ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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此れは、面白くなって来たね?Byみほ        此れ位じゃないと面白くないわByエリカ      ふふ、燃える展開ですね♪By小梅


Panzer162『乱戦!激戦!超大戦!!です』

Side:みほ

 

 

フィールドにはミカさんのBT-42が撃破されたって言うアナウンスが流れたけど、ミカさんがタダでやられる筈がない……確実に何らかの楔を打ち込んでくれたと思うんだけど――

 

 

 

『やぁみほさん……恥ずかしながらやられてしまったよ。

 妹の成長は、姉としては喜ぶべき所なんだけれど、敵として考えた場合には厄介な事この上ないモノだよ。

 だけど、お陰で愛里寿を戦場に引きずり出す事が出来たよ……私達に出来るのは此処までだ――後は、君に全て任せるよみほさん。』

 

「ミカさん!」

 

撃破されたとは言え、愛里寿ちゃんを戦場に引き出す事が出来たのなら、其れだけで値千金の活躍ですよミカさん――愛里寿ちゃんが動いたって言う事は、大学選抜の総司令が戦線に出て来たって言う事だから、極論を言えば、その総司令を倒せば試合は決まるからね。

 

だけど相手は、若干13歳にして大学選抜の隊長を務める天才……一筋縄でいく相手じゃないし、チームの一番のトップが動いたって言う事は、劣勢に立たされてる大学選抜チームの士気高揚に繋がって、思わぬ反撃を喰らうかもだから、警戒してし過ぎる事は無いかな?

 

「沙織さん、全軍に通達。

 『眠れる獅子が目を覚ました、各員充分用心されたし』。これをそのまま伝えて。」

 

「此れって暗号文ってやつ?……やるジャンみぽりん!

 暗号文なんてスッゴクカッコイイから、此れをキッチリ伝えられたらモテること間違いなしだよ!!って言うか、暗号文ってミッションインポッシブルみたいでイケてるよね!!」

 

 

 

沙織さん、なんでそこでハイテンションになるんだろう?ちょっと謎だよ。

だけど、愛里寿ちゃんが動いた以上、今の車輌差の優位性は無いと思った方が良いかも知れないね――忍者戦術とまで言われる島田流の跡取りである愛里寿ちゃんなら、この差を容易に引っくり返してくるかもだからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer162

『乱戦!激戦!超大戦!!です』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

No Side

 

 

愛里寿が動いた……この事実に、アズミ、メグミ、ルミの通称『バミューダ3姉妹』を含めた、大学選抜チームの残存戦力は、みほが予想した通りに士気が高揚していた。

 

 

「隊長が動いた!!」

 

「此れなら行ける!!」

 

「ようし、ここから巻き返すわよ!!」

 

 

此処までの試合展開を見る限り、大学選抜チームは完全にみほの策と、大洗連合の常識に捕らわれない自由な戦い方に翻弄されていたと言えるだろう。

試合序盤の稜線での攻防は、まほ率いるひまわり中隊の撤退を妨害する役目を担っていたメグミが、ケイ率いるアサガオ中隊に其れを邪魔され、カール攻防戦では、在ろう事かチーム内から離反者が出て、結果的にカールを撃破され、続く遊園地跡地では陽動作戦を成功させてキルゾーンに追い込んだかと思ったら、其れはみほの作戦の内で、何と観覧車を転がしてくると言うトンデモない裏技で陣形を崩された。

更に其処からは、各地で各個撃破が起り、T-28とチャーチルで1:1交換が出来たとは言え、他の場所では連続で撃破されてしまい、残存車輌は現在9輌。

対する大洗連合は22輌と、その差は13輌だ。

 

大学選抜チームの名誉の為に言っておくと、決して彼女達の実力が低い訳では無い――低い訳では無いのだが、過信と慢心がこんな状況を作り出してしまったのは間違いないだろう。

島田愛里寿を隊長に据えた大学選抜チームは、社会人のチームが相手であっても圧倒的に勝ってしまう程の力がある……だが、だからこそ此度の相手である大洗女子学園を甘く見ていた。

元より10対30の殲滅戦だとタカを括っていた部分があり、試合前に助っ人が駆けつけて車輌数が同じになった所で、社会人のチームに勝った自分達が、高校生のチームに負ける事など有り得ないと驕っていた。と同時に、明らかな格下を相手に隊長が出張るまでもないと、バミューダ3姉妹が愛里寿に変わってチームの指揮をしていたのも、この状況を作り出した一因だ。

 

メグミはサンダース、アズミはBC自由、ルミは継続で隊長を務めていた戦車乗りであり、大学選抜で中隊長を務めている事から、ぞの実力は半端なモノでは無いのだが、島田流始まって以来の天才と称される愛里寿と比べれば劣るのは否めない。

其れでも、相手が一流半程度のチームならば此の3人の指揮で勝つ事が出来たのだろうが、此度の相手である大洗連合の大隊長は、略素人の集団を率いて全国大会を制覇した、愛里寿をも上回る天才のみほだ――愛里寿未満の3人がそもそも敵う相手ではないのだ。

 

だが、ここで愛里寿が動いたと言う事は、事態が其れだけ切羽詰まっていると言う事だと同時に、愛里寿が指揮権を得たと言う事であり、バミューダ3姉妹は、指揮の任務から解放されたと言える――つまり、此の3人は此れまで全体指揮に割いていたリソースを、全て戦闘に割り当てる事が出来るようになったのだ。

 

 

「アズミ、メグミ、合流するよ。」

 

『OK!バミューダアタックかましてやりましょ!』

 

『随分と調子に乗ってくれたみたいだけど、快進撃も此処までよ!!』

 

 

ルミの呼びかけで、バミューダ3姉妹は一度合流する事にしたらしい。

が、ルミはエリカの挑発に乗せられて園内を走りまわされた事で、アズミとメグミとは結構距離が離れているので、合流するにはなつかし横丁と言う場所を通過しなくてはならない。

多数の建物があり、待ち伏せ作戦を展開するには持って来いの場所だ――事実、此の場所でカバチームは『マカロニ作戦ツヴァイ』を展開して、2輌のパーシングを撃破しているのだから。

 

当然ルミも、待ち伏せを警戒して進んで行くが……

 

 

「……其れは無い。」

 

 

――バゴォォォォォォォォォン!!!

 

 

目の前の建物を攻撃し、書き割りの陰に隠れていたⅢ突を撃破する。

 

 

「んな!?」

 

「何でバレたぜよ!?」

 

 

完全に背景に溶け込んでいた筈のⅢ突がなぜバレたのか……理由は簡単だが、単純に展開する書き割りを間違えてしまったのだ。

此の場所には、本来ならば昭和の匂いが満々の駄菓子屋の書き割りを置くべきなのだが、カバチームの面々は何を間違ったのか、此処にバリバリ都会テイストのハンバーガーショップの書き割りを置いてしまったのだ……そらバレるわな。

此れで大洗の残存車輌は残り21だが、車輌数の差は未だ12輌もあるから逆転は簡単ではないだろう――が、このⅢ突の撃破が大学選抜チームの反撃の狼煙になったのは間違い無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、各個撃破を続けて来た大洗連合は臨機応変にチーム編成を変え、西側のホテル・レストラン付近では、新たにアヒルチーム、ルクリリ、エクレール、ノンナ、西のチームが結成されていた。

パーシング2輌を撃破した脳筋チームに、クールなノンナと、頭脳明晰なエクレールが加わったこのチームは、大洗連合最強小隊と言えるのかも知れないだろう。

だがしかし、

 

 

「見つけた。」

 

「へ?」

 

 

此の部隊を愛里寿が強襲し、先ずは尤も装甲の薄いアヒルチームのクルセイダーを撃破すると、そのまま流れる様な動きで、西とルクリリを立て続けに撃破!!

嗚呼、悲しいかな、奇跡の化学反応を起こした脳筋チームであっても、島田流が生んだ天才には成す術なく一撃で戦闘不能に。

 

 

「ノンナさん!」

 

「はい、分かっていますエクレールさん。」

 

 

残ったエクレールとノンナは、即座にセンチュリオンに照準を合わせて攻撃を行う。

エクレールのARL-44とノンナのIS-2は最強クラスの攻撃力を備えた戦車であり、主砲の一撃はティーガーⅡの装甲ですら貫くほどの威力を誇る。

故に、大概の戦車は何処に当てても撃破出来る訳で、其れは愛里寿のセンチュリオンも例外では無いのだが……

 

 

「馬鹿な……」

 

「今のを躱しますの!?」

 

 

この最強クラスの攻撃を、愛里寿はセンチュリオンの機動力を最大限に発揮して避ける――如何に強力な攻撃であっても、当たらなければ如何と言う事は無い。

そして、この攻撃を躱した愛里寿は、擦れ違い様にARL-44を撃破し、更にそのままIS-2に肉薄して近距離攻撃を行い、撃破!

僅か1分ちょっとの間に、愛里寿は5輌の戦車を撃破して見せたのだった。

大洗の残存車輌は、此れで16だ。

 

 

 

が、大洗連合だって負けてはいない。

 

 

「ターゲットロックオン……」

 

「撃てぇぇぇ!!」

 

 

梓と小梅の、ミフネ作戦コンビが、GPSの役割を担っていたアンチョビ達に気付いて、ジェットコースターに入り込んで来たチャーフィーを撃滅!!!

隻腕の軍神の一番弟子と戦友舐めんなである。

 

 

「「大学選抜?ガッデム!!」」

 

 

そして、何時の間にか梓と小梅が黒のカリスマっぽい衣装になっていた事には突っ込んではいけない。寧ろ突っ込んだら負けと言うか、もれなく黒のカリスマのケンカキック→STFのコンボが待っているので突っ込み厳禁だ。

 

 

「へい、タクシー!」

 

「任されたわ!」

 

 

ともあれ、難を逃れたアンチョビは、カモチームをクッションにして地上に降りると、其のままカモチームと組んで行動を開始……此の試合は、マダマダ分からない感じだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は移って、トータスランド手前の街並みでは、ケイとアリサのM4シャーマンと、華が砲手として搭乗しているファイアフライが、バミューダ3姉妹と対峙する間もなく、出会ったその瞬間に戦闘開始のオープンコンバットだった。

戦車の性能だけで言うのならば、パーシングのバミューダ3姉妹に分があるが、戦車の性能差だけでは決まらないのが戦車道――もとい、みほ流戦車道だ。

 

 

「アリサ!!」

 

「アイアイ、マム!!」

 

 

ケイの指示を受けたアリサが閃光弾を炸裂させ、バミューダ3姉妹の視界を奪う……グレーゾーン上等のアリサにとって、ルールで許可されているモノを使っての裏技は持って来いだった。

 

 

「突っ込め華!!」

 

「了解ですケイさん。」

 

 

勿論、この閃光弾が炸裂する瞬間に、一行はサングラスを装備し目暗ましは回避している……使用したサングラスは、黒のカリスマのアリストトリストブランドだったのは、きっと偶然だろう。偶然な筈だ多分。

ともあれ、目暗ましからの一撃は必中なのだが……

 

 

「此れは……いない?」

 

 

ファイアフライが突撃した先には誰も居なかった――何処に行ったのか?

 

 

「大人しく消えなさい?」

 

「んな、何時の間に!!!」

 

 

答えは簡単、アリサのシャーマンを囲っていた――確かに閃光弾は炸裂したが、バミューダ3姉妹は咄嗟に目をつむって目暗ましを逃れていたのである。

そして、三位一体の攻撃であるバミューダアタックでアリサ車を撃破したのだ。

更にその勢いは止まらず……

 

 

「く……狙いが定まりません……!!」

 

 

今度は華のファイアフライを取り囲み、狙いを絞らせている間に3方向からの砲撃を行い、此れを撃破!!そのまま、ケイにも三位一体の攻撃を行うが、其処はサンダースの隊長を務めるケイ、簡単にはやられはしない。

 

 

「アリサと華が続けてやられるとは……だけど、一矢は報いらせて貰うわよメグミ隊長!」

 

「んな、本気なのケイ!?」

 

 

ケイはメグミ車にターゲットを絞ると、急発進して体当たりを敢行し、そのままゼロ距離攻撃!!

無論この攻撃を行っている間に、アズミとルミからの攻撃を後面に受け、白旗判定にはなってしまったモノの、メグミ車を撃破する事こそ出来なかったが、体当たりとゼロ距離攻撃で、正面装甲にある程度のダメージを与える事には成功した。

3方向から囲まれてしまっては、撃破されるのは確実な上、近距離攻撃であってもM4シャーマンの75mm砲ではパーシングの正面を抜く事は略不可能……故にケイは、自らと引き換えにメグミ車にウィークポイントを創る事にしたのだ。

完全に抜く事は出来ないとは言え、ゼロ距離攻撃ならばパーシングの正面装甲を凹ませるくらいの事は出来る。そして、凹んだ部分の強度は他よりも低くなるので、撃破が容易になるのだ。

 

 

「自らを犠牲にして、楔を打ち込んだって言うの?……撃破される事が確実だからって、こんな事をするなんて、正直クレイジーよケイ?」

 

「『戦車道は多少クレイジーな方が良い』、そう教えてくれたのはメグミ隊長よ?

 其れに、此れは犠牲じゃなくて、最後に勝つ為の必要経費……私が打ち込んだ楔は、必ず誰かが有効活用してくれる――それが、このチームなんだから!」

 

「寄せ集めのチームで何が……とは言わない方が良いわね。

 まったく、貴女がクレイジーとクレバーを同居させているとは思わなかったわケイ――だけど、隊長が動いた以上、私達が勝つ。」

 

「其れは如何かしら?

 みほはそっちの隊長を引き摺り出す事を考えていたから、此れはみほの望む展開となったと言えるわ――つまり、此処からがみほの本領発揮と言う事よ。

 隻腕の軍神と、その仲間達を甘く見てると痛い目見るんだから!」

 

 

楔を打ち込んだケイに対し、メグミは狂っていると言うが、言われたケイは何処吹く風――撃破されたと言うのにサバサバした表情で言外に『勝つのはみほだ』とのセリフを放ち、シャーマンの装甲の上に大の字に寝転がる。

ファイアフライと2輌のシャーマンを撃破したバミューダ3姉妹はその場から移動するが、戦車の上で大の字になったケイは空に向かってサムズアップし……

 

 

「楔は打ち込んだ……あとは任せたよ、皆。」

 

 

只、そう呟いた。大洗連合の勝利を信じて。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

バミューダ3姉妹がサンダースからの援軍を全て撃破したのと同刻、愛里寿の無双は続いていた。

先ずは、戦車水切りと言う離れ業でパーシングを池近くまで誘い込んで、背後からの砲撃で池に落とすと言う見事な連携を見せたカモチームとCV-33を撃破したかと思えば、

 

 

「しまった、袋小路に追い込まれたか……万事休すだな。」

 

 

麻子の操るクルセイダーを袋小路に追い込んで撃破し、

 

 

「会長!!」

 

「こりゃ、相手が悪過ぎるだろ流石に……」

 

 

「ももが!?」

 

「にゃー!?」

 

「だっちゃ!?」

 

 

エジプト風遺跡前で、カメチームとアリクイチームを連続で撃破!!正に『愛里寿無双』!!無双シリーズの新作ではないので悪しからず!!

が、この場に居たのは此の2チームだけではなく、近坂凛が車長を務めるティーガーⅠも居る……まほが認めた数少ない戦車乗りである凛は、流石に簡単には撃破されず、互いに譲らぬ激しい戦車戦を展開したのだが……

 

 

「貴女はとても強かった……でも、これで終わり。」

 

「此れが、才能の差って言うモノなのかしらね……」

 

 

秀才の凛と天才の愛里寿――秀才と天才の間にある、埋められない絶対的な差が明暗を分け、凛のティーガーⅠは白旗判定に。

だが、マダマダ愛里寿は止まらない。

其処から観覧車付近まで移動すると、梓と小梅を相手に戦車戦を開始!

実力的には略同格ではあるが、だからこそ戦車の性能差と言うのは無慈悲なモノとなるのは否めない――みほ譲りの裏技を駆使して戦った梓と小梅だったが、Ⅲ号&Ⅳ号とセンチュリオンの間には超えられない戦車の性能差がある……その残酷なまでの性能差によって、Ⅲ号もⅣ号も撃破されてしまった。

尤も、みほの一番弟子である梓と、黒森峰の遊撃隊で活躍した小梅がタダでやられる訳もなく、愛里寿のセンチュリオンに楔を打ち込んでいた。その楔が何であるのかは、今は未だ分からないが。

 

この時点で、大学選抜の残存車輌は7、大洗連合の残存車輌は5と、車輌数は逆転したのだが……大洗連合には、この人が居るのを忘れてはならない。

 

 

「邪魔だ、どけ!!!」

 

 

そう、天下の黒森峰の現隊長である西住まほだ。

性能的には不利であるパーシングを相手に、『西住流』を行い、惑う事無く真正面から続けざまに3輌のパーシングを、粉砕!玉砕!大喝采!!

まほの実力は疑う事が出来ない物ではあるが、此の試合に於いては愛する妹の為の力が働き、その戦車力は通常時の300倍となっている訳であり、こうなったまほの前には戦車の性能差など些細な問題であるのだ。

まほの連続撃破により、残存車輌数は大洗が5、大学選抜が4と再び逆転したのだった。

 

 

『こちらみほ、聞こえるお姉ちゃん?』

 

「あぁ、聞こえてるよみほ。如何した?」

 

『大学選抜は、如何やら中隊長の3人のコンビネーションが結構刺さってるみたいだから、私達もコンビネーションで戦おう。』

 

「コンビネーションでか……その提案、乗らせて貰う!」

 

 

更に此処で、みほからコンビネーションの申し出があり、まほは其れを受領。――其れは、今この瞬間に、隻腕の軍神と冷徹なる武神の最強姉妹タッグが結成された事を意味していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わってコンコルド広場。

此処ではバミューダ3姉妹と、ライガー、レオポン、カチューシャのチームが戦闘を行っていた。

戦車の性能で言えばバミューダ3姉妹のパーシングの方が上であり、特に機動力に関しては絶対的に勝ってるのだ。

 

 

「のろまな亀さん、そんなんじゃ追い付けないわよ?」

 

 

ポルシェティーガーとティーガーⅡの足の遅さをルミは揶揄るが、大洗女子学園の自動車部を舐めて行けない。

 

 

「エンジンに規制はあっても、モーターにはないもんね!行け、音速の貴公子!!」

 

 

レオポンチームの操縦士であるツチヤが、今のレギュレーションでは規制されていないモーターの出力リミッターを解除し、ポルシェティーガーのカタログスペックを上回る速度でカッ飛び、其の後をスリップストリームでカチューシャとエリカが続く。

が、如何にモーターに規制がないとは言え、エンジンが45年ルールの物である以上、エンジンにかかる負荷は避けられず、リミッター解除したレオポンはエンジンが火を噴いて白旗判定に!

其処から、アズミ車がカチューシャ車を撃破したが……

 

 

「ウゴアァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

「なんか吠えてる!?って言うか、逸見妹人間辞めてる!?」

 

「シャァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

 

己の野生を解放したエリカがメグミ車に襲い掛かり、ケイの打ち込んだ楔を的確に攻撃して撃破!!

そして、エリカは其のまま『役割は果たした』とばかりにその場を離脱――此れで、大洗連合と大学選抜の残存車輌は共に3となり、残った戦車は中央広場に集結。

 

そして、その場に集まったのは、愛里寿とルミとアズミ、そして――

 

 

「さぁて、喰い殺される覚悟は出来てるかしら?」

 

「此処が最終決戦の地か……不足は無いな。」

 

「此処がラストバトルの地……決着を付けようか、大学選抜――ううん、愛里寿ちゃん!」

 

 

『大洗の狂犬』逸見エリカ、『黒森峰の武神』西住まほ、そして『隻腕の軍神』の西住みほだ。

つまり、この場に残ったのは大洗連合の3強と、大学選抜チームの3強だと言う事――今此処に、大洗連合と大学選抜の試合は、最終章の幕をあげたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 


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