ウルトラ・ストラトスNo.6   作:赤バンブル

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前編、中編で割いたせいで後編が短くなってしまった。


どうもすみません。

そんでは後編です。


姉妹と姉弟(後編)

「姉弟!?」

 

束からの発言に千冬は思わず自分の耳を疑った。

 

『うん・・・・束さんもね、解読終わった直後自分の目を疑ったよ。でもね、音波を解読し直しても内容が姉弟喧嘩なんだよ。』

 

「・・・・どういう内容なんだ?」

 

『えっとね・・・・・・弟怪獣の方の音波を解読してみるとお姉ちゃん怪獣の方が親にちやほやされて自分だけ除け者にされているとばかり思っていたらしくて拗ねて家出してきたみたい。』

 

「・・・・・それで姉怪獣の方は?」

 

『うん、ちーちゃんや私同様に姉弟想いで弟を連れ戻すために地球に降りて来たようだね。っで、今説得しているんだけど弟の方が駄々こねて帰るに帰れないという事態というわけ。』

 

束の解読内容を聞いて千冬は渋い顔をする。

 

「・・・・・・・全機に伝える。攻撃中止、繰り返す攻撃中止。」

 

千冬はそれだけを言うとラビットパンダをZAT基地の方へと走らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上空

 

「各機、攻撃中止!」

 

「中止!?どういうことですか副隊長!?」

 

飛行しているコンドルとスーパースワローはスカイホエールからの連絡に驚く。

 

「音波の解析ができたそうだ。あの二匹は姉弟だ。」

 

「「「姉弟!?」」」

 

「っとは言っても大きい方は、人間でいえば大体高校生、小さい方は小学校低学年ぐらいだそうだ。」

 

荒垣の言葉を聞いて一夏と箒は二匹を見る。

 

確かによく見ると大きい方は小さいほうに振り回されているように見えた。

 

「・・・・・・なんだろうか?昔の私と姉さんを見ている気がする。」

 

「箒もそう思うか?実は俺も幼稚園の時の俺と千冬姉の姿が一瞬見えた。」

 

二人は、二匹の怪獣に過去の自分たちの姿を重ねる。しかし、このまま放置すれば被害は大きくなる一方だ。

 

『あーあ・・・・・・二人とも聞こえる?』

 

そこへ束からの極秘回線が繋がった。

 

「姉さん、重要任務のための極秘回線を変な時に使わないでくれ。」

 

『いやいや、あの姉弟に早く仲直りしてもらわないと困るんだよ。』

 

「どういう事なんだ?束さん。」

 

『・・・・・・実は、さっき人口衛星で確認したんだけどそこの二匹の親と思える怪獣が大気圏外で待ち構えているんだよ。』

 

「「えっ!?」」

 

『大きさは大きい怪獣よりちょっと大きいぐらいだけど・・・・・早く仲直りさせないといつ地上に降りてきてもおかしくないと思うんだ・・・・・・』

 

「・・・・・・・ニューヨーク本部の部隊を壊滅させたと個体の親だという事は・・・・・・」

 

「・・・・・・束さん、何か策でもあるのか?」

 

『もち!まかせたまえ~!えっとね・・・・・・・』

 

束は密かに作戦を伝える。

 

「・・・・・・・っで、俺がその役割をやってくれってこと?」

 

『これ、いっくんにしかできないことだからね。無茶はしないであの二匹を仲直りにさせるためにも・・・・・ねっ?』

 

「・・・・・・箒、後は任せた。」

 

「わかった。一夏も気をつけてな。」

 

「・・・・・子供を相手にするって言うのはどうもな。」

 

一夏は操縦権を箒に引き渡すとウルトラバッジを掲げる。

 

「タロウ――――――――――――!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギャォオ!

 

ギャ、ギャッ、ギャッ!!

 

迎えに来た姉怪獣に対して弟怪獣は駄々をこねて世話を焼かせているところへウルトラマンタロウが回転しながら舞い降りて来た。

 

ギャッ!?

 

ギィイ!?

 

『ディアッ!』

 

タロウは登場して早々いきなり弟怪獣の顔面にグーパンチを喰らわせる。

 

ギャッアァ!?

 

いきなりの攻撃と痛みに弟怪獣は飛び上がるがタロウは容赦せず、蹴り飛ばす。

 

ギャァアアア!!

 

『ン゛ン゛!ディアッ!!』

 

弟を痛めつけられたことに怒った姉怪獣はタロウに飛び掛かるがタロウは避けて逆に背負い投げをする。

 

ギャアァ!!

 

弟怪獣も起き上がって参戦するが回し蹴りであっという間に転倒させられてしまい、タロウは姉怪獣を徹底的に攻撃する。

 

「ウルトラマンタロウは、一体何を考えているんだ?」

 

ラビットパンダを怪獣のいる現場から少し離れたところで止め、千冬は双眼鏡で戦闘の様子を見る。

 

彼女からしてみれば、今回のタロウの戦闘はオイルドリンカーの時のようにがむしゃらに戦っているわけでもなければ、アストロモンスの時のように本気で戦っているわけでもない。

 

一言で言ってしまえば、歌舞伎の役者の演技のようだった。

 

そうこうしているうちにタロウは、姉怪獣の腕を掴むと勢いよく回し、弟怪獣の方へとぶつけて倒した。

 

ギャアァ・・・・・・・

 

ギャァ!ギャアァ!

 

姉弟怪獣が何を言っているのかわからないがどうやら共通の敵として喧嘩のことに関しては水に流した様子だった。

 

それに感づいたのかタロウは姉怪獣を集中的に攻撃しながらも弟怪獣の攻撃をワザと受けながら戦闘を続ける。

 

「・・・・・・!まさか、タロウはあの姉弟に自分を共通の敵として認識させて和解させようとしているのか!?」

 

『ピンポ~ン!その通り!』

 

またもや、勝手に極秘回線を使って束が勝手に回線を開いてきた。

 

「た、束ッ!?」

 

『流石ちーちゃん、呑み込みが早いね~!』

 

「そんなことより、勝手に極秘回線を開いて通信するな!これは電話じゃないんだぞ!?」

 

『いいじゃん、私とちーちゃんの仲だし。』

 

「そう言う問題じゃ・・・・・・」

 

千冬と束が言い合っている間にもタロウは弟怪獣を持ち上げてポイっと放り投げる。弟怪獣はすぐにも立ち上がり反撃しようと動くがタロウのチョップを喰らってダウン。また、背負い投げを受けそうになるが咄嗟に姉怪獣が後ろからタックルすることによって攻撃を阻止、そのままタロウを取り押さえて弟怪獣に攻撃をさせる。

 

『ディアッ・・・・ア゛ア゛!!』

 

タロウは苦しんでいるように唸るが肝心のカラータイマーは鳴る様子はない。

 

ギャアァ!

 

ギィイユゥウ!

 

タロウの動きが鈍くなっているのを確認すると姉弟怪獣はタロウを持ち上げて勢いよく放り投げた。

 

『ディアァ~アッ!!』

 

地面に勢いよく激突し、タロウは起き上がろうとするがそのまま力尽きたように倒れてしまった。

 

ギャッ!ギャッ!!

 

ギャアァ・・・・・

 

姉をいじめていたタロウを倒したことに満足したのか弟怪獣は満足そうに吠える一方で姉怪獣は弟を褒めるかのように撫でる。

 

 

「タロウが負けた!?」

 

「畜生!ウルトラマンが負けちゃうなんて!」

 

西田と北島は悔しそうに見るが荒垣は一人だけ奇妙に見ていた。

 

「あの戦いは明らかに手を抜いているように見えるんが・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

ギャアアアアアァアアアアア!!!

 

 

 

 

その直後、上空から獰猛な咆哮が聞こえて来た。

 

「なっ!?」

 

「こ、今度はなんだ!?」

 

ZAT隊員たちが操縦席から空を見上げると空から先ほどの姉怪獣よりも巨大な怪獣が地上に向かって降りて来た。

 

「ま、また一匹増えた!?」

 

「うぅ・・・・・・・ウルトラマンが負けた以上、我々がやるしかない!攻撃・・・・・」

 

『待て、荒垣。』

 

「ん!?た、隊長!?」

 

荒垣が攻撃命令を下そうとしたところ、千冬からの連絡が入って遮る。

 

『あの怪獣はどうやら迎えに来ただけのようだ。』

 

「迎え?・・・・・・あっ!」

 

地上の様子を見ると巨大な怪獣は二匹の前に降り立っていた。

 

ギャァア・・・・・・

 

ギィイ、ギイ。

 

姉に促されるように弟怪獣は巨大怪獣の目の前に来てまるで子供が反省して親に謝るかのように頭を下げる。そんな弟怪獣に対して巨大・・・・いや、親怪獣は子供が戻ってきてホッとしたのか頭を撫でながら嬉しそうに唸る。

 

「あの怪獣・・・・・・あの二匹の親だったんですね。」

 

「うむ・・・・・どうやら俺たちの出番はないようだな。」

 

「はあぁ~!あの三匹で暴れられたら一体どうなっていたことやら・・・・・・」

 

荒垣たちがホッとしているのを他所に親怪獣は倒れてるタロウをそっと見る。倒れていたタロウはそっと親怪獣の目を見ると親怪獣は礼でも言うかのように頭を少し下げ、二匹を連れて上空へと飛び去って行った。

 

『・・・・・・・トォワアァア!』

 

タロウは三匹がいなくなるのを確認すると起き上がり、自分もまた空へと飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日 ZAT基地

 

「いや、あれは一時どうなるかと思いましたよね。」

 

北島は先日の親子怪獣の事を話す。

 

「全くだな。親子一緒に攻撃なんかしたら日本はたちまち火の海になっていたのかもしれないな。」

 

「親が出てきたときは本当に何もかも終わりだと思いましたよ。」

 

「・・・・・まあ、何はともあれ。ニューヨーク本部の二の舞にだけはならずに済んだな。」

 

千冬は、各地の被害報告を読みながらコーヒーを飲む。

 

「ところで隊長、織斑、篠ノ之、更識の三人が見当たらないのですが・・・・・」

 

「織斑と篠ノ之には更識のことで付き合ってもらっている。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更識家 屋敷

 

「今日は、もう休む?」

 

「いいえ、もうちょっと・・・・・・・・」

 

簪は、楯無のリハビリに付き添っていた。その様子を一夏と箒、そして、布仏姉妹が眺めていた。

 

「よかった~かんちゃんが帰ってきてくれて。」

 

「布仏さん、簪のお姉さんの容態は?」

 

「えぇ・・・・ZATの篠ノ之博士の治療もあって回復には向かっているみたいです。ただ、全盛期ほどの状態にまで回復するかどうかは・・・・・」

 

虚は、楯無の様子を見ながら話す。確かに以前に比べれば顔色も明るくなってきているし、まだ頼りないが体力もまたつき始めているようだ。しかし、束の頭脳をもってしても怪獣の毒素を完全に消すのは難しい。おそらく彼女の治療法が成立すれば同じように苦しんでいる患者にも回復の兆しが見えるようになる。

 

「それで簪はどうなるんだ?まさか、ZATをやめて・・・・・・・」

 

「妹様に関しては、復縁はするものの今後はお嬢様が当主を務め、相続させるかどうかはまだ話し合いになりそうです。もっともここだけの話ですがお嬢様は、妹様に相続させる気はないようですが。」

 

「いいんですか?代々継がれてきた家を。」

 

「それがお嬢様なりのけじめだそうです。当主としてより、姉として最後まで付き添いたい。ただ、それだけです。」

 

「そうですか。」

 

二人はそれだけを聞くとまた簪たちの方を眺めた。

 

今まで失っていた姉妹の時間を穴埋めするかのように二人は生き生きしているように見えた。

 

 




次回はどの怪獣にするか・・・・


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