ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~   作:吉良/飛鳥

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さぁ、決着と行こうか!Byみほ        グゥゥオォオ……ガァァァByエリカ      取り敢えず落ち着きましょうエリカさんBy小梅


Panzer195『無限軌道杯の決着と、新たな、です』

No Side

 

 

みほ・梓タッグと、理子・ツェスカタッグの、大洗の隊長副隊長コンビと、黒森峰の隊長副隊長コンビが駅前のターミナルでエンカウントした頃、我等が逸見エリカ嬢は……

 

 

「ふぅ……ぐふぅ……がぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「あいーー!!」

 

 

獲物を求めて市街地を彷徨っていた……桂利奈ちゃんは何で暴走エリカの言ってる事が分かるのかとかは、突っ込んではいけないのだろう。考えるんじゃない、感じるんだとかそんな所だろう。

と言うか、今のエリカは可成りヤバい……目の部分は陰になってるのに目は赤く輝いてる上に、口からは煙みたいのが吐かれているのだから。

暴走エリカに理性は無く、あるのは敵とみなした相手を喰い殺す闘争本能だけだ。

 

 

「逸見?」

 

「……?」

 

 

そして、其処に黒森峰の戦車が現れた……現れてしまった。

黒森峰は暴走エリカにとっては倒すべき相手でしかないのだが、その相手が目の前に現れたらどうなる?……答えは多分聞くまでも無いだろう。

 

 

「ミツケタ……」

 

「え?」

 

「クククク……ミツケタワヨ、クロモリミネ……ギョアァァァ……ニシズミリュウーーーーーーーー!!」

 

 

答えは簡単、其れを追いかけまわすに決まってんだろ。

 

 

「逸見が切れてるーーー!?此れヤバくね!?」

 

「ヤバいですね……なので私的には、この場から即逃げたいです。」

 

「OK、逃げよう!あの逸見はマジでヤバい!!」

 

「グゥゥゥオォォォォォォォ……!」

 

 

黒森峰の諸君、その気持ちは良く分かる。と言うか、この状態のエリカと出会ったら大抵の人間は逃げる事を選択する――このエリカと出会っても逃げないのは西住姉妹と小梅、梓位のモノだろう多分。愛里寿?多分大泣きするんじゃないかな。

しかしだ、逃げる逃げないは別として、逃げる事は略不可能だ――何故かって?だって黒森峰の諸君は、エンカウントした際に合わせてしまったのだから。エリカと、目を。

……逃げられる訳ないじゃん?

 

 

「ゲキハゲキハゲキハゲキハゲキハゲキハゲキハゲキハゲキハゲキハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

「いやぁぁ、なんか吠えてるぅぅぅぅ!?」

 

「なんかもう逸見人間辞めてねぇ!?」

 

 

辛うじて人間だとは思う。取り敢えず生物学上は……今は理性が働いてないだけで。

取り敢えずなんだ、暴走エリカにロックオンされてしまった黒森峰の諸君、君達が撃破されてハンバーグの材料にされない事を、心の底から祈っていよう。祈るだけならタダだしな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer195

『無限軌道杯の決着と、新たな、です』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駅前のターミナルでは、今まさにフラッグ車同士の決戦の火蓋が切られようとしていたのだが……

 

 

「……エリカさんが黒森峰の戦車を襲ってるような気がする。」

 

「ウチの連中が逸見に襲われてる気がする。」

 

 

みほも理子も、エリカの暴走を感じ取っていたらしい……因みにエリカが暴れまくってるのは、駅前ターミナルから直線距離で一kmの地点であるのだが、其れだけ離れていても暴走具合が分かるって、暴走エリカハンパねぇだろマジで。

 

 

「みほ、ウチの子達大丈夫かね?」

 

「大丈夫だと思うよ?エリカさんは暴走しても、敵戦車を撃破したらそれ以上の事はしないと思うから。……多分、きっと。」

 

「いや、其処は絶対って言って欲しいんだけど!?」

 

 

暴走エリカは危険である。暴走エリカは危険である。大事な事なので二度言いました。

 

 

「ったく、逸見の暴走はウチの子達に任せるとして……行くわよみほ?」

 

「受けて立つよ理子さん。」

 

 

暴走エリカの黒森峰ハンティングは兎も角として、駅前ターミナルでは、遂にフラッグ車同士の戦車戦が開始!

しかもこれは、フラッグ車同士の一騎打ちではなく、互いに副隊長を従えていると言うのがポイントだろう――一騎打ちならば、目の前の相手にだけ集中すれば良いが、今回は副隊長車の動向にも気を配らなくてはならないのだから。

更に副隊長である梓とツェスカもまた、同世代では特出した力を持っている戦車長なので、本気で一瞬の気の緩みが窮地を招きかねないのだ。

 

 

――ドォォォォォォォォォォン!!

 

 

砲撃音と共に四輌の戦車は駅前のターミナルを所狭しと動き、夫々が相手のフラッグ車を撃破せんと隙を伺いながら、或いは隙を作る為に攻撃を開始する。

大洗の蒼と白の鋼鉄の豹二匹に対し、黒森峰はサンドイエローの鋼鉄の虎二匹……機動力で勝る大洗と、攻撃力で勝る黒森峰と言う図式は、全国大会と同様と言えよう。

 

 

「喰らえ、タクシーバズーカ!」

 

「主砲の爆風でタクシーを飛ばしてくるとは、やってくれるね理子さん……ならお返しだよ、信号機ナパーム!」

 

 

違う所があるとすれば、其れは黒森峰が力押しの真っ向勝負ではなく、裏技と言うべき戦法を使っている事だろう。

砲撃の爆風でタクシーをフッ飛ばして攻撃したり、地面を攻撃して落とし穴を作ったりと、此れまでの黒森峰では考えられない様な戦い方をしているのだ。

大洗に続いて黒森峰までこんな事をやり始めたら、連盟としては新たな頭痛の種でしかないのだが、その戦い方をしているからこそ、黒森峰と言うか、理子はみほと互角に渡り合う事が出来ているのだ。

もしも、黒森峰の伝統を重んじていたら、理子はみほに瞬殺されていただろうから。

 

 

「信号機……しかも歩行者用じゃなくて車用の方かい!ホント容赦ないわね……って言うか、信号機って近くで見るとデカ!普段は高い所にある

 から、こんなにデカいとか思わなかったわ!」

 

「他にも実は大きかったのは、道路の案内板だね。」

 

「行き先が書いてあるアレな。……取り敢えず案内板爆弾。」

 

「ふ、甘いよ!」

 

 

 

――ガイィィィィィン!!

 

 

 

で、戦いは続き、理子は歩道橋に掛けてある道路の案内板をみほの上に落としたのだが、あろう事かみほは落ちて来た案内板を素手で殴り飛ばしてKO!

道路の案内版は薄く見えるが、実は三~四mmほどの厚みのある金属板であり、其れが上から降って来たと言うのは本来ならば可成り恐ろしい事なのだが、身体能力が色々ぶっ飛んでるみほにとっては大した事ではなかった様だ。

右腕一本しかないハンデとか、マッタク問題ではないらしい。……この子本当に一級身体障碍者なん?

 

 

「オイコラ、殴り飛ばすのは兎も角として、私に向かって殴り返すなっての!

 戦車に当たるなら兎も角、私に当たったら大怪我すんじゃんよ!アンタと違って、こっちはチートな肉体もってないんだから其処を考えなさいよ。」

 

「西住流フィジカルトレーニングを熟せる時点で、その身体能力はチートレベルだよ理子さん。」

 

「うっわ~、微妙に否定出来ねぇ其れ!」

 

 

さりとて試合は続く。何方かのフラッグ車が撃破されるまで続く。続くったら続くのだ。

 

 

さて、みほと理子が全力バトルを繰り広げている一方で、梓とツェスカもまた激しい戦車戦を展開していた。

お互いにライバルと認め合ってるだけに、負けたくないと言う意思が働いて、その結果として激しい戦車戦になっているのだが、同時に、『速攻でケリを付けて、隊長のサポートに』と言う思惑もある。

だからこそ、互いに相手の次の一手を予測し、読み合いのような展開になっているのだ。

 

 

「ツェスカ……やっぱり強いね。」

 

「梓もね……ドイツでも、貴女ほどの戦車乗りは滅多に居なかったわよ?」

 

「其れは、何とも光栄な評価だよ……!」

 

 

ティーガーⅠが攻撃すれば、パンターは其れを回避し、パンターが攻撃すれば、ティーガーⅠは『食事の角度』でその攻撃を弾く……互いに決定打に欠ける戦いだと言えるだろう。

虎の牙は豹を捉える事が出来ず、豹の牙では弱点を狙わない限り虎の皮膚は引き裂けない……つまりこのままの状態が続いても、無駄に砲弾を消費するだけだ。

 

ならば如何するか?

 

 

「歩道橋スプラッシュ!」

 

「なんの、電柱ギロチン!!」

 

 

正攻法で決着が付かないのならば、裏技や搦め手を使うしか無かろう。

梓は元より、ツェスカだって理子が隊長になってからは本格的に搦め手や裏技を身に付けているのだ。まぁ、中学時代に明光大付属中との合同合宿をやっていたからこそ、短期間で身に付いたとも言えるのだが。

だが何にしても師が師なら弟子も弟子である……梓とツェスカも裏技を使い始めた事で、その裏技による隊長へのアシストも発生しており、その結果として、駅前のターミナルは元より、其処に停車してあったバスやタクシー、駅ビル、付近のコンビニをはじめとした様々な店舗が略全壊し、完全に廃墟と化していた。果たして修繕にドレだけの費用が掛かるのか分かったモノではない。

化粧品店とかジュエリーショップとか、売り物にならなくなった商品の弁済だけで一体幾らになると言うのか……其れでも、何とかしちゃう戦車道連盟の資金力はマジ凄いとしか言いようがないんですがな。

 

だが、何が恐ろしいって、駅前を略廃墟にしておきながら、まだ決着が付かないと言う事だろう……みほ・梓タッグと、理子・ツェスカタッグが如何にレベルが拮抗しているかの証と言えよう。

 

 

「理子さん。」

 

「何よみほ?」

 

「場所替えましょう。裏技に使えそうな物なくなっちゃいました。」

 

「いやぁ、確かに其の通りなのかも知れないけどさ、さっすがに此れ以上ぶっ壊すのは不味くない?ナンボ連盟が保証してくれるつっても、意図的に街を壊すってのは、人として如何かと思うわけよ?」

 

「……今更じゃない?」

 

「其れ、やり過ぎて完全に感覚がマヒしてる奴の反応じゃね?ヤバくない色々と?」

 

「大丈夫だよ理子さん、アドレナリンが通常の二十倍くらい出て、パンツァーハイを起こしてるだけだから♪戦車乗りなら、此れ位普通だよね♪」

 

「明らかに過剰分泌でしょ其れ!!」

 

 

――ドガァァァァン!!

 

 

保々略更地になってしまったので、みほは場所の変更を提案するが、理子は其れを拒否し、其のまま駅前ターミナルでの戦闘を再開――まぁ、みほはあぁ言ったモノの、裏技や搦め手はフィールドにある物を利用するだけではないのだから、移動しようとしまいと、実はあんまり関係なかったりするのだけれど。

とは言え、完全に拮抗している此の状況を打開するには、互いに完全に相手の意表を突く一手が必要だと、そう考えているのは確実だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

「マスターアーム、オン!ファイア!」

 

 

――バガァァァン!!

 

――キュポン!

 

 

『黒森峰、ヤークトパンター、行動不能。』

 

 

駅前ターミナルで激戦が行われている頃、カバチームのⅢ突は、マカロニ作戦ツヴァイを使い、又しても黒森峰の戦車を撃破していた。此れで黒森峰の残存車輌は七となり、大洗の残存車輌数と同じとなった。

 

 

「マカロニ作戦ツヴァイ、大学選抜戦では書き割りを置き間違えて見破られてしまったが、間違えさえしなければ此処までガッチリハマるとはな。」

 

「此れも、全てはまるで本物の様に描き込まれたこの書き割りがあってこそ。美術部の皆には感謝ぜよ。」

 

 

こうも見事に作戦がハマったのは、大洗の美術部が総力を挙げて完成させた書き割りがあったからに他ならない……職人芸としか思えない綿密さで描き込まれた書き割りの風景は、3Dポリゴンモデルもビックリのリアルさがあり、完全に背景に同化する事が可能になっているのだから。

如何やら大洗は、戦車道に限らず、一芸に秀でた者達が集う場所であるようだ。

 

 

「よし、此のまま次の場所に……って、ちょっと待てあれは何だ?」

 

「アレって?……黒森峰の戦車……を、エリカが追ってるんじゃないか!?」

 

 

その作戦を使って、新たな場所で所謂『待ち』を行おうとしていたカバチームに突如飛び込んで来たのは、猛スピードで此方に向かって来る黒森峰の戦車……を追いかけてるエリカのティーガーⅡ。

余りにも予想外の事に、目が点になってしまったのは致し方ないだろう。

 

 

「グゥゥゥゥオォォォォォォォォォォォォォ……ゲキハァァァァァァァァァァァァァ!」

 

「ひぎゃぁぁあ!?めっちゃこえぇぇ!!!」

 

「止まるな!止まったらやられるぞ!!」

 

 

だが、追われている黒森峰の生徒は完全に恐慌状態だ。

『反撃すりゃいいだろ?』とも思うだろうが、今のエリカは完全なる野獣故に、一撃で撃破出来れば良いが、撃破出来なかった場合は手負いになった事で更に凶暴さが増す可能性があるから下手に攻撃出来ないのである。

だって、今のエリカが更に狂暴になったら怖い所の騒ぎじゃないからね。

 

 

「……通り過ぎちゃったけど、如何するアレ?」

 

「追うか。なんか面白そうだし……行くぞおりょう!」

 

「了解ぜよ!」

 

 

暴走エリカに追われる黒森峰の戦車を見たカバチームは、その追いかけっこに参加する事を決め、エリカたちの後を追い始める。

普通に考えれば、マカロニ作戦ツヴァイを使った手堅い待ちを行った方が黒森峰の戦車を確実に撃破出来るのだろうが、堅実さよりも面白そうな事があれば、其方に興味をそそられてしまうのが大洗なのだ。

其れは、本来なら悪手とも言えるのだが、大洗に限っては自分の興味を優先した方が巧く行くと言うのだから不思議なモノだ……此れもまた、戦車道に於ける変な癖が付いていなかったからかも知れない。

 

何れにしても、残存車輌は同数となったが、夫々の戦いが白熱している上に、カバチームがエリカに付いた事で、此れ以上の撃破が出るか如何かは全く分からなくなった。

矢張り、決着はみほと理子が付けるしかなさそうである。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

そのみほと理子も、梓とツェスカもそろそろ限界が近付いて来ていた……まぁ、互いに死力を尽くした全力バトルを展開していたら限界も来ると言うモノだ。と言うか、並の戦車乗りだったらとっくに限界を迎えてぶっ倒れていただろう。

にも拘らず健在なのは、精神が肉体を凌駕しているからだろうか?

 

 

「理子さん、次で決着を付けようか?」

 

「だな、そうしようかみほ。」

 

 

だが限界であると言う事は自分自身が分かっているのだろう……だからこそ、次での決着を宣言する。

 

 

「梓ちゃん、余計な事はしないでね?」

 

「……了解しました、西住隊長。」

 

「ツェスカ、手出しは無用よ。」

 

「了解……」

 

 

互いに副隊長に命令を下し、最後の攻防となるタンクジョストに備える。

真正面からぶつかればティーガーⅠが圧倒的に有利だが、みほには此処一番でのタンクドリフトがあるので油断が出来ない――大学選抜戦でもタンクドリフトからの一撃が決定打になったのだから。

 

 

「麻子さん。」

 

「おうよ。」

 

 

みほの合図とともに麻子はパンターのエンジンを全開にしてティーガーⅠに猛突進!

だが、此れが囮である事は理子とて分かっている……本命は此処からの戦車ドリフトであると。だからこそ、理子はギリギリまで迎撃行動は取らずにパンターが何方に動くのかを見極めようとする。

 

 

――クン……

 

 

「向かって右……右旋回!!」

 

 

そして、パンターが僅かに右にずれたその瞬間に砲塔を右に向けて回転開始!

タンクドリフトはフェイントを入れる事が出来ない為、移動を始めたら間違いなくその方向に動くから、初動を見落とさなければ先読みを出来ない事は無いのだ。

そして、先読みをすれば先に動く事が出来る――みほが後方を攻撃する前に、ティーガーⅠの主砲はパンターを撃ち抜く。

きっと誰もがそう思っただろうが……

 

 

――ズガァァァァァァァン!!

 

――キュポン!

 

 

『黒森峰、フラッグ車行動不能!大洗女子学園の、勝利です!』

 

 

突如響いた砲撃音と同時に理子のティーガーⅠは白旗判定となりゲームセット。

だが、みほのパンターは攻撃をしていない……ならば一体誰が理子のティーガーⅠを攻撃したのか?

 

 

「余計な事はしないで、必要な事をやってみました。」

 

 

其れは梓のパンターだ。

梓は理子のティーガーⅠがみほのパンターを狙って砲塔を回転させ完全に後方を向いたその瞬間に、無防備な砲塔の後面に一発ブチかましたのである。

そして、此れはみほと理子が副隊長に出した命令の差でもあった。

みほは『余計な事はするな』と言ったのに対し、理子は『手出し無用』言った……此れは似ている様で、実は全く異なる。

理子の『手出し無用』は、文字通り一切の手出しをするなと言う事になるのだが、みほの『余計な事をするな』と言うのは、逆を言うのならば『必要な事ならやってよし』と言う事でもあるのだ。

だから、梓は其れに倣って、『必要な事』をやったに過ぎないのである。

 

 

「最後の最後でかよ……ったく、詰めが甘かったね私も。もっと言葉を選ばないとだったわ。」

 

「そうだね。だけど、理子さんがツェスカちゃんに私と同じ指示を出してたら、勝負は分からなかったかも知れないよ?……今回は、ホンの少しだけ私に運が味方した、きっとそう言う事なんだよきっと。」

 

「随分と分厚い、ホンの少しだわ。……だけど、来年の全国大会では負けないわよみほ?この雪辱は千倍にして返してやるんだから。」

 

「ふふ、楽しみにしてるよ理子さん。」

 

 

本当に、本当に僅かの差で大洗が勝利し、夏冬の連覇を達成したのだが、みほをギリギリまで苦戦させた理子の評価もまた上がったのは間違い無いだろう。

 

 

「おい、逸見、試合終わったから!!」

 

「ギョ?……そう、終わったのね。」

 

「戻るのはっや!!」

 

 

因みに、暴走エリカは試合が終わった途端に元に戻ったらしかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:エミ

 

 

無限軌道杯を制したのは、みほ率いる大洗だったけど、直下とか言うのが新たに隊長になった黒森峰も可成り強かった……其れこそ、切っ掛け一つで結果は変わってたかもだわ。

まぁ、今回は勝利の女神は大洗に微笑んだ訳だけど。

其れは其れとして、アタシは此れから如何しようかしら?

留学期間は一年だから、三学期が終わればアタシはドイツに帰る事になるけど、ベルウォールの戦車隊はもう充分に成長したから、此れ以上アタシが教えてやる事は無いのよね。

 

だからベルウォールから離れる事に対しての不安はないけど、だけどこのままドイツに帰ったら、アタシはきっと後悔する気がするわ。

だって、みほとは全力で戦ったけど、みほと同じチームでは戦ってないのだからね……小学校の時のアレは別としてね――そうよ、アタシはみほと一緒のチームで戦いたい。

 

だったらやる事は一つだわ。

スマホで実家にに連絡……あ、ママ?うん、無限軌道杯は終わった……優勝は大洗女子学園、みほが居る学校だよ。

うん、うん……それでさ、少しお願いがあるんだけど聞いてくれるかな?……アタシは三月いっぱいでベルウォールを去るんだけど、其のままドイツに戻る気もしないんだ……うん、みほが居るから。

だからもう一年留学しても良いかな?――今度は、大洗女子学園にね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued… 

 

 

 

 

 

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