ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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文化祭は全力全壊!粉砕!玉砕!大喝采!Byみほ        いや、玉砕しちゃ駄目でしょ!Byエリカ      玉砕覚悟で行け、そう言う事ですね!By小梅


Panzer169『文化祭ウォーPart1です!!』

Side:みほ

 

 

天気は雲一つない晴天!うん、とっても気持ちがいいね!!

 

 

 

――パン!パン!!パン!!!

 

 

 

その青空の下に花火が鳴って、開幕しました文化祭!!

学園艦を大洗港に停泊させて、学園艦で暮らしてない人もターゲットにして、文化祭に呼び込むって言うのは良いアイディアかもだけど、其れだけの事したのなら、お客さんが満足しなかったら絶対にダメだからこの文化祭は盛り上げないととだよね!!って、何してるのペパロニさん?

 

 

 

「盛り上げんなら任しとけみほ!先ずは取り出したります、森喜朗元総理大臣。此処に小麦粉をまぶします!」

 

「更に卵を加えるわ。」

 

「そして、此れを180度の油でカラッと揚げます。」

 

「ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「これがほんとの『森揚げる』ですわね♪」

 

 

 

いや、其れマッタク持って意味が全然違うから……って言うかそもそも何処から連れて来たのこの人!?それ以前に、何処から持って来たのこの人が一人は居るだけの巨大な天婦羅鍋!!

え~っと、生きてますか森元総理?私の声が聞こえますか~~?聞こえて居たら何か言って下さ~~い!!

 

 

 

「に、日本は神の国である!!」

 

「あ、大丈夫そうだね。」

 

まぁ、こう言う場合はまず間違いなくギャグ補正のおかげで死ぬ事は無いし、数分もしたら自分で衣破って出てくるだろうから放置しても問題はないかな?

衣が破けなかったその時は、ロンメルとアンドリューに衣だけ食べさせれば良いしね。

行き成りのハプニングは合ったけど、楽しい文化祭を始めようか!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer169

『文化祭ウォーPart1です!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、文化祭が始まった訳なんだけど、いやはや何と言うか凄い人の数だなぁ……会長さん、大洗女子学園の文化祭って毎年こんなに来場者があるモノなんですか?

 

 

 

「いんや、何時もはこの半分もないって。

 確実に戦車道大会での全国制覇と、廃校をかけた大学選抜戦に勝ったって言うのが大きな要因だと思うんだよね~~?大洗の人達だけじゃなくて、戦車道のある学校の生徒とか戦車道ファンも来てるだろうから、来場者数は過去最高を記録すること間違いねーわ。」

 

「アハハ、例年の倍以上と来ましたか……此れは流石に予想外です。」

 

「ある意味で『みほフィーバー』とも言える状態って訳ね……軍神の威光は戦車道以外でも力を発揮してるみたいね?」

 

「エリカさん、別に此れは私の力が巻き起こした訳じゃないと思うんだけど――全国制覇は皆の力で成し遂げたモノだし、大学選抜戦で最後まで残ってたのはお姉ちゃんだよ?」

 

「其れでも、その両方でフィニッシャーになったのは貴女でしょう?

 今や隻腕の軍神は、アライッペやオオアライダーを抜いて大洗の象徴となったと言っても過言じゃないと思うわ。

 ……貴女もそう思うでしょう優花里?」

 

「勿論でありますよ逸見殿!!

 西住殿無くして大洗女子学園の戦車道は語れません!!『隻腕の軍神』『大洗の救世主』!此れを知らないのはモグリでありますよ!!

 付け加えておきますと、西住殿の一番弟子にして大洗の副隊長である澤殿も『軍神を継ぐ者』『軍神の懐刀』として有名でありますよ。」

 

 

 

何と言うか其れはまた……若しかしても私って黒森峰時代よりも注目されてるのかな?……されてるだろうなぁ間違いなく。

考えてみれば常勝不敗の黒森峰の10連覇の立役者よりも、無名の弱小校でしかない大洗女子学園を全国制覇に導いたの方がインパクトは強烈だしね。

梓ちゃんも中学時代には黒森峰と死闘を演じた隊長として名を馳せてたし、今年の大会では性能で劣るⅢ号で格上の相手を撃破した――決勝戦では相討ちを含めて黒森峰の重戦車を撃破しまくったから有名になるのも頷けるよ。

 

と言う事は戦車道チームが開催している屋台村には可成りのお客さんが来る事が予想されるけど……何でサラッと居るんですかアンチョビさん!

 

 

 

「いやいや、ペパロニから文化祭で屋台村をやると聞いてな?屋台ならばと思って来てみたんだよ~~!

 アンツィオ名物鉄板ナポリタンを、振る舞わないと言う選択肢は無かったからな!!」

 

「成程……で、本当の理由は?」

 

「資金集めだーーー!!

 P40の修理代とか、燃料代やら弾代やらを少しでも稼がないとだからな……」

 

「資金不足は深刻ですねぇ……いっその事、アンツィオのグルメを全国にデリバリーしたり、冷凍品やレトルト品を作って売れば良いんじゃないでしょうか?

 アンツィオの食のレベルの高さは全国に知れ渡ってますから、やればきっと良い資金源になると思いますよ?」

 

「其れは考えた事も無かったな?……確かに其れならば資金獲得に一役買ってくれるかもしれん!ナイスアイディアに礼を言うぞみほ!!」

 

 

 

あはは……単なる思い付きなんだけどね。

さてと、其れじゃあ気合を入れて屋台村のオープンと行こうか!!大洗女子学園戦車隊屋台村……ぱんつぁ~~ふぉ~~~!!!

 

 

 

「「「「「「「「「「Jawohl.」」」」」」」」」

 

 

 

で、屋台村での衣装は法被に豆絞り――ではなく、エリカさんがビアガーデンを提案した時にコスチュームとして選んだディアンドル。

結構セクシーな感じの衣装だったから如何かなと持ったんだけど、沙織さんが『此れスッゴク可愛いじゃん!』って言った事で、セクシーさよりも可愛さに注目されて満場一致で此れに決定。

因みに私のだけは、通常のディアンドルだと左肩部分が落ちちゃうから、襟口は通常のディアンドルの半分程度の大きさ……だけど、胸元の深さだけは通常通りってある意味凄いよね。

 

そんなこんなで屋台村をオープンしたんだけど、まぁ来るわ来るわ、人の波が!!夏休み中の大洗アクアワールドにも負けないレベルだよ此れ。

ある程度行く屋台はバラけてるとは言え、私のタコ焼きと梓ちゃんの焼きそばがやっぱり強い感じかな!!

焼いても焼いても足りなくなる感じになるのは火を見るより明らかだよ……此れ、材料足りるかな?

 

 

 

「そう思って小麦粉50kg、卵100個、キャベツ50個、揚げ玉50kg、ゆでだこ50kg、まいわい市場に注文しといたぜみほ!!」

 

「ペパロニさんGJ!……食材の貯蔵は充分!!それならペース配分は気にする事ないね!!」

 

大洗シーサイドステーションのまいわい市場に食材の注文をしといてくれるとは、手際が良いなぁペパロニさんは♪

あ、沙織さん其れだと油が少ないよ?其れじゃあ只のタコ焼きになっちゃうから、もっとたっぷり入れないと揚げタコ特有の、外はカリッ!中はジュワ!な食感にならないよ?

 

 

 

「え~~?でも油使い過ぎるとカロリーが……」

 

「お言葉ですが武部殿、こう言った屋台の食べ物は……まぁ、アンツィオの屋台ならば兎も角、縁日なんかの屋台ではカロリーやら塩分を気にする事も無いかと。

 確かに健康に気を使うのは大事でありますが、こう言うお祭りの雰囲気ではそう言う事よりも、取り敢えず美味しい事が大事であります!!

 大体揚げタコの油分何てかわいい物です!夏祭りの定番とも言える原色バリバリのかき氷なんて身体に悪いなんてもんじゃありません!!」

 

「そうだぜ沙織~~!

 飯ってのは、先ずは旨い事が大前提!何よりも、オリーブオイルはけちけちしな~い!!」

 

「えぇ、此れってオリーブオイルなの!?めっちゃ高級品じゃん!!」

 

「いやいや、オリーブオイルつっても一番搾りのエクストラヴァージンじゃなくて、二番絞りのピュアオイルな。

 此れなら値段はサラダ油よりも寧ろ安い場合がある位だし、オリーブオイル特有の匂いも少ないから意外と料理を選ばねぇんだわ♪」

 

 

 

そうそう。大体にして、最後にはソースとマヨネーズって言う強烈な味を加える訳だからオリーブオイルの匂いなんて殆ど気にならなくなっちゃうからね――ペパロニさんの提案で、二番絞りのオリーブオイルを使ったのは正解だったよ。

兎に角、揚げタコは屋台村の目玉でもあるんだから、油の量なんて気にせずにたっぷり使わないとダメだよ沙織さん……健康思考は分かるんだけど、今日は学園祭だしね?

 

 

 

「ん~~~……分かった。学園祭は来てくれた人に楽しんでもらわないとだもんね!

 其れに、よく考えたら美味しい揚げタコ作る事が出来れば、其れが切っ掛けで素敵な彼が出来るかも知れないし~~~♪」

 

「……沙織、悪い癖が出てるぞ……」

 

「そう言って、彼氏が出来た事有りましたっけ?」

 

「大洗で過ごしてみて思ったけど、サオリの此れはアリサのタカシに通じる物が有るな……アリサとサオリは意外と仲良くなれるかもしれない。」

 

「沙織さん!殿方のハートを射止めるには手段を選んじゃいけねーですわ!

 ダージリン様が『イギリス人は恋と戦争では手段を選ばねー!』って仰っていやがりましたです事よ!!」

 

 

 

で、何時もの沙織さんのアレが発動して、毎度お馴染みの麻子さんと華さんの鋭い突っ込みに、ナオミさんの追加の突っ込み的な一言が入り、ローズヒップさんの応援してるんだかなんだかよく分からない一言が炸裂……と言うか、ローズヒップさんの言葉の乱れは聖グロで問題になってないのかな?アッサムさんとか煩そうだけど……

 

 

 

「アッサム様は『もう少し言葉遣いに気を付けなさい!』って言うんですけど、ダージリン様は『此れもローズヒップの個性ね』って言ってから、別分問題にはなってねーんですのよみほさん。」

 

「成程、ダージリンさんなら確かに言いそうだね、納得。」

 

こんな風に会話をしながらも、揚げタコを作る→箱に詰める→ソースとマヨネーズをトッピング→袋に入れてお客さんに渡して精算の流れが滞らずに進んでるのは、昔取った杵柄って言う所かな?

ヤッパリ中学3年間同じチームだったチームワークは1年ちょっと離れた程度じゃ錆びつかないモノなんだね♪

 

そう言えばこの前の体育祭の時にも応援に来てくれてたけど、文化祭にもあの人は来てるのかな?……全国大会の時も、大学選抜戦の時も来てたから、間違いなく来てると思うんだけど……

 

 

 

「アイム、チョーノ!!」

 

「うん、知ってます。」

 

やっぱり来てましたね黒のカリスマ。

今日は一人ですか?お友達の皆さんは一緒じゃないんですか?

 

 

 

「武藤さんも誘おうと思ったんだけど、福岡の方で飲酒運転撲滅キャンペーンで、福岡署の一日署長務めるとかで都合がつかなかったぜ!」

 

「あぁ、其れは残念ですねぇ……」

 

「本気で残念だぜ……武藤さんも残念がってたからな。

 そう言えば、武藤さんが今度大洗でエンタメプロレスの興業をやるとか言ってたな……もし都合が付いたら、見に行ってやってくれみぽりん!」

 

「はい、その時は是非。で、ご注文は?」

 

「揚げタコ2箱だオラァ!1つは俺の分、もう1つはカミさんの分!!」

 

 

 

了解です!

軽快に揚げタコ作って、ナオミさんが箱に詰めて、ペパロニさんがソースとマヨネーズをなんだけど……ペパロニさん、『一発お願い』しても良いかなぁ?

 

 

 

「任せな!!」

 

 

 

私の『お願い』を聞いたペパロニさんは、ソースを塗ったタコ焼きに、マヨネーズを細口で出して何かを書いていく……うん、此れは良いね!

お待たせしました蝶野さん。

 

 

 

「箱の外からでもいい匂いがしてくるぜ……他の出し物なんざ如何でも良い!みぽりん率いる屋台村だけ見てりゃいいんだオラ!!」

 

「アハハ、そう言わずに色んな所を見てみてくださいね?大洗女子学園は戦車道だけじゃありませんから。」

 

「是非ともそうさせて貰うぜ……Wunderbar!最高だぜ!!」

 

 

 

思い切り文化祭を楽しんでください、そしてペパロニさんが行ったマヨネーズの一発に驚いてください――ペパロニさんは、ソースを塗った揚げタコにマヨネーズで『T-2000!Cho-no!』って書いてたからね。箱を開けたら驚くこと間違いなしだよ。

さて、行列はまだまだ続いてるから頑張らないとね!それにしても、普通だったらこの行列に悲鳴を上げる所なんだろうけど、忙しさよりも楽しさの方を感じるのは、文化祭だからだけじゃないよね。

 

 

 

「おぉ、隊長さん!よくぞ学園艦を取り戻してくれたね~~~?

 私の家って、曾おじいちゃんの代から学園艦でパン屋やってたんだけど、廃校になったって聞いた時、4代続いて来たお店も私の代で終わりかって思っちゃったのよ~~。陸で新しくお店始めるにしても、場所も何もなかったから途方に暮れていたの。

 だから、学園艦を取り戻してくれた事は心の底から感謝してるのよ。」

 

「いえ、私達はやるべき事をやっただけですから。

 其れよりも、ひょっとしてパン屋さんって学校に行く途中にあるあのお店ですか?毎朝、良い匂いがしてますよね~~♪」

 

「そうそう、あの店なの。あ、お礼に何かリクエストのパンが有れば作ってあげるわよ?菓子パンでもキャラパンでもなんでもござれ!」

 

「其れじゃあボコパン……じゃなくて、アンドリューとロンメルのパンを。」

 

「アンドリューとロンメル?隊長さんのペットか何かかしら?」

 

「此の子達です。」

 

『ガウ。』

 

『♪』

 

「虎と真っ白な九尾の狐!?

 え、何これマジで飼ってるの?って言うか、虎ってペットとして飼って良いモノだったっけか?……あ、でも隊長さんなら此れ位のモノを飼っててもおかしくないわね?寧ろ納得!!」

 

「いやいやいや、其処は納得しちゃダメでしょお姉さん!!」

 

 

 

「いやぁ、お嬢さん達、よく学園艦を取り返してくれたの?

 ワシみたいな年寄りは、ここを終の棲家にする心算じゃったからの……此れから如何しようかと思っとったが、お嬢さん達が学園艦を取り戻してくれたおかげで、ジジイ仲間でまた碁や麻雀を楽しむ事が出来るわい。」

 

「お爺ちゃん、碁は兎も角麻雀みたいな遊びは程々にしないとダメだよ?」

 

「ホッホッホ、元気な子じゃなぁ?なに、金は賭けん只の遊びじゃて。良けりゃお前さんも一緒にやってみるかの?」

 

「如何しようみぽりん、ナンパされちゃったよ!!」

 

「スッゴク失礼な事を承知で言わせて貰うけど、其れをナンパだって思える沙織さんってある意味で物凄い天才なんじゃないかって思うよ。」

 

「やだもー、褒めないでよみぽりん♪」

 

 

 

とまぁ、こんな感じでお客さんに学園艦を取り戻した事を感謝されたりしてるからだよね……勿論、それ以外の雑談なんかも忙しさよりも楽しさを感じる要因だと思うけど。

それにしても、沙織さんの此れはマジなのか天然なのか計算された上での事なのか読み切る事が出来ない……戦車道なら相手の考えは大体読む事が出来るんだけど、こればっかりは無理っぽいね。

 

で、こんな事をしながらも屋台は滞る事なく回ってるって言うんだから凄いよね……私の焼きの技術は勿論だけど、沙織さんも料理が得意なだけあって、手際が良いし、箱詰め→トッピング→お客さんに渡して精算の流れが滅茶苦茶スムーズに出来てるからね。

尚、箱詰めは砲手、トッピングは装填士、清算は操縦士が務めるって言う奇跡のシンクロ現象が起きていたのはちょっと驚きだったよ。

 

さてと、そろそろ休憩時間も近くなって来たから、お願いねアンドリュー?

 

 

 

『ガウ。』

 

 

 

アンドリューの背中に、『揚げタコ焼きの屋台、あと30分で休憩時間』のプラカードをセットして歩きに行って貰う。こうすれば、私達の屋台がドレくらいで休憩になるのかお客さんに知らせる事が出来るからね。

屋台村は夫々の屋台が時間をずらして休憩時間を取る事で、屋台村全体が休憩しない様にしてるから、各屋台とも休憩時間の30分前には夫々の方法で休憩時間の事を知らせてるんだけど、虎にやらせるのは揚げタコ屋台だけだろうね。

 

 

 

「みほさん。」

 

「あれ、愛里寿ちゃん!いらっしゃい。」

 

休憩時間まであと少しとなった所で来店したのは、大学選抜チームの隊長の愛里寿ちゃん――私が此れまで戦った戦車乗りの中で、お母さんと菊代さんを除けば、5本の指に入る戦車乗りにして、数少ないボコメイト!!(これ重要)

まさか、来てるとは思わなかったよ。

 

 

 

「うん……あのね、私は飛び級で大学に行ったから、高校生活って言うモノを体験した事が無いの。

 其れで、高校生活って言うのを体験したいと思って、色んな高校を回って、何処の高校に編入しようか決めてる最中で、その候補の一つとして大洗女子学園にも来てみた。

 文化祭の最中だったのは偶然だったけど。」

 

「そうなんだ?なら、大洗女子学園の魅力を一杯知って貰わないとだね?

 もう少しで休憩時間だから、少し待っててくれるかな?一緒に文化祭を見て回ろう?」

 

「え、良いの?」

 

「勿論だよ♪

 愛里寿ちゃんが大洗に来てくれたら私も嬉しいし、愛里寿ちゃんと一緒のチームで戦うのはきっと楽しいと思うし……何よりも、ボコについて熱く語る事が出来るボコメイトの存在は大事だと思うから。」

 

「そうだね、ボコメイトは大事だね。」

 

「大事だよね!と言う訳でペパロニさん、お願いします。」

 

「如何言う訳かは全く持って分からねーが、任せとけ!!」

 

 

 

どう言う訳か分からずとも、私の意図を察して、揚げタコにマヨネーズでボコを描いちゃうペパロニさんはとっても凄いと思います。冗談抜きでぺパロニさんはフードアーティストが出来るかも知れないね。

で、如何かな愛里寿ちゃん?

 

 

 

「ボコだぁ!!完璧だよ!!」

 

「其れは良かったよ♪熱いから気をつけて食べてね。」

 

「うん!」

 

 

 

アハハ、可愛いなぁ愛里寿ちゃんは……私に妹が居たらあんな感じだったのかも知れないね――まぁ、もしもそんな事になってたら、私もお姉ちゃんに負けず劣らずのシスコンになってたかも知れないけど。

シスコンって言うとアレな感じがするかも知れないけど、私の為に今年の大会では敢えて悪役に徹してくれたお姉ちゃんには感謝しかないんだけどね――お姉ちゃんが悪役に徹してくれたおかげで、お祖母ちゃんの西住流にノーを突きつけて、更にはお祖母ちゃんの考えを改める事が出来た訳だからね。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

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・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・

 

 

 

そんな訳で休憩時間!待たせちゃったね愛里寿ちゃん。

 

 

 

「ううん、熱々のタコ焼きを堪能してたからそんなに待たなかった。外はカリッ!中はジュワ!な揚げタコ焼きはとっても美味しかった。

 食感もさることながら、ソースとマヨネーズの相性が最高だった……是非とも秘伝のレシピを教えて欲しい感じ。家政婦さんに作って貰うから。」

 

「良いよ。

 そう言えば、この前のボコバーグって家政婦さんが作ってくれたの?島田家の家政婦さんは可成りの凄腕なんだね?」

 

「うん、井手上華絵って言うんだ。」

 

 

 

……はい?井手上ですと?

愛里寿ちゃん、つかぬ事を聞くけど、その家政婦さんって姉妹がいたりしないかな?

 

 

 

「え、どうして分かったのみほさん?

 双子の姉が居るって言ってた……名前は確か、井手上菊代さんだったかな?」

 

「……その人、うちの家政婦さんです。」

 

「……マジで?」

 

「マジ。本気と書いてマジとルビを振る位のマジ。」

 

まさかの展開に私も愛里寿ちゃんも驚きを隠せませんでした……と言うか、双子の姉妹で夫々別の流派に仕えてるって如何なんだろう?普通に考えたら有り得ない事だよね?

 

 

 

「華絵さんは現役時代聖グロだったって。」

 

「成程、そう来たか。」

 

菊代さんはお母さんが率いる黒森峰の副官、華絵さんが当時の聖グロを率いていた島田の小母様の副官だったと考えれば、此れも納得出来るってモンだね。

ねぇ愛里寿ちゃん、華絵さんは何時も着物なの?

 

 

 

「うぅん、華絵さんは古風なメイド服だよ……勘違いしないように言っておくと、アニメとかで使われてる色々とアレなメイド服じゃなくて中世のイギリスなんかで使われてた由緒正しきメイド服だから。」

 

「うん、其れは疑ってないよ。」

 

姉は和装、妹は洋装って、双子でも好みは違うって事なんだろうね。

そんなこんなで、休憩時間は愛里寿ちゃんと文化祭を回る事になったんだけど、愛里寿ちゃんと一緒に回るのは私だけじゃなくて、ナオミさん、ペパロニさん、ローズヒップさんの『マブダチーズ』(命名沙織さん)。

私以外は他校の生徒な上に、私も今年からの新参者だけど、愛里寿ちゃんに大洗の魅力をたっぷりと知って貰わないとね!!

 

そう言えば愛里寿ちゃん、愛里寿ちゃんは一人で此処に来たの?

 

 

 

「うぅん、お母様と一緒。

 お母様はみほさんのファンだから、来ないって言う選択肢はそもそも存在しないし。」

 

「島田流の家元が、西住流の次女のファンって、其れ良いのか?」

 

 

 

ペパロニさん、ナイス突っ込みです……島田流の家元が西住流の次女のファンだなんて、そんな事が世に出回ったら其れこそゴシップ誌の良いネタになるのは間違いないね。

でも、島田の小母様も来てるんだ……何だろう、根拠は無いけど途轍もなく嫌な予感がする――理論じゃない、隻腕の軍神の本能が、警鐘を鳴らしてるから、この予感は略確実に現実になると思って間違いないよ。

 

 

そして、私のこの予感が、学園祭の『戦車道エキシビジョンマッチ』で現実になるなんてね……マッタク持って戦車道の神様ってのは途轍もないドSなのかも知れないよ。

尤も、現実になった予想に、笑みを浮かべて居た私が居たのもまた事実だけどね……予想外だったけど、相手にとって不足なしだよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

 


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