ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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招待状の差出人は『R』!Byみほ        いや、自爆オチ野郎は勘弁!Byエリカ      差出人『R』は不穏でしかないですねBy小梅


Panzer175『戦車の探索と無限軌道杯の招待状』

Side:みほ

 

 

桃ちゃん事変から半月が経って、短期転校組が自校に帰る時が来た……短い間だったけど、楽しかったよ青子さん、ナオミさん、つぼみさん!!

皆と高校生活を過ごす事が出来たのは、高校生活一番の思い出になるかもだよ。

 

 

 

「アタシ達と過ごした時間が高校生活の一番の思い出とか、けちな事言うなよみほ――高校生活の一番の思い出は何かって聞かれたら、大洗を率いて全国制覇2連覇を達成した事です位は言えっての。

 まぁ、全国制覇2連覇は簡単にはやらせねぇけどな!!」

 

「来年の大会では私達サンダースが大洗を倒すから覚悟なさいみほ。」

 

「大洗を倒すのは私たち聖グロですのよ~~!!必ずやみほさんの事をぶっ倒してやがりますわ!!!」

 

 

 

……つぼみさんの話し方は突っ込み不要なんだけど、私達の前に立ち塞がるって言うのなら嘗ての戦友でも容赦しないで倒させて貰うから悪く思わないでね?

試合である以上は、嘗ての戦友であっても手加減なんてしない――否、戦友だからこそ全力で行かせて貰うから!!

 

 

 

「おうよ、そう来なくっちゃな!!お前との全力の戦車道を楽しみにしてるぜみほ!!」

 

「みほさん!全力でやらせて頂きますことよーー!お~~っほっほっほっほ!!」

 

「私の仕事は敵車輌を撃ち抜く事……そして最大の獲物は貴女よみほ――戦場で見つけたら、狙い撃たせて貰うわ。」

 

 

 

ふ……そう来なくちゃ面白くないよ!

今度戦う事になったその時は、私も持てる力の全てを持ってして勝たせて貰うから――でも今は……あの時、助けに来てくれてありがとう。

その気持ちで一杯だね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer175

『戦車の探索と無限軌道杯の招待状』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな訳で短期転校組は夫々の学校に戻って行ったんだけど、だからと言って私達の日常に変化が有ったかと言われればそれは否――今日も今日とて……

 

 

 

『ガルゥゥゥゥゥ!!』(貴様、何をしに来た?)

 

「うわぁ、なんで虎!?虎が居るなんて聞いてないぞおぃぃぃぃ!!

 お、俺は只の戦車道マニアで、俺推しの戦車女子である五十鈴華さんに会いに来ただけだ!!あの清楚な大和撫子が砲手として敵戦車を打ち抜くとか痺れまっせーー!!

 俺は、この愛を華さんに直々に伝えるのだ~~!!」

 

『グロアァァァァァァァ!』(ご主人の親友に何さらそうとしとんじゃボゲェ!食い殺すぞゴルァ!)

 

「ちょ、止めて!食べないでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 

 

アンドリューが学園艦に侵入した不審者を組み伏せてました。

大学選抜戦が終わってから、私達戦車女子を目当てに学園艦に不法侵入してくる人が多くなった感じなんだよね……一体どうやって海の上の学園艦に侵入してるのやら。

優花里さんみたいにコンビニの定期便でも使って陸から来てるのなぁ?……まぁ、大抵の場合はアンドリューに『噛み砕く』を喰らわせられるか、ロンメルの『熱風』で燃やされてるけどね。

アンドリューとロンメルから逃れて目的の子に辿り着いたとしても、速攻で返り討ちに遭うから問題ないけど……猫田さんがワンハンドネックハンキングで撃退したのには驚いたけどね。

 

 

 

「いや、アナタがストーンコールドスタナーでKOしたのにも驚いたわよ?」

 

「そう言うエリカさんはフリッカージャブの高速連射でKOしてませんでした?って言うかアレって普通に蛇ドリルですよね今考えると……」

 

「そんな事言う小梅さんは、カウンターのシャイニングウィザードからフラッシュエルボーでKOしてたけどね♪」

 

そんな訳でお兄さん、学園艦に忍び込んで意中の戦車女子にストーカー紛いの事をしたらとっても怖い事になっちゃうから止めた方が良いよ?手遅れかも知れないけどね?

うん、生きてはいるけど身体中に歯型が付いて血だるま……普通にモザイクの見せられない状態だね此れは。

 

 

 

『ガウ?』(ご主人、如何する此れ?)

 

「ん~~~……取り敢えず学園から放り出しといて良いよ。

 海なら沈む事は無いし、運が良ければ助けて貰えるかもしれないしね――運が悪かったら血の匂いに誘われたサメに食べられてデッドエンドだけどね。」

 

 

『ガルゥゥ……』(了解した。)

 

「学園艦からの紐なしバンジーとか、結構容赦ないわねみほ?」

 

「エリカさん、人の迷惑とか考えないで自分の欲望の為に学園艦に侵入して来るストーカー紛いの人に容赦も手加減も必要ないと思わない?

 寧ろ、生かしておいてあげるだけ優しいと思うんだけどなぁ?」

 

「そうね、貴女の言ってる事は正しいわみほ。」

 

「全国大会で優勝して、大学選抜戦にも勝って大洗を守る事が出来たのは良かったですけど、その影響でこう言う迷惑な輩が増えてしまったと言うのは悲しい事ですね。」

 

 

 

マッタクだね。

真の戦車道ファンならこんな事は絶対にしないから、この人達は所詮は俄かって言う奴なんだろうけどね――其れこそ、戦車道ではポット出の無名校に過ぎなかった大洗女子学園の快進撃を見て、此れまでは興味もなかったのに盛り上がったって感じだろうね。

ほんとに、俄かファンは迷惑極まりないね。

 

 

 

――ドサァァァァァァァァァァ!!

 

 

 

そして、今日も今日とて下駄箱からは大量のラブレターやらファンレターが……私宛の手紙とかは専用の郵便箱に入れる事になってるって言うのに此れとは――若しかしてあっちに入りきらなくなってるから下駄箱に来るのかな?

って言うか、この量は明らかに下駄箱の許容量超えてる気がするんだけど?

 

 

 

「きゃ~~!今日もモテモテだねみぽりん!スッゴイラブレターの数じゃん!!

 みぽりんってば今や日本では知らない人が居ない位の有名人だからラブレターが来るのも当然かもしれないけど……こんなにラブレターが来てるんじゃみぽりんだって困るよね?

 だけど、其れでもみぽりんへのラブレターは尽きないんだから、やだもーー♪」

 

「あはは……朝から元気だね沙織さん。」

 

私の下駄箱から出て来た物を見て、沙織さんがちょっと暴走するのも何時もの事だね……だけど、敢えて言わせて貰うよ沙織さん。沙織さんは少しガッツキ過ぎ!

自分から攻めずに少しは受けに回った方が良いと思うよ?

沙織さんは顔は可愛いし、料理の腕は神レベルだからガッツかずに少し大人しくしてれば引く手数多じゃないかなぁ?――何よりも、沙織さんの笑顔はとっても可愛いからね。

 

 

 

――クイ……

 

 

 

「……~~~///」

 

「えっと、如何したの沙織さん?」

 

「みぽりん、付き合って。

 ゴメン、今のみぽりんめっちゃカッコ良かったから!それこそ、雑誌とかのモデルやってるイケメンよりもカッコ良かったから!だから、付き合ってくれない?

 女の子同士だけど、そんなのは些細な事だよね?って言うか、戦車女子的には同性恋愛は普通だってネットで読んだ事有るから!!」

 

 

 

ウワォ、そう来たかオイ。

まぁ、確かに戦車女子に同性恋愛があるのは否定しないよ?私が把握してる限りでも西さんとダージリンさん、ケイさんとエクレールさんが実は付き合ってるみたいだからね。

あと、不確定情報ではあるけどお姉ちゃんとアンチョビさんが実はっていう感じかな。……まぁ、アンチョビさんが未来のお姉ちゃんって言うのは悪いとは思わないけどね。寧ろウェルカムかも。

だけど沙織さん、其れでも私は敢えて言うよ……ごめんなさい!私は沙織さんの事を友達以上に見る事が出来ないから!!

 

 

 

「ガーン!みぽりんに振られたぁ!でもでも、私達は友達のままではいられるよね!?」

 

「其れは勿論だよ沙織さん。

 もしも沙織さんがあの時私とエリカさんに声を掛けてなかったら、今の大洗の戦車隊は無かったかもしれないからね……私達の友情は未来永劫変わる事は無いよ!」

 

「うわぁぁぁぁぁん!みぽりん大好き~~~!!」

 

「……朝から煩いぞ沙織……」

 

 

 

あ、麻子さんも来たんだ。おはよう!って、アンドリューも一緒だったんだ?

 

 

 

「フラフラ歩いてたら、背中に乗れと言わんばかりに私の前に座って来たのでな……有り難く乗せさせて貰った……此のふかふかの毛は、最高級の羽毛布団並みに気持ち良かった。」

 

『ガウ、ガルルル。』(さっきの馬鹿を海に捨てた後で見かけてな。此のままだと遅刻してそど子が煩そうだから連れて来た。)

 

「あはは……そうだったんだ。アンドリューもご苦労様だったね。」

 

「……みほ、気のせいかもしれないけど、なんだか最近アンドリューやロンメルが何て言ってるのか分かるような気がするのよね……私だけじゃないわよね?」

 

「うん、エリカさんだけじゃないと思うよ?私も分かるし。

 って言うか多分殆どの人が分かるようになったんだじゃないかなぁ?……主に泣き声や唸り声に大凡文字数が合ってない訳文が付いた事で。」

 

「あぁ、成程……其れならば納得ですね。」

 

「いやいや待て待て!!何を言ってるのよみほ!そして何を納得してるのよ小梅!正直意味が分からないんだけど!?」

 

 

 

細かい事を気にしちゃダメだよエリカさん。

ダージリンさんじゃないけどこんな言葉を知ってる?『くよくよすんな、グダグダ言うな。寝言は寝てから言え、戯言はラリってから言え。福寿草 六畳一間で 8000円。』って。

 

 

 

「いや、知らないし!特に最後の!」

 

「だろうね。最後のは今私が考えたモノだし。そもそも今のご時世六畳一間でも8000円じゃ借りれないと思うから。」

 

在ったら間違いなくブラック物件だろうしね。

それにしても、朝から何ともばかばかしいやり取りをしたモノだけど、此れが日常なんだよねぇ……改めて大学選抜戦に勝って大洗を奪還出来て良かったと思うよ。

 

時に、この大量のラブレター如何しようか?

 

 

 

「畜産科にでも回してやれば良いんじゃない?山羊が全部処理してくれるでしょう。」

 

「みほさんへのラブレターは読まずに山羊さんが食べてしまうと言う訳ですね……しかも、返事の手紙は書かれないままに。不憫ですね。」

 

 

 

ファンレターは兎も角ラブレターは面倒なだけだから仕方ないかな?

其れに、ファンレターはちゃんと戦車道で使う戦車倉庫前の特設郵便箱に投函されるのに対して、ラブレターはそのルールを無視して個人の下駄箱に直接投下されるから無視確定だよ。

ルールを守ったファンレターには返事を書くけど、ルール無視のラブレターに応える義理も義務もないしね。

 

 

 

「ハッキリしてるねみぽりん?だけど、そんなみぽりんに罵られたいって言う変態思考の持ち主がラブレターを出しているっていう噂もあるとか。」

 

「なにそれ、やだもーーー!」

 

「みぽりん、其れ私のセリフ!!」

 

 

 

取り敢えず、朝の平和な一時だったね。

 

 

 

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・・・

 

 

 

今日は選択必修科目の無い日だから戦車道の練習はお休み。――とは言っても、皆戦車道が好きだから、もっと上手くなろうと自主練習してたりするんだよね。

私も自主練習に参加する心算だったんだけど……

 

「桃ちゃん先輩、此処は一体何処でしょう?」

 

「此処は学園艦のコントロールルームでな、学園艦内部のありとあらゆるモノを監視、詮索する事が可能になっているんだ。

 あぁ、勿論個人情報には触れていないがな。」

 

「はぁ……」

 

その途中で桃ちゃん先輩に『西住、少し付き合ってくれ』と言われて、学園艦のコントロールルームに……なんて言うか、SFアクション映画に出て来そうな場所ですね此処は?

複数のモニターにインカムを装着したオペレータ……此処ってアースラの内部じゃないですよね?

 

 

 

「断じて違う。」

 

「ですよねぇ……桃ちゃん先輩は夜天の主と中の人が同じなので若しかしたらと思ったんですけど。」

 

「何言うてんねん、そんな筈ないやろみほちゃん?」

 

「あ、でも桃ちゃん先輩の場合は声の感じ的に王様の方でしょうか?」

 

「何をぬかすかこの下郎!王である我を前にして頭が高いぞ西住!……って、何をやらせるか!!」

 

「いやぁ、案外ノリいいですね桃ちゃん先輩?」

 

ま、其れは置いといて。

私をこんな所に連れて来て一体何の用ですか桃ちゃん先輩?私を連れて来たって言う事は戦車道関連なんだろうとは思うんですけど……

 

 

 

「うむ、其れなんだがな……実はこれまでに見つけた8輌以外にも、大洗の学園艦には戦車が隠されている事が分かってな、現在その戦車を探している最中なのだ。」

 

「まだ隠された戦車が有ったんですか!で、其れを探していると。」

 

「如何に島田の援助があるとは言え、其れに頼ってばかりではいかんからな……我等が自分で出来る事は自分でせねばならないだろう。

 その上でお前に聞きたいのだ西住。」

 

「えっと、何をですか?」

 

「学園艦に隠された戦車の種類は既に分かっている――マークⅣと言う戦車だ。

 私は戦車の性能の事は良く分からないので教えて欲しい、マークⅣとはどんな戦車なのだ?」

 

「へ?マークⅣ戦車ですか?」

 

マークⅣって、第一次世界大戦の時に登場した世界初の戦車であるマークⅠの欠点を改良した戦車のご先祖様とも言える車輌だよね?物凄くレアである事は間違い無いけど、戦車道で使用できる戦車ではないと思うんだけど……本気で20年前の大洗はどんなチームだったのやらだね。

 

 

 

「如何した西住?」

 

「いえ……その、率直な事を言わせて貰うのであればマークⅣ戦車は見つけた所でマッタク持って戦力としては期待できないと思います。

 先ず戦車砲が搭載されていないので戦車戦の性能が皆無な上に、アンツィオの主力であるCV-33の様に機動力で掻き乱す事も不可能な上に操縦に4名も必要な時点でアウトです。

 ですが、非常に希少価値のある戦車であり、マニアの中には新たにF2仕様のⅣ号戦車が3台購入出来るだけの値で買い取ってくれる人も居るので、探して確保しても損は無いと思います。」

 

「F2仕様のⅣ号3輌に化けると考えれば探し出して損はないか。」

 

 

 

そうですね、損は無いです。

だけど、どうして今新しい戦車を?島田の小母様の援助に頼りきりにはなれないと言うのは立派な心掛けかと思いますけれど、だからって無理に新たな戦車を探す必要もないですよね?

 

 

 

「そうかも知れんが……今の内に学園艦に眠る戦車を全て探し出しておけば来年以降の負担は減るだろう?

 私達が生徒会の役員で居られる時間はもう長くは無いからな……今の内に出来る事は全てやっておこうと、そう思っただけだ――何よりも、此れ位の事をしなくては、お前に吐いた暴言に対する罪滅ぼしにならないからな。」

 

「桃ちゃん先輩……大分キャラ変わりましたね?」

 

「言うな……私なりに思う所があっただけだ。

 其れと、来年以降の事も有るが、今年復活する此れの為に、戦力は少しでも多い方が良いと思ったから、学園艦に眠る戦車を発掘しておいた方が良いと思っただけだ。」

 

 

 

此れは……『無限軌道杯』開催のチラシ!

戦車道人気が下火になってた事を理由に長らく中断されてた冬季の無限軌道杯が復活するんだ!……此れも、大洗女子学園の全国大会制覇って言う下剋上があったからかもしれない事だよね?

でも、そう言う事ならこの無限軌道杯に私達大洗女子学園が参加しないなんて言うのは有り得ないですよね桃ちゃん先輩?

 

 

 

「だろう西住?

 こう言っては何だが、今の戦車道の盛り上がりは大洗の全国制覇と大洗の――大洗連合と言う名の高校選抜チームが大学選抜チームに勝利した事に起因しているのは間違いあるまい?

 ならば、大洗がこの無限軌道杯を制すれば、更に戦車道の熱は燃え上がるだろう……そして、来年以降の大洗への入学者も増える筈だ!!

 何よりも入学者が増え、更に戦車道チームの人数が増えてくれれば大洗を廃校にしようなどと言う事は二度と出来ないだろうからな。」

 

「桃ちゃん先輩……其処まで大洗の事を考えていたとは脱帽です。

 でも、そう言う事ならばこの学園の何処かにあるマークⅣ戦車は絶対に探し出さないとです――戦力としてはマッタク期待出来なくとも、大洗の戦力を強化する為の資金源にはなりますから。」

 

なので、マークⅣ戦車の在り処が分かったら直ぐに教えてください――どんな場所でも取りに行きますから。

其れこそ、たとえ火の中水の中、土の中森の中、学園艦の最下層だって出向いて回収します!!大洗の戦車道の発展の為ならドンな危険な事だって何のそのだからね!!!

 

 

 

「よく言った西住!それこそ隊長の鑑だ!!」

 

「桃ちゃん先輩、ベジータ風に言って下さい。」

 

「西住……お前はまたそうやって私の上を行くのか。

 私とお前の何が違うのか考えた……最初は守るモノが有るからだと思った……守るモノがあるから其れを守る為に強くなれるのだと。

 だが、其れならば今の私も同じ事……だからこそ分かった――お前は純粋に戦車道を楽しんでいたんだな……だから、勝ち負けには拘らない。

 最後まで、お前は私にトドメを指す事だけはしなかった……ムカつくぜ、戦車道が好きな優しい戦車乗りだと?

 頑張れ西住、お前がナンバーワンだ!!って、だからやらせるな~~!!」

 

「いや本気でノリいいですね桃ちゃん先輩?桃ちゃん先輩となら最高の漫才コンビを結成できるような気がしてきました……コンビ組みます?」

 

「誰が組むかぁぁ!!」

 

 

 

其れは残念……桃ちゃん先輩となら結構イケてる漫才コンビが結成できると思ったんだけどなぁ。

でも、数年ぶりに復活する無限軌道杯は魅力だね……名立たる学校がエントリーして来るのは当然として、全国大会には出て来る事が無かった『隠れた強豪』が出てくる可能性もあるから、そう言う意味では全国大会よりも楽しい事になるかもだよ。

真の意味で群雄割拠になる無限軌道杯を制したとなれば、大洗の地位を確固とする事が出来るかもだよ――だけど、それ以上に隠れた強豪と戦う事が出来るかも知れないって言うのはとっても魅力だね。

無限軌道杯に向けての準備を進めないとだよね!!

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:???

 

 

無限軌道杯……数年前に休止してた冬季大会が復活するとは、此れもみほ率いる大洗女子学園が全国大会で下克上をかまして、更には大学選抜を下した影響かしら?

でも、無限軌道杯が復活してくれるのなら有り難い事この上ないわ――全国大会と違って、無限軌道杯に出場する学校に制限はなかった筈だから事実上『戦車道を行っている学校』であればどこでも出場する事が出来るからね。

 

 

 

「どしたの?何か楽しそうだよ?」

 

「そりゃ楽しそうにもなるわよ。」

 

だって、無限軌道杯に出ればみほと戦う事が出来るかも知れないんだから――何よりも、6年前の約束を果たす良い機会だから、無限軌道杯には参加させて貰うわ。

待ってなさいみほ……無限軌道杯で会う事を楽しみにしてるわよ!

 

でも、其れは其れとして今は……

 

「アンタ達は……毎度毎度毎度……下らない事でケンカするんじゃないって言ってんでしょうが!!学習能力無いの!発達障害かオイィィィ!!」

 

「やべ、マネージャーがキレた!!」

 

「ぜ、全軍撤退!今すぐ此処から離脱しろぉ!!」

 

「逃がすかあ!!」

 

無意味なケンカをする馬鹿共を粛正ね……ったく、毎度毎度よくもまぁケンカのネタが有るって、逆に感心するわ……ある意味で、此れも脳筋であるからなのかもしれないけどね。

だけど、其れだけに戦車道でガッチリとギアが噛み合ったその時には無限の力を発揮出来るか――少しばかり違うかも知れないけどみほ率いる大洗もそんな感じだったわね。

 

だからこそあなたと戦いたいわみほ――貴女が見つけた貴女だけの戦車道、其れを見せて欲しいわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

 


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