ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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私は手札から魔法カード『西住流揚げタコ』発動!Byみほ        それ、対抗手段が無いと見て間違いないわByエリカ      正に必殺技ですねBy小梅


Panzer168『次は文化祭に向かって全力です!』

Side:みほ

 

 

体育祭は無事に終わったけど、2学期のイベントはまだ続く――と言う訳で次なるイベントは、体育祭と同じ位に盛り上がる事が予想される文化祭だね!!

文化祭は体育祭以上のお祭りだから楽しまないと損損ってね。

 

 

 

「その意見には同意するわみほ……祭りは楽しんでナンボでしょう――なら、思い切り楽しんだ者の勝ちなのよ。」

 

「アハハ、其れは至言だけど。何だか文化祭は凄い事になると思うんだよね?

 こう言ったらアレだけど、大洗女子学園は今や全国で知らない人はいない位の有名学校になっちゃってる訳だし凄い数の人が来るんじゃないかと思うんだよね。」

 

「可成り来るとは思うけど、大洗の面子なら大丈夫じゃない?

 大洗女子学園に常識は通じないんだから、例年よりも多くの来場者が来ても大丈夫でしょ?――例年がドレ位来るか知らないけどね。」

 

 

 

エリカさん……確かに大洗の皆なら大丈夫だよね。

本気で大洗女子学園には大凡常識何て言うモノが通用しないからね……戦車道だけじゃなくて、その他についても色々と。って言うか、どうやってアンコウの養殖なんかに成功したのやら。しかもピンク色の。

アレってもう大洗の特産品にしても良いんじゃないかな?

 

 

 

「んなモン特産品にしたら、アライッペに続く第2のゆるキャラが誕生するわよ?多分戦車と融合させた感じで。」

 

「あ~~……うん、否定できないね。」

 

提灯の部分が戦車の主砲に変わったメカメカしいピンクのアンコウ……そして何かのイベントの時にその上に乗ってるアライッペとオオアライダーときっと加わるであろう黒のカリスマ。

何だろう、此の拭い去れないカオスっぷり……実現して欲しいようなして欲しくないような、微妙な気分だね此れは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer168

『次は文化祭に向かって全力です!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大洗女子学園の文化祭は、クラスごとの出し物じゃなくて、部活や必修選択科目別に出し物をやるスタイルで、文化祭1週間前の今日は何処の部活や必修科目でも出し物を決める日になってる場合が多いみたいだね。

そして其れは勿論戦車道チームも同じで、放課後の練習の時間は、戦車道チームの出し物を決める会議の時間に早変わり!

 

 

 

「それじゃ~さ、うち等が何やるか、アイディアがある人は遠慮なく言ってね~~?」

 

「相当無理なモノじゃ無ければ出来るだけ実現の方向で行くから。とは言っても、最終的には多数決で決める事になるけれど。」

 

「なので、遠慮なく意見を言え。」

 

 

 

で、会議の進行役は生徒会の面々……本来なら隊長である私が進行役を務める所なんだろうけど『西住ちゃんは進行役よりも、アイディア出す方に回って貰いたいんだよね~~?』って言って進行役に。

確かに私も進行役よりは、アイディア出す方が得意だけどね。

それにしても戦車道チームの出し物かぁ……どんなモノが良いかな?

 

 

 

「戦車道チームと言う事で、戦車を使っての出し物が宜しいのではないでしょうか?

 例えば……戦車を使っての的当てゲームなどは如何でしょう?主砲を放った時の、あの感覚を体験出来たら、きっと感激出来ると思いますし。」

 

「そのアイディアは悪くないわねハナ。

 だけど、ウチみたいな大所帯のマンモス校で資金も潤沢にある学校なら兎も角、資金力が並の大洗で其れは難しくないかな?

 砲弾代で相当に金が掛かるし、其れを回収しようとしたら可成り高価な出し物になるのは間違いないわ……文化祭の出し物なんだから、料金設定は800円以内に抑えないとダメよ。」

 

「ナオミさん……そうですね、良いアイディアだと思ったので残念です。」

 

「ですが五十鈴殿、戦車を前面に持ち出すのは良いと思うであります!

 なので、私は大洗女子学園保有の戦車の展示会を提案するでありますよ~~!!この不肖秋山優花里が、来場者の皆さんに大洗保有戦車の魅力を全力でお伝えするであります!!」

 

「いや、其れ趣味に走ってるだけだからゆかりん。」

 

「ふむ、ならば同時にその戦車の歴史についても語る必要がありそうだ……そっちの方は私に任せてくれグデーリアン。」

 

「里子も乗らないで!?」

 

「里子ではない、エルヴィンと呼べ。」

 

 

 

で、アイディアが出て来た訳なんだけど、行き成りカオスだね此れは……戦車道チームのカラーを前面に押し出す意味で、戦車を使うのは悪くないとは思うけど、流石に其れは安直だよ。

もっと文化祭に適した出し物にしないと。

 

 

 

「それなら、戦車で戦うゲームの大会とか如何かな?僕達のパソコンを複数のパソコンとオンライン接続すれば出来ると思うのにゃ。」

 

「良いかも知れないが、其れだと1回が長くなるから集客は見込めないぞ……眠い。」

 

「こら、寝るな麻子!!」

 

「沙織、煩い……」

 

「ノンアルのビールをメインにしたビアガーデンとか如何かしら?

 スタッフ全員がディアンドル着て接客するとか、結構イケてるんじゃないかって思うんだけど……あ、ゴメンやっぱなし。ディアンドルなんて着てたら、変な親父のターゲットになっちゃうわ。」

 

「大丈夫じゃないですか?エリカさんなら、その変な親父を拳で撃退出来るでしょう?」

 

「当然よ小梅!私の右ストレートは車のフロントガラスを粉砕するわ!!」

 

 

 

そして止まらないカオス!止められないカオス!!誰も止めようとしないカオス!!

って言うか、車のフロントガラス粉砕するって、ドレだけのパンチ力なのエリカさん!!全盛期のエメリヤエンコ・ヒョードルも吃驚だよ!!霊長類最強JKなの!?

 

 

 

「いや、其れは貴女でしょみほ……何処の世界にミドルキック1tのJKが居るのよ?アンタの蹴り喰らったら大概の人間は間違い無く昇天間違いなしでしょうに。

 貴女、二代目破壊王を襲名しても良いんじゃない?」

 

「片腕では垂直落下DDTが出来ないから襲名は無理だね。」

 

「その重爆キックだけでも襲名できると思うけど?」

 

「其れだけじゃダメなんだよエリカさん……垂直落下があってこその破壊王だからね――垂直落下DDTのない橋本真也は只のデブでしかない!」

 

「微妙に否定できないわ其れは。」

 

 

 

って言うか誰がどう見ても150kgオーバーだったのに、オーバー300ポンドトーナメントに『俺そんなに重くないから』って言って出場しないのはどうかと思うし。

じゃなくて、戦車道チームの出し物でしょ大事なのは!!

カオス状態にはなるモノの、此れじゃあ決まらないよ……だから、ここは伝家の宝刀を抜く事にしようかな?幸いな事に、当時の明光大のメンバーは揃ってるからね。

ペパロニさん、ナオミさん、ローズヒップさん、梓ちゃん、クロエちゃん……アレを提案しちゃってもいいかな?

 

 

 

「アレって、中学時代のアレか?……良いんじゃねぇか?

 丁度あの時の面子は揃ってるし、大洗の戦車道チームでアレをやれば明光大の時よりも人を呼べること間違いなしだと思うぜ!!戦車道チームの出し物はアレで良いだろ!!」

 

「そうね……アレならバラエティにも富んでるし良いんじゃない?」

 

「そうですわねぇ?アレならば、お客様だってすっげー満足してくれる筈ですわ!!此れはもう、やるしかねーですわよみほさん!!」

 

「アレなら、確かに行けるかも知れません。

 そしてあれなら、コスチュームをディアンドルにしても問題ないと思いますから逸見先輩のアイディアも回収できます……流石は西住隊長、目を付けるところが違いますね!」

 

「西住隊長、確かに其れは良いアイディアだナ。」

 

「おやおや、何やら盛り上がってんね~~?

 旧明光大のメンバーが此れだけ言うって言う事は、明光大付属中の文化祭には何やら凄い出し物が有ったのかな~~?」

 

 

 

よくぞ聞いてくれました会長さん。仰る通り、明光大付属中の文化祭には、私が2年生の時から伝統になっている出し物があるんです。

其れは、戦車道部による『屋台村』!!

戦車道部の広い部活スペースを利用して、お祭りの定番屋台を幾つも其処に出して小規模なお祭り会場みたいな出し物で、今でも文化祭の一番人気の出し物なんですよ。

 

 

 

「ほうほう、そいつは凄いねぇ?」

 

「因みに発案者は、此のペパロニさんです。」

 

「単純に面白そうだからと思って提案したのが、まさか此処まで人気の出し物になるとはな~~~♪あん時の経験が、アンツィオの屋台でも生きてるってんだから世の中分からねぇわ。

 つーか、マジで屋台村で良くねぇ?チーム別に屋台を担当するとしても10個出来るし、アタシ達短期転校組を割り振ればスタッフも充分だろ?」

 

「ですわねぇ……と言うか過去のメンバーが集まっているのなら、今や明光大付属の戦車道部の隊長が引き継ぎ項目の1つとなってる『揚げタコ』の原初のレシピの再現が出来ますわ!!」

 

「『揚げタコ』……とても美味しそうな予感がします。」

 

「ふ……美味しいなんて言葉じゃ済ませられないわハナ。

 みほの焼く揚げタコは、正に揚げタコのキング・オブ・キングス……アレに比肩するタコ焼きは存在しないと言っても過言ではないわ!!」

 

「何と、西住隊長にはそのような特技もあったのか!!

 戦車が強いだけでなく、その様な特技まであるとは、天は隊長から左腕を奪う代わりに其れを補って有り余るギフトを与えたと言うのか……軍神の二つ名は伊達ではないな?

 うむ、名前からも西住隊長のソウルネームは、女子であっても『西住小次郎』がピッタリだと思うのだが如何だろう!!」

 

「「「それだ!!」」」

 

「揚げタコか~~?アレは美味しいよねうん。

 でも西住隊長が作るのってそんなに美味しいんだ……食べてみたいなぁ?」

 

「「「「「「「「「確かに!」」」」」」」」」」

 

 

 

屋台村の説明から、名物の揚げタコの話になって、ツチヤさんの一言から何だか一気に私の揚げタコを食べてみたいって言う空気になって来たんだけど、流石に今この場で作る事は出来ないよ?

材料も道具もない訳だし……

 

 

 

「材料と道具ならあるぞみほ?」

 

「ペパロニさん、何であるの!?」

 

「いやぁ、短期転校中に少しでも資金稼ぎしとこうと思って色々持って来てんだ。

 んで、鉄板ナポリタンだけじゃ飽きちまうだろうと思って、色んな料理できるようにと思ってタコ焼き用の鉄板と材料も持って来たんだ。勿論、あの特製ソースと辛子マヨネーズもな。」

 

「何と言う偶然……流石の私も吃驚だよ。」

 

でも、材料と道具が揃ってるなら皆の期待に応えないって言う手は無いよね?……ペパロニさん、手伝って。

ナオミさんとローズヒップさんも準備して。

 

 

 

「「「了解!!」」」

 

 

 

サクサクと準備をして、いよいよ調理開始!

まずはタコ焼き用の鉄板を熱して、其処にたっぷりの油を注ぎ込む――大体丸みの2/3位までたっぷりとね。

で、油が充分に熱されたら其処に生地を流し込んで、素早くぶつ切りにしたタコと、微塵切りのネギと、揚げ玉を加える!でもって、表面がカリッとしたら引っくり返して反対側もカリッと揚げ焼きにする!

表面に軽く焦げ目がついたら箱に詰めて、特製ソースを塗って、これまた特製の辛子マヨネーズをかけて、鰹節をまぶして完成!!

さぁ、試食してみて!!

 

 

 

「「「「「「「「「「いただきます!」」」」」」」」」」

 

「さて、如何かな?」

 

「「「「「「「「「!!!」」」」」」」」」」

 

「うわぁ、何これめっちゃ美味しいよみぽりん!!

 表面カリカリで中はジュワっととろける感じが堪らないんだけど!!更にその中心のタコの歯ごたえと、揚げ玉のサクサク感がアクセントになってるって言うか、こんなの食べさせたらどんな男の人もイチコロだよ!!」

 

「食感もさることながら、私はこのソースとマヨネーズの深い味わいに感激しました……此れは市販の物ではありませんよね?」

 

「お、其処に気付くとは鋭いじゃねぇかハナ!

 この特製ソースは、お好みソースにウスターソースと醤油とオイスターソースに、甜麺醤を少しだけ加えたもんなんだ。辛子マヨネーズも、単純にマヨに辛子を混ぜるんじゃなくて、和辛子、マスタード、粒マスタードをブレンドしてんだ。」

 

「成程!この深い味わいの秘密は其れでありますか!!

 して、この絶品揚げタコは、1箱6個入りでいくらなのでありますか?」

 

「400万リラな♪」

 

「何時の時代のレートでありますか其れは!!って、アンツィオに潜入した時に似たような事をした気がするであります!!!」

 

「あ、普通に400円で。そういや、そんな事やったな。」

 

「これで400円は安いであります!

 このレベルのタコ焼きならば、縁日ならば600円で売られているであります!!いや、この味ならば700円でも文句は言いません!!」

 

 

 

で、試食の結果は大好評だったみたいだね。

同ですか会長さん、この揚げタコは?

 

 

 

「うん、こりゃ参ったね西住ちゃん?18年間生きて来て、こんなに美味いタコ焼き食ったのは初めてだわ~~……余りに美味しくて一気に食べちゃったからね。

 美味しさが疾風怒濤のように駆け抜けて行ったってのは正にこの事だね。

 こりゃ、戦車隊の出し物は屋台村で決定だわ……他の出店がしょっぱくても、この揚げタコだけで集客は十分見込めるからね~~♪」

 

「会長~~!そんなに簡単に決めてしまって良いのですか!!」

 

「か~しま、西住ちゃんのタコ焼き貪りながら言っても説得力ないぞ~~?」

 

 

 

河島先輩は相変わらずだけど、会長さんがOKを出したなら戦車隊の出し物は『屋台村』で決定って言う事で良いのかな?……反対の人は居る?

 

 

 

「「「「「「「「「「いませ~~ん!!」」」」」」」」」」

 

「ま、このタコ焼き食って異論を唱える奴は居ないだろうね~~。

 となると、あんこうチームがタコ焼きの屋台をやるのは決定として、残りの9チームが何をやるかだね?……西住ちゃん、中学の時は屋台の内容はどうやって決めたの?」

 

「普通にアイディア出し合って、その中から挙手による選出で決めたんです。」

 

「そっかそっか……なら、先ずはアイディアを色々と募集しないとだね!!」

 

 

 

ですね。

で、其処から出るわ出るわ屋台の内容のアイディアが……定番の焼きそば、フランクフルト、綿あめ、今川焼、串焼き、ポップコーン、射的、金魚すくいに始まり、型抜きやお面屋、最強ポケモン・ミュウツーを倒せなんてものまで。

最終的に出店は、タコ焼き屋以外は焼きそば、串焼き、焼きイカ、綿あめ、ポップコーン、ヨーヨーすくい、お菓子のつかみ取り、射的、型抜きに決まったね。

担当はあんこうチーム+ペパロニさん、ナオミさん、ローズヒップさんがタコ焼きで、ライガーがお菓子のつかみ取り、オオワシが射的、カメが型抜きでアリクイがヨーヨーすくい、カモが綿あめ、レオポンがポップコーン、アヒルが焼きイカ、カバが串焼き、そして焼きそばがウサギの担当に。

 

うん、梓ちゃん率いるウサギチームが焼きそばの担当になったのは嬉しい誤算かな?

梓ちゃんが揚げタコと一緒に提供してたって言う焼きそばもまた明光大の名物になってるみたいだからね……その名物の焼きそば、期待してるよ梓ちゃん?

 

 

 

「お任せ下さい!!

 隊長の揚げタコに負けない位の人を集めて見せますから!!」

 

「其れは大きく出たけど、そう言うのは嫌いじゃないかな?……目標は大きく持った方が良いからね。」

 

此れで、戦車隊の出し物は決まったから、後は夫々が当日までに十分に準備をしておけばいいよね――屋台の売り上げは、そのまま部費や必修選択科目の資金になるんだからバッチリ稼がないとだからね。

 

其処からはとんとん拍子に話が進んで、各屋台には夫々のチームが搭乗する戦車を配置するとか、明光大の時にはやろうと考えもしなかったアイディアが次々と出て来て、屋台村の全容がほぼ完成状態になるとは思わなかったよ。

此れもまた、大洗の結束力の賜物なのかも知れないね。

 

 

 

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で、文化祭の3日前、私は生徒会室に呼び出されていた……何だろう?呼び出されるような事はしてないと思うんだけど――まさか、ネットでボコグッズに散財してるのがバレた!?

いや、其れは無いよね……散財ってのは大袈裟だし、ネット上の事は一高校生が詳細まで調べる事は不可能――其れこそ、余程の腕前のハッカーじゃないと無理だから。

でもだとしたら、なんで私を呼び出したんだろう?

 

 

 

「お~~、来たね西住ちゃん!!」

 

「会長さん、何の用でしょうか?」

 

「んっとね~~、学園祭でこんな企画を用意してるんだけど、如何かなぁと思ってね。」

 

 

 

どんな企画ですか其れは?

取り敢えず資料に目を通して……会長さん、此れマジですか?冗談とかではなくて?本当にマジなんですか?其れこそ、『本気と書いてマジ』って言うレベルなんですけどこれ!!

本気で、やるんですか此れ?

 

 

 

「逆に聞くけど、此れをやらない手はないでしょ?」

 

「其れはそうかも知れませんけど、この相手は予想外ですって。」

 

学園祭でのエキシビジョンマッチは確かに有りだと思いますし私だって楽しみであるのは否定しませんけど……相手を見たら誰だって困惑したくなるんじゃないかと思うなぁ?其れこそお姉ちゃんであってもね。

会長さんが用意した私達の相手の隊長は、西住しほ――私のお母さんだったんだからね。

 

まさかお母さんと文化祭の大舞台で戦う事になるとは予想外も予想外だよ。

お母さんと試合をするなんて言うのは10年ぶりだからね……ホントに青天の霹靂って言う所だけど、折角の機会だからと思って思い切りやらせて貰おうかな?……会長さんだって意地悪で企画した訳じゃないだろうしね。

でも、やるとなった以上は全力で挑むのが礼儀だから、今の私の全てをお母さんにぶつける心算で挑む事にするよ――全力でやってこその戦車道だし。

そして私はこの戦いでお母さんを超える!!……超えて見せる!!――ふふふ、覚悟して貰うよお母さん。今度こそ勝って見せるから。

大洗女子学園に転校して初めての文化祭は、きっと凄い事になるのは間違いなさそうだね……ふふ、文化祭の当日がやって来るのが楽しみになっちゃったよ!!

相手がお母さんだからこそ一切の手加減は不要だね……隻腕の軍神、其の力を十分に味わって貰うからその心算で居てね!!

期せずして決まった、西住流親子対決。これは、凄い試合になること間違いなしだよ!!

 

 

 

「会長、文化祭のモニュメント出来ました!!」

 

「おぉっとコイツは良いタイミングだね?」

 

 

 

其処で美術部が乱入して、文化祭のモニュメントが完成した事を伝えて来たか――その勢いのまま正門前に移動して正門に飾り付けたモニュメンとを見て思わず吹き出しちゃったよ。

 

 

青パンターを前面に押し出して、その後ろでアタシが腕の無い左袖をものともしない笑顔って、此れは最高のモニュメントと言えるかもね。

ともあれ、文化祭を楽しまないとだよ。

お祭りってのは心の底から楽しんでだからね――だからこそ、全力で行かせて貰うよお母さん!!私は文化祭で貴女を超える、其れだけだよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

 


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