ウルトラ・ストラトスNo.6   作:赤バンブル

7 / 12
久々に帰ってきたウルトラマン見たら最終回のゼットンに何気に愛嬌を感じた。

初代も出たんだからS・H・Fで出てほしいもんですね(自分はゴモラしかもっていないけど・・・・)。


姉妹と姉弟(中編)

山中エリア

 

「こちら荒垣、ポイントB異常なし。引き続きパトロールを続けます。」

 

「こちら、北島と南原、同じく異常なし。」

 

 

 

 

「そうか、こちらも引き続き調査を続ける。」

 

千冬はド派手な外見をしている車両『ラビットパンダ』を運転しながら付近のエリアを調査していた。

 

「篠ノ之、そっちのレーダーで隕石から発せられた音波は確認できるか?」

 

「いいえ、微動すらしていません。」

 

「うん・・・・・織斑、そっちは?」

 

「探知機からも反応が検出されませんね・・・・・」

 

「ここまで調査して何も出んとはな・・・・・・・・仕方ない。空の方は荒垣たちに任せて我々は範囲を広げて続行するぞ。」

 

ラビットパンダは、山道を進みながらある通行止めのポイントへと差し掛かった。

 

「しまった・・・・・・・そう言えばこのエリアはIS学園に近かったな・・・・・」

 

車両から降りて千冬は看板を確認する。

 

「隊長、ここって・・・・・・」

 

一夏は看板を見る。

 

 

 

『これより先、閉鎖地域。立ち入り禁止。』

 

 

 

 

看板には簡素に書かれているがその看板は建てられてからそこまで時間が経っていないにもかかわらず所々が化学反応で錆び付いていた。

 

「あぁ・・・・ZATが結成される前に起こった怪獣事件のエリアだ。」

 

「確か情報では除染が進んでいると聞いていたのに・・・・・」

 

「表ではな。だが、怪獣の遺体から発する有毒ガスは未だに学園近くで立ち籠って警戒エリアに指定されている。除染が進んだこのエリアでも人体に害は出ない程度だがガスは飛散している。」

 

千冬は、そう言うと車の中から防毒マスクを出して二人に回す。

 

「この先は行ける範囲まで調査する。だが、マスクは外すなよ。外せばたちまち有毒物質が体に入ってしまうからな。」

 

 

 

 

 

 

マスクを装着した三人はひび割れた道路を歩きながら進んで行く。

 

先に進めば進むほど、霧が濃くなり、お互いの距離を確認するのもやっとの状態にまでなる。隊員服に備え付けられている危険探知機が警報を鳴らしていた。

 

「・・・・・・・これ以上先は無理か。」

 

千冬は、特殊双眼鏡で遠くを確認する。

 

(ここで簪のお姉さんは・・・・・・・・)

 

「織斑、篠ノ之。これを見てみろ。」

 

「ん?」

 

千冬から双眼鏡を受け取って一夏は、指さされたところを見てみる。そこには破壊された建物と巨大な何かの死体らしきものが見えた。

 

「あれは・・・・・・」

 

「今だに閉鎖中の元IS学園と討伐された毒ガス怪獣 ケムラーの骸だ。あの辺は高濃度の毒ガスが充満していて未だに行くことができない。犠牲になった生徒・教師たちの遺体も当時のままだ。」

 

「あれが・・・・・・ケムラー・・・・・」

 

箒は、予備の双眼鏡でケムラーの死骸を見る。

 

時間が経過したこともあり、腐敗はかなり進んでいるがその体からは未だにガスのようなものが発生し続けていた。まるで火山で見られる煙のように。

 

「ケムラーはその昔、地球に初めてウルトラマンが現れたとき別個体が彼と科学特捜隊の手によって葬られたという。あの当時も被害は大きく、奴が出現した大武山周辺は死者が続出、壊滅状態だったらしい。」

 

「その悲劇をまた繰り返しちまったと言うわけか・・・・・・」

 

「怪獣出現期の資料は、ISが普及されたときほとんど処分されてしまったからな。『ISなら怪獣に勝てる』・・・・・・人類の傲慢さが生んだあまりにも馬鹿げた発想だ。だが、こんな悲劇を何度も繰り返す訳には行かない。不幸にも怪獣が再び姿を現したことが我々の常識を改めて認識させる教訓となった。あの廃墟のような光景を作らないことがZATの使命だ。二人とも、忘れるんじゃないぞ。」

 

「「はい。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の更識家

 

「・・・・・・」

 

楯無は、布団に横になってボーっと中庭を眺めていた。

 

「お嬢様、朝食を持ってきましたよ。」

 

そこへ虚と本音がささやかな朝食を運んできた。盆を置くと虚は、楯無をゆっくり起こす。

 

「今日は、ちょっと味を変えてみました~。お嬢様のお口に合うと思うよ~。」

 

本音は、フウフウしながら楯無の口に食事を運ぶ。口の中に入ると楯無はゆっくりと噛んで飲み込む。

 

「・・・・・・・虚。」

 

「はい?」

 

「・・・・・私は後、どのくらい生きられるのかしら?」

 

「何を言っているんですか。まだまだ大丈夫ですよ。」

 

若干諦めている楯無に対して虚は言う。

 

「・・・・・・・簪ちゃん、あんなに私のことを憎んでいたのね・・・・・」

 

「お嬢様・・・・・・」

 

「・・・・・まだ、体が動くときはどうして出て行ったのか理解できていなかったけど最近になってよく考えるようになったわ。私があの子のためにやっていたことが全部簪ちゃんを追い込んでいるんじゃないかって・・・・・」

 

「そんなことはありませんよ!妹様もきっと・・・・・・」

 

自分を責める楯無に虚は否定しようとするが楯無は首を横に振る。

 

「ううん・・・・・・気を使わなくてもいいわ。あの子の居場所を失くしてしまったことには何の変りもないのだから・・・・・・・」

 

楯無は、屋敷の窓から見える太陽を見る。

 

(神様・・・・・・お願いです。もう、私もそう長くありません。ほんの少し・・・・・ほんの少しの時間でいいんです。どうか、妹と話をさせてください。許されなくても構いません。ただ、謝ることができるのなら・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ZAT基地

 

「ほら、見ろ!」

 

荒垣は、自慢そうに基地に届いた大きな段ボール箱を開ける。中には見事な大きさの梨が入っていた。

 

「うひゃ~!なんとも見事な梨!」

 

「家の実家から届いたんだ。隊長、いつ怪獣が日本に来るかわからないんですから此処は一つ気分転換にみんなで梨を食べましょう!」

 

「うむ・・・・・荒垣の実家から態々届けてくれたからな。よし、ここは全員で梨を頂くとしよう。更識、篠ノ之、すまないが剥いて来てくれないか?」

 

「「わかりました。」」

 

「あれ?隊長はやらない・・・フグッ!?」

 

北島は不思議そうに聞くが慌てて一夏は口を塞ぐ。

 

「た、隊長は、別にいいんですよ!それに梨を剥くのに三人もいらないじゃないですか!?」

 

 

 

 

 

 

 

箒と簪の二人は、フルーツナイフで梨を丁寧に剥いていた。

 

「・・・・・・・」

 

簪は梨を剥きながら昔のことを思い出していた。

 

小学生の頃のとき、その時も実家で梨が届いていた。しかし、幼い簪にはまだ剥き方がわからなかった。

 

『・・・・・』

 

『どうしたの?簪ちゃん。』

 

そこへ来てくれたのが姉の楯無だった。

 

『お姉ちゃん。』

 

『あっ、もしかしておやつの梨が食べたいの?』

 

『・・・・・・』

 

簪は黙っていたが楯無はニコッと笑って梨を一つとる。

 

『ちょっと待ってね。』

 

楯無は台所から包丁を持ってくるとテーブルの上で簪に見られながら梨を剥いていく。歳が一つしか違わない姉が悠々と梨を剥いていることに簪は驚く。

 

『お姉ちゃん、剥けるの!?』

 

『もちろん、私はお姉ちゃんなんだからね!』

 

楯無は剥き終えると適度な大きさに切り分け簪の前に置く。

 

『お姉ちゃん、すごい・・・・・』

 

『まあね!困ったときはお姉ちゃんにお任せってねっ!』

 

『お姉ちゃん、何でもできるんだね!すごいな!』

 

『アハッハハ、簪ちゃんに褒められるなんて私も嬉しいな。こうなったら、お姉ちゃん。何でもできるようになるからね!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・お姉ちゃん・・・・・」

 

「ん?どうしたんだ簪?」

 

思わず口から出た言葉に簪は、はっと我に返る。

 

「う、ううん!何でもない!」

 

「そうか?」

 

「うん!本当に何でもない!」

 

慌ただしく否定する簪に箒は不思議がりながらも作業を再開する。剥き終えた梨は皿に盛り付けされ、全員の前に出される。

 

「さあ、これが副隊長の実家から来た梨ですよ。」

 

「おぉ!うまそう!」

 

全員、フォークで梨を刺し、口元へと運んでいく。

 

「うまい!」

 

「みずみずしくておいしいですね。」

 

「副隊長、実家にいた頃はよく食べていたんですか?」

 

「まあな、ガキの頃はいっつもおやつに出されて飽きちまったもんだ。今になると懐かしいがな!」

 

「ほう、じゃあ荒垣の実家へお礼の手紙でも書いてやらんとな。」

 

「いやいや、そこまでしなくても・・・・・・恥ずかしいじゃないですか。」

 

その直後、司令室の通信機が反応する。

 

「なんだ、こんな時に?」

 

簪は通信機を点けて連絡を聞く。

 

「はい・・・・・・えっ?・・・・えぇ、わかりました。」

 

簪は、全員の方へと向き直る。

 

「隊長!先ほど宇宙から来た怪獣を迎撃したZATニューヨーク本部の部隊が全滅したそうです!」

 

「なっ!?」

 

「なに!?」

 

「ちょ、ちょっと待って!?確かニューヨーク本部ってIS部隊とかも含めてかなり充実した戦力だったはずじゃ・・・・・」

 

「怪獣は進路を日本に向けて飛行中・・・・・・なお、地上に潜伏していたと思われる怪獣も姿を現しました!極東支部は直ちに迎撃態勢を整えよとのことです!」

 

簪からの報告を受けて千冬は咳払いをして全員を並ばせる。

 

「全員整列!ついに怪獣がこっちにやってくる。奴の戦闘能力は極めて高いが必ず急所があるはずだ。えっと・・・・・・・南原、昨日何食べた?」

 

「えっ!?カレーですけど?」

 

「そうか。他にカレーを食べた者はいるか?」

 

「いえ、自分は織斑に勧められた店で取った出前のかつ丼です。」

 

「自分は同じ店で中華丼です。」

 

「僕は、焼きそばです。」

 

「俺は、みそチャーシュー。」

 

「私は、塩タンメン。」

 

「私は・・・・・・カルボナーラです。」

 

「そうか・・・・・・・昨日、私もカレーを食べたからな・・・・・・よし、荒垣、北島はスカイホエール、織斑と篠ノ之は、コンドル一号、西田はスーパースワローで出動!私はここで指揮を執る。更識は、たば・・・・ゴホン、篠ノ之博士の所に行って怪音波の解析を進めてくれ。」

 

 

「「「「了解!」」」」

 

「た、隊長・・・・・・自分は?」

 

「南原は念のために私と基地に残ってもらう。」

 

「そんな~。」

 

「ZAT出動!」

 

千冬の指示の元、しょぼんとする南原を除くZATは、出撃した。

 

簪は千冬の命令で束のところへ向かおうとしたところ、束本人が電話を持ってやってきた。

 

「束、何をしに来たんだ?今は緊急事態だぞ!?」

 

「いやいやいや~そんな冷たいこと言わないでよ~。更識隊員にお電話だよ~。」

 

「へっ?私にですか?」

 

「もちもち・・・・」

 

束から受話器を受け取って簪は出てみる。

 

「もしもし・・・・・・・」

 

『かんちゃん!?』

 

聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「・・・・・本音?何でここに電話してきたの?悪いけど今警戒態勢で・・・・・・」

 

『お、お嬢様が・・・・・・お嬢様がいなくなっちゃったんだよ~!?』

 

「・・・・・・・えっ?」

 

受話器から聞こえる本音の慌ただしい声に簪は思わず動揺する。

 

『怪獣が来るって言ってみんな避難する準備をしているんだけどお嬢様、目を離した隙にいなくなっちゃって・・・・・・お医者さんからもあんまり動いちゃダメだって言われているのに・・・・・・・』

 

「・・・・・・っ!本音、お姉ちゃんが行きそうな場所はなんか思い当たらない?どこでもいいから。」

 

『う~ん~・・・・・・もしかして、かんちゃんのいるZAT基地へ行くつもりだったんじゃないかな?この間、お姉ちゃんと一緒に話していたところを聞いていたかもしれないし・・・・・・』

 

「・・・・・・わかったわ。本音たちは、そのまま避難していて。」

 

『えっ!?でも、お嬢様が・・・・・・ガチャ』

 

受話器を切って簪は千冬の方を見る。

 

「隊長、申し訳ございません。」

 

「・・・・・・ふう、お前の姉も私に似て姉妹のことが気になってしょうがないようだな。束、悪いがここを頼む。」

 

「あいよ~。」

 

「えっ、隊長!?ちょっと・・・・・・」

 

「留守番は留守番だ。篠ノ之博士の手伝いでもやったらどうだ?」

 

「それはないじゃないですか・・・・・・・」

 

千冬はヘルメットを取ると簪を連れて地上ドッグの方へと急ぐ。

 

「私も少し前に一夏が誘拐されたとき助けに行けなかったという苦い経験をしたことがあるからな。あの時は運が良かったが・・・・・」

 

ドックの方に着くと待機していたラビットパンダに乗り込む。

 

「急いで現場に向かうぞ。あっちでは地上の怪獣が移動し始めて大混乱だからな。」

 

「はい!」

 

「束、荒垣たちには怪獣が本格的な破壊活動に移らない限りは攻撃するなと指示をしてくれ。」

 

「はいは~い。言っておくよ。」

 

「よし、私たちも急いで出発するぞ。」

 

千冬はラビットパンダで現場へ急行する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スカイホエールとコンドル、スーパースワローは、空から迫り来る怪獣に近づきつつあった。

 

「あれが例の怪獣だ。」

 

怪獣は両腕に巨大な翼を持っており、翼竜に見えなくもない。

 

「副隊長、ここは市街地に入られる前に先制攻撃をして進路を変更させましょう。」

 

「待て、織斑。ニューヨーク本部の部隊を壊滅させたほどの破壊力を持つ奴だ。下手に刺激するな。ここは威嚇射撃で気を逸らしつつ、奴の背後を取るんだ。」

 

「「了解!」」

 

三機は、三手に別れて怪獣を囲む。怪獣は三機を気にすることなく何かに呼びかける様に叫び声をあげて飛行する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、地上では・・・・・・・

 

「お嬢様~!!」

 

「お嬢様~!」

 

逃げ惑っている人ごみの中を虚と本音が楯無を探していた。

 

「本音、そっちは?」

 

「ダメだよ、こっちにもいなかったよ・・・・」

 

「そろそろ鎮痛剤の効き目が切れてしまうわ・・・・・そんなことになったらお嬢様は・・・・・・」

 

そこへ千冬と簪が乗ったラビットパンダが止まった。

 

「本音、虚!」

 

「妹様!?」

 

「かんちゃん~!来てくれたんだね~!」

 

車から出て来た簪を見て本音は嬉し涙を浮かべる。

 

「話は後。虚、お姉ちゃんは?」

 

「えぇ、屋敷の車が一台無くなっていたのでおそらく乗っていたのだと思われますがこの事態です。おそらく、どこかで立ち往生になっている可能性があります。」

 

「は、早く見つけないと~!」

 

「分かりました。ここからは、私たち二人で探します。お二人は、急いで避難してください。」

 

「ですが・・・・・」

 

「組織が違えど、民間人を守るのがZATの務めです。」

 

「・・・・・わかりました。」

 

千冬に言われて虚は、ポケットから処方箋を出す。

 

「お嬢様の服用している鎮痛剤です。そろそろ効果が切れ始めて苦しんでいると思われますので見つけ次第、これを飲ませてください。」

 

「分かりました。」

 

千冬たちは処方箋を受け取ると急いで楯無を探し始めた。

 

 

 

そして、当の楯無はというと

 

「ゴホッ、ゴホッゲッホ!!」

 

車の中で勢い良く咳き込んでいた。周りは乗り捨てられた車に囲まれてしまっており、彼女以外は既に避難している。しかし、彼女にはもう走るほどの体力はない。

 

「ゲホッ!ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ・・・・・・・」

 

松葉杖を突きながらどうにか車から出てくるがすぐ目の前には先ほど地上に姿を現して周囲を徘徊していた怪獣が近づきつつあった。

 

「ゲホッ!ゲホッ、ゲホッ、ゲホッ!ゲッ!」

 

苦しさに楯無はついに倒れてしまう。

 

 

ギャァ、ギャアァ!

 

怪獣は周囲の車を潰しながら歩いてくる。楯無は怪獣を見て急いで逃げようとするが止まらない咳の苦しさと体の痛みに動けなくなる。

 

「ゲホッ、ゴホッ!」

 

ギャァ!ギャアァ・・・・・・?

 

怪獣は、楯無を見つけるとノシノシと歩み寄ってくる。

 

(もう、ダメみたい・・・・・・・・・無理してでも会いに行くなんてやっぱり馬鹿よね・・・・・・・)

 

咳き込みながらも楯無は諦めたように怪獣を見る。

 

当の怪獣は興味深そうに自分のことを見ていた。

 

ギャアァ・・・・・・ギャアァ・・・・・

 

楯無から見るとその怪獣の目は凶暴そうな顔つきとは裏腹に寂しそうな雰囲気だった。

 

(なんでだろう・・・・・・・怪獣って聞いただけで憎たらしいと思っていたのにこの怪獣に対してはそこまで感じない・・・・・・・・)

 

ギャアァ、ギャアァ。

 

怪獣は、楯無に手を伸ばそうとする。

 

(食べられちゃうのかな・・・・・・・・でも、それもそれで私への罰なのかしらね。)

 

楯無は逃げる様子もなくしゃがんだままだった。

 

その様子を探し回っていた簪と千冬はようやく見つける。

 

「あっ!いたぞ!」

 

「お姉ちゃん!?」

 

怪獣に掴まりそうになっている姉を見て簪はZATガンを引き抜いて駆けて行く。

 

「お姉ちゃん、何やってんの!?」

 

怪獣の手が届きそうになった瞬間、簪はZATガンで怪獣を攻撃する。

 

ギャアァ!?ギャァア!?

 

突然の攻撃に怪獣は飛び上がり、三人がいる方角とは反対の方へと逃げて行った。楯無は、後ろから走ってきた簪を見て目を丸くする。

 

「簪ちゃん・・・・・?」

 

「ほら、立って!」

 

簪は急いで楯無に肩を貸すと千冬の元へと急いでいく。

 

「ゲホッ、ゲホッ・・・・・・・」

 

「ほら、これ飲んで。」

 

虚から渡された処方箋を出して、咳き込む楯無の背中を撫でながら簪は彼女に薬を飲ませる。

 

「ゲホッ、ゲホッ・・・・・・どうして来てくれたの?」

 

楯無は、簪を見ながら聞く。

 

「私のことを憎んでいたのに・・・・・・・・」

 

「お姉ちゃんをむざむざ殺すほど私だって冷たい人間じゃないよ。」

 

楯無の背中を撫でるのをやめて簪は彼女を車両の中に入れる。

 

「・・・・でも、私のせいなんでしょ?簪ちゃんが家を出ていくようになったのも・・・・・・・」

 

「確かにお姉ちゃんのせいであの家には私の居場所はなかった。・・・・でも、お姉ちゃんが私のことを大事に思ってくれたことはわかってた。」

 

「簪ちゃん・・・・・」

 

「この間は、あんなこと言ってゴメン。お姉ちゃんが苦しんでいるのに冷たいことばかり言って。私もお姉ちゃんほどにはなれなくても自分なりにやりたいって思っていたから・・・・・それをどうしても・・・・・・」

 

「・・・・・・そうだったの・・・・・・・何も聞いてあげられないお姉ちゃんでごめんね・・・・・ごめんね・・・・・」

 

楯無は、思わず泣きだしてしまった。

 

「・・・・・今度はちゃんと見舞いに行くから。無理は駄目だからね。」

 

「うん・・・・・・うん・・・・・」

 

後ろで和解した二人を見て千冬はホッとした顔でラビットパンダを走らせる。

 

怪獣の方は突然の攻撃で腹が立ったのか近くにあった建設中のビルを壊していた。

 

 

ギャァア・・・・・

 

 

ギャィァア!

 

 

!?

 

 

そこへ一回り大きい怪獣が着陸してきた。後方ではスカイホエールたち三機が追いかけて来ていた。

 

「副隊長、二匹が合流しちゃいましたよ!?」

 

「くっ!止むを得ん!二匹に攻撃開始!」

 

「「了解!!」」

 

スカイホエール、コンドル、スーパースワローの三機は同時攻撃で二匹に向かって攻撃を始める。

 

ギィアアァア!!

 

ギャアア!!

 

二匹は混乱状態でありながらも目と口から光線を吐き出す。

 

「危ねえ!?」

 

一夏はコンドルを反転させて、攻撃を避けながら攻撃する。

 

 

 

 

 

「どうやら、攻撃は始まったようだな・・・・・」

 

千冬は、運転しながら状況を確認する。そこへ、基地から通信が入った。

 

「私だ。」

 

『あっ、ちーちゃん?私なんだけどね・・・・・』

 

通信相手は束だ。

 

「どうした束?音波の解読ができたのか?」

 

『う~ん~・・・・・できたにはできたんだけどね・・・・・・うん、これ言っちゃっていいのかな?』

 

「勿体ぶらずに話せ。」

 

『はいはい、じゃあ言いますね・・・・・・・・・』

 

 

束は深呼吸をして言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あの二匹・・・・・・・“姉弟”なんだよ。』

 

 




次回でやっとタロウ登場。

今後は怪獣をすぐ出せるように考えないとな・・・・・。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。