令部応答願う。》

《こちら司令部。エーコ中尉だよ。またネウロイかい?》

《エーコ中尉。中枢コンピュータに問い合わせて、我が空軍がYF-23もしくはそれと類似した形状の航空機を運用してるかどうか調べてください。》

《YF-23だって?どうしたってそんなものを》

《簡潔に説明します。現在私達はYF-23らしき戦闘機からレーダー照射を受けています。無線、IFF共に応答無し。1度すれ違った後反転し、追いかけてきています。》

《どういうことだ....?待ってくれ。今中枢コンピュータに問い合わせている。フムウ、そんな機体は登録されてないけど.....。》

《B-1了解。では、敵です。准将に交戦許可を。》

《待ってくれ大尉。リベリオン空軍機かもしれん。》

《時間がありません。速度2.9。こちらより速い。部下を守る義務があります。》

《....了解した。司令部よりB-1以下4名、交戦を許可。グッドラック。》

《ありがとうございます。オーバー。》

 

「ブーメラン-リーダーより各機、空対空戦闘用意。目標、敵性航空機。FCSチェック。交戦を許可する。」

「了解。」

「了解だ。」

「了解!」

4機がそれぞれ反転。各々の攻撃を開始する。

「こちら雪風、ロックオンされた。回避する。」

同時に追尾警報。ミサイルが向かってくる。

雪風はこれを回避。アタック。

機関砲が唸り、敵機へ吸い込まれるように飛んでいき、躱される。凄まじい機動だ。あれでは中のパイロットが死んでしまう。

交差。反転しリアタック。完全に後ろを取った。そう確信した。

「さあ、フィニッシュです。」

引き金を引き、砲弾が発射され、敵機に着弾する。

 

そして、敵機が急減速、180度反転し

 

こちらに向かって落ちてくる。

 

「隊長!避けろ!」

 

爆散。

 

50メートルもなかった。破片が殺到し、バイザーを砕き、百々佳の額を裂く。ストライカーに直撃した破片が左エンジンを脱落させる。両エンジン停止。落ちる。落ちる。

高度計がデタラメな数字を刻んで、ヘルメットとバックパックに搭載された戦略コンピュータは5台のうち3台が完全に沈黙。残り2台はそれぞれがそれぞれの計算結果を打ち出している。中枢コンピュータがこれをシャットアウト。人力に切り替える。

右足に魔法力を込めると、タービンブレードが微かに回転し始める。エンジン再起動。

少しして、身体の錐揉み回転が止まる。上体を起こし、ホバリングに移行する。

右目の視界が赤い。血糊がこびりつき瞼が上手く開閉しない。

「隊長!」

この声は誰だ?春燕か、ズークか、カーミラか?左肩を誰かに担がれている。シールドがあるため目は開けるが、どこかぼんやりと霞んでいて気持ち悪い。

と、何かが視界を塞ぐ。霞んでいるが、見覚えのある顔だ。力が抜けていく。

 

深く、意識の水底へと




新年度が始まりました。皆様体調にお気をつけて、これからも推しは推せる時に推していってください。まだまだ続きます。
戦闘妖精雪風とストライクウィッチーズをよろしく。

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