ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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エミちゃんとの真剣勝負……良いねByみほ        幼馴染同士で真剣勝負……良い響きだわByエリカ      本当に良い響きですねBy小梅


Panzer189『市街地戦はマジでViolenceです!』

Side:エリカ

 

 

序盤戦は互いに策を披露しながらも損害はゼロだったけど、ベルウォールの視界を潰した上で市街地に行く事が出来たって事を考えれば、初手は私達大洗が取ったと言えるでしょうね。

市街地戦はみほの十八番……其れこそ、今の日本国内で、否世界中を探しても市街地戦でみほと遣り合える戦車乗りなんて片手で数えて足りる程しか居ないんじゃないかと思うわ。

寧ろ、みほと遣り合えたら其れは本気でエイリアンの可能性が否定出来ないわよ――みほを相手にしての市街地戦は本気で何が起きるか分からないからね?

上から何が降って来るんじゃないかと警戒してれば落とし穴が待ってるし、地面に何か仕掛けられてるんじゃないかと思ったら上から何か降って来るって言う鬼難易度だからね。

 

ベルウォールの指揮官である中須賀エミは、その辺も分かってるだろうから大洗の部隊が市街地に居ると分かってても攻め込む事が出来ないんでしょうね。

でも、其れは間違いじゃないわ……自ら罠に飛び込むなんてのは自殺行為でしかないのだからね。

 

だけど、アタシは根競べをさせる心算なんて毛頭ないのよ……悪いけど、アンタ達には強制的に市街地に行って貰うとするから、覚悟しなさい。

 

 

 

「エリカの笑みは正に狂犬だな。お前に噛みつかれたら、腕の一本は持って行かれるかもな。」

 

「アイン、何なら試してみる?」

 

「遠慮してく。腕を喰いちぎられると言うのは相当に痛いだろうからな。」

 

 

 

痛い所じゃスマナイと思うわアイン――下手したらショック死するって。

だけど、此処からは大洗の狂犬と言われているアタシが相手になってやるわ――まぁ市街地に追い込むのがアタシの役目だけど、撃破するなとは言われてないから、思い切りやらせて貰うわよ?

狂犬の牙から逃れる事は出来ないと、其の身を持って知るが良いわ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer189

『市街地戦はマジでViolenceです!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

No Side

 

 

大洗の部隊が到着したのに遅れる事二十分、ベルウォールの部隊は市街地前まで来ていたのだが、其処から一気呵成に攻めると言う事はなく、只只管に街の前で止まっていた。

だが、其れもまた仕方ないだろう――大洗、と言うかみほが最大の力を発揮するのは市街地戦であると言う事は日本の戦車道関係者なら誰でも知って居る事であり、エミもまた大洗との試合を前に何度もみほの試合の映像を見た事で、みほの市街地戦での強さと言うモノを理解しているから先に進めないでいるのだ。

 

 

「今度はアタシが待ちを喰らうとはね……さて、如何したモノか。」

 

 

市街地で待つ大洗と、市街地の入り口で進撃できないでいるベルウォール……状況的にはフラッグ車を餌にして知波単を待っていたベルウォールと其れに乗るかどうか迷っていた知波単と似ているのだ。

違うのは今度はベルウォールの方が如何するかの判断を迫られていると言う所だろう。

 

エミとしてはみほが痺れを切らして市街地から出てくる事に期待したいのだが、其れは期待できないだろう――自らアドバンテージを手放す様な真似はする筈がないのだから。

 

 

「大洗の隊長は市街地戦がガチ強いんだろ?マジで如何すんだマネージャー?市街地に入ったらオレ等が勝つの難しくね?」

 

「市街地に入らなくても、元々アタシ等の勝率は五十%も無いわよ……後五分、後五分だけ待って大洗が市街地から出て来なかったらこっちから市街地に入って仕掛ける。

 その準備はしておきなさい!」

 

 

とは言え、このまま此処で止まっている訳もいかず、エミは『五分後に市街地に突入する』と言うと同時に、その時の為に気を引き締める……五分後にはみほのフィールドである市街地に突入するのだから当然だ。

だがしかし、みほが果たして五分間の猶予を与えるだろうか?

みほは戦車道に於いては相手が誰であっても決して容赦はしないし手加減もしない。中学時代の戦友だった者が居る聖グロ、サンダーズ、アンツィオにも、実の姉が居る黒森峰にも、年下の愛里寿率いる大学選抜にも一切の容赦はなかった。

つまり、幼馴染みのエミに対しても手加減なんてモノはない訳で……

 

 

「入り口で井戸端会議とは余裕ね、ベルウォール!!」

 

「んな、逸見エリカ!?」

 

 

此処でエリカがベルウォールの部隊を強襲!

市街地に入ってすぐにみほから『エミちゃんは市街地に入るのを躊躇う筈だから、市街地に入らざるを得なくしてほしい』と言われて、ベルウォールを市街地に強制突入させるために動いていたのだ。

 

まぁ、此れだけならば別に問題はない。自分の土俵に相手を強制的に引きずり出すのは当然の事なのだから……だがみほがエリカに言ったのはベルウォールを市街地に強制的に突入させろと言う事だけではない。

 

『方法は問わないよ。エリカさんの好きにして。』なんて事を言ったのだ。――普通に考えればアバウト極まりない指示とも言えない事なのだが、此れがエリカにとってはリミッター解除のパスワードだった。

『好きにして』と言う事は、つまりベルウォールを市街地に強制突入させる事が出来れば後は如何なっても構わないとも取れる訳で、そんな事を言われたエリカは……

 

 

「ほらほらほら、止まってると撃っちゃうわよ?撃破しちゃうわよ!!」

 

「『撃っちゃうわよ?』って言いながら既に撃ってるじゃないのアンタ!!」

 

 

普段は自分の凶暴性を抑える為に自らかけていたリミッターが完全解除されて、『大洗の狂犬』の二つ名に恥じない凶暴性を惜しみなく全開にしてベルウォールの部隊に襲い掛かる。――エリカの二つ名は『孤高の銀狼』じゃないのかって?

銀狼ってのは確かにカッコいいけど、エリカには狂犬の方が合ってるでしょ?寧ろ、敵と認識したら相手が誰であろうとも噛み殺そうとするなんてのは狂犬でしかない。

其れは、下手をしたら格上の相手に無謀に挑んで返り討ちにされる危険性もあるが、普段は理性で抑えている凶暴性を解放したエリカは正に血に飢えた野獣其の物である為、格上の相手であっても喰い殺す、最低でも刺し違える――中学時代に、最強と言われていたみほと引き分けたのがその証拠だ。

だからこそ、ティーガーⅡ一輌での強襲であっても充分に効果はあるのだ。

 

 

「ほらほらほらぁ、足を止めてたら速攻で撃破するわよ?あぁ、反撃しても良いのよ……出来るならね?アタシに盾突くってんなら喜んで相手になってあげるわ。

 お望み通り、狂犬の牙で引き裂いてやるわ。」

 

 

だって、その状態のエリカの顔に浮かんでいるのは本能的に恐怖を覚える凶暴な表情なのだから……言うなれば『本当にコイツ人間か?』と思いたくなる程の顔なのだ今のエリカは。

 

 

「アハハハハ!!そらそらそら!やっちゃうわよ?やっちゃうわよ?やっちゃうわ……キョォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

「ちょっ、遂に人語を失った!?」

 

「ふぅ…ごがぁぁぁぁぁぁ……ウガァァァァァァァァァァ!!!」

 

 

そして、狂暴性がマックスを超えた結果エリカの凶暴性が暴走した結果、エリカは『ホウゲキノオトノナカセンシャノチニクルフエリカ』こと『暴走エリカ』にランクアップ!

若干意味が分からないかも知れないが、今のエリカは可成りヤバい状態なのは間違い無いだろう。

 

 

「ちぃ……全員市街地に!市街地に入ったら散開!……遭遇戦で大洗を撃破して行くわよ!!」

 

 

このエリカのヤバさを悟ったエミは、全軍に市街地に突入するように命じると共に、市街地に入ったら散開するように命じる――市街地戦では大洗に分があるが、だからと言って戦う方法がない訳ではない。

部隊を散開させ、大洗の戦車とエンカウントしたら撃破すると言う各個撃破ならば、充分に渡り合えると考えたエミの見事な采配だ。

 

かくしてベルウォールの部隊は市街地に入ったのだが……

 

 

「クハァァァ……ガァァァァァァ!!」

 

「坂口、エリカが『連中を追え』だとさ。」

 

「あ、あいーーーー!!」

 

 

エリカ率いるティーガーⅡも其れを追うように市街地に――エリカは未だに暴走中なので、アインが通訳を務めていたがな……だがしかし暴走エリカの言葉が分かるアインは一体何者なのか――其れは聞いたら負けなんだろうな。

ともあれ、市外地に突入したベルウォールを追う形で市街地に入ったティーガーⅡは間違い無く最強となっていると言えるだろう。だってエリカが暴走しているのだから。

ぶっちゃけ狂犬のエリカと遣り合えるのはみほだけだろう。

ともあれ、市街地に強制的に突撃させられたベルウォールが一気にアドバンテージを失ったのは間違い無いだろう――何度も言うが、みほの十八番は市街地戦だ。

その市街戦になった時点でエミの勝率はガクンと下がったのだが……だからと言って、悲観するエミではない。

 

 

「あくまでも市街地戦で決着って事?……良いわ、貴女が其れを望むのなら、トコトンそれに付き合ってやろうじゃない!!」

 

 

寧ろ『市街地戦上等』と言わんばかりの表情で市街地に飛び込んで行ったのだった……隻腕の軍神の幼馴染もまた、戦車道の常識が一切通じなない戦車乗りだったようだ。

 

 

 

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そんな訳で市街地戦が始まり、ベルウォールの部隊は十五輌の内、Ⅱ号を除く十一輌を五つの極小隊に分け、更にⅡ号は一輌ずつバラバラに動くと言う作戦をとった。

Ⅱ号はそのフットワークの軽さを活かして偵察を務め、残りの五つの極小隊は遭遇戦で大洗と戦う布陣なのだが、此れは単純に遭遇戦で戦うと言うだけでなく、部隊を小分けにする事で一撃で全滅するのを避けたとも言えるのだ。

だが、だからと言って安心は出来ない。市街地である以上、アドバンテージは圧倒的に大洗にあるのだから――それだけに、エミとしてはファースト撃破はベルウォールが取りたいと考えていた。

先に相手戦車を撃破する事が出来れば、多少は流れを此方に引き寄せる事が出来る可能性があるからだ。

だから、エミはⅢ突とⅢ号と一緒に街中をくまなく探しているのだが……

 

 

「居ないわね……其れは兎も角、目の前の此れはめっちゃ怪しいわねぇ?って言うか、怪しい以外の何物でもないわ!如何考えたって大洗がやったわよね此れ!!」

 

 

エミの目の前に現れたのは、横断歩道にデカデカと吊るされた『ようこそベルウォール学園御一行様』の横断幕!しかも、可成り凝ったフォントを使っている上にベルウォールの校章やエミの似顔絵まで書かれていると言う手の込みよう。

エミが思わず突っ込んだのも仕方ないだろう……まぁ、みほの考える事を理解出来る人がドレだけ居るのかは分からないから、大概の人は突っ込むしか無いのだと思うが。

 

だが、此れで怯むエミではない。

 

 

「あっけにとられたアタシ達を撃破する心算だったんだろうけど、そうは行かないわよみほ……歩道橋の階段に向かって攻撃!」

 

 

 

――バガァァァァァァァァン!!

 

 

 

歩道橋の階段に向かって攻撃を指示し、砲手が言われたとおりに攻撃すると、着弾直前に何かが粉々に砕け散って、その砕けた何かの先には大洗のⅢ突が!

そう、Ⅲ突は背景を書き込んだ書割に身を隠して、ベルウォールの部隊が歩道橋を通過しようとしたら其処に不意打ちをかましてやる心算だったのだ――が、其れをやる前にエミに見破られてしまい、逆に先制攻撃を喰らってしまったのだ。

Ⅲ突は低い車高と高い攻撃力を有する突撃砲だが、防御力が特別高い訳では無い……なので、書割と言う遮蔽物があったとしても、ティーガーⅠの長砲身八十八mmを喰らったら一溜りもない。

 

 

 

――キュポン!

 

 

 

『大洗女子学園、Ⅲ号突撃砲行動不能!』

 

「な、何でバレたぜよ!!」

 

「って言うか私等の出番此処で終わりかぁ!?」

 

「納得がいかーん!!」

 

「私達は噛ませ犬じゃないぞ~~~!!!」

 

 

 

こうしてⅢ突は敢え無く白旗判定に……歴女諸君が何か言ってたが、其れに関しては御愁傷様としか言いようがない――君達は犠牲になったのだよ、エミの凄さを伝える為にね。

如何してエミが此のカラクリに気付けたのかと言えば、其れは大学選抜戦の映像を見ていた事も大きいが、エミは書割と実際の歩道橋の階段のホンの僅かなずれを見抜いていたのだ。

其れは本当に僅かなモノであり、普通ならば見逃してしまいそうなものだが、みほの市街地戦のヤバさを映像で見て実感したエミは、警戒感マックスだった事で気付く事が出来たのだ。

だが、此れでファースト撃破はベルウォールが取った――なので流れは少しばかりベルウォールにも向いたか――

 

 

 

『ベルウォール学園、Ⅱ号一号車、二号車、三号車、四号車、行動不能!』

 

 

 

と思った所で、何とベルウォールのⅡ号が立て続けに連続で撃破されたとのアナウンスが!

Ⅲ突を撃破した直後にⅡ号が全滅した事で、此れで残存車輌数は大洗が十、ベルウォールが十一……試合開始時には四輌だった差が一気に一輌差になってしまったのだ。

 

 

「んな、一体何が起きたの?状況説明!」

 

『いや~~、偵察してたら行き成り横からドカーンって……立体駐車場のリフト倉庫の中からブチかまして来たみたいだね。』

 

『行き成り上から信号機が降って来たよ!』

 

『マンホールの上を通ったら地面が突然陥没して撃破判定に!』

 

『ティーガーⅡに狙われちゃいました……怖い、狂犬怖い。』

 

「なんじゃそりゃ……取り敢えず逸見エリカに狙われたのは御愁傷様だったわね。」

 

 

毎度お馴染みなトンでも戦術でⅡ号を撃破したのは流石の大洗だ――Ⅱ号の撃破は、つまりベルウォールの偵察手段を封殺したと言える……偵察が出来なくなると言うのは、市街地戦に於いては可成りの痛手になるのだから。

だから、其れを踏まえればエミからしたら非常に良くない状況なのだが……

 

 

「ふふふ……ははははは……あ~っはっはっはっは!そうよみほ、そう来なくちゃ面白くないわ!

 隻腕の軍神の真骨頂は市街地戦なんだから、アタシ等の偵察部隊を全滅させるくらいは雑作も無いわよね?……最高よ、燃えて来たわ!!」

 

 

この状況もエミの闘争心を燃え上がらせるには充分だった。

数のアドバンテージが無くなった?市街地戦だからアドバンテージは大洗にある?って言うか隻腕の軍神と当たった時点で終わりじゃね?其れ以前にあの軍神マジで勝てる気がしねぇんですけど――其れが如何した?

ベルウォールと大洗に大きな差があるのは間違いない……大洗の部隊は大半が今年から戦車道を始めた初心者だが、みほ達経験者の指導と訓錬があった事で、その腕前は僅か半年で熟練者の其れに匹敵している。

逆にベルウォールは戦車道そのものは存在していたモノの殆ど幽霊状態であったために隊員の練度は極めて低いと言わざるを得ない……それをこの短期間で戦えるレベルにしたエミには脱帽しかないのだが、何れにしても大洗がベルウォールよりも格上なのは確かだろう。

だが、相手が格上だからと言って諦めるエミではないのだ。――いや、エミだからこそ諦めない。

だってエミは幼少期に、みほが格上であるまほに挑んだ姿を見ていたから……あの時のみほは絶対に諦めなかった、其れをエミは知ってるからこそ諦めると言う選択肢はそもそも存在しないのである。

 

 

「フラッグ車であるアイスブルーのパンターを、みほを探すわよ……みほ以外は全部無視する。良いわね?」

 

「エミちゃん……分かった。みほちゃんとの直接対決で決めるんだね?」

 

「それ以外に何があるって言うのよ瞳――其れに、みほだって市街地戦に誘導していてもアタシとの直接対決を望んでいる筈だわ……分かるのよアタシには……アタシもみほも、六年間もこの時を待っていたんだからね。」

 

 

そしてエミが選択したのはみほとの直接対決だ。

フラッグ車同士の一騎打ちならば、数の差なんてマッタク持って関係ない文字通りのデッド・オア・アライブ――その戦いを制した方が勝者となる至極分かり易いバトルだ。

 

 

 

『大洗女子学園、クルセイダー行動不能!』

 

『ベルウォール学園、Ⅲ号二号車行動不能!』

 

『大洗女子学園、ソミュアS35行動不能!』

 

『ベルウォール学園、Ⅲ号四号車行動不能!』

 

『大洗女子学園、ルノーR35行動不能!』

 

『ベルウォール学園、エレファント行動不能!』

 

 

 

そして其処からは一進一退の撃破合戦だ。

大洗が一輌撃破すればベルウォールがお返しとばかりに一輌撃破すると言う『やられたらやり返せ』なガチンコの殴り合いな消耗戦と言っても過言ではない激しい戦車戦だ。

大洗が歩道橋を破壊してその瓦礫でベルウォールの戦車を撃破すれば、ベルウォールも負けずに掟破りの戦車プレスで大洗の戦車を撃破するというカオスな試合展開になっているのだ……カオス・ソルジャーもビックリなカオス具合だ。

だが、だからこそフラッグ車同士の一騎打ちは観客からしたら燃える展開だろう。

 

 

 

「フラッグ車同士の一騎打ちだ?やるじゃねぇかベルウォール!そう来なくちゃ面白くないぜ!!武藤さんもなんか言ってやれ!!」

 

「戦車道はプロレスと同様に最高のエンターテイメントだ……だから、真剣勝負の中にエンターテイメントを忘れちゃダメだぜ。

 だから、フラッグ車同士の一騎打ちに打って出た君は最高のエンターティナーだぜ中須賀エミちゃん!――其れを受けたみほちゃんもだけどな!

 此の試合、まだまだ分からないぜ……Year!!

 みほちゃん、エミちゃん、君達の戦車道Loveを見せてくれ!」

 

 

 

そして、観客席では黒のカリスマと、その盟友である天才が絶好調だった。

因みに作者は、膝の手術が原因で、天才のムーンサルトプレスが二度と見れなくなってしまったのが残念でならない……武藤さん、俺は貴方のムーンサルトを生涯忘れないぜ。

 

失礼、話題が逸れたな。

市街地では各地で激しい戦闘が行われ、大洗もベルウォールも互いに戦力を磨り潰す様な戦いが繰り広げられている――其れだけ実力が拮抗していると言う事なのだろうが……

 

 

 

「みほ……漸く見つけたわ。」

 

「エミちゃん……やっと来てくれたね。」

 

 

 

そんな中で、みほとエミは遂に邂逅した。

互いにその目に宿るのは闘気……眼前の敵を倒せと言う、極めて原始的で攻撃的な純粋な闘気だ――そうなってしまう程にみほとエミの闘気は練り上げられているのだろう。

ともあれ、フラッグ車同士の一騎打ちならばこれ以上分かり易いものは無いだろう――勝った方が勝者になるのだから。

 

 

「全力で行くわみほ……決着を付けましょう!」

 

「望むところだよエミちゃん……此の試合、勝利は譲らない!」

 

「勝利とは譲り受けるモノじゃない……自らの手で捥ぎ取るモノよ!!」

 

「だったら、その勝利は私が捥ぎ取る!!」

 

「ほざけ、簡単には捥ぎ取らせないわよ!!」

 

 

みほもエミも互いに闘気をマックスブレイク状態にして対峙し、そしてその闘気を遠慮なくぶつけ合わせている――其れだけに、此の試合は只では済まないだろう。

隻腕の軍神と、軍神の幼馴染とのガチンコ対決が今まさに幕を上げたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

 


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