ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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炎が、お前を呼んでるぜ!Byみほ        なら燃え尽きろ……潔くなByエリカ      KOF屈指の試合前デモですね♪By小梅


Panzer127『軍神の戦車道はエンターテイメントです』

――数カ月前

 

 

Side:杏

 

 

大洗女子学園が廃校になるって、其れはマジなのかなお役人さん?

 

 

 

「えぇ本気です。

 学園艦はそもそもにして莫大な経費が掛かるので、特に実績のない学園艦を存続させる理由は有りません――まぁ、廃艦にした事で生じると思われる事には全力で対処させていただきますが。」

 

「実績が無いからと来たか。アンコウの養殖とか実現してんだけど?」

 

「学園艦の中だけで、一般には流通していませんし、特許も取っていないでしょう?」

 

「其れを言われちゃ参っちゃうんだけどねぇ……

 だけどさ、その言い方だと、何か皆が認める実績を――其れこそスポーツの高校大会で全国制覇でもすれば廃校を免れる事が出来るって事だよね?

 流石に全国制覇をした学園を廃校にはしないよね?」

 

「其れは……まぁ、文科省の最高責任者との話し合いにになりますが、全国制覇の実績があれば或いは……」

 

 

 

言ったね?

だったらアタシ等は戦車道での頂点を目指す事にするよ!――黒森峰一強状態の今の高校戦車道界隈で、無名の大洗がジャイアントキリング連発して優勝でもしたら、爽快感がハンパないからなね!!

 

 

 

「そう来ましたか……ヤレヤレ、貴女方の様な人は初めてだ。

 此れまでは廃校を言い渡したら泣き崩れるか、呪詛に近い恨み言を言ってくるかの何方かでしたが、真っ向から廃校撤回の条件を示して来たのは君達が初めてです……良いでしょう、その条件を飲みましょう。

 戦車道の世界大会誘致を目指している国としても、戦車道が盛り上がる事は大事ですからね。

 無名校がジャイアントキリングを連発して優勝したと言う事になれば、戦車道は一気に人気が高まり、世界大会の誘致も容易になるでしょう。

 利害の一致ですが、その提案を受け入れましょう――貴女達が優勝できたのならば、廃校は全面的に撤回します。」

 

「口約束じゃ不安だから、今のはバッチリボイスレコーダーに録音させて貰ったからね。」

 

普通に考えたら、素人集団の大洗が勝つのは難しいかもだけど、来年度からの編入生には、絶対王者である黒森峰で活躍した三人がいる。

未だツキは落ちてない……徹底的に足掻かせて貰うかんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer127

『軍神の戦車道はエンターテイメントです』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:みほ

 

 

そんな事が……戦車道の大会で優勝すれば廃校を免れる事が出来ると言う事ですか――其れなら、確かに優勝以外は有り得ませんけど、何で最初に言ってくれなかったんですか?

 

 

 

「西住ちゃん達に、余計なプレッシャーやら何やらを掛けたくなかったんだ。

 この事を最初に告げてたら、若しも負けて廃校になっちゃった場合、西住ちゃん達が『自分のせいだ』って、己を責めちゃうんじゃないかって思ってさ……西住ちゃん達に、重責を背負わせたくなかったんだ。

 アタシが不真面目だったのも同じだよ――アタシが不真面目にやってれば、負けた時の批判はアタシに集中すっからね。」

 

「会長さん、其処まで考えてたんですか……」

 

でも、そう言う事情があるなら最初に言って欲しかったです。

確かに廃校が懸かった大会ってなれば凄いプレッシャーなのは否定しませんけど、其れは絶対に負けられない大会って事ですから、優勝する為の戦術を幾らでも考えますよ?

 

 

 

「西住ちゃん……そうかもね。

 結局秘密にしてたせいで、西住ちゃん達の本領を発揮出来なくして、そしてこの大ピンチだ……マッタク持って、自分の愚かさが嫌になるよ。」

 

「はい、ストップ!

 勝手に自己嫌悪に陥るのは自由だけど、まだ負けたと決まった訳じゃないわ――確かに状況は最悪だけど、降伏まで3時間の猶予があるんだから、まだまだやりようはある筈よ!!」

 

「その通りだよエリカさん。」

 

状況は確かに最悪だけど、だけど負けた訳じゃないから此処から逆転するのは出来ない事じゃない。

って言うか、ぶっちゃけるとこの窮地もまた私の作戦の内――この状況は、私が演出した結果であり、全て計算の内だと言ったら如何ですか?

この状況を含め、全てが織り込み済みの事だったとしら?

 

 

 

「……はい?如何言う事だい西住ちゃん?」

 

「だから、こうなるのも作戦の内だったんですよ。

 準決勝の前に、私とエリカさんと小梅さんと梓ちゃんを呼んでアンコウ鍋をご馳走してくれましたよね?――労いって事でしたけど、準決勝前に其れを行うって言うのはとっても不自然なんです。優勝した後なら兎も角として。

 だから、何か重大な話があったけど、何らかの事情があって話せなかったんじゃないかと思って、準決勝で一芝居打って、話そうとしていた事を話さざるを得ない状況に持って行こうと思ったんですよ。」

 

「そう言う事。

 此れはみほとアタシと小梅と澤で考えた事なんだけどね?」

 

「な、何だと~~!?

 態と窮地に陥ったって言うのか西住~~!!負けたら終わりなんだぞ!それなのに、こんなピンチな状況を態と招いて!!大洗が廃校になったらお前達のせいだぞ!!」

 

「アンタは相変わらず単細胞ね河嶋先輩……貴女みほの言う事聞いてなかったの?

 このピンチですらみほの作戦の内――つまり、みほはプラウダの陣形や作戦を読み切った上で、敢えて其れに乗る形でピンチを演出したの。

 分かる?全てはみほの掌の上での出来事に過ぎないのよ?――なら、此処から逆転勝利が出来ない筈ないでしょう?」

 

 

 

あはは……其れはちょっと言い過ぎかもだけど、この状況は織り込み済みだし、カチューシャさんだったら降伏勧告を行ってから回答まで猶予を与えるのも予想してたよ。

……流石に3時間もの猶予が与えられるとは思わなかったけどね。

 

其れよりも、話してくれてありがとうございました会長さん。

此れで、私とエリカさんと小梅さんと梓ちゃんだけでなく、『大洗女子学園』に優勝を目指す理由が出来ました――私も優勝を目指していましたけど、其れはあくまで個人的な物に過ぎません。

でも、優勝しなければ廃校って言う事が分かれば、チーム一丸となって優勝を目指す事が出来ます。

 

勿論此れまでだって優勝を目指してたのは変わりませんが、廃校の危機ともなれば情熱と本気度がマッタク持って段違いになります――そう言う意味では、大洗女子学園は、此処に来て漸く本当のチームになれたのかもしれません。

 

 

 

「西住ちゃん……ハハ、流石は隻腕の軍神だ……こりゃ、敵わねーわ。」

 

「お褒めに預かり光栄です会長さん。

 兎に角、3時間もあるんですから、この危機的状況を巻き返す為に作戦を立てましょう――此処までは作戦通りですが、此処から先は正直出たとこ勝負だったので。」

 

まぁ、プラウダがこの廃墟を包囲してるのは間違いないと思うんだけど、如何言う陣形で包囲してるかは知りたい所だね?――斥候をお願いしても良いかな優花里さん?

 

 

 

「お任せ下さい西住殿!

 不肖、秋山優花里、その任務を必ずや達成してみせるであります!!」

 

「ならば、私もグデーリアンに同行しても構わないだろうか?

 フットワークの軽さから言うなら、隠密行動は一人の方が良いのかもしれないが、より情報を多く得るには二人の方が良いだろう?」

 

 

 

エルヴィンさん!……うん、其れは確かに一理あるかも。

特に、此れだけの雪の中だと隠密行動中に不測の事態が起きる可能性があるから、そうなった時の為にもツーマンセルで行った方が遭難する可能性も下がるからね。

 

 

 

「みぽりん、遭難って……」

 

「この雪だと、否定出来ないと思わない沙織さん?」

 

「其れはまぁ、否定できないけど。」

 

 

 

でしょう?

でも、優花里さんとエルヴィンさんだけに偵察をお願いするって言うのも大変だよね?……もう一組、ツーマンセルで偵察に出したい所だね?

 

 

 

「なら、私に任せてくれ西住さん。

 相方にはそど子を連れて行く。」

 

「ちょ、冷泉さん!?」

 

「私もそど子も、視力は両目とも2.0以上だから多少視界が悪くても相手の陣形とどの戦車が何処にいるか位は分かる……だから、偵察の半分は、私とそど子に任せて貰いたい。」

 

 

 

麻子さん……分かった、お願いするよ。

 

さてと、最悪のピンチを演出する事には成功したから、此処からやるべきは如何に鮮やかに逆転勝利を収めるかだね――回答猶予である3時間後、其れが本当の準決勝の始まりの時だよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:まほ

 

 

大洗の部隊は廃墟に逃げ込んだが、周囲はプラウダの部隊に囲まれている……素人目に見ても、大洗が絶体絶命のピンチであり、プラウダの力を考えれば、盤面はチェックメイトと言う所だろうが、みほが相手であるのならばその限りではないな。

此れはあくまでも予想だが、みほは態とこの状況を作ったのではないだろうか?――無名の大洗が、強豪プラウダを相手に、ピンチからの逆転勝利と言うのは相当なインパクトを残すだろうからね。

 

 

 

「此の試合、最早見る価値も無いわ。

 3時間の猶予があるとは言え、質でも数でも劣る大洗がプラウダに勝つ可能性は精々1%よ……分かり切った結果など見る必要はない。」

 

「お祖母様、試合はまだ終わっていませんよ。」

 

「なに?」

 

 

 

みほは、みほ達はまだ諦めていません。

いえ、諦めるどころか、3時間もの猶予があるのならば、みほはこの窮地を脱して、勝利を収める作戦を考え付く事でしょう――みほは戦車道に関しては私以上の天才なのですから。

 

 

 

「大洗はこの状況を覆すと、そう言いたのかまほよ?」

 

「如何にも。

 そして必ずや、我等黒森峰の前に11連覇を阻止する相手として立ち塞がるでしょう。」

 

「……其れはお前もか、しほ。」

 

「その通りですお母様。

 ですが、最後まで試合を見届けず、勝手に結果を決めつけて去ろうとするとは、西住流家元も耄碌してしまったようですね?――まぁ、西住流と黒森峰にとって次代を担う存在であったみほと、逸見エリカさんと、赤星小梅さんを『追放』し、そのせいで澤梓さんとツェスカさんのダブルルーキーを黒森峰の手中に収める事が出来なかったのですから、耄碌したと言われても仕方ありませんが。」

 

 

 

お母様、容赦有りませんね?……まぁ、その意見には全面的に、諸手を挙げて賛成しますけれど。

 

「――兎に角、まだ試合は終わって無いのですから、此処で席を立つのはマナー違反ですお祖母様。

 一度観客席に腰を下ろしたら、試合が終わるその時まで見届けるのが観客のマナーですから。

 何よりも、大洗が敗北したらみほに直接勘当を言い渡すのでしょう?で、あるのならば尚の事この場から去るべきではないと愚考する次第ですが、如何でしょうか?」

 

「ふむ、其れもそうじゃな。

 じゃが、ワシがみほに勘当を言い渡すのは略決まったようなもんじゃ。――仮に、この状況を逆転したとしても、決勝戦ではお前が相手になるのだからどのみち勘当は避けられぬ。

 特にまほ、今年のお前は何時になくワシの言う西住流を徹底しておるようじゃからの……圧倒的に蹂躙してやると良いわ。」

 

「……善処します。」

 

ヤレヤレ、お祖母様は今年の黒森峰が戦車道関連の雑誌で叩かれているのを知らないと見える――恐らく、新聞でも記事は碌に読まず、試合結果だけを見ていたのだろうね。

みほが大洗で戦車道を続けていると言うのを知ったのも、偶々新聞にみほの顔写真が『大洗女子学園の隊長』として載ったからに過ぎなさそうだ……ダメだこの家元、さっさと何とかしないと。

いや、其れももうすぐ何とかなるか。……大洗が決勝まで駒を進めれば、全てが整うからね。

 

時にお母様、何を飲んでおられるのでしょうか?

 

 

 

「あぁこれ?ホカホカ温かい甘酒よ。寒冷地での試合観戦になるからって、菊代が気を利かせて持って来てくれたのよ。」

 

「まほお嬢様も如何です?

 其れとも、コーヒーか紅茶の方がよろしいでしょうか?あ、緑茶とほうじ茶、ウーロン茶にお汁粉も用意してありますよ――まぁ、お汁粉は缶の物と同じように餡子だけですが。」

 

「では、お汁粉を頂けますか?

 最も身体を温める効果がある温かい飲み物は、お汁粉だとN○Kのあ○イ○でやっていましたので。」

 

「畏まりました。」

 

 

 

何と言うか、菊代さんの準備の良さには脱帽してしまうよ。

私もダウンを来て、カイロを持ってきてはいるが、温かい飲み物までは考えなかったからな――まぁ、3時間超の長丁場になると言う事を予想していなかったと言う事も有るけれどね。

 

私達以外の観客の皆さんはさぞかし寒い思いをしているだろうと思ったが……

 

 

 

「アンツィオ特製の熱々ミネストローネは如何っすか~?

 唐辛子とニンニクを使ったホットな味で身体の芯からポッカポカ間違いなし!1つ400円だよ~~♪」

 

 

 

アンツィオの生徒である辛唐青子――今はペパロニだったか?彼女がアンツィオホットメニューを売り歩いてるみたいだから大丈夫そうだ。

資金集めの為とは言えご苦労様だが、其れが観客にとっても喜ばれる事なのだから、アンツィオの資金集めは地味ではあるが尤も平和的かつ合理的なのかも知れないな。

 

さてと、其れよりも試合は此処から如何動くかだ。

去年の決勝戦で、カチューシャもノンナもみほ達の強さを知っているから、3時間の猶予を与えはしたものの1mmの油断もないだろう。……否、それどころか、降伏勧告を蹴って反撃して来る事まで予想している筈だ。

 

となると、大洗が突破しやすい場所を態と一カ所だけ作っておくと言うトラップを仕掛けている可能性も充分にある――もしも私が同じ状況に陥ったとしたら、完全にチェックメイトだろうな。

 

だがみほなら……そして、みほと切磋琢磨して強くなったエリカと小梅、みほから直々に戦車道を叩き込まれた澤が居る大洗ならばこの状況を切り抜ける事だろう。

如何に経験者の指導があったとは言え、其れだけで準決勝に駒を進める事が出来る程、戦車道は甘いものではない――にも拘らず、ここまで駒を進めて来たと言う事は、大洗は戦車道に関して稀有な才能の持ち主を多数有していたと言う事だろう。

そうでなくては、只の素人が此処まで成長するとも思えないしな。

 

全てが決まるのは今から3時間後……この窮地をどう切り抜けるのか、見せて貰うぞみほ。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:みほ

 

 

3時間も猶予があるから、優花里さん達に偵察に出て貰って、残ったメンバーは此れまでの戦闘で被弾した部分とか、切れかけた履帯の修理って所だね。

もしもの事を考えて用意して貰った焚き火用の薪と、温かいレーションのおかげで暖を取る事は出来てるけど……流石に士気が下がって来てるのは仕方ないか……まぁ、其れも何とかしないとだけどね。

 

 

 

「武運拙く討ち死にすれば。」

 

「義理に絡めた恤兵真綿。」

 

「「そろーりそろりと首絞めかかる、どうせ生かして還さぬ心算!――ただいま偵察から戻りました~~!!」」

 

「こっちも戻ったぞ~~……」

 

「ちょっと、もうちょっとシャキッとしなさいよ冷泉さん!!」

 

「無理だそど子……」

 

 

 

っと、偵察部隊が戻って来たみたいだね?

お疲れ様、優花里さん、エルヴィンさん、麻子さん、そど子さん。――プラウダの布陣はどんな感じでだったかな?

 

 

 

「この建物を取り囲むようにT-34が包囲しているであります。

 ただ、一カ所だけ――この建物の北西側だけ手薄な部分ありましたので、突破するのであれば其処からが最適だと思ったのですが……」

 

「秋山さんとスマホで連絡を取り合ってた事が功を奏した。

 その『抜け穴』の先にはKV-2とIS-2が待ち構えている……プラウダが態々用意してくれた『非常口』を利用したら、即ゲームオーバーだ。」

 

「流石はカチューシャさん、此方が降伏勧告を蹴った場合も想定してましたか……」

 

でも、其れが分かれば充分かな。

相手の布陣が分かれば作戦は如何様にも立てられるし、カチューシャさんの裏をかく事だって出来るから、優花里さん達の功績は可成り大きいと思う。

まぁ、優花里さんとエルヴィンさんが『雪の進軍』を原詩で歌って帰って来るとは思わなかったけど。

 

 

 

「雪の進軍は原詩の方が絶対良いでありますよ!

 『生きては帰らぬ心算』よりも、『生かして還さぬ心算』の方が重みがあります、重みが!!」

 

「うん、其れは否定しない。」

 

軍歌って、色々と歌詞が変えられてるモノが多いからね。

でも、個人的には雪の進軍も良いけど、『水師営の会見』が好きかな?戦車道をやってる身としては、陸軍大将乃木希典閣下を謳ったアレは絶対に外す事は出来ないもん!

 

その乃木閣下を素人目線で扱き下ろして『乃木愚将論』を世に広めた司馬遼太郎はA級戦犯間違いなしだよ。

 

 

 

「西住殿、髪が金髪になりかけているであります。」

 

「おっと、平常心平常心っと。」

 

偵察で得られた状況を考えると、此れは完全に絶体絶命って感じだね?

プラウダの包囲は隙が無く、唯一手薄な場所を突破すれば、その先にはソ連製最強の重戦車であるKV-2とIS-2が待ち構えてる訳だからね。

流石のティーガーⅡもKV-2の砲撃に耐える事は出来ないし、ノンナさんがIS-2の砲手として乗り込んでいたとしたら最悪極まりない――ノンナさんの砲手としての腕前は、ナオミさんに勝るとも劣らないからね。

 

 

 

「じ、状況は最悪だ~~!もう我々はお終いだ~~!!

 此のまま、敗北を受け入れるしかないのか……この状況からの逆転など、奇跡でしかない――此れが、大洗の末路か……最早、廃校までノンストップか……」

 

 

 

って、勝手に諦めないで下さい河嶋先輩!

諦めてしまっては全てが終わりです!!――諦めないで、最後まで足掻けば道は開けるんです!!だから、絶望的状況であっても絶対に諦めたらダメなんです!!

 

 

 

「こんな絶望的状況で、しかもプラウダに絶対有利な状況で諦めるなだと?

 誰が如何考えたって、我々には敗北しか残されてないじゃないか!!……最早、廃校を免れる事は出来ん……大洗女子学園は、此処で終焉を迎える事になるのだ……」

 

「確かに、幾ら西住隊長達が凄くても、この状況はヤバいよね……」

 

「もう、降伏するしかないのかな……」

 

 

 

さ、最悪だよ此れ。

河嶋先輩の諦め発言から、一気に諦めムードが広がって士気はダダ下がり……此れじゃあ、勝てるモノも勝てなくなっちゃう!――ホントに河嶋先輩は余計な事をしてくれたよ!!

 

如何にかして、下がった士気を盛り返さないとだけど、如何やって……此処は、イチかバチか、此れにかけてみるしかないかな。

 

「アアアン アン アアアン アン

 アアアン アアアン アン アン アン

 あの子 会いたや あの海越えて

 あたまの灯は 愛の証

 燃やして 焦がして ゆーらゆら

 燃やして 焦がして ゆーらゆら

 こっち来て アンアン

 逃げないで アンアン

 波に揺られて アンアンアン。」

 

「みほ!?」

 

「西住隊長!?」

 

 

 

皆、歌って!

私が踊るから、歌って!――雰囲気が暗くなっちゃった今こそ、明るくしなくちゃダメだから!その為なら、私は何だってするから!だから、私は踊るから皆は歌って!

 

 

 

「みぽりん……そう言う事なら私だって踊っちゃうよ!

 動画サイトにアップされたら人生オワタのあんこう踊りだけど、みぽりんがやるなら私もやるから、皆は盛大に歌ってよ!」

 

「沙織、アンタ美味しいとこ持って行くわね~?

 貴女達がやるなら私だってやるわ……恥ずかしいのは否定しないけど、隊長がやるってのに隊員がやらないってのは如何かと思うしね。」

 

「御一緒します、西住隊長。」

 

「私も一緒に踊りますよみほさん。」

 

 

 

沙織さん、エリカさん、梓ちゃん、小梅さん……うん、一緒に踊ろう!!

 

 

 

「我々も一緒に踊るぞ!いや、踊るだけでなく歌え!!」

 

「根性で歌え!そして踊れ~~!!

 西住隊長の心意気を無駄にするなーー!此処は一致団結して踊って歌うのが正解だ!!――力の限り踊れーー!!」

 

「「「はい、キャプテン!!」」」

 

 

 

そして、其れはチーム全体に伝わって、何時の間にやらあんこう踊りの大合唱と全員での踊りに発展して来た――だけど、そのお陰で下がっていた士気も元に戻って来たみたいだね。

 

 

 

「「「「「「「「あした 会いましょ あの浜近く

         あなたの灯は 恋の光

         誘って 焦らして ぴっかぴか

         誘って 焦らして ぴっかぴか

         愛して アンアン

         泣かさないで アンアン

         いやいいわよ アンアンアン――アハハハハハハハハ!!」」」」」」」」

 

 

 

一通り踊り終えた皆の顔に浮かんでるのは笑顔――下がりまくった士気は、今や完全に試合が始まった頃に戻った……否、それ以上になったのかも知れないね。

 

猶予の3時間まではもうそろそろだけど、私は絶対に降伏なんてしない――この状況を逆転して、大洗を決勝戦にまで連れて行くからね。

 

多分、観客の大多数は大洗は此処で終わりだと思ってるだろうけど、残念だけど其の予想は大外れだよ……私達は、此処から逆転して勝つんだからね。

 

 

 

「そう来なくっちゃね――さぁ、命令して頂戴みほ。

 貴女の命令、必ずや遂行して見せるわ。」

 

「エリカさん……うん、信じてる。」

 

大洗女子学園は、プラウダの降伏勧告を蹴って、あくまでも徹底抗戦する事を選択するよ――降伏してしまったら其れまでだけど、抗えば光明が見えてくる事も有るからね。

 

其れに優花里さん達の偵察のおかげで、プラウダの陣形は略理解できたから、作戦を立てるのだってそれほど苦労はないよ――寧ろ、素性の分からない相手の方が厄介だからね。

 

確かに盤面だけを見るなら、チェックメイトって所だろうけど、王手の抜け道は必ずあるから、其処を突かせて貰うよカチューシャさん。

 

 

 

――轟!!!

 

 

 

「此れは、軍神招来!」

 

「いえ、只の軍神招来じゃないわ……金色のオーラに金色に輝く髪、翡翠の瞳――みほは軍神をも越えた『スーパー軍神』に覚醒したのよ!」

 

「エリカさん、私は何処の戦闘民族なのかな?」

 

「そう錯覚する位に凄いのよ今の貴女は……此れは、此処からの逆転劇は略確定したと言っても過言じゃないわねみほ?」

 

「勿論、逆転する心算だからねエリカさん。」

 

 

 

だから、カチューシャさんに伝えて下さい、プラウダの伝令さん。

大洗は絶対に降伏はしない――最後の最後まで戦い抜くと。……そして、フラッグ車を仕留めて勝利するってね。

 

 

 

「了解したべ……けんども、絶体絶命でねかこれは?

 こんな状態でも戦う事を選択したアンタ達には、ちょぴり感心しちまうべよ。」

 

「ふふ、生憎と私達は諦めが悪い上に、往生際も悪いモノですから。」

 

だから、徹底的に足掻かせて貰うよ!!

そして、此処からが準決勝の本当の戦いになる――だけど、此処からが私達の本領でもあるから、油断はしない事ですよカチューシャさん?

見せてあげます、『西住みほ』の戦車道をね――!!

 

此処からが本番――カチューシャさん……戦車砲が、お前を呼んでるぜ!!此処からは、本気の全力全壊で行かせて貰いますよ!!

隻腕の軍神……その二つ名は伊達じゃないって、其の身に刻み込んでもらいます!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

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