「──といった感じで」
「とにかく……賑やかでしたね」
アメージング城の屋外テラス席、魔人達による女子会の話題は未だ尽きない。
数日前の事を語りながら、ホーネットは紅茶を一口含んで喉を潤す。
「えぇ、あの日は本当に賑やかでした」
「というか騒がしかったです」
「まぁ、そうですね。ガイ様が魔王だった頃とは雰囲気がまるで違いましたね」
アメージング城築城記念パーティ。その日は大勢の招待客で実に賑わっていた。
魔王城があれ程に騒がしくなった事は無い、そう思う程の盛り上がりであった。
「とにかく人間が多かったわね」
「えぇ。改めて思いましたがランスは人間世界での顔が広いというか、交友関係が豊かでしたね」
「本当に。あの日は人間世界各国の権力者達なんかが勢揃いだったからね」
リーザス、ゼス、ヘルマンという三大国に続いて自由都市、遠くJAPANまで。
その日のパーティは多くの国々の指導者達が集うとても豪華なものであった。その内の殆どがランスの個人的な縁だというから驚きである。
「ランスさん自身は王族の出身とかじゃなくて普通の冒険者だったって聞いたけど……普通の冒険者が20数年足らずでどんな人生を歩めばあのような繋がりが出来るのか……」
「えぇ……本当に不思議というか、計り知れない人ですよね、ランスは」
「ふーん……人間世界の事っていまいちよく分かんないんだけど、あれってやっぱ凄い事なの?」
「そりゃそうでしょ。普通に生きていたら姫様や王様と知り合いになる事なんてないわ」
「でも今のランスは魔王じゃん。魔王が招待状を出せばどんな人間だって従うに決まってる、それならあの会場に人間の王や姫達がいたのだって普通の事なんじゃないの?」
「それはそうだけど……でも、必ずしも魔王だからって事では無いように見えたわ。特に各国の姫達はランスさんと親しげにしていたし……」
あの会場にいた人間世界各国の姫達は魔王になったランスとも和やかに打ち解けあっていた。
特に一国の姫というだけあって招待客の中でも目を引く美貌の持ち主達で……そんな美しい女性達にランスが手を伸ばさないはずが無く……つまりはそういう関係なのだろう。
ここに居る魔人達の内、シルキィなど観察眼に優れた一部の魔人はその事を察していた。要は自分達と似たりよったりという事である。
「元は人間だったランスさんが新しい魔王様になった訳ですからね。その事で何か騒ぎになったりするかもと危惧していましたが……そういった事にはなりませんでしたね」
「そうね。魔王化については人間世界でもすでに知られている事だってのもあるんでしょうけど、意外な程にすんなりと受け入れられていたわよね」
「……あれもランスの人徳の為せる技でしょうか」
「人徳? ……ランスの?」
「……えぇ、まぁ。人徳というか、あくまで一個人が有している気質という意味合いで……」
と、そんな話を交えながら。
魔人達による女子会は穏やかな空気の下で進んでいたのだが──
「そう言えば……あれはなんだったのでしょう」
ふいに、そんな声が上がった。
「ハウゼル、あれって?」
「あの日のパーティの翌日の事です。早朝からちょっとした騒ぎがあって……」
それはアメージング城築城記念パーティの日から一夜明けて、その翌日。
翌日は朝からとあるイベントが起きていた。
「あぁ、そういえばなんか騒がしかったっけ」
「えぇ。あれはたしか……リーザス王国の女王が──」
──築城記念パーティ、翌日。
騒ぎが起きたのは魔王の部屋や客人用の貴賓室などがあるアメージング城の本棟。
それはまだ日が昇ってすぐの早朝の事だった。
「きゃーーーーーー!!!!」
突如、甲高い響きが上がった。
次いで階段と廊下をだだだだっと駆ける足音、そのすぐバターンとドアが開かれた。
「だーーりーーーーーん!!」
早朝からはた迷惑な騒ぎ声の主はこの女王、リア・パラパラ・リーザス。
「だーーーーーりーーーーーーんっ!!」
「なんだリアか。一体なんだ朝っぱらから」
「だーりんだーりんだーーりーーんっっ!!」
「だからなんだっつの」
昨夜の築城記念パーティから一夜明けて、そのテンションの高さは相変わらずも……いや。
どうもリアは昨日よりも更にハイテンションになっているようで。
「ねぇ聞いて聞いて!! 聞いてダーリン!!」
「だから聞いてるっつー……なんなんだ一体」
そのテンションの高さには理由があった。
あのパーティから一夜開けて、リア女王の身にはとある変化が訪れていた。
「見える!」
「見える?」
「そう! 見えるの!!」
見える。──それが変化。
目の前のランスに向かって、突き出すように持ち上げられたリアの左手が。
その──ピンと立てられた小指が。
「小指に!! 糸が!!」
「糸?」
「そうなの! 赤い糸がリアにも見えるの!!」
大きく見開かれた輝く瞳に映るもの──小指の先に結ばれた赤い糸。
今まで見えなかったそれが見えるようになったという事は……つまり。
「運命のお告げが来たの!!」
つまりはそういう事──昨晩、リア女王は夜中に不思議な夢を見た。
その夢の中に現れた黄色いトリから、彼女は運命のお告げを授かっていたのだ。
「ようやくリアにも運命が来た! 運命のお告げが来たんだわーーー!」
「あぁ、運命って電卓キューブの事か。ってそっか、こっちじゃまだリアとは行ってなかったか」
「やっぱりダーリンが運命の人だったんだわーー!! きゃーーー!!」
自分の運命のお相手が判明した。それがこの世界で一番愛している人だった。
それ以上の歓喜があろうか。真摯な愛を抱く自分に運命が微笑んでくれたのだ。
「ねぇほらダーリン!! 運命!! 運命!!」
「あぁそうだな、運命な」
「さぁダーリンっ!! さっそく行きましょ!! 早く行きましょ!! 今すぐ行きましょ!!」
「お、おぉ……」
朝っぱらから歓喜でハイテンションなリア女王に急かされるまま。
二人の姿は何処かへと消えていった──
「──待ったっ!」
とそこに、待ったを掛ける声が。
「ランス、ちょっといい?」
「おぉ、マジック。お前までどうした」
現れたのはこの王女、マジック・ザ・ガンジー。
「っ、……──」
その姿を視界に捉えた瞬間、それまではしゃいでいたリーザス女王の目が鋭く細められた。
「……ちょっと、デコちゃん」
「なに?」
「なにじゃない。今はとっても重要な時なんだから邪魔したらさすがに怒るわよ」
普段のものとは違う、冷たい威圧を伴うリアの低い声が突き付けられる。
その声に、その圧に飲まれてしまう事も多いマジックだが──
「………………」
──がしかし。
今日のマジックは一切動じなかった。
「私も」
「は?」
「私も、だから」
「……え、なにが?」
するとマジックは。……否、マジックも。
先程のリアと全く同じように、小指を立てた左手を目の前に突き出した。
「見えるのよ!! 私も!!」
「見える、って……ま、まさか──!」
「そう!! 運命の赤い糸が!! 私にもちゃーんと見えてるんだから!!」
リアに負けじと声を張るマジック。その目は今まで見えなかったものが見えているようで。
つまり──マジックも運命のお告げを授かった。
それもなんとリアと全く同じ日の夜中に。全く同じタイミングで。
これこそ運命の悪戯というのだろうか。二人の姫は同じ日に同じお告げを授かっていたのだ。
「ほら見てランスっ!! ここの小指に赤い糸がちゃんと結ばれてるでしょう!?」
「いやそれは俺様には見えん。……けどそっか、マジックもか。なんか前と今がごっちゃになっちまってどいつと電卓キューブ迷宮に行ったのかよく分かんなくなってきたな……」
思わぬ運命の登場、もとい再登場にさすがの魔王ランスも困惑顔。
昨日の香姫との初体験然り、一度過去に戻った事が原因でもう一度やり直さなきゃいけないイベントというものが存在している。
その一つがこの運命の女イベント。こいつらほっとくとうるさそうだし面倒だけどやるしかねーかー……とか悠長に考えていたランスの一方で。
「はーーー!? はぁぁーーーー!!??」
こちらのリア女王は。
突然別の運命に割り込まれたその叫びは怒りと苛つきに満ち溢れていた。
「嘘、うそうそ!! 同じ日にこんな事になるなんて、そんなの信じられないんだけど!!」
「あんたが信じる信じないなんて知ったこっちゃないわよ!! 実際に私の小指にはハッキリと赤い糸が結ばれているんだから!! そんでランスの方に向かって伸びてるんだから!!」
「なにそれ納得いかないー!! そんなのあり得ないーーー!!!!」
「あり得なくなんてないわよっ!!」
運命とは。自らの運命は自らだけのもの、そう思うのは当然の事。
しかし困った事にランスには沢山の運命が紐付いている。となればこういう事も起きる。
「ていうかなんなの!? せっかくダーリンとの運命が結ばれた記念すべき日にまでリアの邪魔をしてくるだなんて!! さすがにやる事が陰険過ぎるわよデコちゃん!!」
「はぁーー!? それこそこっちのセリフなんですけどぉ!? 私だって運命の相手がランスだと分かって喜び勇んでここに来たら……あんたの方が私に合わせて来たんでしょう!?」
「違いますーー!!! そっちが私に合わせてきたんですーー!!」
「違うわよ!!」
「違いませんーー!!」
顔を突き合わせて低レベルな口喧嘩を繰り広げるリアとマジック。
ランスとの運命が繋がった日、いやでも心躍る日にまさかの邪魔者出現。しかもそれがこの相手とあってはリアもマジックもお互い大いに水を差された気分である。
「どっちが相手に合わせて来たのか、こうなったらダーリンに決めて貰いましょう!!」
「いい考えね! ランス! そこのリーザス女王と私、運命が先に繋がったのはどっちなの!?」
「知らん。別にどっちでもいい……」
不毛な争いに首を突っ込みたくないのか、我関せずな態度の魔王。
その後──リアとマジックの言い争いは暫く続いて。
この際運命の導きが被ったのは仕方無しとして、ではどちらの運命から優先するのか。
つまりどちらと先に電卓キューブ迷宮に向かうのか。その事でも二人は揉めに揉めて。
「いくわよ。最初はグー!!」
「じゃんけん、ぽん!!」
最初はじゃんけんに始まって。その後すぐ取っ組み合いの素手ゴロに移行して。
最終的にはリーザスとゼスの各将軍を三名選出しての代理対決まで行われて。
築城記念パーティの翌日、その日は主にリアとマジックのせいで朝から騒がしかった──
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──────
────
「──とかなんとか、そんな事が……」
「あぁ、あったあった」
それが、パーティの日の翌日にあった出来事。
まだ早朝から周囲の迷惑も顧みず、リーザス女王とゼス王女はやかましく騒ぎ立てていた。
そんな光景をここにいる魔人達は遠巻きから眺めていたようだ。
「運命の相手、だとか、赤い糸、だとか……あれは結局なんだったのかしらね」
「さぁね。夢の中でお告げを受けちゃったのー、とか言ってたけど……」
首を傾げる魔人ハウゼル。それに姉のサイゼルも同調する。
「……まぁ、その言葉の通り……運命のお告げ? を授かる夢を見たって事なんだろうけど……」
「でも所詮は夢だろう。それでランスの取り合いなんか始めて……なんか夢と現実をごっちゃにし過ぎじゃないか? あのリーザス女王とゼス王女」
夢の世界に黄色いトリが現れて、運命のお告げを授けてくれただの、なんだのと。
それは魔人サイゼルにも。魔人ハウゼルにも。
夢を操る魔人ワーグにも。魔人サテラにも。
事情を知らない者達にとっては、なんの事だかサッパリ分からない話──なのだが。
「あぁ、あれなら……」
だがそれは、分かる者になら分かる話で。
「あれは恐らくですが……あの二人はランスの運命の女に選ばれたのだと思います」
そう答えたのは魔人ホーネットで。
するとその直後、
「……ランスの?」
そう呟いたのは魔人サテラ。
「……運命の女?」
続けて呟いたのは魔人ワーグ。
その瞬間、ピリッと空気が変わった。
ここまで平和だった屋外テラス席、そこに僅かな緊張の色味が増した。
「……ランスの」
「……運命の女」
「えぇ、そうです」
──ランスの運命の女。
それはサテラとワーグにとって、どうにも気になってしまう初耳なワードだった。
「ですからあの二人、リア女王とマジック王女はあの後……どちらが先かは存じませんが、ランスと共に電卓キューブ迷宮に向かったのでしょう」
「電卓キューブ迷宮? なにそれ?」
「そういう迷宮の名称です。……いえ、あれを迷宮と呼んで良いのかは甚だ疑問ですが……とにかくそういう場所があって、運命の相手と一緒に迷宮に向かえと、そのようなお告げを夢の中で授かるのです」
「……運命の、相手と……」
「えぇ、運命の相手と。夢の中で黄色いトリからお告げを受けると、自らの左手の小指から伸びる赤い糸が見えるようになります。それを辿る事で自分の運命の相手が分かるのです」
「は、はぁ……」
ホーネットの説明を聞いても話を飲み込みきれないのか呆然と呟くサテラ。
どうやら運命の相手なるものがあるらしい──運命の相手。実に心擽られるワードである。
自分の運命の相手は誰か。……それはランスだ、ランスだろう。自分が誰かと赤い糸で結ばれているとしたらランス以外にはあり得ないはず。
「……む」
となればあの日の騒ぎの真相は。
その証明を貰ったのがリア女王であり、マジック王女だという事なのか。
だからあの二人はあんなにも喜び、それを邪魔されてあんなにも怒っていたという事なのか。
「……む、むむ、む……」
そう考えるとなんだか心が疼く。無性にざわざわしてしまう。
……しかし、より気になるのはそちらよりも。
「……というか、ホーネット様。……なんか、なんか妙にお詳しいですね」
「えぇ。私も以前、同じ夢を見ましたから」
ホーネットは実にあっさり答えた。
「えっ!? そ、そうなのですか!?」
「えぇ、そうです。私もあの夢を見た時はさすがに戸惑いましたが……」
「え、で、その、運命のお相手は!?」
「相手、は──」
一瞬だけ躊躇う素振りこそ見せたものの。
それでも魔人筆頭は隠さずに答えた。
「……ランスでした」
「なっ!?」
「ぬぅ!?」
ガタンッ、とテーブルが揺れた。
サテラとワーグ、二人は驚愕と共に思わず席から立ち上がった。
「ほ、ホーネット様が!? ホーネット様もランスの運命の女!?」
「なにそれちょっとどういう事!?」
「どういう事かと聞かれても……そうだったからそうなった、としか……」
「それじゃ説明になってないわよっ!」
「いえ、しかし……あれの詳細は私にもよく分からないものですから……」
二人の思わぬ剣幕に気圧されてたじたじな様子のホーネット。
運命システムには謎が多く、運命のお告げを受けた当人にすら理解の及ばない代物。ホーネットとしてはランスが運命の相手だったから夢のお告げが来た、それが自分の運命だったとしか言いようがない。
……だが、サテラとワーグにとってはそれならそうかと済む話ではないようで。
「大体、運命の相手なのに二人も三人もいるだなんておかしくない!?」
「それは私も引っ掛かりましたが、どうやら運命の相手というのは一人とは限らないようです」
「そ、そうなのですか?」
「えぇ。それが証拠にランスはあの迷宮にもう10度近く訪れていると言っていましたから。私然り、リア女王然り、マジック王女然り。それに──」
とそこでついーっと、ホーネットの視線がすぐ隣の方に向いて。
「シルキィも、ですよね?」
「え」
最初の「え」はそのシルキィ。
「えっ!?」
「ええぇ!??」
続けてサテラとワーグの更なる驚愕が重なった。
「し、シルキィが!?」
「ですよね?」
「え、ええっと……」
まさかのパス。この状況での殺人的なキラーパスの鋭さに硬直する魔人四天王。
その顔には「お願いだからここで自分の名前を出さないで欲しい」とありありと書かれていた。
「え、いやでも、ていうかホーネット様、どうして私のそんな事をご存知で……」
「ランスがそう言っていたのです」
「あー……そっか、ランスさんが……普通に話しちゃったんですね……」
「じゃ、じゃあ本当にシルキィも……!」
「う……」
魔人シルキィは、ランスの運命の女、なのか。
「………………まぁ、その、うん」
若干の沈黙の後、その魔人はちょっぴり色付いた顔で頷いた。
「し、シルキィ!! なんでそんな大事な事を今まで隠していたの!?」
「い、いや別にそんな隠していたわけじゃ……あえて言うような事じゃ無かっただけで……」
「言うような事でしょう!!」
「そうだそうだ!! 卑怯だぞシルキィ!!」
「ひ、卑怯だなんて、そんなっ……!」
「……なんか、おかしな空気になってきてない?」
「そ、そうね……」
狼狽えるシルキィ、サテラとワーグの口からは次々と糾弾の声が飛ぶ。
我関せずな姉妹達を除いて、それは二人にとって大いにショッキングな話。
「じゃあなに!? この中でホーネットとシルキィだけがランスの運命の女ってわけ!?」
「……まぁ」
「そう……なるの、かな?」
一度目を見合わせた後、ホーネットとシルキィは戸惑いがちに小さく頷く。
「な……そ、そんな……っ!」
「ランスの運命の女……二人だけが……!!」
あまりの衝撃に目眩がする。
サテラとワーグにとって、それ程にこの事実は受け入れがたい話だった。
だってここに集う皆は全員がランスによる魔人ハーレム、全員が運命共同体だと思っていた。
がしかしそれは違った。この六人の中にはピシーっと一本、真っ直ぐな線が引かれていた。
ホーネットとシルキィ、そしてそれ以外の魔人達を分ける明確な一本線が。
その線の名は──運命の女。
「で、でもね? 私がランスさんの運命の女っていうのは……なにかの間違いだと思うし……」
「ぐぬぬ……!」
目を泳がせながらも言い訳を重ねるシルキィ。
だがその顔も、今では真っ先に一抜けした者の余裕綽々な表情に見えてしまう。
「それに運命の女と言えど、ランスからしたら大きな違いがある訳では無いようですから……」
「くぅ……!」
珍しく動揺した表情のホーネット。
だがその顔も、今では二番目に運命を掴み取った者の意気揚々とした表情に見えてしまう。
「ぐぬぬぬぬ……!」
「くぅ~~……!」
魔王ランスの、運命の女。
誰も知り得ぬ事にはなるが、それは計20つの枠しかない特別な位置付け。
その枠の中に魔人ホーネットが、そして魔人シルキィが入っているようで。
……それなら。
(それなら……サテラだって……!!)
(それなら……私だって……!!)
それならば、自分だって。
と、この二人がそう考えるのも当然の事。
(サテラだって……ランスの運命の女になってやるぞ……!)
(私だって……ランスの運命の女になってやるんだから……!)
こうして──
魔人サテラと魔人ワーグによる、自らの運命を掴み取る戦いが始まった。