ゼス国西の果て、マジノライン要塞。
朝。出発の支度を終えた一行は要塞の一画に集合していた。
「……ここを開ける日が来るなんてね」
「うむ。ここが破られる事はあれど、我らの意思で開けるのはゼスの歴史上初めての事だからな」
ゼス国の王族たる二人、ガンジー王とマジック王女は目の前の光景に感慨深い様子で呟く。
そこはゼス国西の境界線を区切るように各所に設置されている砦、その内の一箇所だけにある魔物界側へと繋がる門。
特殊な魔法が掛けられておりゼスの王族以外には開けられないその門が、これまで開かれる事の無かったその門が今、大きく口を開けていた。
「いよいよ魔物界へ突入か……、昨日は緊張してあんまり眠れなかったわ」
「私もだ。この先が魔物達の世界だと思うとすでに武者震いが止まらん」
「おいマジック、つーかガンジー親子共、お前ら出発前からなにをビビっとるんじゃ」
「別にビビってる訳じゃないわ。ただ何ていうか、やっぱりここから先は別の世界だから……」
脆弱な生命体である人間にとって、魔物が暮らす魔物界とは暗黒の地。
元より人間世界にも魔物は多く生息しているが、しかし魔物界に人間は生息していない。そういった事からも人間と魔物の上下関係、パワーバランスといったものが見えてくる。
「魔物界っつったってな。行ってみりゃ分かるけど実際大したことねー場所だぞ、マジで」
「そういえばランスはもうホーネット派に協力して長いんだっけ。もはや魔物の世界も勝手知ったる他人の何とやらって感じなの?」
「まーな。こっちと比べて魔物の数が多いぐれーで一週間も暮せばすぐに慣れる。……ま、娯楽が少ねーから慣れたい場所でもねーのだが」
そして、ここに集った者達はこれからそんな魔物界へと突入する。
そのメンバーはランスとその仲間達、そしてホーネット派の頭首である魔人ホーネット。そこにゼス国の精鋭部隊が加わる布陣。
するとそんな精鋭部隊の長、各部隊を率いる3人の将軍がランス達の下へと近付いてきた。
「国王陛下。光軍の出発準備が整いました」
「我が雷軍も同じく」
「氷軍も問題ありません」
「ご苦労。……だ、そうだ。ランスよ」
「うむ」
するとランスはゼス国王よりも一歩前にずいと身を乗り出し、その3人の将軍達と顔を合わせる。
「ランスさん、また一緒に戦えるのが楽しみです。宜しくお願いします」
「おう。俺様の為にしっかり働けよ」
「はい!」
光軍の長、アレックス・ヴァルス。
元恋人であったマジックをランスに寝取られてしまったのも今は昔、最近は新たな恋人との婚約も結んで、公私ともに充実している青年である。
(……誰だっけこいつ?)
そんなアレックスとは前回の第二次魔人戦争時に再会する事が出来なかった事もあってか、すでにランスの記憶からはすっかり抜け落ちてしまっていたのだが、それはともかく。
「……小僧に我が雷軍の力を貸す事になるとはな。人生何が起こるか分からんものだ」
「雷じじい……はどうでもいい。下がれ下がれ」
雷軍の長、カバッハーン・ザ・ライトニング。
老齢ながらも「雷帝」と呼ばれるゼス国屈指の魔法使い。とはいえ男で爺で怖い性格をしている事もあって、ランスとしてはあまりお近付きになりたいとは思わない相手。
なので挨拶も早々にお引き取り願って、残る一人にその目を向ける。
「……宜しくお願いします」
「うむ。お願いされようじゃないか。俺様は君の事を待っていたのだよ」
「…………はぁ」
そして彼女が氷軍の長、ウスピラ・真冬。
その名の通り冬を思わせるような冷たさ、無口でクールな女性。しかしその美貌に疑いはなく、ランスとしてはもっとお近付きになりたい相手。
特に今回はウスピラに手を出そうとすると毎回決まったように邪魔しに現れる相手、炎軍の長であるサイアス・クラウンがこの場に不在という事もあって絶好の機会ではあるのだが。
「ウスピラちゃんとはもっと親交を深めたいなぁと思ってたのだ、ぐふふ。つー訳でここでは何だしどっか二人きりになれる場所で……」
「ちょっとランス、もう出発前だってのに変な事言い出さないでよね」
「ぬ……しゃあない、今はパスだ。このあと隙を伺って襲う事にしよう」
「……聞こえています」
巡り合わせというものなのか、はたまた運命というものなのか。
中々ウスピラとはそういう機会を持てなかったりするのだが、それはさておき。
「うし、そんじゃまぁ出発といくか。……ホーネット、お前も準備はいいな?」
「──えぇ、勿論です」
最後にランスは少し離れた場所にいた一人、この場で唯一人間ではない彼女に目を向ける。
二人の視線が結び合う事一瞬、ホーネットはしっかりと頷きを返した。
こうして一行はマジノラインを出発した。
目標としてケイブリス派の本拠地、魔界都市タンザモンザツリーを制圧する為。
更には大目標としてカスケード・バウを侵攻中の敵軍を挟撃する為、ランス達奇襲部隊はケイブリス派の領域である魔物界南部へと突入を果たした。
人と魔の境界線を越えてしばらく、一行を誘い入れたのは引き裂きの森の妖しい光景。
本来なら魔物が跋扈し人間の侵入を拒む危険な森ではあるのだが、事前にランスがシルキィと行っていた下見の通り、今現在引き裂きの森には全くと言っていい程に魔物の姿が見当たらなかった。
そのおかげで進軍は順調。想定外の出来事を挟む余地もなく、予定の進路をそのまま進んで。
──そして、出発時刻から約半日後。
そろそろ日も落ちてきた頃合い、ランス達は進軍の足を止めて本日のキャンプ地に到着した。
そこは引き裂きの森を越えて少し進んだ地点、万が一の事を考えてと魔界都市ミダラナツリーからは程々に距離を取った場所。
「ふぃー、ちかれた。ようやく休めるぜ……シィル、喉乾いた」
「あ、はい。すぐにお茶を淹れますね」
初日の行軍が終わって、周囲にはテキパキと野営の準備を行うゼス国兵士達の姿が。張り上がった幾つものテントが並び、その奥には物資輸送用の大型うし車が何台も停車している。
そんな光景を尻目に、ランスは組み立て椅子に腰を下ろしてほっと一息。シィルが淹れてくれた馴染みの味のお茶をゴクゴクと味わう。
「今日は結構歩きましたからね。でも魔物との戦闘が無くて良かったです」
「まぁここまでの道程で戦闘になったらその時点で計画が狂っとるようなもんだからな。逆に言えばここまで戦闘が無かった以上、俺様の考えたこの作戦はカンペキだって事だ。どーだ凄いだろう」
「はい。ランス様凄いです。ぱちぱちぱちー」
シィルの拍手に気を良くしたのか、ランスはがはははと大口を開けて笑う。
当初の予定通り、ここまではまだ一度も戦闘行為を行っていない。それはこの奇襲作戦が奇襲として成立している何よりの証。
そしてもう目の先に見える魔界都市、ミダラナツリーも魔人カミーラとの密約によりそのまま足を止めずに進軍可能となる。となれば戦いが待ち受けるのはその先の地点から。
「けどなシィル、楽チンなのはここまでだぞ。明日には奴らの本拠地を落として、その次か次の日ぐらいにはもうケイブリスとの決戦だからな」
「ですね……手薄になっているタンザモンザツリーの攻略はまだしも、魔人ケイブリスとの決戦は……何ていうかその……ちょっぴり怖いです」
「何を怖がっとる、俺様の考えたこの作戦はカンペキだっつってんだろ。あのリス野郎にだってカンペキに勝てる、その為にシャリエラだって連れてきてるのだからな」
「はい。シャリエラちゃんと連れてきてます」
ランスがその名を話題に上げれば、何処からともなくシャリエラがひょっこりと姿を現す。
本拠地の制圧はともかく、魔人ケイブリスの討伐に関してならランスは過去に一度経験がある。誰も見た事無いであろうその実力を、もしかしたら当の本人でさえも知らないかもしれない真の実力をランスだけは知っている。
その知識と経験を元に考えて、この作戦なら間違いなく勝てると想定している。特にこうして秘策として連れてきた踊り子の少女、シャリエラの存在は何よりも大きい。
「シャリエラよ、今回の戦いではお前にも存分に働いて貰うからな」
「はい、シャリエラしっかり働きます」
「そうだ。そんでもってケイブリスのヤツをコテンパンにしてやるのだ。がはははっ!」
「はい、コテンパンにしてやります。何と言っても秘策ですから、えっへん」
リス退治にはシャリエラの踊りが効く。それは前回の時に実証済みの秘策。
故に我が勝利に死角は無し。そんな気分でランスとシャリエラが共に得意げになっていた時、そのすぐそばを神妙な顔をしたホーネットが横切った。
「お、ホーネット。そんな難しい顔してどーした、何か問題でもあったのか?」
「え? あぁ……」
声に気付いたホーネットは立ち止まってランスの方に振り向いて。
「問題があったという訳では無いのですが……今しがたウルザさんの手を借りて、防衛部隊の方と遠距離用魔法電話で連絡を取ってみたのです」
「あぁそっか。そういやぁ向こうの奴らとも電話は出来るんだったな。それで? シルキィちゃん達となにか話したのか?」
「話した……というより、向こうはそれどころじゃなかったというべきか……」
そして彼女は視線を外して北の方に──その戦場がある方へと目を向けて。
「……どうやら、すでにカスケード・バウの方では戦いが始まっているようです」
◇ ◇ ◇
この派閥戦争の中で最後となった両派閥の衝突、カスケード・バウの戦い。
その戦端の幕が開けたのは正午前の事、ランス達が引き裂きの森を移動していた頃合いだった。
前魔王ガイから新たな魔王へと代替わりをして、LP1年から始まった派閥戦争。
ケイブリス派とホーネット派に分かれて魔物界を二分したこの戦争は結局の所、現魔王リトルプリンセスを認めるかどうかの争いとなる。
魔王の座から逃げ出した来水美樹を魔王とは認めずに、最強最古の魔人ケイブリスを新たな魔王として戴くべきとするのがケイブリス派に集う者達。
一方で逃げたとしても魔王は魔王。魔に属する者は全員が魔王の配下なのだから、ただ粛々と魔王に従うべきとするのがホーネット派に集う者達。
つまりこの戦場に集った魔物達は皆、大なり小なりそのどちらかの考えを抱いている。
……というのは表面上の話であって、勿論中にはそんな主義主張などどうでもよくて、単に暴れたいから派閥に属している者だっている。
あるいは。これは特にケイブリス派の魔物兵に多い思考なのだが、派閥の主に逆らうのが怖いからその派閥に味方している者だっている。
またはその逆に、もしリトルプリンセスが覚醒した場合、それに逆らうケイブリス派などに属していたらその時どう扱われるか、それが怖いからホーネット派に属している者だっている。
確たる信念を持つ者、暴れる場を求めている者、恐怖心故に戦う者。
理由は様々だが、とにかく何らかの意思の下にどちらかの派閥に属し、この戦場に集まった。
そんな魔物達は魔物兵スーツを着込んで、一個体の兵として指揮しやすい魔物兵に変わって。
そうして指揮官の合図を待って、それが聞こえたと同時に前進を開始した。
「第一陣──突撃開始!!」
拡声器を用いて伝わる女性の声。それは魔人ホーネットの筆頭使徒であるケイコが下した号令。
その凛とした声をかき消すように、ホーネット派魔物兵の荒野を震わせる鬨の声が沸き起こる。
開戦の幕を先んじて開けたのは、意外にも防戦を行うホーネット派の方からだった。
その理由は至極簡単なもので、ただ単に夜を待ちたくなかったから。夜になるとケイブリス派の方には使える駒がもう一つ、それも途轍もない程に強い駒が一つ増える事となる。
相手は当然それを見越しての作戦を立ててくるだろうと思われたので、その前に先手を打っておきたいという思惑があったからだ。
「進めー! 進めーー!!」
一般兵に指示を出す魔物隊長達、そして隊長格の指揮を取る魔物将軍達。
彼等が張り上げた声を背に受けて一塊となった魔物兵達が突撃していく。
ホーネット派魔物兵の第一陣およそ10万。まずはこれをぶつけて敵の出方を伺う。
魔物兵とは個体によって能力差が無い。故に戦争では総数の多い側が当然有利となるのだが、しかし一時期は倍近くの差があったそれも今ではもう目立つ程の差は無い。
ここ数ヶ月で重なるように起きたケイブリス派魔人の離脱と討伐、特に攻めの戦力としては最強の駒だった魔人レッドアイが討たれた事は兵達に大きな動揺を与え、結果離脱者も多く出た。
多少の数的不利は依然として残るが、しかしその程度ならば。今の派閥の勢いが後押しする兵達の士気の高さを加味すれば、その程度の差なら互角かそれ以上で張り合えるはずだ。
そんな思惑からのホーネット派の進軍に対し、直ちにケイブリス派の応戦も始まった。
こちらも同じ魔物兵、同等の規模となる先陣同士が衝突。地鳴りのような無数の足音の上に武器と武器とが交わる硬い音が重なり、更に咆哮と怒声と悲鳴が重なる。
魔物兵として統制は取れていようとも、殺し合いが始まれば秩序だったものは無し。一合打ち合う間もなく斬られ突かれてと、死んでいく仲間の死体を踏み越えてまた新たな兵が疾駆していく。
そうした魔物兵達の無限に湧き出てくるかのような波状攻撃。互いに兵をすり潰し合う壮絶な光景は派閥戦争においてはよく見られたもの。
更にはそんな前線を互いに援護しようと、横合いや後方からはボウガンの矢や魔法攻撃が引っ切り無しに飛び交い、兵達の巨躯を貫いていく。
それが魔物兵達の戦場であり、そうした中で戦い倒されていくのが魔物兵達の役割。互いに10万同士となった先陣の衝突、刻一刻と進む度に着々とその数が目減りしていく。
だがそんな魔物兵達の戦いも、こと派閥戦争においては一つの側面でしかない。
同じ戦場にあっても魔物兵達の戦いとは別の戦いがもう一つある、それが魔人達の戦い。
魔人とは隔絶した戦闘力を有する存在であって、かつ魔物兵達を統括する存在。
魔人が居る戦場と魔人が居ない戦場では魔物兵達の強さが大きく変わったりするものだが、とはいえ魔人が魔物兵達を直接指揮する事はほぼ無く、それは言わば精神的な支柱のようなもの。
程度の差こそあれ、基本的に魔人とは唯我独尊的な思考を持つ生物。隔絶した戦闘力を有するが故、戦場で魔物兵達と足並みを揃えようとはしない。
その傾向は特にケイブリス派の魔人には多くて──この魔人にとっては尚更。
「──オラァッ!」
軽く振りかぶってから突き出した拳。
紫電を纏った拳に打ち付けられ、まともに食らった相手の頭部が捻れると同時に電撃が迸る。
──ようやく暴れられるぜ、こっちはもう待ちくたびれてんだッ!
そんな言葉を語るかのように鋭い拳をまた一撃、更にもう一撃。
目に付く敵の片っ端から拳をお見舞いして、同じような死因の死体を増やしていく。
電撃と格闘を得意とする魔人レイ。
彼は戦いが始まるや否や前線まで進出して、敵軍の雑兵達に向けてその力を存分に奮っていた。
何せこれはレイにとって待ちに待った戦い。もう半年以上ぶりとなる戦いなのだ。
ここ数ヶ月の日々は本当に退屈だった。ケイブリス派が専守防衛の方針を固めて以後、戦う機会が全く無くなってしまったからだ。
自分は戦う為にケイブリス派に属しているようなものなのに。専守防衛と聞いた時はまたケイブリスが臆病風に吹かれたのかと呆れてしまった。
そしてどうやら退屈を持て余していたのは自分だけでは無いようで、レッドアイなんかは勝手に動いてその挙げ句に討伐されたと聞く。
実の所、レイも派閥の方針などは無視して戦ってしまおうかと考えた事もあったのだが、結局彼がそうする事は無かった。
その理由の一つとして、自分一人での奇襲まがいの侵攻の場合、望む相手が待ち構えているかが分からなかったから、というものがある。
レイは戦う事を好んでいるが、レッドアイとは違って殺戮を好んでいる訳では無い。むしろ雑魚との戦いなどは煩わしいと感じるだけだ。
彼が求めているのは戦いを楽しめる相手。自分と同等な程に強く、理想を言えばタイマンでのガチンコに乗ってくれるような相手。
そうなると必然的に相手は魔人に限られる為、こうしてホーネット派の魔人全員が出てくる戦場を待ち望んでいたのだ。
「ハッ! 長らく発散してねェからな、今日の俺はいつもより気が荒ェぞ!!」
振りの大きい拳をがら空きの腹部にお見舞いして、続く右足で邪魔な相手を蹴り飛ばす。
魔物の群れの中を突切りながら、言葉通りの荒っぽい喧嘩スタイルで戦うレイ。だがその格闘術はLV2の才能に裏打ちされた本物であり、魔物兵達では食い下がれるはずも無い。
更にはバチバチと弾ける電撃音、その身体から縦横無尽に放たれる雷撃に撃たれ、多くの者は近付く事も出来ずに意識を手放していく。
まるで自らの存在を誇示するかのように、その戦い振りは豪快かつ苛烈なもの。
そうやって魔物兵達を潰すのは言わば暇つぶしのようなもので、勿論これがレイの目的ではない。
先の通り、魔人レイが求めているのはもっと歯応えのある強敵。
それを誘き出す為、こうして肩慣らし程度にしかならない雑魚潰しを行っている。
特に攻撃に追随して放たれる雷激、その眩い雷光は遠目にもとても視認しやすいもので。
そんな戦いを続ける事早数十分、その甲斐あってかあっという間に捕捉された。
(──見つけた)
視界の先で繰り広げられている一方的な戦い。
暴風の如く暴れる魔人レイと、薙ぎ払われるように倒されていく自軍の魔物兵達。
魔人の相手を魔物兵にさせてはいけない。彼等は無敵結界を破る術が無いのだ、僅かたりとも勝機が無い戦いで無為に死ぬ事を要求するのは酷というものだろう。
魔人の相手とは魔人がするもの。
そして敵の姿を自分が一番に発見した以上、その相手は自分がすべきだろう。
そもそも魔人レイが開戦当初から最前線に出張ってくる事は分かっていた。こちらからも探していた相手であって、自分がレイの相手を受け持つのは事前の作戦通りとなる。
何故なら自分はあの人から──ランスから、とっておきの秘策を授けられている。
これがある以上、魔人レイとの戦いだって恐れる心配は何もない……はず。
そして、赤き天使が飛び立った。