「先生、入るときはノックをしてくださいといつも言っています」
「すまない、だが、見られて困る瞬間は無いだろう?」
「ええ、その様に心がけていますから」
俺の第一印象は勝ち気な優等生少女だった
おまけに美人さんである。どこから恨みを買っても可笑しくないほどの。
だから、彼女は涼しげな雰囲気を纏って居るのだろう。
「あなたたちの恨み辛みはどうでも良い」といわんばかりの。
だから、彼女は完璧で在ろうとしている。そして、彼女は「何かに怯えている」と俺は分析した。
「さあ、入りたまえ」
「失礼します」
俺は八の後に続く
「先生、新入部員ですか?そこの目の腐った男と、得体の知れない雰囲気を持つ男が?」
「ああ、そうだ。彼らの性根を治して欲しい 私からの依頼だ」
[依頼] ね…俺の何処を治せと言うのか
「お断りします 身の危険を感じます。そこの二人は見るからに怪しいです」
ひでえ言われようだな、まあ、慣れてるけど
「大丈夫だ。この二人はリスクマネジメントはしっかりしてると私は踏んでいる そうそう何かを起こす気は無いよ」
案外信頼されてんな。まあ、[臆病者] と見られてるだろうけど
「ほら、自己紹介したまえ」
「二年 桜木 悠哉《おうぎ ゆうや》です」
「同じく二年、比企谷だ」
「まあ、仲良くしてやれ」
「お断りします」
堅いな圧倒的にガードが堅い
仕方ない、読ませてもらうか
なるほど、思った通りだな。彼女は自分が作った世界を壊されたくない。だから、人を寄せ付けない。
それじゃあ寂しいだろうに。普通に生きてきたならな
「まあまあ、そんなに拒絶しないで下さい。まだ何もしていない」
「そうだ、それに案外使えるかもしれん。宿題に犯行声明を書くような奴らだからな」
犯行声明じゃなくて実際«やったこと»なんだがなぁ。信じてくれないのね
まあ、仕方なす
「それと、頭の回転は早いぞ。君の助けになる。ほら、アシスタントが欲しいって言ってたじゃないか」
「それは言葉の綾で…はぁ、分かりました。滅多にない先生からの依頼、受けましょう」
「本当かね! いやー助かるなぁ おっと、ここからは若いのだけで宜しくしてくれたまえ」
あ、帰った
絶対 [面倒だからここに放り込んどけ] 見たいな感じだろうな
「突っ立ってないで座ったらどう?」
「ああ、そうさせてもらう」
「んじゃ、お言葉に甘えさせて貰いますかね」
八は長机の端に座っていたお嬢さんの反対に座り、俺は彼らに背を向ける様に備品の方を向いて座った
「おい、お前は何をしてんの?」
「え? だってこの机、パソコン弄れんでしょ。弄るなら真ん中に居なきゃいけないし、俺は真ん中嫌なんで」
「あ、そう」
「貴方、最低限のマナーも守れないのかしら? 話す人が居るなら、その人に背を向けるのは重大なマナー違反よ」
「そうか、ならば話すときだけこっちを向こう。それで文句無いでしょうお嬢さん?」
「お嬢さんは止めてもらえるかしら。私には 雪ノ下 という名前が有るのよ」
「そうでしたか ならば 雪ノ下さん と呼ばせて頂きます」
「ええ、そうしてちょうだい」
その時、八が手をあげた
「ちょっと良いか?」
「何かしら?比企谷君?」
「ここは何部だ?」
「さあ、何でしょう?」
「は?」
「ちょっとしたクイズよ 当ててみなさい」
八は少し首を巡らせ、答えを出した
「文芸部、か?」
「その心は?」
「まず、この部屋には備品が沢山置いてある。しかし、部活をするような備品は見当たらない 故に、本と机があればなんとかなる文芸部と予想する」
残念ながら外れだよ、八
「残念、外れよ」
「ならなんだよ」
「ここは迷える人に道を教え、魚を欲する人へ釣り方を指し示す部活。ようこそ 奉仕部へ 一応歓迎するわ」
おい八、お前一瞬エロいこと考えたろ。ばれてんぜ
「奉仕部 ね。 ここは依頼を叶える部活なのか?」
「大まかに言えばそうね でも、その依頼を私たちが解決するのではなく、あくまでも道を指し示すだけ。 やるのは当事者よ」
つまり、あくまで第三者であり続ける と。 何とも無責任だな
「分かった、やることは理解したよ。んで、先生からの依頼はどうする?」
「まだわからないわ あなたたちの性格が分からない限り、解決策も浮かばないもの」
「そりゃそうだ てか、俺のどこを治せと言うのか」
「おい、八。それはお前が一番わかってんだろ?」
「あ? 何だよ」
「お前の行動全てだな」
「はっ、お前は俺の何を見ていってる?」
「勿論、お前さんの普段の言動だよ」
「ばっか あれはわざとやってんだよ 良いか?俺はスクールカースト最底辺にいる。つまり、もう落ちようがない。しかも俺らのクラスにはカースト最上位のやつがいる あいつらは下がいることに満足し、逆に俺はあんな言動でカーストの下のやつを安心させて、カーストの均衡を保ってるんだよ。」
「カースト か 考えた事もないな 流石、国語学年三位だな 難しいこと考えてる」
「俺はお前が一番理解不能だよ。せっかくカーストの上に行けるチャンスなのに俺の名前でお前の価値を下げてる。勿体ないね」
「そうか? 俺はそんな小さい世界に興味ないからなぁ」
「まぁ、お前はそうか」
理解してくれてるようで結構です
「あなたたちの性格は大体分かったわ」
マジですか
「まあ、解決策は追々考えましょう。 では、今日はこの辺にしましょうか 私は職員室に鍵を返さないといけないから、先に出てくれるかしら?」
俺達は素直に荷物を取りに教室を出て雪ノ下さんに挨拶し、自分たちの教室に戻り、家に帰った。
如何だったでしょうか? こんな風に悠哉と八幡の気持ち、心の声を交互にしていくつもりなので、お楽しみに 原作と話の進み方が違ってすいません。