ソフィーのアトリエ〜何も無い手品師の話〜   作:へタレた御主人
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初戦闘は親友の盾に

 

 

 翌日。

 結局あの後、リアクション等々で疲れたためお茶会は流れてしまい、そのまま帰った。

 なんというか、少し疲れた……

 いや、プラフタが悪いっていう訳ではなくね。

「まぁいいや。今日は何もないだろうし、週末の仕込みでもしておくか」

 きっと大丈夫だろう。

 ピコン、とフラグが立った音なんて聞こえなーい。

 気を取り直して、仕込みと練習を〜。

 ガチャ

「ルディー、素材取りに行くから手伝ってー」

 早いよ、フラグの回収が。

 グッバイ、俺の仕込み&練習タイム…。

 

 

 ……

 

 ………

 

 …………

 

 〜ソフィーside〜

 数時間前。

 

「ん〜、おはよう」

 今日もいい天気。

「おはようございます、ソフィー」

「うん、おはよう。プラフタ」

 新しい、この家の住人(?)であるプラフタに挨拶する。

「改めて、これからよろしくね」

「えぇ、よろしくお願いします」

 朝食を食べたら早速、練習しなくちゃ!

 

 …………

 

「さて、それでは始めていきましょう」

「うん!」

「では早速、山師の薬の調合から始めましょう」

「山師の薬を?」

「はい」

 山師の薬はもう作れるよ?

 そう思ったけど、プラフタが言うには、錬金術士として成長するには、何度も調合をしないと上達しないんだって。

 今までは失敗続きだったけど、これからはプラフタもいるし、ちゃんと頑張ればいつかはおばあちゃんみたいな錬金術士になれるかもね!

「それじゃあ素材を……って、あれ?」

「どうしました?」

「昨日使っちゃった分で材料無くなっちゃった」

「では取りに行かないといけませんね」

「だよね……。うー、プニとかいるし、怖いんだけどなぁ〜……」

 出来れば1人では行きたくないよ〜。

「昨日の彼は戦えないのですか?」

「彼って、ルディのこと?」

「はい」

 ルディかぁ……

 戦えるのは知ってるけど、そろそろまたマジックショーやるだろうし、忙しいだろうなぁ。

「う〜ん……」

「何か悩むことがあるのですか?」

「いや、今忙しいだろうし……」

「多少言動が失礼なきらいはありますが、ステディを放っておくような男には見えませんでしたが?」

「まぁ、失言が多いのは間違いないんだけどね……」

 ……って、プラフタ、なんか変なこと言わなかった?

恋人(ステディ)?」

「違うのですか?」

 むしろ何言ってるんだ?と言わんばかりの言い方をしてくるプラフタ。

 あたしとルディが…………

 ボッ!

「違うよ!?違うからね!?」

「そうなのですか?」

 まだ会って2日目なのに、心底意外そうに言ってくる。

「ただの幼馴染だよ!何言ってるの!?」

「そうですか」

 何故か納得いってないような言い方をするプラフタ。

 けど、納得いってないのはこっちなんだけどなぁ。

「ともかく、ルドルフは誘わないのですか?」

「まぁ、ルディって付き合いはいいからきっと助けてくれるけど……」

 う〜ん…………まぁ、いいや。

 断られたら断られただし、来てくれなくてもモニカも誘えば大丈夫だろうし。

「それじゃあ、誘ってみようかな」

「それでは、いってらっしゃい」

「うん、いってきまーす!」

 最近はあまり聞かない挨拶に、何となく心が軽くなった気がした。

 さぁって、ルディは来てくれるかなぁ?

 

 

 ……

 

 ………

 

 …………

 

 というわけで、ソフィーの採取に付き合うことになった。

「いや、忙しいんなら断ってくれてもよかったんだよ?」

「いーよ、付き合うよ。そんかし、モニカも連れてくぞ」

「うん!」

 断ることは、確かに出来たし、モニカに任せりゃ安心なのも分かってる。

 けどなぁ……

 ーーあー、忙しいなら大丈夫だよ?

 …………あんな寂しそうな顔されりゃなぁ。

 まぁ、これも仕方ない。

 俺の方はまだ余裕あるわけだし。

 というわけでモニカのいる教会前広場へ。

「あら?2人揃って、デートかしら?」

 顔を見た瞬間の開口一番がそれってどうなんだよモニカ……

「ちげーy「全然違うよ!そんなんじゃないって!!」

「そ、そう……」

「そうだよ!あり得ないよ!!」

 ……………………そこまで全力で否定しなくても良くないですかね?

「………う〜、プラフタめぇ……」

 最後の呟きはぶつぶつ言っててよく聞こえないな。

 はぁ……

「まぁ、ソフィーの採取の手伝いだよ」

 お前も手伝え、と伝えるとよっぽど不憫に見えたのか珍しく茶化すことなく頷いてくれた。

「気を取り直して出発だね」

「ええ」

「おう」

 街の外へ出るためにまずはストリートへと向かう。

「おや、ソフィーにモニカにルドルフじゃないか」

 その途中で、マルグリットさんに声を掛けられた。

「3人で仲良くお出掛けかい?」

「はい、ソフィーの採取の手伝いに行くんですよ。ね、ソフィー、ルディ」

 うーむ、これは中々。

「あぁ、美味しそうだなぁ…」

「今日はこれを使ってご飯作るかな…」

 マルグリットさんの八百屋はやっぱりいい野菜を取り扱ってるな。

「ソフィー?ルディ?」

 おっといかん。

「え、えぇそうなんですよ!これから採取に行くんです」

「ま、手伝いを頼まれましてね」

「あっはっはっは!2人とも、後でうちの野菜を買っていってね」

「「はい!」」

「もう、2人して……」

 やば、モニカが本気で呆れてる。

「あぁ、そうだ。うちのバカ息子を見掛けたら、あたしが探してたって伝えてくれるかい?」

「分かりました!」

 オスカーお前、昨日に引き続きか……

 これは説教は確定かな?

 オスカーもめげないタイプではあるけど、ストレス解消に付き合わされること、結構あるんだよなぁ。

 肥料探しか、やけ食いか。

 ………菓子でも用意しといてやるかな。

「ルドルフ、ちゃんと女の子を守ってやるんだよ?」

「せいぜいプニくらいですから、大丈夫ですよ」

 最初から守るつもりではあるけど、何となく照れ臭い。

「こら、あんたも男なんだから……」

「あはは、大丈夫ですよ。マルグリットさん」

 適当に聞き流そうかと思ったが、途中でソフィーが割り込んだ。

「こう言ってますけど、何だかんだルディはいっつも守ってくれますから」

 ……笑顔で言い切るなよ。

「へぇ、そうかい。ソフィーが言うんなら、間違いないね」

「はい!ね、ルディ?」

「…………うっせ」

「あらぁ?ルディ、顔、赤くない?」

 モニカが激しくウザい。

「なってない」

 早く行くぞ、と先に歩き出して急かす。

 小走りでついてくる2人の足音を聞きながら、揃って街の外へ向かった。

 

 ……

 

 ………

 

 …………

 

 なんやかんやで、特にトラブルもなく雛鳥の林へやって来た。

「うーん!空気がおいしー!」

「そうか?」

 そんなに違うもんか?

「うん!それに、街の外に出たのも久しぶりだし」

「……慣れちまうと案外感じないもんなんだな」

「2人とも、いつ魔物が出てもおかしくないんだから気を付けなさい」

 おっといけね。

「分かってるー。って誰か、いる?」

 あん?

「ってオスカーじゃねぇか」

「あれ、3人揃ってどうしたんだ?」

「ちょっと錬金術の素材を集めにね。オスカーは?」

「ソフィー、多分それ聞くまでもない」

 植物観察以外だとはとても考えられん。

「ああ、そっか」

「勝手に決め付けるなよ。まぁ、予想通り植物の観察だけどね」

 やっぱ当たってんじゃん。

「ここの植物は中々面白い話を聞かせてくれるよ」

「オスカー。あなた、また植物と話をしていたとか言い出すんじゃないでしょうね?」

「その通りだけど、何かおかしいかい?」

「いや、普通はおかしいって」

「ルディもそう言うけど、おいらにとっては話が出来ない方が不思議だよ」

「まぁ、実際は半信半疑だけど、それはオスカーの才能だろうし別にいいよ」

「本当、ルディは一言多いなぁ……」

 だって、植物と話が出来るんだぜ?

 …………頭に昨日のプラフタの姿が浮かんだけど無視だ、無視。

 オスカーの知識量は認めてるし、助けられたこともあるけど、100%信じるのはオスカーには悪いが少し難しい。

「あ、そうだ。マルグリットさんがオスカーのこと、探してたよ」

「げっ、やばい!配達の仕事忘れてた!」

 ちょっと顔の青ざめた親友の肩を優しく叩いてやる。

「ほら、あれだオスカー。適当に菓子でも作ってやるから」

「叱られるのは確定なの!?」

 さすが親友、これだけで言いたいことがちゃんと伝わる。

「自業自得ね。諦めなさい、オスカー」

 モニカも俺の援護射撃をしてトドメを刺しに行く。

 ガサッ

 ん?今のは?

「何だ?今の音」

 音の方を見ると……

「きゃー!プニー!?」

 青色のゼリーみたいな生物、プニが現れた!

「ソフィー下がって!オスカー、戦えるわね!?」

「ち、ちょっと待ってくれよ!まだ、心の準備が……」

 んな甘いこと言ってる暇ぁねぇぞ、オスカー!

「来んぞ!」

 プニが明らかに攻撃体勢に入った!

 やらせるかよ!!

 自分の武器である小刀を逆手に持ち、先んじて斬りつける。

「続くわ!」

 モニカがレイピアで攻撃を重ねる。

「どう!!」

 オスカーがシャベルで追撃を……

 シャベル?

「オスカー、お前それが武器ってどうなんだよ?」

「仕方ないだろ。武器2つは持てないんだから」

 えぇ〜、そういう問題?

 なんて油断していたら、プニが反撃してきた。

「きゃっ」

 ちぃっ!

「ルディ!?」

 ソフィーに向かっていったプニの攻撃を庇って受ける。

「やれ!」

 俺の言葉に反応して、ソフィーが杖で一撃入れた。

 すると倒したのか、プニの身体が溶けるように消えていった。

「勝った?」

 頷いて、ソフィーの言葉に同意してやる。

「はぁ…はぁ…。死ぬかと思った。ルディ、大丈夫?」

「このくらい何ともねぇよ。プニだぞ?」

 さすがに、もうちょい手強い相手ならまだしもプニの中でも最弱の個体、青プニだったんだ。

 何も問題はない。

「ルディも大丈夫そうだし、2人も怪我はないわね?」

「ああ、なんとかね……。けど、いきなり襲ってくるなんて聞いてないよ」

 そらお前、魔物だもの。

 ……見た目あんなんでも。

「ねぇ、オスカー。あたしたちと一緒に行かない?1人だと危ないよ?」

「そうみたいだ。じゃあ、おいらも一緒に行くよ」

 軽く引き受けたなぁ。

 …………そこ、お前が言うなとか言わない。

「よし、そうと決まったらパパッと採取済ませちゃおう」

 これでようやく本題に入れるな。

「あ、オスカーも手伝ってね」

「え、いや、そこまでするとは言ってない……」

「ここで会ったこと、マルグリットさんに黙っといてあげるから。ね」

 うわぁ、黒いなぁ……

「ルディ、顔に出てるわよ」

 なんかモニカに若干責められてる気がするけど、俺は黒くはないぞ!?

 失言は多いけど!

「自覚あるなら直しなさいよ……」

 へーい……




◾️図鑑

普遍の小刀

カテゴリ 武器:10

材料 インゴット 鉱石 糸素材

コメント

ソフィー「こんな小さい剣でよく魔物に斬りかかれるよね」
ルドルフ「まぁ、敵の攻撃を間近で躱すことを前提としてるから人を選ぶかもな」
ソフィー「そもそも魔物に近付きたくないよ……」






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