時の列車『デンライナー』。
『時の砂漠』と呼ばれる異空間を走り、時を越えるこの列車に普段はモモタロスは良太郎やハナ、他のイマジン達と共に乗車している。
しかし、モモタロスが言うには突然デンライナーが止まってしまったという。
「線路がよ、こう……パッと消えちまったんだよ、前も後ろもな。そんでお手上げだと思ってたら、いきなりここに呼び出されたって訳だ。チクショー、ナオミのコーヒー飲もうとしてたとこなのに良いとこで呼び出しやがってよぉ!つうかあちぃなここ!!」
……まあそれはそれとして。現在マシュはキャスターと共に修行に励んでいた。
経緯はこうである――――
「……嬢ちゃん、アンタ宝具を使えねえな?」
「……はい。私は、この盾やこの姿が何の宝具に由来する物なのかも理解できていません。この力をくれた英霊は、すぐに消えてしまいましたから……」
「……よし、じゃあオレが出せるように鍛えてやるよ。立ちな、宝具を出せるようみっちり鍛えてやるぜ」
――――というわけで、現在マシュはキャスターの攻撃を受け続けているのだ。魔術により飛んでくる光弾を盾で何度も弾き続けているが、マシュは既に限界に近かった。汗を滝のように流し、ゼイゼイと息を切らし、足を震わせながら、なんとか立ち続けていた。
「オラオラどうした!そんなんじゃ宝具なんざ使えねえぞ!」
「ハァ…ッ、ハァ…ッ!」
「そら行くぞ!しっかり防げ!」
「っ……!ぐぅっ!」
キャスターは少し強めに光弾を放つ。マシュも必死に受け止めるが、デミ・サーヴァントであってもやはり人間。自分を支える体力もほぼ残っておらず、マシュは後ろに倒れかける。
「……おい、やり過ぎじゃないのか」
モモタロスとオルガマリーと共に座りながら眺めていた士は口を開く。流石に止めるべきと思い、ディケイドライバーを巻こうとするが、バックルを持つ手をオルガマリーが掴み、止めた。
「……何すんだ、放せ」
「やめなさい門矢 士。これはマシュへの試練なの。マシュ自身が乗り越えなきゃいけないのよ」
「……わかってる。だが――」
「あの子は、今はアンタのサーヴァントよ。もし手を出すなんて真似をしたらどうなるかわかる?きっとあの子は心から強くなりきれず、必ず肝心な時に不安になるわ。マスターのアンタが、あの子の不安を煽るような事をしてどうするのよ」
「………わかった。だが、本当に殺す勢いになったら止めるからな」
真剣な声色と落ち着いた口調でオルガマリーは士を諭す。士は悪態を吐きながらバックルをしまい、再びマシュへと視線を戻す。
「これならどうだ?受け止めきるにゃ宝具を使ってみなァ!」
「くっ…!」
キャスターは先程の光弾を連続でマシュに向けて放つ。マシュは足元を隆起させる程に力を込め、盾を力一杯支えるが、盾で受け流し、近くの瓦礫に当てるのが精一杯だった。
「……ほう、中々堅いじゃねえか。宝具を使わないまま防ぎきるたぁな」
「ハァッ…!ハァッ…!まだ、倒れませんっ…!」
しかし、キャスターはさらに出力を上げた光弾を放とうと、杖により多く魔力を込め始める。
――――しかし。この時誰もが予想出来なかった事態が発生した。
―――ズガアアアァァァァンッ!!!
「■■■■■■■■■■――――――ッ!!!!」
「何!?」
「えっ!?」
「何じゃありゃぁぁぁぁぁ!?」
「ひぃっ!?」
「あれは…!?」
突如炎と瓦礫をくぐり抜け、巨人のような影がマシュとキャスターの間に割り込んだのだ。
「おいおい、よりによってこのタイミングかよ……!」
そう、このサーヴァントこそがキャスターが警戒していた『バーサーカー』だった。