「鬼、弓を使えねぇように押さえろ!」
「任せろぉっ!」
魔力をチャージする為に集中しようとするキャスターの指示を受け、近付けば剣を抜かざるを得ない状況に追い込めると素早く判断したモモタロスは一気にアーチャーへ向かって走る。
「接近戦なら彼等も得意分野だろう」
『KAMEN RIDE:KICK HOPPER!』
『KAMEN RIDE:PUNCH HOPPER!』
ディエンドは射撃でモモタロスの進行を援護しつつ、『仮面ライダーキックホッパー』と『仮面ライダーパンチホッパー』を呼び出す。二人のライダーは俯いた状態からアーチャーへと顔を向けるが、ため息を吐きながら再び俯き、愚痴をこぼすように呟く。
「いいよな
「酷いよな、世の中は……アイツみたいな奴は失敗しても許されるのに、俺達はちょっとの失敗でこのザマだもんな……」
「……僕としたことが盲点だった。彼等が扱いにくいのを忘れていたよ。まあ仕方ないよね」
「ふざけんなバカヤローッ!!」
「余所見をしていて良いのかね?」
「あっ」
自分達の過去の経験からネガティブな発言を繰り返すホッパー達を見て、今頃に彼等の性格を思い出し勝手に納得しているディエンドに対し、アーチャーの『干将』と『莫耶』と呼ばれる白黒の夫婦刀と必死に斬り合っていたモモタロスは声を荒げる。
無論その隙をアーチャーは見逃す訳が無く、ディケイドに対して放った、黒の洋弓に武器をつがえ、射出し爆破させる『
「ぎゃああああぁぁぁぁ!?」
「わぁすごい吹き飛び方」
割りと大惨事なのだが、モモタロスはいわゆるギャグ漫画のように吹き飛び、洞窟の壁に上半身が埋まりながら突き刺さった。
「……この程度か。ディケイドを逃しはしたが、案外その取り巻きは大したことは無さそうだな」
余裕綽々とアーチャーは皮肉を言いながら弓に武器をつがえ、ホッパー達の方へと向ける。
しかしアーチャーの皮肉を聞いたその時、キックホッパーがピクリと反応する。キックホッパーはアーチャーに顔を向け、言った。
「今……俺達を嗤ったな?」
「アイツは良いよな、兄貴……誰かに必要とされてる……誰かの光になれるんだ……汚してやろうよ、光なんて……!」
キックホッパーの言葉にパンチホッパーも続き、二人はゆらりと顔を上げ、アーチャーを見る。
次の瞬間、二人はほぼ同時にアーチャーへ迫ろうと走り始めた。アーチャーは再び
『『
腰に装着したバッタ型の機械『ホッパーゼクター』の後ろ足である『ゼクターレバー』を持ち上げ、音声と共に二人のジャンプ力が更に強化されると二人は飛び上がり、回避。
そしてゼクターレバーを戻すと、キックホッパーは左足に、パンチホッパーは右腕へと『タキオン粒子』がチャージされ、必殺の一撃をアーチャーへと放つ。
『『
アーチャーは弓を身代わりに投げつけるが、ライダーキックは20t、ライダーパンチは19tの威力を誇る。弓程度では耐えられるハズも無く、あっけなく弓は砕け散った。
「外したか……」
「次は当ててやる……」
着地した二人は目前のアーチャーにキックとパンチのコンビネーションで攻撃を仕掛けた。アーチャーも再び干将と莫耶を投影し、干将でキックを、莫耶でパンチを受け止めながら、ジリジリと後退していく。
「終わりだ……」
「喰らえ……!」
遂にはアーチャーは壁際まで追い込まれ、 二人はトドメの一撃を放とうと拳と足を構える。生身のアーチャーにとってはライダースーツを纏った二人の一撃をまともに喰らえば間違いなく命取りになる。しかし干将と莫耶で弾くことも、回避する事も不可能に近いこの状況は、完全にアーチャーにとっては詰みだった。
――――――が、しかし。
『FINAL ATTACK RIDE:DI・DI・DI・DIEND!』
「俺達の出番は……ここで終わりか……」
「やっぱり俺達は……光を掴めないんだね、兄貴……」
アーチャーの目の前に居たライダー達はカードの形に戻り、その代わりに目の前に展開されたカードの渦の中へと吸い込まれていった。
「これで終わりさ」
仮面の下でディエンドはニヤリと笑みを浮かべ、引き金を引く。ディエンドの必殺技『ディメンションシュート』がアーチャーに迫り、爆煙が辺りを舞った。
「……さて、士を追うとしようか」
ディエンドは後ろを向き、出口へと歩みを進める。
――――アーチャーが倒れたかどうか確認もせず。
「バカ野郎、避けろっ!」
キャスターが声を荒げるのよりも速く、爆煙の中から赤の魔弾が飛び出し、ディエンドへと向かっていく。キャスターの声でディエンドはようやく気が付き、カードを取り出すも、もう遅い。
『ATTACK RIDE――』
「遅い」
なんとかカードを装填し終わるも、その場で
爆煙から傷ひとつ無く現れたアーチャーはキャスターへと弓を向ける。
「……てめえ、どうやって」
「隠し玉というものは、使うべき状況の為にとっておく物だろう?私にとってはそれが今だった、という事だ」
これでもキャスターは、あのバーサーカーをも一撃で屠ったディエンドの必殺技の威力を信頼していた。
ただ、ディエンドの必殺技はアーチャーの『防御手段』に対して相性が最悪だったのだ。
『
「……残るはお前だけだ。ディケイドも今頃セイバーに斬り裂かれているだろう」
アーチャーは干将と莫耶を投影するとキャスターに近付いていく。それでもキャスターは魔力のチャージを止めはしない。
「……捕まえたぜぇぇ……!!」
「何っ……!?」
過度のダメージを受け、砂のような状態に戻っていたモモタロスが地面から飛び出し、後ろからアーチャーを羽交い締めにしたからである。
モモタロスはそのまま後ろへアーチャーを投げ飛ばすが、空中で一回転してからアーチャーは無事に着地する。しかし、既にモモタロスォードを構えたモモタロスがアーチャーの懐に飛び込み、切り上げる形でモモタロスォードを振るう。
「どりゃああぁぁぁっ!!」
「くっ……!」
素早く振るわれた剣撃よりもさらに速く、干将と莫耶でアーチャーは受け止める。しかしモモタロスは攻撃の手を緩めず、何度でもアーチャーに斬りかかる。
「おらおらおらおらぁぁぁぁ!!」
「……チッ、コイツは分が悪いかっ……!」
本来ならばセイバーであるモモタロスの攻撃はアーチャーには効きにくいが、小さな一撃を何度も、そして素早く繰り返されては限界があった。
そして、まだ予想外の事は起きた。
『ATTACK RIDE:BLAST!』
「なっ……!?」
「そこだあああぁぁぁぁっ!!」
背後から連続で銃弾が撃ち込まれ、さらに隙が出来たアーチャーの身体へとモモタロスォードの一撃が刻まれる。
「ば、バカな……!何故、貴様が……」
「いやぁ、まさかあんなお宝を隠し持っていたとは予想外だったよ。だけど、緊急用のお宝を持ってるのは僕も同じでね」
生きていたディエンドをよろめきながら見るアーチャーに、ディエンドは『ILLUSION』と書かれたカードを見せた。ディエンドは攻撃を受ける直前に『ILLUSION』の効果で自分の分身を生み、それを身代わりにして隠れていたのだ。
「ぐっ……ここまで、か……」
「ああそうだ、コイツで終わりだぜ」
魔力のチャージが完了したキャスターはアーチャーへと杖を向け、唱えた。
「とっておきをくれてやる――焼き尽くせ木々の巨人。『
その瞬間、無数の細木の枝で構成され、その身に火炎を纏う巨人がキャスターの前から出現する。巨人はアーチャーを掴み上げ、胸に付いた檻の扉を開き、アーチャーをその中へ放り込んだ。 そして、燃え盛る火炎は満身創痍のアーチャーをジワジワと消滅させていく。
「……フッ……あの日も、こんな風だったな……俺は、一人でこうして―――」
アーチャーの脳裏に、生前の記憶がフラッシュバックし、自嘲気味な笑みと共にアーチャーは呟く。しかし、その呟きを最後まで言う事は叶わず、アーチャーの霊基は消滅した。
―――――――――――――――――――――――――
「……終わったな」
「あぁ。それじゃ、早速士の援護に行きたい所だけど……」
「けど、何だ?」
「ここからは遠いからね。なるべく速く走るにしても間に合わないかもしれない。そこで一つ、速く着ける画期的な方法を考えたんだけど……」
「勿体ぶんなよ、早く教えろ盗っ人野郎!」
「OK、少し待ってくれ」
『KAMEN RIDE:G4!』
ディエンドは二枚カードを取り出し、まずは『仮面ライダーG4』を呼び出し、さらにもう一枚カードを装填する。
『ATTACK RIDE:GIGANT!』
そして、四つのミサイルが装填されたランチャー『ギガント』が出現し、G4はギガントの発射準備を整える。
「……お、おい。いい加減どうやって行くのか教えろっての!」
「こうするのさ」
ディエンドは何処からか持ってきたロープをモモタロスの腰に巻き、ギガントに装填されたミサイルの一発にそれを結ぶ。
「おい!まさか、速く行く方法って……!」
「勿論、君をミサイルと一緒に飛ばすに決まってるじゃないか。ほら、走るより速いだろう?」
「ふざけんな!!んな事したら無事じゃ済まねーっての!」
「何を言うのさ、君だからこそ任せているんだよ。常人には耐えられなくても、君なら多分どうにかなるだろうし」
「んな無茶振り出来るわけねーだろ―――」
「発射!」
「うっぎゃああああぁぁぁぁぁ!!!」
結果的にモモタロスの了承は得ず、強引にディエンドはギガントを発射させ、モモタロスはミサイルと共に猛スピードで飛んでいった。
ごめんね地獄兄弟、カブトのキャラでは断トツで大好きだからゆるして、エミヤさんもごめんね
少しの間とはいえランキングに載せていただき、お気に入りや評価ありがとうございます。
これからも完結目指して頑張ろうと思います。