ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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戦車道とは燃えて然り!Byみほ        燃えろ!燃えまくれ!燃え尽きろ!!Byエリカ      戦車道の燃焼温度は3000度!By小梅


Panzer172『文化祭ウォーFinal:Panzer Strikeです』

Side:みほ

 

 

文化祭のエキシビションは、エリカさんと好子小母さまが盛大に毒舌合戦を繰り広げた挙げ句に、小梅さんと華絵さんを巻き込んで爆破炎上の白旗判定になったけど、互いにフラッグ車は健在だからまだ勝負はついてない。

そして、私の相手は島田の小母様――愛里寿ちゃんの方はお母さんと対峙してるから島田の小母様は私が抑えないとだね――今更ですが島田の小母様、覚悟は宜しいですね?覚悟完了してますね?完了してなかったら今すぐ完了して下さい!

 

 

 

「勿論覚悟完了よみほちゃん……貴女の戦車道を、私の身体に刻み込んでくれるかしら?」

 

「島田流の家元的にはその発言は如何なモノかと思いますが、貴女が其れを望むのであれば、私の戦車道を貴女に刻み込みましょう――とは言っても、私の戦車道はとても激しいので戦車から振り落とされないように注意してくださいね?」

 

「ふふ、其れ位激しい戦車道を望んでいるわ……そうでなくてはみほちゃんの戦車道を受け止める事なんて出来ないモノ♪」

 

 

 

そう来ましたか……なら、その覚悟には全力で応えさせて貰いますよ島田の小母様!――ナオミさん、青子さん、つぼみさん、手加減無用のフルスロットルで行くよ!

 

 

 

「おうよ!上等だオラァ!ぶっ殺してやんぜ!!全力でカチコミ掛けんぞテメェ等!!」

 

「相手にとって不足なし……目標を狙い撃つ。そして、穿ち貫くわ!!」

 

「お~~っほっほ!初代アールグレイ様が相手でも容赦なんざしてやらね―事ですわ!!

 寧ろ、ぎったんぎったんの返り討ちにして、新世代の強さとか凄さとかその他諸々を分からせてやってやりますですのよ!」

 

「みぽりん、つぼみさんが何を言ってるのか若干分からない。誰か通訳して。」

 

 

 

其れは、気にしたら負けだよ沙織さん――つぼみさんはアレで良いんだから寧ろ突っ込んじゃ駄目……其れに、私には何を言わんとしてるのかってのが大体分かるから無問題だよ。

 

 

 

「……分かるの?」

 

「うん。」

 

「みぽりん、其れなんて超人!?」

 

 

 

……パーフェクト超人かな?

まぁ、それはさておき、島田流の家元とガチンコ対決する事なんて滅多にない事だから、今は此の試合を楽しまないとだね――何よりも、私の戦車道人生において、此れだけの試合が出来る事なんて滅多にない事だろうからね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer172

『文化祭ウォーFinal:Panzer Strikeです』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

No Side

 

 

エキシビションは、みほと愛里寿の策略が功を奏し、みほvs千代、愛里寿&梓vsしほ&菊代と言う番面になっていた――正に何方が勝ってもオカシクない状況だ。

そんな中でも特に目を引くのがみほと千代の戦いだろう。

現島田流の家元である千代と、素人同然の隊員を率いて全国制覇を成し遂げ、更には大学選抜すら退けた稀代の名将とも言われているみほの直接対決ともなれば興奮するなと言うのが無理と言うモノだ。

 

 

「ガッデーム!!

 みぽりんと千代さんの直接対決だぁ?――盛り上げてくれるじゃねぇか!!最高だぜ!!」

 

「いいぞ~~!やっちゃいなさいみほちゃん!」

 

 

その証拠に、観客席では黒のカリスマが上機嫌で応援中!!その迫力たるやハンパない……まぁ、其れだけ黒のカリスマが興奮する試合展開だと言う事なのだろう。

……その隣でノリノリで応援している二代目アールグレイこと逸見カンナには彼是言うのはきっと間違いなのだろう……間違いな筈だ、言った所でスルーされるのは目に見えているし……突っ込みが徒労に終わるのは避けたいのである。

 

 

さて、そのみほと千代の戦車戦だが……

 

 

「当たらないわね……流石は最高クラスの機動力を持つパンターだわ。」

 

「パンターの超長砲身75mmでも決定打を与えらえない……チャーチル以上の分厚い装甲は伊達じゃないね。」

 

 

砲撃を当てられない千代と、決定打を与えられないみほと言う図式になっていたのだが、此れは正に双方が乗る戦車の性能ゆえの事だと言えるだろう。

パンターは攻守速を高い水準で纏めた最強クラスの中戦車であり弱点の様な物は略存在せず、特に機動力に関しては同時期の中戦車と比較しても最速の時速56kmを誇る快速だ――其れをみほが指揮し、つぼみが操縦するとなれば大概の攻撃は回避可能!回避力255だ。

それ故にブラックプリンスの砲撃はパンターに掠りもしないのだ。

が、逆にブラックプリンスは機動力こそドンガメレベルだが、防御力に関してはチャーチルをも上回る分厚い装甲を有している事で正に堅牢!どれだけ堅いかと言えば、『守備力3000のモンスター5体並べて、その内の1体に結束3枚発動して守備力集中させたぞオラァ!』ってな感じだ。

その防御力は『耐えられる攻撃ならば避ける必要はない』と言う、どこぞの白い魔王の脳筋理論を思わせるレベルであるが、実際にブラックプリンスには、パンターの超長砲身75mmですら決定打になっていないのだから恐ろしいだろう。

 

 

「ちぃ、ヤッパリ固いわねブラックプリンスは……」

 

「エリカさんが健在だったら一発カチ食らわす事も出来たんだけど……」

 

 

撃破出来ない事に、ナオミも苛立つが其れも仕方ない――中学時代はみほ車の砲撃手として狙った獲物は100%撃破して来たナオミ的に命中しているのに倒せないと言うのはイラつく事この上ないだろう。如何に分厚い装甲でも何度も被弾してれば何れは撃破出来るとは言っても、時間が掛かればどうしてもイラつくのは仕方ない。

みほもみほで、エリカが健在ならばと考えてしまう辺りブラックプリンスには手を焼いていると言う事なのだろう――確かにエリカが健在であったのならば、ティーガーⅡの最強の超長砲身88mmでブラックプリンスの装甲を抜く事が出来たかも知れないのだから。……ドイツのアハトアハトは素晴らしいな大好きだ。

だがしかし、そのエリカは秋山好子と共に井手上華絵と小梅を巻き込んでデッドエンド(死んでないけど)してしまったのだから、無い物強請りは出来ないだろう――其れだけに、此のままでは持久戦になるのだが、そんな一手を選ばないのが隻腕の軍神だ。

 

 

「(真面に戦ってもブラックプリンスを抜くのは難しい……だったら!!)

 ナオミさん、1時の方向の地面を撃って!そしてつぼみさん、ナオミさんが撃ったらそっちに向かって猛ダッシュ!青子さんは何時でも次弾が撃てるように速攻で装填して!!」

 

「へ、如何したのみぽりん!?」

 

「みほ……ブラックプリンス攻略の糸口を見つけたのね?……了解したわ!」

 

「お任せあれですわみほさん!リミッター解除でやっちまいます事ですのよ~~!!ご覚悟なさいませブラックプリンス……ぶち殺して差し上げますわよ!!」

 

「つぼみが聖グロに行ったのはぜってー間違いだった気がするんだが、このキャラはこのキャラでおもしれーから問題ねーか♪」

 

「お~~ッホッホ、褒めても何も出ませんわよ青子さん!!」

 

「つぼみさん、此れ多分褒めてないから。」

 

 

即座に何かを思いついて隊員に指令を下して行く……沙織が若干突っ込みとして頑張っている気がしなくもないが、此のメンバーにはそもそも突っ込むのが徒労であり間違いなので沙織お疲れである。

まぁ、其れは其れとしてみほが思いついた以上、その作戦が普通である筈がない。

 

 

「吉良ナオミ、目標を狙い撃つわ!」

 

 

まずはナオミが言われたとおりの場所に砲撃を撃ち込んで土を巻き上げ一時的に大量の土煙が発生!

 

 

「此れもどうぞ!!」

 

 

更にみほがお得意の発煙筒スモークをブチかまし、土煙とスモークで千代の視界を完全にシャットアウト!裏技、搦め手はみほの得意技なのだ。

 

 

「完全に視界が塞がれた……!」

 

 

この戦術を知ってはいた千代だが、試合を観戦していて見るのと実際に喰らうのでは矢張り差が大きかったらしく、視界を塞がれた事で完全に指示が滞ってしまった。

だが、その思考停止は命取り!

 

 

――コン……

 

 

「え?」

 

「島田の小母様、取りましたよ。」

 

 

何かがブラックプリンスに当たった音がしたので、そちらを向くと、ブラックプリンスの回転砲塔と車体の隙間に主砲を押し当てたパンターと、キューポラから身を乗り出して不敵な笑みを浮かべるみほの姿が!

 

そう、みほのパンターはブラックプリンスの視界を奪うと同時に土煙とスモークの中を爆走し、ブラックプリンスに最接近したのだ――爆走する音で気付かれる可能性もあったが、直ぐ近くで愛里寿&梓組がしほ&菊代組と戦車戦を展開している事で発生する轟音がエンジン音をある程度掻き消してくれたお陰で気付かれずに接近出来たのだ。

 

 

「み、みほちゃん……!」

 

「島田の小母様……Go to Heaven!」

 

 

そしてそのまま砲塔と車体の隙間に主砲を発射!ゼロ距離発射!!

如何に分厚い装甲を誇るブラックプリンスとは言え、最も装甲の薄い場所をゼロ距離で攻撃されたら堪ったモノではない。と言うか、此の場所にゼロ距離からパンターの主砲ブチかまされたら殆どの戦車は一溜りもないだろう。……P1500モンスターの様な計画倒れの化け物戦車が相手の場合は分からないが。

ともあれ、的確に弱点を撃ち抜いたとなれば当然……

 

 

――キュポン!

 

 

『ブラックプリンス、行動不能!』

 

 

行動不能の白旗判定に!

隻腕の軍神と島田流家元の戦いは、隻腕の軍神に軍配が上がった様だ――まずは、一発目の世代交代成功と言った所だろう。

 

 

「ふぅ……負けちゃったか。――見事だったわみほちゃん。隻腕の軍神の力、堪能させて貰ったわ。」

 

「島田の小母様……私もとても楽しかったです。島田流の真髄、堪能させて頂きました。」

 

 

だが、負けた千代に悔しさは感じられない……悔しさよりも、新たな世代を担う者と全力の戦車道を出来た事に対しての満足感が大きいようにも感じられる程の清々しい表情だ。

みほの戦車道は、島田流の家元をも完全に魅了してしまうモノだったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

みほと千代が激戦を繰り広げて居たのと同じ頃、愛里寿&梓vsしほ&菊代の戦いも佳境に入っていた。

戦車の総合性能で言うのであればセンチュリオンとⅢ号の愛里寿チームとティーガーⅠとパンターのしほチームに総合的な性能差は存在しないので、此れはストレートに戦車乗りの能力が問われるのだが……

 

 

「澤さん、右に警戒して。」

 

「了解!……く、流石は家元、ハンパないわ!!」

 

「思った以上に喰らい付いて来るわね……流石はちよきちの愛娘とみほの愛弟子と言った所かしら?……と言うか、何で初めて組んだのにあんなに連携取れてるのかしら?」

 

「天才が組んだ事に依る一種の化学反応ではないですか奥様?」

 

 

愛里寿&梓組が若干押され気味ではあるモノの、略互角の展開となっていた。

だが、しほ&菊代組が若干優勢だったのは、タッグとしての年季があるからに過ぎない――ブランクがあるとは言え、しほと菊代は現役時代はずっと組んでいた名コンビであるのだから連携に隙が無いのだ。

其れに対し、愛里寿と梓はコンビを組むのが此れが初めててある為、連携にしても殆どその場のアドリブの付け焼刃なので、如何したって差が生じてしまうのだ……其れでも、喰らい付いている愛里寿と梓はハンパないのだろう。

菊代の言うように愛里寿は若干13歳で飛び級で大学入って大学選抜の隊長やっちゃうような稀代の天才児であるし、梓も戦車道を始めたのは中学からであるにも関わらず僅か1年で小学生の頃からの経験者をごぼう抜きにし、更にはみほの才能による所が大きかった明光大付属中のドクトリンをマニュアル化してしまった一種の天才なのだ――天才×天才の化学反応が、レジェンドとも言えるコンビに喰らいつく事が出来ていたのである。

 

とは言え、僅かとは言え差があるのであれば何れは其れが大きくなり、愛里寿&梓組が瓦解するのは目に見えているのだが――

 

 

「此のままじゃやられる……如何すれば。」

 

 

――クイ……

 

 

「紗希、如何したの?」

 

 

此処でウサギチームの寡黙な少女、丸山紗希が梓の袖を引っ張った!其れはつまり、何か言いたい事があると言う事!でもって、紗希ちゃんが何かを言う時は大抵状況を打開する何かがあった場合なのだ!

原作全12話、OVA12話、アンツィオ戦、劇場版、最終章2話分の計28話で合計セリフ3つを舐めんな!!

 

 

「……隊長。」

 

「え?」

 

 

そんな紗季が指さした先には……

 

 

「殺~ってやる!殺~ってやる!!殺~~~ってやるぜ!い~やなあいつをフ~ルボ~ッコ!!」

 

 

キューポラから身を乗り出すどころか、キューポラに右足を乗っけて、パンツァージャケットの上着を肩に引っ掛け、右腕を腕を組んだ形みたいにして、若干と言うか可成り物騒なアレンジを加えたボコのテーマを高らかに歌うみほの姿が!!

千代を撃破したみほは、その勢いのままこっちの戦車戦に参戦して来たのである!!つーか、みぽりんテンション高いなオイ!!!

 

 

「西住隊長!!」

 

「みほさん!!」

 

 

だがしかし、不利な状況にあった愛里寿&梓組にとってみほの加入は有り難い事だ――この状況であっても、みほが加わってくれれば数の上で優位に立てる上に、チームの年季の差を埋める事も出来るかも知れないのだから。

 

 

「愛里寿ちゃん、梓ちゃんお待たせ!」

 

「西住隊長、お待ちしてました!!」

 

「こっちに来たって言う事は、お母様を倒したって言う事だよね?……みほさん、凄い!!」

 

 

「みほ……ちよきちを倒すとは!って言うか、撃破判定聞いた菊代!?」

 

「すみません奥様、試合に夢中になっていて完全に聞き逃していました!」

 

 

みほの加入は愛里寿と梓にとっては朗報であるが、しほと菊代からしたら悪夢と言えるだろう――撃破判定アナウンスを聞き逃すのは試合に集中していたとは言え如何なモノかと思わなくもないが、みほが此方に来たと言うのは千代を撃破したと言う事に他ならないのだから。

そもそもにして現役JK戦車乗りが島田流の家元を下すとか、普通だったら有り得ない事なのだから、しほと菊代が驚くのも仕方ない――幾らなんでも、みほが千代を撃破するとは思ってなかったのだから。

しほも菊代も、何処かでまたスイッチが行われると思っていた――が、スイッチは行われずにみほが千代を撃破したのだ……此れは正に100メガショック!100ギガデストロイだ!!

 

 

「愛里寿ちゃん、梓ちゃん……一気にぶちかますよ!!」

 

「西住隊長……了解です!」

 

「みほさん……分かった!!」

 

 

そして、みほが加わりみほ&愛里寿&梓チームにメガシンカしたこのチームはガチで強い事この上ない――天才×天才の化学反応に、更に『超天才』が乗算で加わったのだからその化学反応は無限の可能性だ!!

こうなっては、しほと菊代のコンビの年季は最早通じないだろう……だって、みほには戦車道の常識なんてものは一切合切通じないのだから。

みほの前では経験の差も年季の違いも『何それ美味しいの?』状態になってしまうのだ……稀代の才能を持ったみほだが、左腕を失った時から続けていた努力によって研磨された才能は、常人では触れる事も出来ないレベルの力を有してしまったのだから。

なので――

 

 

「はい此処で必殺スモークフラッシュ!!」

 

「更にマジックカード『倒木の呪い』!!」

 

「続いてトラップカード『落とし穴』!!」

 

 

裏技搦め手上等のみほ流の戦車道が惜しむ事なく全開炸裂したのだが、此れはしほと菊代にとっては戦々恐々の戦い方だった――映像で見るのと実際に目にするのでは異なると言う事をしほと菊代は其の身をもって知る事になった訳である。

 

 

「く……対抗策が!!菊代!!」

 

「すみません奥様……対抗策、思いつきません!!」

 

 

みほ流の戦車道に嵌められたしほは何とかしようとするが、矢継ぎ早に炸裂される搦め手に対抗策が追い付かず、遂には菊代さんまで対抗策を講じる事が出来ずに落とし穴にはまってダウン!

白旗判定にこそなっていないが、戦線復帰はほぼ絶望的な状況だ。

 

 

「お母さん、此れで終わりだよ。」

 

「此れでお終いです、西住の小母様。」

 

「私達の勝ち、ですね?」

 

 

そして、その隙を見逃さずに、みほと愛里寿と梓はしほのティーガーⅠを完全包囲!!!――其れこそ、逃げ場はないレベルでの完全包囲だ。

次の瞬間――

 

 

――バガァァァァァァァァァン!!

 

 

――キュポン!

 

 

『ティーガーⅠ、フラッグ車行動不能!よって此の試合、大洗女子学園の勝利です!』

 

 

3つの主砲が火を噴いてレジェンドチームのフラッグ車であるティーガーⅠを粉砕!玉砕!!大喝采!!――同時に其れは、大洗女子学園がレジェンドを下して最強チームになった事の証でもあった。

 

 

「ガッデーム!良い試合だったぞオラァ!!」

 

 

……取り敢えず少し黙っててくれ観客の黒のカリスマよ。

だがしかし、彼が興奮するのも当然であるかもしれない――だってこの試合は年間ベストバウトにノミネートされてもおかしくない試合だったのだから。

 

 

「みほ……見事だったわ。」

 

「お母さん……今回は、私の勝ちだね!!」

 

 

試合が終われば後はもう仲間だ!みほもしほも仲間なのだ!!――そして何よりも、戦車乗りとして仲間と言うのを蔑ろにするのは絶対ダメであると言っておく!

ともあれ学園祭のエキシビションは、新生代がレジェンド世代を返り討ちにしたと言う事で話題になるのは間違いないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:みほ

 

 

初日のエキシビションは大盛り上がりで幕を閉じ、文化祭も大盛況だったね!

さてと、楽しかった文化祭も2日目でそろそろお終いか……愛里寿ちゃん、楽しむ事できたかな?――ほんの少しでも大洗に触れて楽しんでくれたのなら、この学校にとっても嬉しい事だったよ。

 

 

 

「うん、とても楽しかったよ!」

 

「なら良かったよ愛里寿ちゃん……時に愛里寿ちゃん編入先は如何する心算なのかな?……大洗女子学園に来てみる?」

 

「其れも良いと思ったけど、みほさんとは共闘するよりも真正面から戦った方が面白いと思った……だから、私は大洗女子校には編入しないで別の場所を探す事にするよ。

 みほさんとは、一緒のチームで戦うよりも共に切磋琢磨するライバル関係で居たいから。」

 

「そっか、少し寂しいけど、そう言う事なら仕方ないね。」

 

 

 

だけど、愛里寿ちゃんに大洗女子学園に来るかって聞いたら答えはNoだった……でも、その理由がまた私と戦いたかっただからって言うのは驚きだったけれどね。

でも、そう言う事なら仕方ないよ――愛里寿ちゃん、また戦おうね?

 

 

 

「うん、約束。」

 

「約束だね……嘘ついたら、ボコ1000体飲ます!!」

 

「指切った!!」

 

 

 

愛里寿ちゃんとは約束の指切りをして、此れで丸く収まると思ったんだけど――

 

 

 

「そんな、島田愛里寿はウチに来てくれないのか!?――しかも原因は西住とライバル関係で居たいからだと!?

 ……ふざけるなぁぁ!そんな事で納得できるかぁ!!

 つまりは西住、お前が居るからこそ島田愛里寿は大洗には来てくれないと言う事になる――ならば、西住!お前が転校しろ!!!」

 

 

 

此処で、桃ちゃん先輩が盛大な一撃をかましてくれたね……愛里寿ちゃん欲しさに私に転校を促すとか、頭が悪いにも程があると思うんだけどマサカこんな事を言ってくるとは思わなかったよ。

まぁ、このセリフ自体は毎度御馴染の、『その場の勢いで後先考えずに口を突いて出た言葉』だろうから私は別に気にしないけど、私以外の人が聞いたら黙って無いんじゃないかな?特にエリカさんとか小梅さんとか梓ちゃんとか優花里さんとか黒のカリスマとか。

最早後悔しても後の祭りかもしれませんが、自分の言った事には責任を持った方が良いですよ河嶋先輩――大洗女子学園の新聞部は、可成りのパパラッチみたいだから、何処で聞き耳立ててるか分かったモノじゃないので……下手したら速攻で『文春砲』ならぬ『大洗砲』が放たれる可能性もあるしね。

 

傍から見たら、私に対してのパワハラにしか見えない此の行為がどんな結末を迎えるのか――何れにしても、只では済まないだろうね。……あとは野となれ山となでしこってところだけどさ。

 

 

だけど振替休日を終えて学校に行った私が目にしたのは、想像以上の光景だった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

 


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