「変身」
『KAMEN RIDE: DECADE!』
左右のサイドハンドルを引きバックルを90度回転させ、カードを装填しサイドハンドルを押し込むと、ディケイドライバーを通してカードという形で二次元に封じられたライダーのエネルギーを三次元へと解放し、内部の『トリックスター』と呼ばれる秘石がエネルギーを具現化させる。
九人のライダーの幻影が士に重なると共に、未知の鉱石『ディヴァインオレ』により構成されたスーツが士の体を包み、頭部に七枚の『ライドプレート』が刺さるように装着されると、モノクロのアーマーにマゼンタカラーが彩飾されていく。
そして、士は『仮面ライダーディケイド』へと変身した。
「さて、片付けるか」
「……ソウカ。貴様ガ『ディケイド』カ……」
「面白イ。ソノ首ヲ撥ネ飛バシ、聖杯ヘノ生贄ニシテヤロウ!」
布のようなものを纏った片方の影は口元と思わしき部分を吊り上げほくそ笑み、二人の影は槍や短刀といった各々の得物を構える。ディケイドもまたライドブッカーをソードモードにし、刃を撫でるようになぞり、構えた。
「マシュ、所長を頼むぞ」
「……は、はい!」
「な、何なのよこれ……どうなってるの!?」
サーヴァントの襲来と未知の姿へその身を変えた士という、脳を混乱に陥れるのに充分な状況に狼狽えるオルガマリーを後ろに下げ、マシュは地面に設置したままの盾を手に持ち、構える。
先に仕掛けたのは槍を持つ大柄の男の影。繰り出される連続突きをディケイドはライドブッカーのプレート部分を盾にして受け止め、いなし、弾きながら肉薄する。
「ヤルナ、ディケイド……ダガ、マダコレカラダ!」
「お前に付き合ってる暇は無いんでな。これで終わりだ」
ライドブッカーの刃を槍と拮抗させながら、素早く左手でサイドハンドルを開いてカードを取り出し、落とすように装填し、サイドハンドルを押し込む。
『ATTACK RIDE:SLASH!』
機械音声と共にカードから解放された次元エネルギーがライドブッカーの刀身を分身させ、槍を影の手から弾き飛ばし、一振りで連続の斬撃を叩き込み、影は断末魔の声を上げながら消滅した。
「さて……」
残るもう一体の影も倒す為、ディケイドは周囲を見渡す。しかし、もう一体は既に消えていた。
「……逃げたか?」
「逃ゲルモノカ」
「!そこか!」
呟いた直後後ろから聞こえた声にディケイドは振り向くが、既に何も無く。返答の代わりのように短刀が飛んでくるが、素早くライドブッカーをガンモードに変形させ撃ち落とす。
「闇ニ潜ムハ我等ガ得手……サア、見ツケテミルガイイ……」
「……大体わかった。マシュ、しっかり盾で守れよ」
「えっ?」
そう言うとディケイドはトリガーを押しながらその場を中心に一回転。ディケイドの周囲に弾丸がばら撒かれ、マシュは困惑しつつも言われた通りに己とオルガマリーの身を守りきり、近くの瓦礫に身を隠していた影は弾丸を避ける為に空中へ飛び上がった。
「やはりそこか」
『ATTACK RIDE:BLAST!』
ディケイドは出てくるのを既に理解していたかのように、再びカードを装填し、先程のようにライドブッカーを分身させ、弾丸は自動的に影を追いかけ、連続で影の体を撃ち抜き、消滅させた。
「……こんなもんか」
ライドブッカーをブックモードに戻して元の位置に戻すと、手についた埃を落とすように手を払うと、マシュ達へと近づいていく。
「マシュ、もういいぞ。盾を戻せ」
「は、はい……」
マシュが盾を地面に戻すと、再び先程の空間が広がる。すると、マシュに守られていたオルガマリーが声を上げた。
「門矢 士……貴方は、何なのよ」
「……俺は通りすがりの仮面ライダー…まあ、ディケイドだ」
ディケイドが冷静に告げると、背後からパチパチと拍手する音が響いた。
「中々やるじゃねえか、仮にもサーヴァントを一撃とはな」
「……誰だ」
ディケイドは振り向きながらカードを取り出そうとライドブッカーに手をかけるが、謎の力で取り出そうとしていたカードは弾き飛ばされた。
「おいおい、話くらい聞いてくれてもいいんじゃあねえか?」
そこに立っていたのは、杖を持ち、フードを被った男性だった。彼はフードを外し、青い髪と赤い瞳を露にしながら口を開く。
「オレは『キャスター』。この聖杯戦争に呼ばれたモンだ。敵対する気はねえよ」