ランス(9.5 IF)   作:ぐろり

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魔王の力

 

 

 

 

 

「まず大前提として……魔王の力というもの、これは魔王の血にあると言われています」

 

 魔王の力とは。

 この世界を統べる頂点たる者の力の根源、それは魔王の身体に流れる血液こそにある。

 

「魔王とは最強の生物。当然単純な腕力や魔力なども他の生物とは比較になりませんが……それ以上に魔王を魔王たらしめるもの、魔王の力というものはその血にこそあります」

「血か。まぁなんか聞いた事はあるな。『魔血魂』なんつーモノがあるぐらいだし」

「えぇ、そうですね。魔血魂とは魔王の血の一部を取り出したもの、魔王の血がただの血ではなく特殊な力を秘めている事を示す何よりの証でしょう」

 

 最強の生物である魔王と、それ以外の生物を隔てる最たるもの、魔王の血。

 そんな魔王の血には秘められた特殊な力が、魔王にのみ許された特殊能力というものがある。

 

「今魔血魂と言いましたが、魔王の能力として一番知られているのが魔人作成能力でしょうね。貴方も知っての通り、私やシルキィのような魔人を作り出して自らの配下とする能力です」

 

 その一つが魔人作成能力。

 自らの血の一部を『魔血魂』に変えて他の生物に摂取させる事によって、高い戦闘能力を有する魔王の手足『魔人』を作り出す事が出来る能力。

 

「魔王が意図していない魔人化の事例も極稀にはありますが、それでも基本的には魔人は魔王の意思によって作り出される存在。魔王である貴方にのみ行使可能な能力となります」

「なら俺様の気分次第で好きに魔人を作っちまってもオッケーって訳か。魔人にしたいヤツに魔血魂を食わせるだけでいいんだよな?」

「えぇ、その通りです。ただそれは初期化した魔血魂に限るという事に注意して下さい。初期化していない魔血魂を摂取した場合、魔人になるのではなく魔血魂に宿る元の魔人が復活するという場合も有り得ますから」

「それと魔人を作成出来る人数は最大で24体までだから、その点にも気を付けてね」

「ふむふむ、24体か。結構少ないな」

 

 魔人作成能力の詳細、ホーネットとシルキィによる説明にランスは興味深そうに頷く。

 魔人の作成人数は24体までという制約がある。現在生き残っている魔人は14体なので、残りの作成可能人数は10体となる。

 

「そういやホーネット、派閥戦争でぶっ殺したヤツらの魔血魂はお前が持ってるんだよな?」

「えぇ。討伐したケイブリス派魔人達、バボラ、メディウサ、レッドアイ、ケイブリスの魔血魂は私が管理していますが……」

「でも、それ以外にも美樹様が回収した魔血魂もあったはずですよね? それは魔王の力を継承した事で今はランスさんの身体の中にあるはずだけど」

「俺様の身体の中に?」

「うん、そのはずよ。なんて言ったら良いのかな、こう……精神を集中してみると……自分の身体の中に何かがあるような感じがしない?」

「ぬぅ……?」

 

 どうやら前魔王が回収済みの魔血魂が自分の身体の中にもあるらしい。

 ランスは首を傾げながらも精神を集中してみる。自分の身体の中にある感触を探るように、目を閉じて意識を自らの内側へと潜らせていくと……。

 

「……おぉ?」

「どう? 感じる?」

「うむ、確かになんかがあるような気がする」

 

 そこに力強く脈打つ鼓動を感じた。

 魔王の体内、魔王の血──それが魔血魂。

 

「……けど、これって一体どうやって取り出せばいいのだ?」

「恐らくですが、そのように念じればいいのだと思いますよ。魔王の血は貴方の身体の一部、貴方の意思によって扱えるはずですから」

「ふむ。よーし、出てこい~、出てこい~……!」

 

 魔血魂よ、我が体内から出てこいー! 

 と、ランスが念じる事数秒程。

 

「あ、出た」

 

 ふと気付くとランスの手のひらの上、血のように真っ赤な球が出現していた。

 

「おー、なるほど。体内から魔血魂を取り出すってのはこうするのか」

 

 ランスがもう一度意思を以て念じると魔血魂はパッと体内に戻る。

 再度念じればまたすぐにパッと出現する。この程度の操作は慣れれば簡単のようだ。

 

「ランスさん。魔王様の体内にある魔血魂はその一つだけ?」

「ちょっと待て……うーむ、この感じだともう一個だけあるっぽいな」

「計二つ、ですか。となると所在の知れない魔血魂が四つ程残っているという事ですね」

 

 来栖美樹が初期化した魔人はノス、ザビエル、オギン・ギンプの三体。その内の一つを小川健太郎の魔人化に使用したので残りは二つ。

 そしてホーネットの手元にあるケイブリス派魔人達の魔血魂が四つ。残る四つはAL教が管理していたりと、あるいは行方不明になっていたりとその所在はまちまちである。

 

「魔血魂は魔王様の身体の一部ですからね。残る四つを回収する事も視野に入れるべきかもしれませんが……それはおいおい考えるとして今は話を戻しましょう。とにかく魔王の能力の一つが魔人作成能力、それは宜しいですね」

「うむ。まぁ元から知ってたがな」

「でしたらこれも知っているかと思いますが、二つ目の能力として魔王には魔人や魔物達に対する絶対命令権というものがあります」

 

 二つ目の能力、絶対命令権。

 魔人や魔物達を強制的に従わせる力。魔族の王たる者が有するに相応しい絶対的な命令権。

 

「その名の通り絶対の命令です。魔に属する者は魔王である貴方の命令に逆らう事は出来ません」

「話には聞いていたが……やっぱお前ら魔人は魔王には絶対に逆らえないのか」

「はい。魔王様の命令であればどのようなものであっても言いなりになるしかありません」

「……ほーう? 言いなりに?」

 

 そこでランスの目がギランと怪しく光る。

 絶対命令権。魔に属する者であれば絶対に言いなりに出来てしまう能力。

 成る程確かに素晴らしい力だ。魔王の力をエロ目的で使用するならこれ以上は無いだろう。

 

「ぐふふふ……んじゃあ二人共、いっちょここで素っ裸になってみろ」

 

 魔王ランスは早速そんな命令をしてみた。

 すると──

 

「………………」

「…………えっと」

「あれ? 二人共なんで脱がねーんだよ。絶対命令権ちゃうんかい」

 

 結果は効果無し。

 二人は脱ぎ始める気配すらなく、戸惑いの混じった表情で顔を見合わせる。

 

「ホーネット様、今のは……違いましたよね?」

「……えぇ、そうですね。ランス、恐らくですが今の指示は絶対命令になっていません」

「あん? 単に命令するだけじゃ駄目なのか?」

「そのようですね。これは推測ですが……先程の魔血魂のように絶対命令権も魔王の能力によるものですから、使用の際には相手を従わせるという魔王の意思が必要なのではないでしょうか」

「ふむふむ、なるほど」

 

 という事で、もう一度挑戦。

 今度は心の中で「俺様に従えー!」と念じながら命令してみる。

 

「『二人共、今すぐ服を脱げ』」

 

 そう告げた途端、ランスの身体から微量の紅い粒子が湧き上がった。

 それは魔王の能力を行使した証。溢れ出る程に強大な魔の力の残滓。

 

「あ……」

「っ、……」

 

 二人の魔人は共に息を飲む。

 それはただの言葉ではなく、魔人を形作る魔血魂を介して伝わってきた絶対なる命令。

 

「……はい。分かりました」

「仰せのままに。魔王様」

「お? おぉ、おおお……!!」

 

 その強制力を前に逆らう術など無し。

 命令通りにホーネットとシルキィは粛々と衣服を脱ぎ始めて、あっという間に全裸になった。

 

「なーるほど、これが絶対命令権か……中々便利な力じゃねぇか、ぐへへへ……」

 

 命令一つで裸になったホーネットとシルキィ。

 こういうエロの形もアリだなぁと、魔王ランスの鼻の下がだらしなく伸びる。

 

「……お気に召したようですね」

「うむ。魔人を作るのはそんなでもねーけど、絶対命令権はとても気に入ったぞ」

「そうですか、それは何よりです。……では、そろそろ服を着ますよ」

 

 絶対命令権の仕様として、一度下された命令は完遂してしまえば強制力は無くなる。

 なので脱衣命令を済ませて強制力の解けたホーネットとシルキィはいそいそと服を着直した。

 

「にしても絶対に言いなりになるなんて、こんなのエロい事をする為にあるような能力だな。なぁ、お前ら二人もガイとかいう魔王からエロい命令を沢山されただろう?」

「いいえ。そのような事は決して」

「本当かぁ? 『おいホーネット、正直に答えてみろって』」

「では正直に答えますが、本当です。ガイ様からそのような命令を受けた事などありません」

「ていうかランスさん……ホーネット様とガイ様は親子なんだから……それはさすがに……」

「……確かにそりゃそうか。『ならシルキィちゃん、君はどうだ? 正直に答えろ』」

「分かりました、正直に答えます。私もそのような命令を受けた事はありません」

「ほぉ! そうかそうか、なら宜しい」

 

 二人の回答にランスは満足そうに頷く。

 これで自分の女達がムカつく魔王ガイのお手付きでは無かった事が正式に証明された。

 仮にそうだったとしてもランスが現状の関係を変える事は無いのだが、それでもやはり男として気になるものは気になるのである。

 

「しっかしこの絶対命令権ってのはオモロいな。エロ以外にもなんでも使えそうだ」

「……でしょうね。ただ個人的な意見を言わせて貰うと……私は元より貴方に忠誠を捧げて貴方の命令には従うつもりでいますので、絶対命令権など使うまでも無いと思っているのですが」

「まぁそれはそうだ。お前達がいい子にしてたら絶対命令権など使う必要はねーだろうが……」

 

 絶対命令権など使わずとも魔王の命令には従うつもりでいる。

 そんな言葉を聞いたランスはにぃっと笑って、

 

「でもこういう命令ならどうだ? 例えば……『今からホーネットは赤ちゃん言葉で話せ』」

「な、なんででちゅか!?」

 

 ホーネットは赤ちゃん言葉になった。

 

「んでシルキィちゃんは……そうだな、じゃあ『にゃんにゃんの真似をしなさい』」

「にゃん!?」

 

 シルキィはにゃんにゃんになった。

 

「がははははーっ!! おもしれーこれ!!」

「面白がってないで……どうして赤ちゃん言葉なんでちゅかぁ、らんすぅ……!」

「にゃーにゃー! ふにゃあ、ふにゃあ!」

 

 赤ちゃん言葉のまま抗議するホーネット。

 にゃんにゃんのように四つん這いになってにゃーにゃーと騒ぐシルキィ。

 魔王の能力、絶対命令権を使えばこんな奇怪な光景だって簡単に作り出せてしまうのだ。

 

「らんすぅ……元にもどちてくだちゃい……」

「さぁ~て、どうしよっかなぁ~!」

「にゃあにゃあ! うにゃん! うにゃん!!」

「おーおーどうしたシルキィちゃん、そんなに鳴いちゃって。さてはエサが欲しいのかな?」

「にゃおん! にゃーにゃー!」

「それとも猫じゃらしが欲しいのかな? ん? ご主人様と遊びたいってか?」

 

 ランスはにっこり笑顔になって可愛らしいメスにゃんにゃんに話し掛ける。

 このにゃんにゃんはお腹が空いたのか。それとも構って欲しいのだろうか。

 一向ににゃーにゃーと鳴き止まないにゃんにゃんの訴えに耳を傾けていると……。

 

「…………ふにゃあ」

「む。……分かった分かった、戻すって。『二人共、さっきの命令は無ーし』」

 

 にゃんにゃん化したシルキィが泣きそうな顔になってきたのでランスは命令を撤回してあげた。

 

「全く……趣味が悪いですよ、ランス」

「ホントにね。絶対に言いなりに出来るからって魔人で遊ぶのは良くないと思うわ」

 

 赤ちゃん言葉とにゃんにゃん化の絶対命令を解かれたホーネットとシルキィ。

 二人の表情は共に赤くなっていた。そしてちょっと怒っていた。

 

「でもなぁ、こんなの遊ぶ為にあるような能力だとしか思えんのだが……」

「ではなくて、反抗的な魔物や魔人を従わせる為の能力です。とはいえ先程も言いましたが基本的に魔王様に逆らう存在などいませんからね、絶対命令権なんて余程の事がない限りは使う必要の無い能力だと思いますよ」

 

 魔人の一人として、魔王から遊び感覚で絶対命令権を乱発されるのは避けたい。

 されども魔王相手に使うなとも言えないホーネットはやんわりと窘めておくに留めた。この辺は魔人の悲哀が垣間見える部分である。

 

「……さて、以上の二つが魔王の力として良く知られている能力でしょうね」

「うむ」

「そして……この他にも魔王には魔王の力に纏わる特殊能力があるようなのですが……」

「ですが?」

「……残念ながら、これ以上の事は魔王ではない私は存じ上げません」

 

 ホーネットは申し訳なさそうに目線を伏せる。

 魔王が秘める特殊能力。魔人作成能力と絶対命令権の他には……不明。

 

「あれま。シルキィちゃんも知らねーの?」

「そうね、残念だけど私も知らないわ。ガイ様だったら知っていたかもしれないけど……」

「そうですね……せめて父上からの血の継承に美樹様が協力的であれば、父上が待ち得ていた魔王の知識も伝えられていた可能性はあるのですが……」

「あーそうか、美樹ちゃんが逃げちまったからそれも伝わらなかったと」

 

 魔王の能力に関しては魔王が知るべき事。一介の魔人ではその全ては知り得ない。

 そして代替わりと共にその知識も失伝してしまったようなので、魔王の能力の深みについては現状手が出せない領域となっていた。

 

「まぁ知らねーならしゃーないな。それよりもホーネットよ、俺様のパワーが強すぎて女に痛いと言われる問題はどうしたらいい?」

「あぁ、肝心の話ですね」

 

 ランスにとっては一番大事な事、俺様のパワーが強すぎて女に痛いと言われる問題。

 このままでは魔人達はともかく人間の女性とガッツリ目でセックスが出来ない。ゆっくり抑えめにすれば出来なくもないが、それではあまり気持ち良くない。

 故にこれは由々しき問題。何を置いても解決しなくてはならない問題なのである。

 

「魔王の強大な力の扱い方ですが……私の体験談で言うなら、それは慣れだと思います」

「ぬぅ……慣れか」

「えぇ、慣れです。さすがに魔王とは程度が異なりますが、私やシルキィも魔人になった時に似たような経験をしていますから」

「そうですね。自分の力が急激に上昇する経験は魔人なら誰もが通ってきた道です」

 

 今ランスが抱えている問題は魔人になったら誰しもが大なり小なり経験する事。

 その上で魔人達が普通に生活している以上、それはあくまで「慣れ」で解決出来る程度の話。

 

「ほら、なんていうかな。ランスさんが人間だった頃を思い出して欲しいんだけど、その時だって壊れやすいものに触れる際は無意識の内に手の力を加減していたはずでしょ? その感覚は魔人や魔王になっても一緒だって事よ」

「えぇ。扱う力の規模が増えた事で戸惑う部分があるかとは思いますが、それも慣れるまでの事。慣れてしまえば気にするような事ではありません」

「……そうか。んじゃあ慣れさえすれば人間と普通にセックスしても問題無いって事か?」

「そのはずです。例えば私も──」

 

 とそこでホーネットは一瞬言葉を区切り、ちらっとシルキィの方を見て。

 

「──私も、人間だった頃の貴方に抱かれた際、似たような事を考えました」

「お前も?」

「えぇ。私とて魔人筆頭ですから」

 

 今更隠す必要も無いなと感じたのか、そのまま続きを話し始める。

 

「行為に没頭するあまり、無意識の内に力の加減を誤って貴方を傷付けてしまわないか、そんな事を不安に思ったりもしたのですが……結局はなんとも無かったでしょう?」

「あー、そういや確かに。魔人とのセックスは何度も体験したけど怪我した事はねーもんな」

「えぇ。それは貴方と身体を重ねた相手方の魔人が力の扱いに慣れていたからこそ。ですからそれと同じように、魔王となった貴方にも慣れが必要だというだけの話です」

「そっかそっか、よーく分かった」

 

 提示された答えは慣れ。一応の解決策があると知ってランスはホッと一安心。

 今はまだ魔王として目覚めて早数日。力の扱いに慣れないのも当然の話だと言えた。

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 そしてその後。

 ホーネットの部屋をお暇したランスは力の扱いに慣れる為、色々と試してみる事にした。

 

「よし、準備運動おっけー。こうして身体を動かすのも久々だなぁ」

 

 まずは運動。思えば一週間以上も眠り続けていたからか身体にも重たい感覚がある。

 城の中庭でストレッチをしたりランニングをしたりと、汗を流して鈍っていた身体を動かす。

 

「……ふぅ、やっぱしパワーが違うなこりゃ。それに全然疲れねーし」

 

 すると実感する魔王の肉体の凄さ。自分の身体が秘める驚異的なポテンシャル。

 足の速さが人間の限界を優に超えていたり、体力が尽きそうな気配が無かったりと。

 

「……ま、これも慣れだな」

 

 言わばそういった変化こそが原因であり、その違いに慣れる必要があるという事。

 ランスは自分の身体の動きを一つ一つ確かめて、人間だった頃と魔王になった今との認識の違いを一つずつ改めていって。

 

 

 

「シィル、用意出来たか」

「はい。色々と集めてきましたよ。まずは……そうですね、風船なんてどうですか?」

「風船か、よし」

 

 その次。微妙な力加減が必要になりそうなものを片っ端から試してみる。

 まず手渡されたのは風船。ランスは風船の口を掴んで、すぅーと息を吸って……。

 

「わっ!」

「あ、割れた」

 

 ふぅっ! と強めに息を吐き出した瞬間、一瞬で膨らんだ風船はパンッ! と破裂した。

 

「ぬぅ、これでも7割程度なんだが……力加減がさっぱり分かんねぇなぁ」

「これも慣れですよランス様。気を落とさず次にいきましょう。次は……はい、アメちゃんです」

「アメちゃんか、よし。れろれろ…………あ、割れちった。噛んだわけじゃないのに……」

 

 ……と、こんな感じで。

 ランスは魔王の力の扱いに慣れる為、自分の身体を扱う色々な事を試してみて。

 

 

 

 

 ──それから一週間後。 

 

「……よしっ! ゆで卵の殻も剥けた!」

「お疲れ様です、ランス様。あ、卵には傷一つ付いていませんね!」

「うむ。沢山の卵を駄目にした甲斐があった。ようやく力の扱いに慣れてきた気がするぞ」

 

 全身を動かしての運動から、手足指先の細かな感覚に至るまで。

 ランスが自分の肉体の強靭さに、その力の規模にようやく慣れ始めてきた頃……。

 

「魔王様、少し宜しいですか?」

「あ、ホーネットさん。それとシルキィさんも」

「シィルさん、こんにちは。少し魔王様に……というか、ランスさんに用事があって」

 

 部屋にホーネットとシルキィが尋ねてきて。

 そしてこの日……ちょっとした事件が起こった。

 

「実は先程、美樹様から相談を受けまして……」

「美樹ちゃんから?」

「はい。というのも……健太郎さんの魔人化を元に戻したいそうなのです」

 

 

 

 

 




自分で読み返してみて分かりにくく感じたので、今現在の魔人と魔血魂の状態について追記。


生存
・ホーネット派
  [ホーネット][サテラ][ハウゼル][シルキィ][ガルティア][メガラス]
・ケイブリス派
  [レイ][パイアール][サイゼル][カミーラ][ケッセルリンク]
・その他無所属
  [ますぞゑ][小川健太郎][ワーグ]  

 以上14名

魔血魂状態
 ・ホーネットが管理
  [ケイブリス][メディウサ][バボラ][レッドアイ]
 ・美樹が初期化
  [ノス][ザビエル][オギン・ギンプ]※内一つを健太郎の魔人化に使用
 ・行方不明
  [アイゼル] リーザス城内?
  [カイト]  AL教が封印
  [アベルト] ゼスが管理
  [レキシントン] 使徒達が所持 

 以上10個 合計24の魔人


 が、この話における魔人と魔血魂の状態となります。

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