ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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此処からが本番……任せて良いかな?Byみほ        はい、お任せください!By梓


Panzer135『白熱しまくってる決勝戦です!』

Side:みほ

 

 

マウスを撃破する為に、ルノーR35改とⅢ突とヘッツァーを失う事になった訳だけど、Ⅲ号とⅣ号、其れにティーガーⅡとポルシェティーガーが生き残ってくれたって言うのは大きいね。

クルセイダーも生き残っているから、此れなら此処からの市街地戦は、大洗が主導権を握る事が出来ると思う。

 

お姉ちゃんだって、私が市街地戦を最も得意としてる事は知ってるから、慎重になって来ると思うんだけど、その慎重さに付け入る隙が出てくるかも知れないしね。

何にしても、この市街地戦で徹底的に黒森峰をやっつけるよ!

 

 

 

「言われるまでもないわ……黒森峰を決勝の舞台で叩きのめして、分からせてやろうじゃない――あの脳ミソの固いクソババアに、『アンタの西住流じゃ天下は取れなかった。』って言う事を!

 

「あ、其れ良いですねエリカさん♪」

 

「西住隊長だけでなく、逸見先輩と赤星先輩まで追放した時点で、黒森峰の栄光は終わったって、そう感じました。」

 

 

 

梓ちゃん……確かにそう言えるかもしれないけど、其れもまた、私達が決勝で負けたら其処で終わりだから、持てる力の全てを持ってして絶対王者を、ううん、お祖母ちゃんの『西住流』を倒す!!!

 

 

 

「燃えてるわねみほ……では、一言どうぞ。」

 

「王者だから勝つんじゃない、勝った者が王者なんだよ!!」

 

「其れはまた至言ですねぇ♪」

 

 

 

ある意味此れって、物凄く真理を言い当てた言葉だと思うんだよ。

王者になった者が常に勝つとは限らないし、あらゆる競技に於いて言える事だけど、『絶対王者』の存在程面白くない物ってない――だから、その絶対王者を引きずり下ろす存在は絶対に必要になる。

そしてその役目を任されたのは大洗だから、キッチリ役目を果たして見せるよ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer135

『白熱しまくってる決勝戦です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

No Side

 

 

大洗は3輌もの犠牲を出しながらも、超重戦車だけでなく『自走要塞』とも呼ばれるマウスを撃破する事に成功!

圧倒的に火力と防御力に劣る戦車の集団でマウスを撃破したのは、快挙以外の何物でもない――例えそれが、砲撃による撃破ではなく、戦車で押し潰しての撃破だったとしてもだ。

 

この大洗の快挙に、試合が決した訳でもないのに観客席からは大歓声が上がり、一気に会場が湧きたつ!!

 

 

「Wunderbar!(最高だぜ!)

 みぽりんと梓ちゃんの師弟パンツァーダブルインパクトでマウスを撃破するとは、中々『魅せる』試合をしてくれるじゃねぇか!此れだから、戦車道の試合は、一度知っちまったら止められねぇんだよな!

 オイ、黒森峰!勝利至上主義のテメェ等に、こんだけ観客を沸かせる試合が出来んのか!答えてみろや、ガッデム!!

 行けよ大洗!そろそろ決めてやろうぜ、戦車の頂点!!」

 

 

大洗応援団『nOs』総帥の黒のカリスマは何時も通りだが……

 

 

「ハッハッハー!やるじゃねぇかみほちゃん!

 良いぜぇ、それでこそ20年前にしほやちよきち相手に大立ち回りを繰り広げた大洗の戦車道を継ぐに相応しいってもんだぜ!!

 相手が絶対王者だろうが何だろうが関係ねぇ……最後までテメェの戦車道貫いて、頭の堅ぇ西住の化石ババアに思い知らせてやんな!!

 オラァ!テメェ等もっと声出せ声!!気合が足りねぇぞ、気合が!!正洋、テメェも総帥としてもっと気合い入れろや!!」

 

「おうよ、此処からが本番だぜ好子さん!!

 有象無象、蹴散らすぜ!大洗だけ見てりゃいいんだオラァ!!」

 

 

何時の間にか其処に優花里の母である秋山好子が加わり、タダでさえ目立つ集団の注目度を更に上げていた――まぁ、ピンクのエプロンを身に付けた妙齢の女性が、一昔前のスケ番の様な言葉遣いで応援し、あまつさえ多数の現役レスラーで構成されている応援団に檄を飛ばしているのだから当然だが。

 

会場は最早黒森峰にとっては完全にアウェーの空気になったと言っても過言ではないだろう。

 

 

「(さてと、先程の川での攻防でお母様の心には楔が打ち込まれた――後は貴女が率いる大洗が、お母様の『西住流』を体現している黒森峰を倒せば全てに決着が付くわ。

  みほ、貴女の才能は西住流の枠の中には収まらない――その卓越した才能から生まれた貴女の戦車道で、お母様の西住流にトドメを刺して上げなさい!!)

 頑張れ、みほ。」

 

 

そんな観客席でしほが呟いた一言には、途轍もない思いが込められた事に気付いた者は居なかっただろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

一方の市街地。

大洗の部隊は散開し、黒森峰の部隊が市街地に入って来るのを今かと待っていたのだが、残存車輌が大洗6、黒森峰14と言う事を考えた場合、部隊を散開させるのは悪手に思える。

各個撃破が出来れば問題ないが、散開した所を複数の戦車に狙われてしまっては一気に部隊が壊滅しかねないからだ――まぁ、1:2.3333333333333333333333333333333……(無限小数)程度の戦力差はみほの前ではあってないような物なのだが。

 

無論、誰よりもそれを知っている、まほは過剰警戒と言っても良い位に、警戒度をマックスにして市街地に足を踏み入れていた……まほは、みほの市街地戦での強さは知っているが、其れはあくまでも模擬戦で体験したに過ぎない事であり、こうしてガチンコ試合でみほと市街地戦をやり合うのは初めてなのだ。

ならば慎重になっても仕方ないのだが――

 

 

 

――ドゴォォォォン!!!

 

――バガァァァン!!

 

 

――キュポン×2

 

 

 

『黒森峰ヤークトパンター、ティーガーⅡ行動不能。』

 

 

其処に砲撃が撃ち込まれティーガーⅡと、直下が車長を務める、黒森峰の最後の機動力であったヤークトパンターが白旗判定に!!

『一体何処から?』――まほがそう思って周囲を見渡すと、其れは直ぐに見つかった。

 

 

「ポルシェティーガーは兎も角として、Ⅲ号だと!?」

 

 

まほが見つけたのは、民家の屋根に陣取ったⅢ号とポルシェティーガーだ。――みほ率いる大洗の部隊ならば、戦車を民家の屋根に登らせる位は難しくないだろう。戦車の重量に耐えられる部材で屋根へのスロープを作ってやれば出来なくは無いのだから。

だからと言って、其れを実戦で使う者が居るかと問われれば即答できない訳なのだが――だが、問題は其処ではない。

Ⅲ号とポルシェティーガーのポジショニングを考えるなら、ヤークトパンターを撃破したのがポルシェティーガーで、ティーガーⅡを撃破したのがⅢ号と言う事になるだろう――ポルシェティーガーもⅢ号も、完全に黒森峰の横っ腹に噛みつく形になったのだから、奇襲した両サイドの戦車を撃破したのは其処で待ち構えていた戦車以外には有り得ない。

だが、それ以上にⅢ号の火力でティーガーⅡを撃破したのが有り得ない事だ――ティーガーⅡは機動力こそ皆無だが、攻防力に於いては実戦投入されたドイツ戦車の中で最強と言われいるのだ。

そのティーガーⅡがⅢ号に撃破されたと言うのは到底信じられるものではないだろうが、現実にティーガーⅡはⅢ号に撃破されているのだから認めるしかないだろう。

 

 

「く……エンジン部分の装甲を狙われたか!!

 最も装甲が薄いあの場所なら、Ⅲ号の、それもL型仕様の主砲ならティーガーⅡのエンジン部の装甲を破壊――にまでは至らなくとも装甲を損傷させてエンジンを動作不良に陥らせる事は出来る……考えたなみほ――!!

 或いはこれもまた挑発なのかも知れんが……良いだろう、お前の策に乗ってやる!

 部隊散開!!大洗の部隊を各個撃破せよ!!」

 

 

そう、梓の駈るⅢ号はL型仕様に改造された事で強化された主砲で、ティーガーⅡの最大の弱点であるエンジン部の上面装甲を撃ち抜いてみせたのだ……寸分の狂いもなくその部分だけを正確に。

此れは偏に砲手であるあゆみの功績と言えるであろう。最初の頃は動かない的に当てるのも一苦労だった彼女が、今やこれ程の超精密砲撃を行えるようになっていると言うのは称賛に値する。

 

だがそれ以上に恐ろしいのはこの攻撃を遂行した梓だろう。

梓はみほから『黒森峰の横っ腹に風穴を開けて』とは言われたが、具体的な方法は指示されておらず、精々ポルシェティーガーと一緒に行けとの指示があった程度である。

つまり、Ⅲ号でティーガーⅡを攻撃する事を決めたのは梓なのだ――無論レオポンのナカジマは、ティーガーⅡは自分達に任せて欲しいと言ったのだが、梓が『Ⅲ号でティーガーⅡを撃破したら相手も観客もビビりますよね?』と言った事でⅢ号でティーガーⅡを攻撃する事が決定。

他校だったら、絶対に反対されて承認されない事であっても、戦車道のセオリーが通じない大洗ではこんな無茶も『相手も観客もビビる……それ良いじゃん!』ってなノリでOKされてしまうだ。

そして其れで実際にティーガーⅡを撃破してしまうのだから恐ろしい――尤も、其れだけ梓が副隊長として信頼されていて、更にその梓はあゆみの砲手の腕を信じていたからこそ出来た事なのだが。

 

取り敢えず試合開始直後の電撃戦の礼と言わんばかりの、市街地での奇襲が成功した訳だが、其れで終わらないのが大洗だ。

既にポルシェティーガーは、キューポラから顔を出したナカジマがアッカンベーをしながらポルシェティーガーにあるまじき速度で黒森峰の部隊から離れているが、梓は未だその場に。

其のままでは只の的だが……

 

 

「黒森峰……掛かって来な!」

 

 

左手で手招きするとそのまま手首を返してサムズダウン!と同時に急発進し、屋根に上る為に作ったスロープの傾斜を利用して急加速を付けて一気に黒森峰の部隊から離脱!

普通ならあまりにも稚拙な挑発だが、最初の電撃戦以外、全て大洗に良いようにされ、更に今もまた奇襲で2輌を失うと言う失態を演じてしまった黒森峰の生徒の中には、今の挑発で爆発した者も決して少数ではなく、まほが散開を指示した事も相まって、ティーガーⅠ、エレファント、ヤークトティーガーの計3輌が離脱したⅢ号を追いかけて行く。

 

 

「奇襲とはやってくれるわね……だけど、部隊を散開させるって本気なのまほ?」

 

「あぁ、本気だ。分かっているさ、みほの土俵である市街地戦で部隊を散開させる危険性が如何程かと言うのはな。

 だが、此れまで圧倒的な勝利しか経験した事のない隊員達の間には、圧勝できない事への苛立ちが募っているからな……そんな状態の部隊が固まって動いて居たら、其れこそみほの思う壺だ。

 だったら、此処は激高した他員は敢えて好きに動かせてやった方が被害は少ない……何よりも、フラッグ車を討った方が勝ちなのだ、ならば冷静な思考が残ってる者だけでフラッグ車だけを狙った方が勝率は上がる。」

 

「まほ……貴女、自分の目的よりもみほに勝ちたいって思ってない?」

 

「目的を達成する事と、勝ちたいと言う事の何方が上とは言えん。

 目的を果たすには大洗の勝利は絶対だが、だからと言って手加減したのでは意味がない――だったら本気で、勝つ気で行かねばならないと思っているだけだ。」

 

「貴女……やっぱり色んな意味で凄いわ。」

 

 

そんな状況を見てもまほは焦らず、自分達はフラッグ車にだけ集中する旨を副隊長の凛に伝え、敢えてポルシェティーガーもⅢ号も追わずにみほの乗るフラッグ車を探して、市街地を進んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:梓

 

 

安い挑発だったけど、ティーガーⅠとエレファント、ヤークトティーガーを誘えたって言うのは大きいかな?

3輌ともⅢ号よりずっと強力な戦車だけど、入り組んでる市街地では機動力のあるⅢ号の方が戦車の性能を十全に発揮出来るから決して勝てない相手じゃない。

取り敢えず、最初にティーガーⅠに退場して貰おうかな?

 

「あゆみ……リバースカードオープン。」

 

「はいよー!トラップ発動『落とし穴』!!」

 

 

 

――ドッガァァァァァァァァン!!!

 

 

 

「んな、地面をブッ飛ばすだってぇ!?」

 

 

 

――ドスン!!

 

――キュポン!

 

 

 

『黒森峰、ティーガーⅠ行動不能。』

 

 

 

大型スクランブル交差点を過ぎた所で、地面を吹き飛ばしてクレーターを作って、其処にティーガーⅠを落としてターンエンド!

Ⅲ号の主砲なら、本来ならティーガーⅠを落とすだけの大穴は作れないけど、この交差点は地盤が弱い場所をアスファルトで固めた場所だから、アスファルトを砕く事が出来れば、後は衝撃でなし崩し的に地盤沈下を誘発できる――其れを利用しての、落とし穴だよ。

尤も、大型の交差点だっただけに後続車両を道連れには出来なかったけどね。

 

残ったのは巨象と大虎……だったらまずは巨象から撃破する!クロエ、右の路地に入って。

その路地は、エレファントは通れるけどヤークトティーガーはギリギリ通る事が出来ない筈だから、エレファントを孤立させる事が出来るから。

 

 

 

「了解だヨ梓。

 だが、路地に入った後は如何するんダ?」

 

「機動力を生かして最初のコーナーを右折、その次も右折、更に右折して、また右折!!」

 

「成程、そう言う事カ!」

 

 

 

流石はクロエ、分かってくれたみたいだね?中学で3年間組んでたのは伊達じゃないね。

そう、最速最短で路地を回れば、結果としてエレファントの背後を取る事が出来る――そして、背後を取られたエレファントに出来る事は何一つない!

この狭い路地じゃ車体を旋回する事は出来ないし、逃げようにもそんな鈍足じゃⅢ号から逃げる事は出来ないから!

あゆみ!!

 

 

 

「ほいさぁ!!」

 

 

 

――ガイィィン!

 

 

 

「って、堅ってぇ!!」

 

「装甲の薄い後部へのゼロ距離砲撃すら決定打にならないだなんて……エレファントはやっぱり堅いね。」

 

Ⅲ号じゃL型仕様でも撃破するのは容易じゃないか……でも、必ずどこかに弱点がある筈だから――

 

 

 

――クイクイ

 

 

 

「って、如何したの紗希?」

 

「……薬莢捨てる所。」

 

「!!」

 

其れは見逃してたよ!GJ紗希!!

あゆみ、後部の薬きょう排出口に照準!……Lass uns schießen!(ブチかませ!)

 

 

 

「OK, Vizekapitan!(了解、副隊長!)」

 

 

 

――ズドォォォォォォォン!!

 

 

――キュポン!!

 

 

 

『黒森峰、エレファント行動不能!』

 

 

 

良し、エレファント撃破!!

残るはヤークトティーガー……回転砲塔こそないけど、攻撃力はマウスと同等で、回転砲塔を得られなかった代わりに得た防御力はマウスをも上回る化け物自走砲――そんなのを絶対に西住隊長の所には向かわせられないから、此処で倒さなきゃ!!

クロエ、今度は左側の路地に入って!そしてヤークトティーガーが追って来たら『突っ込んで』!!

 

 

 

「本気か?……梓はもっと大人しいと思ってたんだが、如何やら思った以上に師匠の影響を受けているようだネ?」

 

「其れは最高の褒め言葉だよクロエ。」

 

本当に頼りになるったらないよ。

私の言う事を正確に理解したクロエは、路地に入って来たヤークトティーガーに突撃して、見事に砲身の下に潜り込んだわけだからね――しかも、この時Ⅲ号の主砲はヤークトティーガーの正面を捉えていたからね。

尤も、如何にL型仕様のⅢ号であってもヤークトティーガーの装甲を抜く事は出来ないけど、だけどこうなってしまえば撃破される事も無い!!

 

だから、其れを利用してヤークトティーガーを誘導する!1年舐めんな!!

 

 

 

「1年舐めんなーー!ぶっ殺せーー!!」

 

「ぶっ殺してやるゾ黒森峰!!」

 

 

 

付かず離れずを維持していても、馬力の関係でヤークトティーガーに次第に押されてしまうけど、其れもまた作戦の内――クロエ、路地を抜けたら全速後退!!

 

 

 

「了解ダ!

 行くぜ、クリアマインド!!!」

 

「クロエ、其れはちょっと違う気がする。」

 

でも、予想通りに路地を抜けた瞬間に急加速したのを見て、ヤークトティーガーも出力を最大限まで上げて私達を追い、そして凶器の128mm砲を放って来た。

其れは回避出来ないから、私達は此処でリタイア確実だけど、私達を追うために加速してたヤークトティーガーも止まる事は出来ずに、柵をぶち破って用水路に真っ逆さま!!

 

 

 

――バガァァァァアン!

 

――ドスゥゥゥゥン!!

 

――キュポン×2

 

 

 

『大洗女子学園、Ⅲ号。黒森峰女学院、ヤークトティーガー。走行不能。』

 

 

 

程なく、ヤークトティーガーとⅢ号の撃破判定がアナウンスされ、私は此処で退場か――だけど、私は信じています西住隊長!貴女なら、必ず大洗を勝利に導く事が出来るって!!

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:みほ

 

 

市街地での奇襲は成功して、黒森峰をばらけさせる事が出来たのは良い成果だよ――黒森峰は確かに強いけど、其処に最大の弱点があるって言っても過言じゃない。

勝利を優先する連中にとっての各個撃破なんて言うのは、其れこそいい的でしかない――此方を撃破しに来た所をあらゆる手段を使ってカウンターしてやれば其れで終いだからね。

 

実際に梓ちゃんは、Ⅲ号でティーガーⅡとティーガーⅠ、エレファント、そして相討ちではあるけどヤークトティーガーを撃破して見せた訳なんだから♪――尤も梓ちゃんじゃなかったらこれ程の戦果を挙げる事は出来なかっただろうけどね。

其れは其れとして、アヒルチームも煙幕を巧く使って黒森峰の部隊を引っ掻き回してくれてるから大分混乱させる事が出来てるのも良い感じ。

何時までも引っ掻き回し続ける事は出来ないだろうけど、隊長の指揮系統から外れた黒森峰の隊員は意外と脆いから、限界まで粘る事は出来ると思うからね――尤も、クルセイダーの装甲じゃ黒森峰の重戦車の砲撃一発喰らったら即撃破ではあるんだけど。

 

でも此れでお姉ちゃんを誘導しやすくなったのは事実だね――なら、レオポンとライガーは私に付いて来て!そしてオオワシは例の場所に!

此れから最後の作戦を発動するから!!

 

 

 

「あの切り札を遂に切るのねみほ?」

 

「今こそ切り札を切る時だからね!!」

 

「OK!了解だよ隊長!!」

 

「お任せ下さいみほさん!」

 

 

 

Ⅲ号を失ったのは個人的に痛手だったけど、ティーガーⅡ、ポルシェティーガー、Ⅳ号があれば黒森峰を倒す布陣は完成してるって言っても過言じゃないから、此の4輌が残ったのは有り難かったよ。

 

さぁ、決勝戦もそろそろ大詰めだね?――西住流なら乗らざるを得ない最終決戦の地に、案内させて貰うよ、お姉ちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

 


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